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桜ノ宮学園 学生掲示板

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[1] 生徒会用スレッド
管理人 - 2007年05月22日 (火) 23時14分

生徒会についての小説を投稿、雑談をする場合はこのスレッドにお願いします。

小説投稿用テンプレート↓

-----------------------------------------
- タイトル -
-----------------------------------------
ここに内容。
-- END or NEXT --------------------------

[26] ふと思った事
ラスティ・ブランフォード - 2007年05月24日 (木) 00時51分

紅夜に好意を寄せているのは…
命・蒼月・ルティア・晴美。
…普通にギャルゲー主人公としてやっていけそうだな、
という事で紅夜をメインにしたギャルゲーっぽい話を作ってみようと思いました。
そんな訳で攻略キャラのフラグの立て方っぽいものを。

命:計画的に対応しないとなかなか攻略が出来ない。
妹の妨害などで中々うまく上がらない印象値を上げるためにも、選択肢は間違えない事。
なお、もっとも印象値の高いキャラと並んでいる場合は彼女のエンドが優先される。

蒼月:普通にやってると初期から印象値が高い上に、
強制イベントの関係で一番親密になりやすいので、
彼女とのイベントをこなせば比較的簡単に攻略可能。

ルティア:印象をあげられるイベントが少ないので、
印象値が蒼月を上回る事に苦労させられたりする。
男らしい頼もしさを見せる選択肢に加えて、
出来るだけ蒼月の印象を下げる事が課題。

晴美:なぜか、初期印象値がダントツに高い。
だが、彼女の印象値を上げるイベントは、
他のキャラの印象値もグーンと上げてしまうものが多い。
彼女の印象値を下げるイベントが多すぎるのもキツイ。
しかもエンドの優先度が最低らしく、他のキャラの印象値と等しいと見れなくなる。
命と蒼月を上げるイベントを起こさず、ルティアの印象値を上げ過ぎなければ攻略可能…

所詮はネタでしかない。

…残りのキャラは蒼馬君に頂いて(ry

[27] 紅夜より蒼馬の方がそれっぽい。
凪鳥 - 2007年05月24日 (木) 17時27分

むしろ、女性キャラは大丈夫そうですが、紅夜をどう恋愛話に持って行かせるか? ということの方が重要な気がしてなりません。

ルティアは…どうでしょう。
紅夜に対して好意を寄せている、というよりは、人物として一目をいている、という感じの方が近いような気がします。

[32] それぞれのイベントとか・・・
3A - 2007年05月25日 (金) 16時34分

それぞれの特技とかをもとに考えてみました。

命の場合
・ピアノコンクール
 体力的に無理のはずだが、それを乗り越える
・紅夜とのお料理レッスン
 全寮制だしどこがいいのかな?

蒼月の場合
・ディベート大会
 彼女ならもしかしたら・・・
・会長として
 いつもなら紅夜に押し付ける仕事を、自らやりはじめる蒼月。何か企みがあるのではと思いつつも仕事をする紅夜と気付けば2人きり・・・。
・侵入成功
 蒼馬がいない隙を狙って紅夜の部屋に侵入成功。すると紅夜は部屋でシャワーを浴びていたor寝ていた。

ルティアの場合
・フルートの演奏会
 命のピアノコンクールと重なったりしそう。
・侵入者対策会議
 桜ノ宮に入ってくる不逞の輩を捕まえるために風紀とで対策を練る中、最後には部屋には2人きり・・・。

晴美の場合
・陸上の大会
 優勝目指してがんばる桜ノ宮陸上部の星。めざせ五輪代表。
・絵のモデル
 美術科の絵の宿題のモデルとして紅夜をモデルにする事を決めた晴美。もちろん描くのは裸体!?(←ジョークですよ^^;)
・バンドのライブ
 裏設定といいますか、実は三つ子な彼女はその姉弟と3人でバンドを組んでいた。そのライブに呼ばれた紅夜は一応やって来る。

所詮はネタでしかない。(←拝借しちまいました)

これって実は板違い?

[34] 蒼馬の方がそれっぽい…とは思ってたけど、メインヒロインっぽいのが思いつかなかった。
ラスティ・ブランフォード - 2007年05月26日 (土) 00時40分

蒼馬の場合のギャルゲーか…。

とりあえず、紅夜に好意のある連中は除外。
光・鶯・雪奈の3年生達は……卒業イベントで消える役割になってもらいましょ(ry

宇美を落とすパターンが思いついたのでサンプルとして書いてみるw

宇美:3年生卒業イベントで光がいなくなると、それ以上印象値を上げる事が出来なくなるので注意。
逆に下がるイベントもなくなるので嫌われる事もなくなる。
彼女は守られるより、守る側になりたがっているので
主に庇護欲を誘う選択肢を選べばよい。
ここで注意したいのは、彼女は根っからの(性的な意味で)男嫌いだということ。
うっかり男と女と言う立場を見せると途端に嫌われてしまう。
エンディングまでは友達という立場を崩さないように。

