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 新しく生まれるための哲学および心理学  =  『信仰の科学』をテキストとして 〈全編〉 (4232)
日時:2012年12月03日 (月) 09時03分
名前:童子

           ◆新たに生まれる言葉


 新たに生まれる時が来たのである。

 新たに生まれるということは決して此の肉体が生まれ変るということではないのである。大晦日を過ぎて正月元旦の曙を迎えたところが、この肉体は依然として昨日と同じ肉体であり、多少、老廃細胞が排出されて、幾分の新生細胞がそのあとを埋めつつあるだけの事であり、昨日の皮膚の皺も依然としてそのままなである。

 私たちが生まれ変るということは、そんな肉体のことではないのである。自覚の生まれ更ることなのである。



 『ヨハネ伝』第三章に、イエスがユダヤの長老ニコデモに対して〃新生〃の意義を説いているところがある。 曰く ――

 「まことに誠に、汝に告ぐ、人あらたに生まれずば、神の国を見ること能わず」

 するとニコデモが「人はや老いぬれば、争で生まるる事を得んや、再び母の胎に入りて生まるることを得んや」と言う。

 イエス答え給う 「まことに誠に汝に告ぐ、人は水と霊とによりて生まれずば、神の国に入ること能わず。肉により生まるる者は肉なり、霊によりて生まるる者は霊なり。なんぢら新たに生まるべしと、我が汝に言いしを怪むな」

 以上はイエスの言葉そのままの引用であるが、わたしたちは幾度もこの言葉を復唱して、「自分は霊的実在である」という自覚に於て、生まれ更るがよい。



  
            ◆〃洗礼〃と〃禊〃とを通して


 イエスが「人は水と霊とによりて生まれずば神の国に入る能わず」といったのは、イエスがユダヤに生まれた当時は、洗礼を通して潔められ、〃神の子〃として神の戸籍簿に登録されると考えられていたのであって、

 その当時の洗礼の儀式は、司祭が信者になろうとする者を、水のなかに、頭から脚先まで全身を押し沈めて、肉体を完全に没し去り、再び浮び上って来た時には、肉体は既に没して、神にってその人は〃霊的実在〃として新生したと認め〃神の子〃としての資格を与えられて教会の名簿に登録されるというような宗教的儀礼になっていたから、「水と霊とによりて生まれる」といったのである。


 古代日本にもそれに似た〃禊〃の行事があった。

 〃みそぎ〃は水〃注(みずそそ)ぎ〃という意味もあるが、〃身剥ぎ〃であって、肉体を洗い流して肉身を剥ぎ去ること ―― すなわち、この〃禊〃の行事を通して「最早、われ肉体なし、従ってわれは肉体にあらず、〃神の子〃也」の自覚に入ることなのである。

 仏教にも頂(ひたい)に水を潅ぐ〃潅頂(かんちょう)〃の行事がある。

(2) (4233)
日時:2012年12月03日 (月) 09時47分
名前:童子

           ◆最尊最勝最迅速の救いの教え


 仏教に於て、法華経が最尊最勝の経典であると説く人もあるが、ある意味に於ては、その通りである。

 それは、法華経以前の経典に於ては、凡夫は如何に修行をしても、なかなか仏になれないのであって、弥勒菩薩でさえも五十六億七千万年後に成仏して弥勒仏になるという授記〈予告〉を与えられた位である。

 そして今までは女人は罪業ふかくして〃女人成仏〃なりがたしと思われていたのであるが、法華経にはその〃女人成仏〃が説かれている。男女いづれも皆〃仏子〃なのであると説かれているのである。

 その法華経と同じように男女いづれも〃神の子〃だと、生長の家では説かれているのである。その点に於て、法華経も生長の家も、最も迅速に人間を、今ここに於て救済する、最尊最勝の教えであるということができるのである。




            ◆われら今已(すで)に如来なり


 法華経が素晴しいのは、今已に一切衆生が釈迦無尼仏と等しくして異ることなき〃如来〃であると説かれていることである。

 即ち法華経の〃方便品〃に於て釈尊は

 「舎利弗当に知るべし、我本誓願を立てて一切の衆をして、我が如く等しくして異ること無からしめんと欲せり、我が昔願う所の如き、今已に満足せり」 と仰せられているのである。

