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[21] 病腎移植につての反対論つぶし
From:室長

最初に言いたいのは、調査委員会の人選です。どのような方が調査委員会のメンバーか知りませんが、まず、大事なことは、真の臨床家なのかどうかです。直接患者を見たことがない、手術をやったことがない医者が何を言っても、著度ペーパードライバーがF1レーサーに文句を行っているようなもので、てんでお話しになりません。これまでの、調査委員会の報告を見ていると、皆さん臨床を全く知らないのではないかと感じています。例えば、腎臓癌の症例で、腎臓摘出は必要無かった、部分切除か、腫瘍部分を切除後自家移植すべきであったと述べておられるようですが、委員の方の何人の方が、自家移植をされたことがあるのか、まず、尋ねるべきです。万波先生は尿路狭窄の症例だけでも数十例の自家腎臓移植の経験があるとおっしゃっていましたので、おそらく、日本で、最も自家腎移植の経験の持ち主の一人でしょう。その先生に対して、おそらく、全くか、ほとんどやったことの無い人が注文をつけているとしたら、笑止なことです。まず、すべての調査委員会の人たちに、自分自身で行った、腎臓移植症例数、自家腎臓移植症例数、腎臓癌に対する、部分切除症例数、腎臓摘出症例数を明らかにしていただきたい。その上で、ある程度の症例数のある委員の先生がおられたら、お話を受けたまってもいいと思います。アメリカで、最も屈辱的な呼び方は Talking Surgeon といい、しゃべってばかりで手術の出来ない外科医のことです。

内科の先生方にも、疑問があります。ネフローゼの治療は内科的治療であり、腎臓摘出などあり得ないと言われていますが、高度のネフローゼのため、肺水腫から、心停止を起こした症例などもったことのない、とても優れた医者か、そんな症例にあたったことのない、幸運な医者だったとしたか思えません。万波氏は現在勧められている、すべての内科的治療(免疫抑制剤を含む)を行っても、症状の改善しなかった症例で、腎臓摘出術を行っています。そんな訳で、前述の「ネフローゼの治療は内科的治療であり、腎臓摘出などあり得ない」というお言葉は、これまた、現実をご存じない先生の戯言としか思えません。

2007年02月21日 (水) 23時09分


[20] アメリカの腎移植の状況
From:室長

アメリカのおける移植の現状ですが、腎臓に限って言えば、慢性透析患者は100万人を超えており、7万人あまりの人が、移植を望んで登録しています。年間の移植数は2005年時で17000人前後です。単純計算でも、3-4年の待ち時間であり、血液型によっては、5-6年待ちです(例えばB型の場合)。

透析を続けるのと、移植をするのでは、母集団をそろえた検討でも、移植を受けた方が、生存率が高いことが証明されており、以前は腎臓移植はただ単にQuality of Life を高めるだけのものと言われいたのが、今では、Life Saving Operation と認識されています。そのため、移植数を増やすのが緊急の課題とされ、アメリカにおいても、様々な試みが最近行われています。

例えば、これまでは、ドナーとして考えていなかったドナーを使う試みが行われています。

ECD (Extended Criteria Donor )というカテゴリーが導入され、60歳以上のドナー や、50-59歳で、以下のうち2つをもつもの(死亡原因が脳血管障害、クレアチニンが1.5以上、高血圧の既往歴がある)を積極的に使おうとしています。これで約20%ドナーが増加する期待されています。(これは端的に言えば、いわゆる病気腎臓です)

その他、高齢者や小さな子供の腎臓を2つ一緒に一人のレシピエントに植えることも行われています。背景は高齢者の腎臓や子供の腎臓は一つでは、通常の成人にはその、身体的要求を満たすだけの大きさ(腎臓のマス)がないと考えられていたため、これまでは、使われずにいたからです。

さらに、以前では病気を伝播させる可能性があるので、やられていなかった、感染症にかかった腎臓も今では、普通に用いられています。もちろん、治療法の確立していないエイズやウエストナイルウイルス、狂犬病などはだめですが、効果がある治療法があると考えられている一般のバクテリア感染症(日本では、法定伝染病に含まれている髄膜炎菌すら含んでいます)はもちろんのこと、B型肝炎、 C型肝炎なども、レシピエント側の抗体の有無に寄りますが、普通に移植されています。(これも、いわゆる病気腎臓ですよね)

これまで、アメリカではあまり行われてこなかった心臓停止後のドナーも最近増えてきています。これに関しては、はるかに日本の方が進んでいましたが、日本移植ネットワークが介在するようになり、むしろ、その数が日本では減少しています。

