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自殺者の霊魂について (1281)
日時:2012年09月10日 (月) 12時56分
名前:童子

 高級霊 ヴェッテリニは言う

 『結果から云えば、自殺も「運命」が或る人の前に置いたところの「定め」である。併し彼は四分の一だけの自由意志をもってその運命を拒むことが出来る』

 『自分自身の・・・生命を奪うことには何ら弁解を挟む余地はないのである。自殺せるところの者は全て殺人者と同じく霊界で罰せられるのである。・・・自分の健康に不注意で自分の死期を早めたものさえも自殺者としての罪に入る。肉体は霊魂が地上的使命を果すための機関であるから、その使命を果す間は完全なる状態に保つべきである』




 また高級霊 インペレトルは云う

 『どうして彼が祝福される筈がありましょう。彼は、神が向上と発達との為に、霊魂をその中に入れておいた神殿に褻涜の手を挙げたのです。彼は向上と発達との機会を浪費し、自分で受持っている精霊の住家たる神殿を破壊したのです。彼はまだ彼の霊魂がやってくる筈がないから、何の用意もされていない。孤独な、友達なき、見知らぬ世界に自分の霊魂を遂いやったのです』

 『彼は不敬虔にも許しをうけずに神の玉座を涜したのです。どうして彼が祝福されましょうぞ。彼は死については不敬虔で、不従順で、我儘気侭であり、生については不注意で、懶惰で、利己的でありました。その上突然死ぬと云う事はあとに残る地上の友達に苦痛や悲しみを与えると云う点からも利己的であります』

 『どうして彼の霊魂が平安を得ることが出来ましょう。こうした霊魂は、悔恨の情が起って、それが彼を改心に導くまでは、悲惨な、愚昧な、向上出来ない状態にいて、平安を得ることは出来ないのです』

 『彼は許されずにやって来た他界へ来ても誰も歓迎してくれもしなければ、落付も得られませんした。暗黒が彼をとりまいていました。そして陰暗朦朧たる闇を通して、同種類のみづから破船した人々の霊魂が、平安なき孤独の状態で悄然と蠢動しているのです』

何故私は『人間死んでも死なぬ』を書いたか (1328)
日時:2012年09月11日 (火) 11時42分
名前:童子

 『生長の家』誌 13年5月号 (2月27日 日曜日 本部道場に於ける講話) より



 私は新著『伸びる力』の中で、北海道の夕張の炭鉱や福島県の入山炭鉱に於いて起った色々の奇蹟 ―― 落盤の下敷になっても死ななかった実話や、或は五時間も生埋めになっておったけれども微傷だも負わなかったと云うような実話を沢山挙げたのであります。

 それは非常の際には、日常信心深い人には異常な神護が加わることがると云う実例を挙げる為であります。

 それでは生長の家では、どんな事をしても死なないのかと思う人があるかも知れませんが、必ずしもそうではない。大いに死ぬ人もあるのです。併しながらその死に方が、常に万歳往生である。

 平時に於いてさえ、佛教信者が南無阿弥陀仏を称えて死ぬと同様に、 天皇陛下万歳を三唱しつつ実に楽しく死んだ例もあります。こんなに楽しく歓喜して死ぬことが出来るのは、人間は物質ではなく、生き通しであると云う事を知っておりますから、捨て去るべき肉体に対して霊魂が執着の念を以ってしがみついていないと云う事を顕しているのであります。

 私は『いのち』五月号誌上に『人間斯くの如く死ね』と題して幾多の万歳往生の実例を挙げ、敵弾に中りながら月下に微笑しながら荘厳と平和の裡に息を引取った田坂少佐の最期を叙述しました。

 肉体本来空と悟らずして肉体に執着して霊魂が‘しがみついて’いる時には、‘そのしがみ付く’状態を形に現して、無念の形相凄まじく、手の恰好でも物をグッと掴んでいる恰好になって、恨めしそうに目をむき、歯を喰い縛って、断じてこの肉体を去るものかと云うような恰好をして、それでも到頭死んでしまうのであります。


 ところが『生命の實相』を悟った者は、吾々が死ねば結局地上の任期は終るのであり、また新しい生活が他界で開かれるのだと云う事を知っているから、既に任期を終った地上の生活に執着しない。恰も吾々が官命を帯びてロンドンへ洋行せよと命ぜられたら、ロンドンに洋行すべく、素直に準備を整えて出帆の日には何の執着もなく解纜して行くようなものであります。洋行したからと云って吾々は死んでいるのではないのであります。
               

(つづき) (1366)
日時:2012年09月12日 (水) 11時40分
名前:童子

 人間が■んで焼かれれば、もうその人間は肉眼では見えない。併し見えないからと云って、其の人間がいないと云うのは間違いであります。官命を帯びてロンドンへ往った人の姿は肉眼では視えないから、その人はもう存在しないと考えるのは間違っているように、神の摂理により、霊界へ赴任した人を、ただ視えないと云う理由で、もう存在しないと云うのは間違いであります。