 「“今已に満足せり”」とあるところに注目しなければならない。これから修行をして幾年か後に〃如来〃となるのではなく、吾々は〃今已に〃如来なのである。




            ◆舎利弗の大歓喜は、今われ等の歓喜と同じ


 弥勒菩薩でさえも、五十六億七千万年後でないと〃如来〃になれないと思っていた舎利弗が、「今已に如来なり」という実相直視の釈尊の説法をきいたときの悦びが、どんなに大なるものであったかというと、法華経の〃譬喩品〃に舎利弗が次の如くいっているので、おそらく想像がつくのである。 ――

 「我昔、仏に従いて、是の如き法を聞き、諸の菩薩の授記作仏〈仏と作(な)るという記(よこく)を授かる事〉を見しかども、而も我らは斯の事に預からず、甚だ自ら如来の無量の知見を失へることを感傷せりき。・・・・而るに今、仏に従いてまつりて、未だ聞かざる所の未曾有の法を聞きて、諸の疑悔を断じ、身意泰然として、快く安穏なることを得たり。今日乃ち知んぬ。真に是れ仏子なり」

                        ~ つづく

(3) (4269)
日時:2012年12月04日 (火) 01時36分
名前:童子

           ◆人間本来〃無罪〃の宣言


 私は、昨年〈※47年〉六月下旬から七月にかけ一ヶ月間ブラジルに滞在して、「今已(すで)に人間は神の子であって、本来〃罪無き者〃である」という生長の家の教えを説いて来たのであったが、


 だいたいブラジルはカトリック教が旺んであって、殆ど国教の如くなっている国であり、今までのカトリック教は、「人間は〃アダムの原罪〃を生まれつき背負っている〃罪の子〃である」と説いて来て、


 幼少時代からその〃罪の子〃の教えの下に、精神的に抑圧せられ、罪悪感で、自分で自分を枉屈しつづけて来ていたのであるのに、突然、生長の家の講話を聞き、人間は〃神の子〃であって、決して〃罪の子〃ではない、神は〃罪人〃も、〃罪〃も、そんなものは決して創造し給わない。神の創造らないところの、〃罪〃も〃罪人〃も存在しないのだという真理を知らされるに至って、


 今まで自分を圧迫しつづけていた罪悪感が消えて、歓喜無限、踊りあがって悦ぶこと、恰も釈尊が「汝らは既に如来なり」と仰せられたとき舎利弗が感激して「未だ聞かざるところの真理を知り、心意泰然(しんにたいねん)として安穏なることを得たり、吾ら真に仏子なり」と讃歎感泣したと同じような喜びの状態で、


 罪悪感が原因となっている病気などは、罪悪感が消えるとともに即座に治ってしまったのであった。

(4) (4270)
日時:2012年12月04日 (火) 02時06分
名前:童子

          ◆神の最高自己実現としての人間


 あなたは神の最高の自己実現である。神は無限のアイディアを自己の内に蔵し給うてそれを、絵描きが絵の形をあらわすかの如くそのアイディアを具体的に表現し給うのである。その表現が天地の万物であるのである。


 それゆえに、天地の万物は、それぞれ内に、ある程度の神の生命と智慧とを内蔵しているのであるが、人間のみは神の全徳を自己の内に宝蔵しているのである。

 その事を旧約聖書には、「神の象(かたち)の如く人をつくり」と表現されているのである。




            ◆神の智慧によって創造せられたる世界の予定調和


 神は万物及び一切の生きとし生けるものを〃唯一の神の生命〃を素材として造られたのである。その素材を如何に配置し排列し構造するかは、〃神の唯一の智慧〃によって設計せられたのである。


 それゆえに『信仰の科学』には次のように書かれているのである。

 『全宇宙はちょうど人間がそうであるように、一つの智慧によって統率せられ、そして宇宙の各構成要素は、あたかも人体の左右の両脚がたがいに衝突せぬように、また両腕がたがいに喧嘩せぬように、全て大調和のうちに動いているということを認めるならば、宇宙の全機構は全体として大調和のうちに活動出来るものであることがきわめて自然に推論できるのである。

 宇宙が全体として外見上いかに互に衝突する矛盾を孕んでいるように見えようとも、〃調和〃という言葉のもつ真の意味に於て、そこには完全なる調和が存在するにちがいないのである』


 そのような、一切の万物、生物が〃完全なる調和〃にあるのが、神の創造せる世界の〃実の相(すがた)〃なのである。これを「実相」とわれわれは呼んでいるのである。




            ◆矛盾の奥にある本当の調和を見て礼拝せよ


 そのように唯一の全智なる神により設計構図せられて創造せられたるすべての自然現象も、又すべての生命現象も、互に調和していて、たとい如何に相反する矛盾を孕むがように見えていても、陰電気と陽電気とが互に相反する作用をいとなむように見えようとも、それは相反しながら却って調和しているのであって、この相反する如く見える矛盾の奥に、相反しない神の唯一の総合的智慧が存在してそれを総覧しているのである。