さらに、最近のトピックは、もっと生体ドナーを増やすために、ドナーさんの評価に関わる費用の一部(旅費や滞在費)を援助しようという試みが始まっています。

そして、さらに進んで、丁度フィリピンで先日報道されましたように、ドナーとなった人に、金銭的な報酬を出そうかと言うことまで、アメリカで議論されだしました。 (AP Monaco, Kidney International 69:955-957, 2006)

その他の試みとしては、血液型不適合やクロスマッチ陽性のため、移植が難しいカップル同士でドナーをチェンジして移植を行う試みもされています。既に、韓国やオランダではもう行われています、この点でも日本は韓国にすら、数段遅れている状況です。( JAMA 293: 1716, 2005, Transplant Proc 36: 2949-2951, 2004)


さらに、おそらくこれは、アメリカならではの状況かも知れませんが、全く自発的に、一つ腎臓を提供したいという申し入れからの、移植さえ行われています。

このように、腎臓移植の数が年間17000件をこえるアメリカでさえ、このような努力がされている状況で、それを端的に表しているのが、今年1月にフロリダで行われた、アメリカ移植外科学会のシングルトピックカンファレンスで ドナーをいかに増やすかということが議題となりました。

まとめて言えば、はるかに移植数の多いアメリカにおいても、臓器不足は深刻であり、そのため、様々な努力がされているということです。また、その中には、いわゆる病的腎臓が含まれています(ECDや感染症のドナーなど)
癌を持ったドナーや腎臓を移植する試みは公式にはされていませんが、ご存知のように、丁度万波先生が行ったように、癌を伴った腎臓を摘出して、バックテーブルで腫瘍を切除し、他のレシピエントに移植した14例の症例報告がCinncinatti 大学から出されています (Transplantation Proceedings, 37: 581-582, 2005)。再発はなく、すばらしい生存率を報告しています。また、最近のイタリアからの報告(Transplantation 83:13-16, 2007)を見ても、癌がレシピエントに移る確率はかなり低い(0.02-0.2%以下)と考えられるため、万波先生の報告も含めて、これが、アメリカの移植外科学会で公表されれば、新たなドナーのソースとして、認められるかもしれません。

2007年02月21日 (水) 23時02分


[16] 病腎移植の米国での取り扱いについて
From:移植への理解を求める会

フロリダの藤田先生から御連絡いただきました。
瀬戸内グループの一員、光畑先生からの情報では、
光畑先生が投稿されていた論文がTransplantationという学術誌に掲載されることになったとのことです。
病気腎臓移植の症例の一部の結果を述べたものです。

また、アメリカ移植外科学会の幹部を含めて、
病気腎臓移植に関する討論会を2月下旬に行わ
れる日本臨床腎臓移植学会において提案したところ、
会長さんは快く引き受けていただいたようなのですが、
半日もたたないうちに、お断りの連絡があったそうです。
これは、おそらく、移植外科学会内部の病腎移植に関する、反対勢力の圧力があったものと思われます。
また、学会の閉鎖性を如術に示した出来事だと考えます。

万波先生らの36例の病気腎臓移植の症例をまとめて、
5月に開かれるアメリカ移植外科学会に応募しました。
採否の結果は3月下旬にわかると思いますが、
採用されれば、日本よりもアメリカで万波先生らの
業績が評価されることになると期待しています。

