[198]罠 - 投稿者:流石麗雅
大好きなあの子が怪我したらしい それを聞いたのは真夜中 二時頃 電話越し 悪友の軽い口調で深刻な事言われた 「知らないの?」 「知ってりゃ此処にはいない」 とっとと話切り上げ 冷ややかな夜闇を駈ける翔る 何が出来るか? 知るもんか 真夜中二時だ? くだらない 今は愛しいあの子の所へ走るはしる
ふと
あの子がそこにいた 大きな犬連れて 優雅に夜の散歩とお見受けしました 思わず言葉が飛び出した
「なに、してんの?」 「そっちこそ」
畜生 罠かと思った時にゃ遅いおそい なんとなく頭掻いて笑って笑われて 悪友の名を二人して呟いたりして又笑ったりして とりあえず何となく握手して、手を振って、あの子を送って、おやすみ言った
家に着いたら心が今更疼いた だから顔洗って、息ついて、冷蔵庫の水飲んで、息ついて、無意味に扇風機に向かって「あ゛ー」なんてやっちゃったりして それから冷たくなった布団に入った ごろりと窓の方に寝返りして 猫の爪になってる月見て笑う 今日は善い日になりそうだ
辛くても辛くても明日はやってくる こんな善い日は珍しいけど それだけど 明日も生きてみたい だって一日悪い事だらけなんて無いし だったら 明日もいいことあるっしょ あーした天気になぁれ
月におやすみ言って目を閉じた
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2005年11月11日 (金) 18時00分 )
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