 陰電気ばかりでは、電流は流れないし、陽電気ばかりでも何の効果的なはたらきも発揮することはできないのである。


 わたしたちは矛盾の奥にある〃本当の調和〃を見て、そこに実相があり、神があるということを見て、万物を礼拝すべきである。

                        ~ つづく

(5) (4319)
日時:2012年12月05日 (水) 08時57分
名前:童子

           ◆八卦見の預言が家庭の運命を狂わせた



 私が時々、講習会で話すところの例話であるが、神戸で講習会があったときにこんな体験談を演壇に立って話した女性があった。


 彼女〈本田ムラさん〉は結婚して三年ほどは夫婦仲の好い幸福な家庭生活を送っていた。ところが三年ほど経った或る日、前から知り合いである八卦見をしている男と出逢ったのであった。

 その男が「あなたの運勢を観てあげよう」というものだから観てもらうと、やがてその八卦見は言った。 

 「あなたは水性(みずしょう)だし、あなたの良人は火性(ひしょう)である。水と火ぐらい仲の悪いものはない。火が燃えようとすると、水はその火を消してしまうし、水が冷やそうとすると、火は逆に熱くしてしまう。それと同じように、あんた達夫婦は、互に相手を殺し合うような相性の組合せになっているのだから、よくみずから慎んで夫婦喧嘩をしないように注意しなければならない」 と深切にも話してくれた。

 その八卦見の〃言葉の力〃は彼女の家庭の幸福を根本的に覆してしまったのであった。



      
            ◆火性と水性ほど仲の良いものはない


 その話しを聞いてからの本田ムラさん夫婦は、今まで夫婦喧嘩などしたことがなかったのに、毎日夫婦喧嘩が始まったのであった。夫婦の意見が少しでも異なると、

 「どうせ、あんたは火性、わたしは水性、どうせ仲が悪いのですから!!」

と彼女は言いだして良人と調和できなくなってしまったのであった。せっかく、三年間も仲の良かった家庭は争論地獄のようになり、彼女の心はマトモに良人の良さを見ることが出来なくなった。

 すると、肉体は〃心の影〃という訳で、彼女は人に対して話していると一方の眼が痙攣するような感じがすると、瞳が斜めを向いてしまって外斜視になってしまったのである。

 しかし後に本田ムラさんは火性と水性ぐらい仲のよいものはないと生長の家の講師にきかされて家庭は調和し外斜視も治ってしまった。 

(6) (4320)
日時:2012年12月05日 (水) 09時25分
名前:童子

           ◆あなたの幸福を左右するもの


 『信仰の科学』の67頁には次のように書かれている。 ――

 『われわれが幸福であるか否かは、われわれの懐く人生観または世界観如何によるのである』



 本田ムラさんは家庭の幸福は、八卦見の言葉の力により、彼女自身のいだきはじめた夫婦の〃相性観〃によって崩れはじめたのであった。

 「夫婦の相性が悪い」という八卦見の〃言葉の力〃によって、彼女の人間観が変り、自分のいだく「夫婦仲が悪い」という思いが起り、「思うことはあらわれる」という〃唯心所現の法則〃によって、それが具体化して実際に夫婦仲が悪くなってしまったのであった。



 だから『信仰の科学』の19頁には、

 『全ての人々の真の運命は、彼自身の生涯の上に、「元始(はじめ)に言(ことば)あり」の「言(ことば)」をひらいて表現することなのである。内なる扉を開き、「実相の言(ことば)」をして語り出さしめ、自己の生活に、実相のコトバを活現せしめよ』

という意味が書かれているのである。


 八卦見の言葉が本田ムラさんの家庭の幸福を毀してしまったのは、神が〃元始(はじめ)〃に人間をコトバによって造った完全人間の実相を語らず、迷いによって、本来存在しないところの「夫婦喧嘩」を、さも存在するかの如く、それが真実であるかの如く語ったからなのである。



 
            ◆暗黒の預言をする宗派に近づいては危険である


 『信仰の科学』151頁には、コトバには創造力があるから、暗黒な事柄が生ずるという種類の八卦見や宗教家の預言的言葉を決してきいてはならないということを次の如く説いているのである。