ご参考までに。

2007年02月09日 (金) 11時38分


[15] 「瀬戸内グループ」はなぜ成功したか
From:移植への理解を求める会

「瀬戸内グループ」はなぜ成功したか
              広島大学名誉教授 難波 紘二
 ご紹介いただきました難波でございます。私は10年ちょっと前に、東広島市福富町の山の中に広島市内から転居しまして、2年前に大学の定年を迎えたので、それを機に自宅の裏庭に病理研究所を設立いたしました。山の中ですから裏庭といっても広く、母屋から30メートルくらい離れたところに、建坪13坪で内部にはロフトもある、山小屋風の私の研究所があるわけです。
 ここを城として、約3万5千冊の蔵書と、これまでの病理医生活で蓄積した膨大な病理標本、付属資料、各種顕微鏡3台、それにLANでつないだパソコン3台と周辺機器を上手く使いながら、「読書・思索・執筆」ざんまいの余生を送るのが私の夢だったわけです。いわば、「遁世の生活」を送り、世の中との煩わしい接触は避けて、たまに著書や講演で接触する、というのが基本方針だったわけです。
 私が興味をもっているのは、医学の「病理学」に限定されない、世の中のありとあらゆる「病的現象」つまり異常な現象です。宗教・歴史・政治・経済・教育の分野についても病理現象が生じてくる原因を解明したい。そこで狭い意味の「病理学」と混同されないように、「病理研究所」と命名したわけです。
 それで定年後は毎日穏やかな「趣味の研究」を続け、「言語の起源と意識の発生」、「二つの大森貝塚」という論文を二本発表し、900枚の書き下ろし歴史ノンフィクション・ミステリー「誰がアレキサンドロスを殺したのか?」も完成し、来年3月に刊行という予定で、最後の仕上げに入っていたわけです。
T. 私はなぜ発言したのか
 ところが、昨06年10月2日の各紙で、日本初の臓器売買事件が宇和島市で摘発されたことが報道されました。国内での臓器売買は、「絶対ある」と前から思っていましたので、別に驚かなかったのですが、問題はそれ以後のメディアの報道論調です。全紙、全テレビ局が同じ論調で、「瀬戸内グループ」あるいは万波バッシングに走った。「悪魔の医師」「両刃のメス」「密室での医療」というような一方的に決めつけた見出しの連続です。
 「盗人にも三分の理あり」ということわざがありますが、仮にこのグループが間違った医療をしていたとしても、それにはそれなりの理由があるはずです。まして、万波、光畑、西という医師たちは、医療過誤訴訟を一度も起こされていない。治療してもらった患者はみんな「現代の赤ひげ」だと言っている。仮に移植学会幹部が真っ向から批判していたとしても、どうして一方の非難だけを受け入れて、レミングが集団で断崖へ向けて走るように、日本のメディアが全部同じ論調の報道をして、恥ずかしいと思わないのか? これは一種の「いじめ」じゃないか。
 そうすぐ思いましたが、いつまで経ってもそういう少数意見が、メディアに出てこない。自由で民主的な社会というのは、違ったものの見方をする人に意見を発表してもらって、いろいろな考え方を比較して、市民が自分の意見を決めるという原理で動いていくものなのです。私は新聞を丁寧に読んで、「ああ、彼らの発想は廃物利用=リサイクルの思想だ」と思いました。本人には不要な臓器でも、他人には役に立つ、そういう臓器を移植したんだ。
 それで愛読している毎日新聞東京本社文化部の知人にメールを送って、「万波医師は、今は悪魔呼ばわりされているけど、この人のやったことは、今にブルーレイ・レーザーを発明した同じ四国の中村修二みたいに、世界中から評価されるようになるよ。そろそろお宅の論調を変えた方がよいのでは…」と指摘しました。ついで、1200字くらいの「病腎移植はまったく新しい発想の移植医療であり、生命倫理的にも医学的にも許される。必要なのは、データの公表とその医学的評価だ」という論旨の論評原稿を送りました。
毎日では、医療問題は「科学環境部」が担当していることをその時初めて知りました。が、この原稿は不採用になりました。その理由は、「難波先生の論理構成は、万波医師のそれと基本的に同じであり、だから採用できない」というのです。
 頭にきましたね。私は病理医であり、いわば臨床医の弁護士であり裁判官でもあるのです。口下手な万波医師の主張を、病理学的に組み直し、きちんと理論構成したのですから、それが万波医師の論理構成と基本的に同じになるのは当たり前です。いわば、毎日の科学環境部は、「万波医師は悪人だから、その弁護人の言い分は載せられない」という意味のことを平気で言ってのけたわけです。これは明らかに言論統制です。
 医療問題報道を一番得意としている毎日がこれだから、東京に本社がある大メディアは全部ダメだろうと思いました。しかし、少数意見かもしれないが、強力な支持する意見もあることを、何とか世の中に知ってもらわなくてはなりません。そこで、地元の中国新聞にお願いして、11月14日付の文化欄に、毎日がボツにした原稿を掲載してもらいました。
