[115]とある人物の日記〜承〜 - 投稿者:流石 麗雅
一人の老人が引き返していた 「終わりに何もなくて悔しい だから又始めから」 そう言って ただ笑った なんだか悔しい程に とても綺麗な笑顔で笑った 私には 何故 なぜ 再び苦しい思いをする旅を 繰り返したいか 分からずに ただその時は 彼を嘲笑っていた 振り向くと 老人は青年になっていて ますます軽い足取りで 時折すれ違う人に声援を送りながら 引き返していた 私達は彼の後ろ姿を長い間 それこそ 彼が見えなくなるまで 体を捻って見ていた これこそ見惚れるという事なのだろう 皆は ハーメルンの笛吹きでも通ったかのように 彼に付いて行きそうだった
自由って良いなあ 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 シリーズ物第二段。
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2004年03月21日 (日) 23時10分 )
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