 
 『暗黒を告げる憂鬱なる預言の徒に注意するがよい。彼等の預言に耳をかせば、黒き暗雲があなたの頭上に降りて来るのである』


 宗教家のうちには、「今までの宗派を信じておれば罰があたる」などといって「暗黒を告げる憂鬱なる預言的脅迫」をもって自派の宗教に誘い込もうとする種類のものがあるけれども、もし彼らがそのような「暗黒の預言的言辞」を弄するならば、ただそれだけで、その宗教が邪教だということがわかるのである。

 コトバは〃造る力〃をもっているのであって、〃悪〃や〃不幸〃をコトバで預言すれば、コトバの力で、その表現する内容の事柄を将来造り出すことになるのである。

 それゆえに「暗黒を告げる脅迫的な言葉」をもって其の宗教に誘い込もうとする人は、〃暗黒なる不幸〃の種蒔きをする人であるから、そのような人に近寄ってはならないのである。

(7) (4370)
日時:2012年12月07日 (金) 13時50分
名前:童子

           ◆明るい表情は幸運を引き寄せる



 『信仰の科学』の61頁には

 『憂鬱と悲観に曇った気持は感染するのである。暗い表情は全て暗い影を投げかけるのである』 と示されているのである。


 あなた達は常に、明るい微笑を頬に湛え、希望と愛とに輝く瞳をもって人々に対するようにしなければならない。生長の家の練成会は〃心の訓練〃によって健康を増進し、運命を好転し、事業を繁栄に導き、家庭に調和を実現するための〃練成〃を目的とするのであるけれども、「笑いの練習」という表情を明るくする練習があるのである。


 〃明るい表情〃 〃ニコヤカなる微笑〃 〃憂鬱を吹きとばす哄笑〃 というものは、肉体の表情の訓練であるけれども、「類は類を引き寄せる」という法則によって、その人に明るい運命を引き寄せることになるのである。


 冷たく固い表情をもちつづけて一生涯一度も笑ったことのないような人は、表現すべき感情が、鬱結内攻してしまっていて、その結果、その感情の鬱結の‘かたまり’を生ずる腫瘍又はそれに類似の病気を引き起こすこともあるのである。



            ◆表情は〃心の世界〃に種を蒔く

 〃憂鬱の表情〃をしていると、本当に自分の〃心〃そのものまでも憂鬱に閉ざされることになり、そんな表情を常にもって人々に接しておれば、人々にその憂鬱を感染させて人々を不幸に引き摺り込むことになるのである。


 「行動」としては、その人は何も他の人を害していないように見えているけれども、〃心の世界〃に於ては、その人は周囲に対して不幸の種を蒔き、精神的公害をひろげつつあるものなのである。


 ニコニコした表情をしている者は、ただそれだけでも周囲の人々を幸福にし、周囲に対して善き〃心の種〃を蒔きつつある者なのである。

(8) (4450)
日時:2012年12月10日 (月) 05時32分
名前:童子

           ◆表情による運命の改善


 「ジェームズ・ランゲの法則」という心理学上の法則がある。

 「人間は〃可笑しい〃と笑うけれども、笑うからおかしくなる」という学説である。それ皆さんは実験して御覧になるがよい。ある感情が起れば、その感情通りの表情を人間はするものであるけれども、先ず〃ある表情〃を肉体の顔面にしてみれば、その表情にふさわしい感情が起こってくるのである。


 例えば、先ず眉をしかめて、暗い表情をしてご覧なさい。心までも何だか暗い気持になることがおわかりになるでしょう。眼をいからして、唇を〃へ〃の字に曲げて怒った表情をわざとして御覧なさい。何となく〃怒っているような気持〃が起って来るでしょう。不幸に沈み切ったような表情をすると、実際、〃心〃までも沈み切ったような気持になるのです。

 そして皆さんの運命や生活状態は〃唯心所現〃の原理に従って、その表情の通りの暗い運命や、沈衰した生活をしなければならないようになるのです。

 
 だから〃表情〃ぐらいはと軽視してはならないのです。あなたの不断の表情が常にあなたの運命を形成しつつあると共に周囲に対しても、明暗どちらかの運命の種を蒔きつつあるのですから、皆さん、今年からは、一瞬一秒といえども、暗い表情をしないで、明るい表情をして生活を改善しましょう。




            ◆明るい表情の美徳

 『生命の實相』の〃聖詩篇〃に明るい表情の美徳を讃えた「光明と暗黒」と題する詩がある。


      君は絶えず暗黒を撒いて歩く
      不快な人間を見たことはないか、
      君は眉をひそめた
      悲しい表情の人々に接したことはないか、
      君は表情が、
      どんなに伝染力の強いものかを
      経験したことはないか。