 するとすぐに30件くらい、手紙やFAXやメールが来ました。半数は医師からでしたが、「よく言ってくれた」「病腎移植に大賛成」というものばかりで、反対論や嫌がらせのものは一件もなかったのです。
 世の中は、誰かが「王様は裸だ」と声を上げると、状況が変わってくることもあるのですね。それ以後、11月の下旬から12月にかけて、同じように「病腎移植を原則容認する」という意見が、岡山大学の粟屋剛教授(生命倫理学:11/24日朝日新聞)、東邦大医学部の相川厚教授(泌尿器科:11/30日東京新聞)、東京女子医大名誉教授太田和夫(日本移植学会前理事長:12/3日中国新聞)、東京大学医科学研究所の中村祐輔教授(ヒトゲノム解析センター長:インターネット上)、脳死臓器移植に詳しい作家の中島みち氏などから表明されるようになり、状況はかなり変化してきたと思います。
U. 「病腎移植」の全貌を解明・解析する
 ところで、「病腎移植を支持する」という意見が出やすくなったところで、本来の私の役割は終わったと思っていたのですが、肝腎の当事者のお医者さんたちは、毎日の診療が忙しくて、なかなかそのデータが公表できない。特に、5年以上経過したのでカルテを破棄したという病院もあり、どうにもならない。
 で、お人好しの私が、それらのデータの集計と解析を引き受ける羽目になってしまいました。というのも、私は病理医ですから、「たとえカルテが破棄されても、病理記録は永久保存されている」ということをよく知っています。これさえあれば、カルテの再現と患者の予後追跡が可能になるのです。だから「やれる」と思ったわけです。
 「患者から離れた、細胞・組織・臓器はすべて病理検査して、病理診断を受ける」というのが、現代医療の原則で、よい病院には必ず専任の病院病理医がいて、その仕事をやっています。全国で1500人くらい、広島県の場合20人くらいの医師がそういう病理医として働いていますが、診療の裏方の仕事なので、社会的認知度は低いですね。
 幸い関係した医師や病院の協力があり、病理診断書のコピーを入手して、世の中は「御用納め」となった12月28日から、「病腎移植一覧表」の作成を始めました。最終的に調査対象となった項目は、12項目にわたりました。これを3週間以内に完全に調べ上げようと言うのですから、私もきつかったが、私に要求された項目を調査する方も、涙がでるほどつらかっただろうと思います。でも何とか1月20日の公開講演に間に合わすことができました。まだ5%くらい不備な点があるのですがね。
 病理診断書の側(これはドナーの病変についてのものです)から調べ上げた結果、判明した限りでの「病腎移植」は36件あり、うち2件は同じ人に2回実施されているので、患者実数としては24人であることがわかりました。これは市立宇和島病院の発表数より5件多いのですが、あちらは残ったカルテから調べているので、数が食い違うのは調査方法が違うためです。関係した医師の証言によれば、91年の呉共済での移植以前に、市立宇和島で万波医師が行った手術があるということですが、これについては患者名とか手術年月日について、記憶も記録もないので、病理記録の探しようがないのです。
 さて、この移植に使われた腎臓ですが、「良性疾患」の場合は、手術で摘出する医学的適応性があれば、移植に使っても問題はありません。現に、移植学会の幹部も、他の大学病院などで腎動脈流や尿管狭窄の腎臓が移植に使用されていることが明らかになってからは、意見を修正し「病腎移植のすべてが悪いのではなく、がんの症例を使うのが悪い」と言っています。
 そこでまず14件ある腎臓癌と尿管癌について見ることにしましょう。いずれも病理診断が行われています。
 1)がんを移植された症例はどうなったのか?
 腎臓癌については、全例直径が4cm以下であり、病理診断でも悪性度中等度(G2)以下のものと確定しています。この8例については、1例で急性拒絶反応が生じ再透析に移行、1例は3ヶ月目に、1例は3年目に他病死しています。2例は移植後1年以内の症例、残り3例は5年以上の追跡がなされていますが、いずれも腎癌の再発は認められていません。