 ベルグソンも云ったように『釘に掛けた洋服は釘が抜ければ視界から其の洋服は消えるが、洋服はなくなったのではない。』それはただ釘が抜けた状態なのであります。

 吾々の肉眼で視えていると称するのは唯それから発する或は反射する波を感じているだけなのであります。その波が尚一層リファインされた、尚一層精妙な波になってくれば、目に見、耳に聴く事の出来ない精妙な波になるのであります。

 吾々の肉体も波動の体でありますが、吾々の波動の体が、次の世界へ行く場合に、こんな重ぼったい肉体と云う着物では活動が不便なので、もっと精妙な霊魂体と云う着物に着替えて出発する、これが霊魂と云うような体 ―― 時としては心霊写真に映るところの霊魂の姿なのであります。

(つづき) (1418)
日時:2012年09月13日 (木) 13時21分
名前:童子

 私は最近『人間死んでも死なぬ』と云う本を上梓したのでありますが、実は人間が『死んでも死なぬ』と云う事実は『生命の實相』の中にも書いてあるのであります。

 併し心霊現象と云うものは実例が沢山上らないと、一人や二人の人間の実例では偶然だとか、夢幻だとか思われ勝ちなので、も少し多く各種の実例を提供したいと思ったのが此の本を上梓した一つの理由であります。

 
 もう一つの理由に、この間こう云うことがありました。それは戦争においでになった或る兵隊さんが○○戦線で戦死なさったのであります。ところが、その兵隊さんは出征に臨んで、自分と約婚(いいなづけ)になっていた純潔な令嬢に対(むか)って「私が若し戦死したら貴女はどうするか」と云ってお尋ねしたのです。すると其の令嬢は何気なく「私も貴方の後を追って死にますわ」と、漠然とした約束のような取り交わしが出来たのであります。

 やがてその兵隊さんの戦死の通知が来たのです。そうすると「誓った約束は守らなければならない」と云うのでその純情なお嬢さんは自殺を図りました。

 新聞などにも戦死者に殉死した軍人の妻の例が出ていることがあります。それは実に純潔な動機で尊いことではありますが、地上に生き存(ながら)えていて、まだまだ国家に尽すべき任務のある婦人が、戦場で戦死した配偶の数だけ、内地で自殺して貰っては、これ又困る問題であります。

 ところが、この純情なお嬢さんは、そのひた向きな純潔な心を以て、「一度約束したら、私はあの人の妻であるから自殺しなければならない、霊界で夫婦になるのが、誓いを果す道である」と、こうお考えになりまして、或る毒薬を嚥んで自殺をお策りになりました。

 間もなく昏睡状態になっているところを、医師の手当で生き返ったのでありますが、彼女は生き返ったけれども、自殺の決心は翻えさない、再び自殺を企てたのであります。それも亦、逸早く見付かってまた生き返ったのであります。

 そして懇々と父なる人に説き諭して貰ったのですが、彼女は自分の行為の方が正しいと信じていて、丁度遺骨が到着して葬式のあるべき日には、今度こそ間違いなく葬式と同時に自殺しようと決心していて、その意は決して翻すことは出来ないと云われたのであります。

 両親を始めとし、親類の人がびっくりして「何とかこれを思い止まらせる方法はないものであろうか」と、私の所へ相談の手紙を航空便でよこされました。

(つづき) (1433)
日時:2012年09月14日 (金) 10時14分
名前:童子

 私がその手紙を見ますと、そのお嬢さんは『生命の實相』を全巻読んで、人間は生き通しであると云う事を知っている。

 そして、『私は「生命の實相」の全十五巻を全部読破した。そうして人間は生き通しであって、肉体は空(むな)しきものであって、結局は滅ぶべきものだと云う事を教えられた。だから、その結局は滅ぶべき肉体を自殺したとて何の罪にもなる筈はない。人間は生き通しであるから、自分は霊界に往って戦死せられた婚約の良人と夫婦になるのが、これが神の道である』と、霊魂不滅の真理を楯として殉死の正しいことを滔々と主張せられます。

 お父さんは『生命の實相』をそんなに詳しく読んでいないので、娘を説破しようと思っても理論に負けてしまって、娘の意を翻へさしむる理論的根拠がないのです。

 『一体どうしたらいいでしょう、どう云う風に説明したらいいでしょう。谷口先生の被仰ることなら信じて従いましょうから、娘の生命を救けると思って娘がこの世に存(ながら)えてくれるような御返事を下さい』と、こう云うように書いてこられたのであります。


 私の記憶の中では『生命の實相』の中にはヴェッテリニの霊界通信を紹介して自殺したところの霊魂はどう云う風な状態になっているかということを確か書いて置いたのであります。

 私はそれを思い出して『生命の實相』の霊界篇をずっとあけてみたのでありますけれども、どうしても見当らないのです。

                 ~ つづく



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