      悲しい表情をした人間は
      悲しみを撒いて歩く、
      不快な表情をした人間は
      不快を撒いて歩く、
      それは黴菌を撒いて歩くよりも
      尚大きな罪悪である。


      また君は絶えず光明を撒いて歩く
      愉快な人間を見たことはないか。
      君は絶えずその唇に
      幸福な微笑をただよはし、
      逢ふ人毎に
      幸福をうつして歩く人間を見た事はないか。
      君は表情が
      どんなに伝染力の強いものかを
      経験したことはないか。


      君は与へるもがないことを
      歎いてはならない。
      君は与へるものがなくとも
      幸福な表情を与へることが出来るのだ。  (下略)

(9) (4549)
日時:2012年12月12日 (水) 08時54分
名前:童子

          ◆常に心に太陽をもつ生活


 『生命の實相』の〃生活篇〃に「日時計主義の生活」と題する一章がある。それには「吾れは太陽の輝く時刻のみを記録す」という標語が掲げられているのである。その一節を、みなさんが、新年を迎えるに当っての心構えの参考にして頂くために茲に引用させて頂く。



 「諸君よ、吾々は、輝く太陽の日のみ記録する日時計〈注、太陽時計ともいう〉のようになろうではないか。悲しみをいつまでも心にためて置いて何の得る処があろう。損失をいつまでも思い出して何の利益する処があろう。失敗をいつまでも後悔しても世の中は益されはしないであろう。すべてこれらは人生の出来事中の滓である。滓に何時までも執着するな。滓を捨てよ。盗人を追い出すように滓を心の外に捨てよ。吾々の心は滓よりも高貴なものだということを知らねばならぬ。

 『若し、諸君が不快な考えに捉われるような事があるならば、若し諸君が他の人に対して憎しみや、怒りや、嫉妬や、復讐を感じるような事があるならば、諸君は自己の心の中に盗賊が忍び込んで幸福のダイヤモンドを奪おうとしているのだという事を自覚しなければならぬ。諸君は靴を一足盗みに這入った盗賊でも逐い出すではないか。それだのに心の中にあなたの最も高貴な幸福のダイヤモンドを盗みに這入った盗賊をば何時までも何故歓待しようとするのであろう(下略)』 (『生命の實相』第七巻30頁)

(10) (4573)
日時:2012年12月13日 (木) 13時12分
名前:童子

           ◆われらの新生い得る理由


 『信仰の科学』の四八頁に「吾らは如何にして新生し得るか」と題する一章がある。それは次のような文章から始まっている。


  『われわれは絶えず新生しつつあるのであるとわれわれはいう。しかしながらいかにしてわれわれは毎日生まれるのであろうか。われわれが絶えず新たに生まれるということは、〃われわれの実相〃〈実に在るところの本質〉から常に生命が泉み出でることである。これが「新しき神の都エルサレムが花嫁の如く着飾りて‘天より’降り来る」という聖句の意味するところである』

 
 これは『黙示録』第一章第二節を新たに訳したのであるが、この「‘天より’降り来る」という聖句の「天より」というのは「実相より」という意味なのである。

 わたしたちの実相は、 〃神〃 そのものであり、神は永遠の新生であり、無限を内に包蔵し給うのであるから、その〃無限〃より現実界に天降り来るものは、〃陳(ふる)きもの〃の重複した繰返しでは決してないのであって、常に新しきものなのである。ここに吾々が如何にして新生し得るかの根拠があるのである。


 それゆえに、『信仰の科学』はつづいて次の如く説いているのである。 ――

  『われわれが〃自分の実相はいかなるものか〃を悟るとき、まさにその瞬間より、〃久遠の生命〃が内より開花して、決して枯れ朽ちることのない至上の美花をわれわれに見せてくれるのである』




           ◆人間の実相は大生命の最高顕現である

 ではその「自分の実相」とは何であるかというと、人間の生命そのものが〃全宇宙に充満するところの大生命〃そのものの延長であり、単に延長であるばかりでなく、最高の自己顕現であるということなのである。

 その事を本当に自覚できるならば ―― 私は皆さんがこの新年を契機として、そのことを真に完全に自覚して頂きたいのであるが ―― その自覚が出来て、それを感謝の念をもって受取ることができるならば

 「全ての男も女も、あらゆる家庭も、ことごとく全く新しき存在へと変貌してしまい、以前とはすっかり異なる新しき男、新しき女、新しき家庭が再創造せられることになるのである」