 次に、尿管癌の6例ですが、このうち5例は3年10ヶ月から10年4ヶ月追跡されていますが、いずれも癌の再発がなく生存中です。興味深いのはこのうち1例は手術時にドナーの肺に小さな転移巣がありましたので、レシピエントに再発・転移が起こっても不思議でないケースですが、ドナーの方はその後肺転移が広がって1年以内に死亡しているのに、移植された方は、その後3年10ヶ月にわたり再発・転移がなく、元気に暮らしていることです。最後の1例では、移植後2年目に尿管に再発が起こり、本人が透析に戻ることを拒否したため、癌部分だけの切除が行われています。ドナーの方は、摘出術から2年以内に死亡していますが、がんの肺転移のためだったかどうかは、不明です。またレシピエントの方には、内科的にはその後「肺癌」が発生し、移植から4年1ヶ月後に死亡していますが、病理解剖が行われておらず、死亡診断書も見つかっていないので、果たして転移だったかどうかは、結論を出せません。この症例は、1回目は母親の腎臓をもらい、2回目の移植として尿管癌の症例が用いられたのですが、病理学的には悪性度の高い(G3部分が多くかつ扁平上皮化生が一部にある)もので、こういう高度悪性のものは移植に使用しない方がよい、という教訓となる症例だと思います。
 まとめますと、癌の臓器が使用されたのは14例ですが、再発が生じたのは1例だけということになります。逆に言うと、「病理学的悪性度」が低いものは、腎癌でも尿管癌でも、移植しても再発は起こらない、ということです。
 2) ネフローゼ腎を移植された症例はどうなったのか?
 次に問題とされたのは「ネフローゼ症候群」の腎臓を摘出したこと、それを移植に用いたことです。これは尿中に大量のタンパクが出て、そのために血液の浸透圧が低調となり、体内に水分が異常に溜まる(浮腫)症状を来す病気をひとくくりにして、そう呼んでいるので、原因が血液の側にあるものと、腎臓の側にあるものとに分かれます。
 高度のネフローゼの場合は、肺に水が溜まって死んでしまいますから、腎臓を摘出して人工透析に移行するか、あるいは別の腎臓を移植するのが、世界的にも標準的な治療になっています。
 宇和島で行われた腎臓摘出は、原因が患者の血液にあるケースが3例で、6個の腎臓が移植に用いられています。まずドナーの方ですが、1例は兄の腎臓を移植されて、6年4ヶ月今も元気に暮らしています。残りの2例も3年10ヶ月と2年2ヶ月経ちますが、どちらも生存中です。
 次にレシピエントの方ですが、タンパク質がザーザーもれる状態の腎臓を移植されたのですから、それが新しい環境で自然に治癒するまでには何ヶ月もかかります。それを「術後1ヶ月しても尿にタンパクが出ているから、移植すべきでなかった」と言った学者がありますが、「創傷治癒」の病理学をまったく知らない発言だと思います。
 なぜなら、6人のレシピエントは一人を除いて、最長6年4ヶ月、最短で2年2ヶ月社会復帰できて生存中だからです。残りの一人は、6年目にのどに悪性リンパ腫という血液癌の一種を合併してなくなりました。このタイプの癌は、腎臓移植に合併する癌としては、肝癌の次に多い癌で、別にネフローゼ腎を移植したためになったわけではなく、運が悪かったとしか言いようがありません。
 以上の解析結果から、昨年の10月「病気腎移植」の存在が明るみに出たころ、移植学会の幹部たちが盛んに批判した「癌の臓器を移植すると癌が再発・転移する」とか、「ネフローゼ腎を移植しても役に立たない」とかという批判は、まったく当たっていないことが明らかとなりました。
 3)次に検討すべき問題は、「病腎移植」は、健康腎移植、死体腎(献体腎)移植と比較して、どれだけ有効なのかという問題です。実は、これは解析が大変にやっかいなのです。
 病腎移植を受けた患者は、すでに身内からの健康腎移植を何度も受けていて、それがダメになったために最後の手段として病腎を移植した、というケースが圧倒的多数なのです。最初から病腎を移植されたケースは全体の1/4しかありません。中には3回め、4回めに病腎が移植されたケースもあります。
 ご承知のように移植を重ねると、臓器に対する抗体が出来てくるために、拒絶反応が起きやすくなります。だから、これだけレシピエントの移植歴が複雑だと、第一の道である死体腎移植、第二の道である健康腎移植との成績比較が難しくなるのです。
 「腎移植は15年待ち」といわれるように、大部分の人は1回しか移植のチャンスがありません。病腎移植がそれを提供できるなら、間違いなく「第三の道」になる可能性があります。
 そこで数は少ないのですが、初回移植に病腎が用いられた10例についてまず生着率、生存率を見てみることにしました。結果は、生着率については、1年で75%、3年で67%、5年で60%、10年で50%、15年で33%となり、生存率については、1年で100%、3年で86%、5年で67%、10年で50%、15年で33%となります。
 何しろ症例数が少ないので、比較にあまり意味がありませんが、参考までに生着率について移植学会が公表しているデータと比較してみました。病腎移植の件数は36件ですが、そのうち2度病腎移植を受けた患者がいますので、実例数としては34例です。実際はこの人たちはその前に健康腎移植を受けていますから、腎移植によって命が延びた期間はもっと長いのですが、ここでは最後の病腎移植を受け手からの生存率を計算して、他のデータと比較してみました。