 この事を『黙示録』には『われ一切(すべて)のものを新たならしめたり』また『前の天と地とは過ぎ去り』という風に表現しているのである。

(11) (4644)
日時:2012年12月15日 (土) 07時04分
名前:童子

         ◆感謝は実相の詳福を現実化するための反射鏡


 テキストにある「人間が大生命なる神の最高の自己顕現であることを自覚できるならば」の句の次に、私は「その自覚ができて、それを感謝の念をもって受取ることができるならば」の三十一字を、後から追加して書き入れることにしたのである。

 それは何故であるかというと、「感謝は実相の生命原理を形ある世界に実現するための一つの方法」 〈『信仰の科学』二六五頁〉 であるからである。


 神から来れる恵み〈実相〉は天から来る〃光〃みたいなものである。それを反射する空気が稀薄であれば、受取る光も薄明になり、温度も低くなる。更に空気が全然ない真空圏になれば、全然暗黒であり、極寒の状態である。

 これは空気がないために、折角、太陽から光と熱とを送られて来ても、〃反射〃という応答がないために、その光と熱とが現実化しないのである。

 それと同じく〃実相〃に於ては既になくてはならぬ必需品はことごとく、〃神の子〃たる吾らには、神から与えられているけれども、それを受けるに必要な〃感謝〃の心をもって応答しないと、その神から既に与えられているものが現実化しないのである。




            ◆求むるものを先ず心の中に受けて感謝せよ


 それゆえに、聖書にはイエスが「汝ら祈りて何事にても求むるとき、既にそれを受けたりと信ぜよ。乃(すなわ)ち汝はそれを得ん」と教えていられるのであるけれども、私は、そのイエスの語に「感謝」を追加して『信仰の科学』の本には次の如く書いておいたのである。


 『感謝は実相の生命原理を形ある世界に実現するための一つの方法なのである。聖書は「汝ら祈るとき、既に受けたりと信じて“感謝せよ”」と教えているのである』


 この圏点を行文の傍点として附したる“感謝せよ”の四字は私が追加したのである。

(12) (4742)
日時:2012年12月17日 (月) 17時27分
名前:童子

         ◆あなたは人間として生まれたことを喜ばねばならぬ


 最近の唯物論的教育を受けたところの若い人のうちには、「頼みもしないのに、親が自分を産みやがったので、責任は親にある」 などと此の世に生まれたことを感謝し得ない子供が随分あるらしいが、人間の‘いのち’は 〃神のいのち〃 の自己顕現であるから、そして 〃神〃 は創造者であり表現者であり‘何らかの生物’となって自己表現せずにはいられないのであるから、もし「人間」という 〃親〃 を媒介として、あなたに宿っている 〃神のいのち〃 が自己表現する機会にめぐまれなかったならば、あるいは、もっと下等な生物の親を媒介として 〃あなたのいのち〃 は自己表現して、豚や、犬や、鼠などに生まれていたかも知れないのである。


 その事を考えて見るならば、神が、あなたに宿る 〃神のいのち〃 (それがあなたの生命だ)を人間であるあなたの両親を通して、「人間の形」で此の世に出現せしめられたことが、こんなに有りがたいことかがわかる筈なのである。

 両親に感謝せよ。 両親に感謝せよ。



           ◆父母に感謝の誦行をする功徳

 生長の家の練成会で、 〃浄心行〃 の修行の終末に近づいたとき「お父さん、お母さん、ありがとうございます」の感謝の言葉を繰返しとなえる誦行があるのであるが、この修行中 〃言葉の力〃 と 〃群集心理の力〃 との併合で、本当に両親に感謝する心が沸々と起って来、今までの親不孝の思いを起していたことが自然に詫びられて来て、懺悔の涙が湧き起って、咽び泣き、すすり泣きする人たちが道場の諸方に出て来るのである。

 こうして潜在意識の中にある 〃迷いの心〃 が涙と共に浄化排泄されて病気が忽然と消えるような奇蹟も起って来るのである。



 もしあなたの病気が医者にかかっても、なかなか治らないような場合には、神から来る生命の流れは、祖先 → 父母 というパイプを通してあなたに来ているのであるのに、祖先に感謝せず、祖先の供養を怠り、父母に感謝せず、むしろ父母を恨んだり、憎んだりしていたために、の神からの 〃生命の流れ〃 が、パイプの中の「忘恩の思い」で詰っているから、あなたの 〃生きる力〃 が底をついているのであるから、祖先供養をして祖先の霊にお詫びし、聖経『甘露の法雨』を祖霊の向上のために読誦供養し、病臥のままでよいから間断なく 「お父さん、お母さん、ありがとうございます」 の語を繰返すとよい。