 1年生存率は96%で非常に良く、5年生存率も70%で死体腎移植に匹敵する成績となっていますが、10年、15年となると急速に生存率が下がっています。これは移植された患者の平均年齢が49.5歳である、という特殊事情を考慮する必要があります。普通の移植は臓器の生着が起きやすい、もっと若い年齢の患者に行われています。
V. 結論:「病腎移植」は医学的にどう評価されるか?
 以上、私は一人の病理学者として、「瀬戸内グループ」により91年から06年にかけて行われた36件34症例の病腎移植データを、冷静に分析し、その結果を明らかにしてきました。その結果、データから見えてきたことがいくつかあります。
 1)「病腎移植」は偶然に生まれた「大発見」である
 まず第一は、メディア報道ではまるで「瀬戸内グループ」というマフィアのような組織があって、それが秘密裏に病腎移植という許されない医療行為をやっていた、という印象を受けるのですが、実際にはそういう組織は存在しない。
 実際には、91年に良性疾患である腎動脈瘤の腎臓が75歳男性から、透析中で健康腎移植のチャンスがない44歳の男性に対して、呉共済病院で初めて行われ、それがうまく行ったので、それが同級生だったり兄弟だったりして顔見知りの泌尿器科医に伝わり、90年代の半ばから、2回目以後の移植に腎癌や尿管癌が利用されるようになった。これらの経験を通じて、癌の症例を移植しても基本的に問題がないと認識できたので、06年の9月になって初めて、初回移植に癌の腎臓が利用された、ということがわかりました。これは香川労災側がドナーとなり、宇和島徳洲会病院で70歳近い女性に移植されています。
 つまり初回の良性腎移植から、初回に腎癌の症例を移植するに踏み切るまでに15年かかっているわけで、もし移植マニアの「狂った医師集団」がいて、計画的に人体実験をしたのであれば、こんなに年数がかかるはずがありません。だから「瀬戸内グループ」という組織の存在も、一貫した計画性もありません。それはメディアが作り出した虚構です。
 彼らは毎日、目の前で苦しんでいる患者さんを、何とかして助けようという診療のなかで、「よりベターな方法を」と考え抜き、自然発生的に「病気の腎臓を何とか再利用できないか?」というアイデアに到達したのだ、と考えられます。
 残念なのは、診療に忙殺されていて、病腎移植の例についてきちんと記録したり、集計したりすることがぜんぜん出来ていなかったことです。しかし、それについては今回の私の集計とデータ解析により、ほぼ全貌が明らかになったと思います。
 彼らの試行錯誤の診療のなかから、「病腎移植」という新しいアイデアが偶然に生み出されました。これは今まで誰も考えつかなかった新しい発見です。そういう発見をセレンディピティーといいます。
 すでに見てきたように、病腎移植の34例の成績は、健康腎移植には劣りますが、死体腎移植には匹敵しています。
 2)「病腎移植」の普及こそ、臓器移植に対する国民感情を変えるチャンス
 日本では推定で年間1万件の腎摘出が行われています。そのうち2割は、移植に使えるだろうと言われています。もし、この「病腎移植」というアイデアが、日本の腎移植に活かされるようになると、5年間で病腎をあげた人が1万人、もらった人が1万人、合わせて2万人の人が、それについて語るようになります。これが死体腎移植との大きな違いです。死者は語りません。
 死体腎をもらったという話は、今の日本では広言できないでしょう。しかし、病腎なら誰かが死ぬのを前提にした話でもなく、誰か健康な人を傷つけた話でもない。不要なものをもらって、リサイクルした話ですから、あげた患者ももらった人も、堂々とその話を口にできるのです。つまり、歩く広告塔が2万人も出現することになります。そうなったら、貴方の身近にもそういう人がいるようになり、「臓器移植」というものについて実地の体験談を耳にすることができるようになります。
 その時になって、はじめて大部分の人は、これまで反発していた臓器移植というものに対する感情的が変わるのです。死体からの臓器移植を増やすには、まず何よりも国民感情が変わらないとダメなのです。
 「病腎移植」は、この国民感情を変える上でも、大きな効果が予想されます。
 これを「学会への報告がなかった」、「癌が再発・転移する恐れがある」などと難癖をつけて否定しようとするのは、大きな間違いです。そういう移植医は、自分で自分の首を絞めているのに気づいていないのです。
 もし、「病腎移植」の普及以外に、日本における移植用臓器の提供を飛躍的に増加させる妙案があるというのなら、どういう方法があるのか、移植学会は建設的な対案を示すべきでしょう。(終わり)
 (この講演要旨は、徳洲新聞向けに難波先生が自ら書かれたものです。表は紙数の関係で割愛させていただきました。なお、藤田先生の講演要旨は次号でご紹介したいと思います) 
                                   
 カンパのお願い<事務局から> 
 講演会の開催や会報の発送その他で、会の運営費がピンチになっています。会費の納入は1月末現在、850人の入会申込者のうち、約150人です。1家族1人としても入会申込者は650人前後ありますが、大半が賛助会員となっています。
 賛助会員の方には一人でも多く、会員になっていただければと思います。また会員の方には、ご無理を申しますが、一口2、000円でカンパをお願いできれば幸甚です。

2007年02月05日 (月) 09時33分


[14] 愛媛新聞の腎移植報道について
From:移植への理解を求める会

                            2007年2月1日
  愛媛新聞「読者と報道」委員会委員
             様

愛媛新聞の腎移植報道について
(お 願 い)

                      移植への理解を求める会
                        代 表 向田 陽二
                                 
 私たちの会は、今、話題になっている宇和島徳洲会病院の万波誠先生とそのグループの先生方が医療活動を続けられることを願い、昨年11月、患者と地域の人たちで結成した支援組織(850人、本部・松山市、えひめ移植者の会内)です。会では、先生方の支援とともに、献腎が極めて少ない日本の現状にあって、1人でも多くの腎不全患者を救うため先生方が進めてこられた病気腎移植について、医学的な検討とその推進を関係機関に要望しているところです。
 今回の腎移植問題は、臓器売買事件が発端となったこともあって、愛媛新聞をはじめ、マスコミ各社の報道は万波先生に対して批判的で、特に病気腎移植が明るみに出てからは、まるで犯罪者扱いでした。
 しかし、全容が明らかになるにつれ、患者側の思いや意見を取り上げ、万波先生とグループの先生方に対して理解を示す報道も目立ってきました。先生方の医療活動と病気腎移植について批判一辺倒だった報道の論調は、全体として肯定的なものに変わりつつあるように思えます。
 そうしたなかで、愛媛新聞はかたくなに先生方のバッシングを続けているように見えます。しかも、患者会の活動を無視しようという意図的な報道も見られます。私たちには悪意さえ、感じられるほどです。

 前置きが長くなりましたが、愛媛新聞のこうした報道姿勢を批判した二つの文章と、関連資料をお送りしますので、紙面へのご提言をされる場合のご参考にしていただければ、大変ありがたく思います。
 私たちは、愛媛新聞社が、これまでのように中立公正な立場で県民に適正な情報を提供する地方紙として、地域の報道をリードすることを心から願うものです。ご賢察をお願い申し上げます。

2007年02月03日 (土) 18時03分


[13] 腎移植手術の位置づけ
From:室長

腎移植手術社会保障制度上の位置づけについて、

その入院費補助の観点から述べてみます。

腎移植手術を受ける場合、更生医療が利用できます。
更生医療とは、身体障害者手帳を取得した方が、
その施された手術・処置等によって障害を軽減それるものとされた場合に利用できるものです。
腎移植はその医療とされています。

具体的には、更生医療を利用して、
入院時の食事療養費を含めた自己負担の軽減がなされ、
ドナーの医療費までも更生医療の対象になります。
ただし、所得に応じて自己負担が決定されますので、
負担する金額割合は、人によって異なってまいります。
所得がない方は、更生医療の自己負担は0です。

2007年01月25日 (木) 13時00分


[17] 費用負担の解釈
From:おしゃべりワーカー

初めまして。失礼たします。

費用負担につきまして、フォローいたします。
障害者自立支援法の中に、自立支援医療の枠があります。
現法については、お金が無ければタダではありません。
旧法は、応能負担でしたので、お金が無ければ、タダににちかいのですが・・・

現在は、応益負担になり、収入(市町村民税・所得税で金額が決まります。)
細かい規定が有りますが、書くと大変ですので省略します。
現状、生活保護は負担0円
それ以外は、2500円、5000円、10000円、20000円、全額自己負担です。

移植の場合、どんなにお金持ちでも、全額自己負担には該当しない様です。(除外規定がありまして、腎臓疾患が含まれる為、最大2万円です。)

ただし、ご飯代や電気代、差額の部屋代などは、含まれません。純粋な医療費のみになりますので。ご注意ください。(家でも、ご飯や電気を使うから、払わないといけませんので。)