 これによって不思議に、神の生命の流通パイプがひらかれ、重病が治る実例があるのである。

(13) (4798)
日時:2012年12月19日 (水) 08時25分
名前:童子

           ◆人間として生きている事のよろこび


 人間は、人間としてただ生きているというだけで、純粋に悦ばねばならぬのである。

 自分が豚に生まれないで、人間に生まれたということは何と神秘な有りがたいことだろうか。私は人間としてここに生きている。生きてそして考えている。人間として美を感ずることが出来る、善を考えることが出来る。宇宙の真理を探究することができる。父母を愛することができる。良人を愛することができる、妻を愛することができる。子供を愛することができる。孫を愛することができる。祖父母を愛することができる。

 みんなに感謝することができる ―― それは人間としての特権である。あなたが、そしてわたしが、人間であるということは何と素晴らしいことであろうか。



            ◆新生の悦びの歌

    われにいのちを与えたまひしことを
    神に感謝します
    神がわれを選びて
    わがいのちとして宿り給ひしことを感謝します
    天の与えたまひし何よりも優るこの悦び ―――
    ただわれ生きてあることの悦び
    ああ、われ生きてあることの悦び!


 これは『信仰の科学』の251頁に 〃新生の悦びの歌〃 として載せられている詩である。

 神が 〃わがいのち〃 として、今ここに宿り、且つ生きていられるのである。これを知ることが「新たに生まれる」ということである。

 かくて 〃有限の肉体の生命〃 の自覚から、「未だかつて生まれたることもなく、失われることもない、不生不滅、久遠不死の存在である神の生命が自分である」との自覚の世界に超入するのである。

(14) (4899)
日時:2012年12月21日 (金) 19時13分
名前:童子

          ◆つねに悟りを深める言葉を念ぜよ


 あなたは、もっと繰返し『信仰の科学』の本を読んで、人間の生命が不生不滅であることの自覚を深められるのがよいのである。

 白隠禅師でさえも、「大悟十八回、小悟は数知れず」だったといわれている。一回『生命の實相』全巻を読んで、もう 〃人間・神の子〃 の真理を悟ったと思っても、その悟りが、どの程度、潜在意識の底の底まで徹底しているかどうかは疑問である。

 だから常に、その真理を、少しでも暇ある毎に念ずるがよいのである。

 たといあなたが何処にいようとも、たった一人でいようとも、或いは群集の真っ只中にいようとも、この 〃内なる真理〃 の自覚を次の如く歌わしめるがよいと『信仰の科学』は説いているのである。



     〃わたしは霊である
      わたしは魂である
      わたしは生命である
      わたしは「個」の姿に顕現した神そのものである〃


 幾回でも多く、真理の言葉を吟誦または黙誦すれば、その 〃真理の言葉〃 が種となってあなたの潜在意識に蒔かれ、やがてそれが発芽して天空に巨樹として聳えるごとき大業を成就し得る時が来るのである。

(15) (5037)
日時:2012年12月25日 (火) 17時37分
名前:童子

        ◆愛があなたを護ってくれる時あなたは新生したのである




 明るい新たな世界が、今此処にあるのである。あなたの自覚が深まり行くに従って、信仰は信仰を生み、自覚は更に大悟を生み、愛は一層高き愛を生み、そこに 〃神の国〃 が現象世界となって展開することになる。



 次の詩を繰返し読んで自覚を深めるとよいのである。


      わが内なる心の眼は光を観る
      而して今や私は愛の法則を知るのである

      わたしが愛の法則をまもるとき
      今度は愛がわたしを護ってくれるのである

      物質がわたしを護ってくれると思っていた時
      常に物質はわたしの魂の進歩を妨げたが

      愛の法則がわたしを護ってくれると悟ったとき
      わたしは 〃新たにうまれた〃 のである


           〈『信仰の科学』に書いた詩に後半を追加した〉

(16) (5080)
日時:2012年12月27日 (木) 10時18分
名前:童子

          ◆暗黒を突き破る真理の光



 『真理の吟唱』を朗誦し、神想観を実修して実相世界の荘厳を凝視するとき、真理の光が、あなたの心の暗黒を突き破って射し込んで来、いたる処が真理の光に照らされて迷妄の暗黒は消え、あなたの心に平和と愛とが満たされるのである。これが新生である。

 そのことを『信仰の科学』は次の如くかいている。



 『真理の光線が突然迷妄の暗黒を突き破って入り来り、名状し難き真の平和の想念にて自己の魂が満たされるのは、われわれが影の存在を否定して真理を念じている時である。

 何ら実体のなきところの影は消滅し、われわれはパウロの如く、「われの周囲にも、われと共に旅する人々の周りにも、輝きわたる明るき太陽にも優りて、さらに明るき光を観る」のである。

 ・・・・あなたが癒されたと感ずるのは、正しくかかる信仰的昂揚の瞬間であるように思われる。その時には、あなたの悩みは消滅し、あなたの憂鬱は消散し、あなたの信仰が復活する。

 あなたは最早、悩み苦しむことはなくなるのである』







           ◆性悪説を支持する日本青年が多い理由


 あなたの魂が 〃新生〃 しているか否かは、あなたの心が、常に光の方向を向いているか、〃常に〃 ではなく、時々まだ 〃暗黒〃 の方向に振向くことがあるかによって見別けることができるのである。

 また、あなたが人間の性善説を信ずるか、性悪説を信ずるかによっても、見別けることが出来るのである。


 近頃、どこかで催された国際的なアンケートによると、日本の青年が、最も多く人間の性悪説を信じているという回答が出て来たということを聞いて私は驚いたのであるが、併しそれは無理はない。

 日本では学校では宗教教育が禁じられているので、神を教えられないで、日本の青年は幼少時代から無神論で教育せられているからである。

 唯物論の結果するところは、肉体の快不快と物質的利益不利益が人間の行動を左右するところの原理となるから、人間は肉体の苦痛や困難をきらって、快楽に走り、人を傷つけても自分の利益と快楽を求めることになる。

 そして彼らはそのような傾向を 〃悪〃 だとみとめる 〃良心〃 が幾分か残っているものだから、そのような傾向を有する人間を 〃悪〃 だとみとめ、人間の性悪説を支持するようになっているのである。

(17) (5204)
日時:2013年01月02日 (水) 10時20分
名前:童子

           ◆唯物論者の新生する道



 それでも〝悪〟を〝悪〟とみとめる道徳的規準をもっているのは、彼ら自身の中に〝善〟なる規準が消えていないからであって、それだけでも、人間は本来〝性善〟であり、善悪を知る〝神の子〟が宿っていることがわかるのである。

 
 共産主義者でも、人間を幸福にしてやりたいという〝愛〟の衝動によって行動し、それを成就するには革命をも辞せずという理想をもっている。そのような人間を幸福にしたい〝愛〟が彼らに宿っているのは、彼らも〝神の子〟であるからである。


 しかし彼らが間違っているのは人生観及び世界観が唯物論であって、物資や生産物の配分の統制によって人間の幸福が招来されるものだと思って、彼らの心のはたらき及び行動の向き方が、物質の方向にばかり向いているからである。


 その結果、彼等は魂の光を見ることが出来ない。愛の光を見ることが出来ない ―― 物質には魂の光はないからである。そして彼らは暗黒面のみを見ざるを得ない。しかも彼らも〝神の子〟であるから、その暗黒面を破壊して光を見出そうとする。それが制度や体制を破壊しようとするのがそれである。


 しかし制度や体制はなかなか頑固な障壁となって彼等の前に立ちふさがっていて破壊し得ない。彼らは、もどかしさを感じずにはいられない。彼らは自己の力が制度の前に無力であるのを痛感する。


 彼らは〝神の子〟だから、〝神の子〟にふさわしくない自分の弱さを憎む。その憎しみが自己嫌悪となり、やり切れなくなり、その内向的なやり切れなさが蓄積して飽和状態を超えると、やがて一転してそれが爆発して、内ゲバとなり、仲間同志が殺し合いをするような残虐行為となってあらわれるのだ。


 彼らを救う道は、彼らが〝神の子〟であり、人間の幸福は、唯物論的方向からはかち得られるものでなく、人間の実相は〝神の子〟であり、性善であるから、その性善をあらわすようにすれば地上天国が実現するのだという、実相哲学を知らせてあげるほかはないのである。


 そのような青年たちに読ませてあげたいのは『生命の實相』であり、『信仰の科学』であり、『いのちの革命』というような反唯物論哲学である。



 ウィリアム・ジェームズ教授のプラグマティズムが教える如く、の人の把持する哲学が正しいか正しくないかは、の哲学を奉ずる人が幸福になれるか、なれないかで判別することができるのである。


 マルキシズムを把持しながら、心がやり切れなくなって、同志互に殺傷し合わねばならぬようになっている現状は、彼らの捧持するマルキシズムの哲学が正しくないことをみずから証明しているのである。


                        (完)


          『白鳩』誌 49年1月の箴言



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