長文にて、失礼いたしました。

2007年02月21日 (水) 14時40分


[12] 腎移植後の障害者年金について、
From:室長

補足です。
年金を受給されている方は、定期的に現況届を
提出しなければなりません。
すなわち、移植後の経過が順調である場合、
現況届を提出した際に、支給が停止されたり、
支給金額が減額されたりします。
現状では、移植後3年程度は、そのまま支給
されているようですが、
現況届を提出する時期や、身体状況によって
多少前後するようです。
一方、障害者年金を受給していない方が移植手術を
行った場合、術後であっても障害年金の申請を
して、保護を受けることが出来ます。
こちらもまた、移植後3年程度年金の支給を受ける
ことができます。
症例によって、多少前後するようです。

2007年01月25日 (木) 12時54分


[18]
From:おしゃべりワーカー

年金の件でフォローいたします。

障害者年金は、いくつもの要件があります。
・現状で基礎年金などもらわれている場合は、請求できません。
・収入もある程度ある場合は、不可になる場合もあります。
・保険料の滞納がある場合、不可になることもあります。

また、病状が固定して一定期間が必要です。これは、改善する可能性などが有るためです。
が、以前より腎臓疾患などで病院に受診等していた場合は、一定期間がクリアしてる事も有りますので年金窓口で相談をしてみてください。

あくまでも、障害の為に制限をうけ、仕事等が出来ずに困っている様な方の援助のための様なものです。もらい得にならない様になっています。

失礼いたしました。

2007年02月21日 (水) 15時00分


[11] re8:透析患者と障害者手帳
From:室長

透析患者は、障害者手帳の給付を受け、社会的保護を受けます。
先の書き込みで、腎移植を受けると、社会的保護が打ち切られるような書き込みを致しましたが、
正確には、免疫抑制剤を内服している間は、
腎臓機能に障害があると考えられことから、
障害者手帳を返却する必要はなく、引き続き、
社会的保護の対象となります。
また、手帳を取得していない方についても、
移植前の所見をもとに、手帳を取得することができるとのことです。

2007年01月25日 (木) 12時48分


[19] 障害者手帳取得について
From:おしゃべりワーカー

障害者手帳取得についてフォローいたします。

腎臓疾患を含め、障害の度合いによって手帳の取得、等級が決まります。
透析をしているので、移植をしたので、何級ではなく、血液数値や、本人の日常・社会生活状況等で等級判断されます。

ですので、血液などの数値が移植前のが無くても、現状の数値で大丈夫です。しかし、所見欄や経過の欄に現状態を記載してもらう必要があります。
本人、状況や各都道府県で等級基準が変わりますので、担当の医師と相談をされた方が良いと思います。

失礼いたしました。

2007年02月21日 (水) 15時15分


[10] 街頭署名活動・ご案内
From:室長

宇和島では、
1/28 同市津島町で開催される、
「しらうお祭」会場にて、署名集めを致します。
移植への理解を求める会のスタッフ、
宇和島徳州会病院有志が中心となり、
移植を受けられた患者さん・家族の参加を頂き、
署名集めを致します。
日時 1/28 10時から3時まで
場所 しらうお祭り会場。
    (旧津島町役場前・岩松川周辺)
よろしく、ご協力お願いいたします。

まつり実行委員会の皆様には、ご迷惑にならないよう、
十分注意して参ります、よろしくお願いいたします。


岡山支部では、もうすでに3万人の署名が集まったそうでございます。
高知でも、会員の皆さんの地道な活動が認められ、
宿毛市役所内部でも有志の方が署名を集めていただいているようです。
地域の医療の問題は、まさに行政と不可分であります。
積極的な活動に敬意を表したいと思います。

愛媛でも、当面(4学会が厚労省へ答申をする2月中旬をめどに)、
5万人を目標としてはどうかという声も上がっております。
どうぞ、ご協力の程お願いいたします。

          移植への理解を求める会
             幹事  武田 元介
 すいやせん、私は愛媛駅伝選手権参加のため、欠席です。

2007年01月25日 (木) 12時41分


[9] ご協力お願い
From:室長

移植への理解を求める会では、
万波先生が医療活動を続けられるよう、
すなわち、
病気で摘出された腎臓が捨てられないで、
一人でも多くの方が、
透析(生活に不自由する)からの社会復帰できるよう、
「病腎移植の道を開くため」の署名活動を致しております。
どうぞ、多数のご協力をお願いいたします。
http://groups.yahoo.co.jp/group/ishokurikai/?yguid=39036164
内の、
http://groups.yahoo.co.jp/group/ishokurikai/files/
にて、署名簿をダウンロードできます。
お願いいたします。

2007年01月25日 (木) 11時58分







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