例:仲良くなって来たときに、『もしかして恋人?』と人に聞かれた時。

→そうだよ

「テメェはそういう目で見てたのか!この優男!」
と殴られて負傷。

印象値大幅DOWN

→唯の友達と言うか、パシリと言うか…

「私がいつパシリにした?」
「蒼月や紅夜への話を、僕に伝言させないでよ。」
「それはすまなかった、今度からは気をつけるよ。」
それから、しばらく談笑したけど、心なしか前より優しくなったような気がする。

印象値UP

[38]
凪鳥 - 2007年05月26日 (土) 02時54分

3Aさん:
 どれもアリなイベントだと思います。
 私としては、蒼月の忍び込みが気になるところです。
 あと、不審者対策は結構話が広げられそうですね。
 板は…そうですね、これは雑談スレッド、の部類に入るのかもしれません。

ラスティさん:
 蒼馬が主人公だと…実は年上の3年生系とかが狙い目なのかもしれません。
 宇美だと紅夜は確実に敵になりますから、蒼馬の方が相手としてはいいと思います。

ギャルゲーっぽくするのなら…。
紅夜→ヒロイン
の、アプローチじゃなくて、むしろ…。
紅夜←ヒロイン
の、アプローチになるんじゃないでしょうか?

いかにして紅夜をこのヒロイン候補が落とすのか、そんな感じですね。

[43] 桜ノ宮外伝、ギャルゲーな蒼馬 宇美編@
ラスティ・ブランフォード - 2007年05月27日 (日) 23時29分

-----------------------------------------
- 宇美編@ -
-----------------------------------------



……どうして、こんな事になったんだろう。

「似合ってるw」
「蒼馬君、かーわーいーいーw」

今、僕は女の子たちに着せ替え人形にされている。
元々、転校してきた九条姉妹を迎えるパーティだったはずが、
いつの間にか命さんのコスプレパーティになってしまい、
彼女に飽きた人たちが今度は僕を玩具にしていた。

キーンコーンカーンコーン

チャイムが鳴った。それでも彼女達は止めようとしない。

「さて、次はどれにしようか。」
「コレなんか、どうだろ?」

はぁ。溜息が出た。幸せが逃げていくというけど、他にできる事がない。
いつまで玩具にされているのかと思っていたその時。

宇美「貴方たち、何やってるの?」
「着せ替え。」
宇美「……今すぐ止めさせなさい。風紀としてコレは見過ごせませんから。」
「五月蠅いわね!」
宇美「1年生だからと思うんだったらドウゾ。だけど、力づくで止めさせてもいいんだぞ?」
「なによー。」
「蒼馬君も嫌がって無いじゃない。」
宇美「そんなわけないじゃない!」
「なら、本人に聞いてみてよ。」

風紀と彼女達が揉めていて、その矛先が僕に向かった。

→えっと…その…

→僕なら、大丈夫だよ。

→もう、これ以上は止めてください。


-- NEXT --------------------------


色々と話が膨らんでいきそうです。
面白くなるように頑張って…みたいと思います。
さて、皆さんどの選択肢に…します?
<分岐展開?

[91] 主観:紅夜 登場人物:etc
凪鳥 - 2007年06月28日 (木) 23時58分

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- 休日のお仕事 -
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 この桜ノ宮学園、その事実上のトップである生徒会。
 学生主体のこの学園において、全生徒をまとめ、そして導いていくというかなり重要な立場にあるその存在。
 当然その立場の大きさから仕事の量も多くなる。
 もうこれでもかというくらい多くなる。
 日々の雑務から学生寮の管理、三科総括会との会議、他の委員会との連携等々。
 そんな多忙を極める生徒会だが、基本として学園行事を提案する『主催権』は持っていない。
 というのも、会議においては常に議長としての立場を持つ生徒会が主催権を持った場合、議長権限で自分達の提案を強行決定することができてしまうからである。ゆえに、学生のトップであるにも関わらず、公平で中立の立場を取るべしとされる生徒会は、主催権を持たないのである。
 とはいうものの、常に学園生活に潤いを持たせるべく活動する生徒会としては、何もしない訳にもいかない。
 大きな学園行事を主催する事はできないが、一応生徒会主催という事で、週末に映画鑑賞会やお茶会など小さな行事を開催する事が定番となっていた。

 そんなこんなで週末の今日、生徒会の面々は休日を返上して仕事に繰り出していた。
 今回の生徒会主催の小行事は、生徒会長である蒼月の企画。
 俺は別の仕事につきっきりで今回の小行事には関与していない。
 だから内容をとやかく言うつもりは無い…なのだが。

紅夜「…なんで俺がこんな事を」

 机に肩肘をつき、溜息を一つつく。
 今回の企画は、蒼月いわく『お悩み相談』らしい。
 常日頃色々な悩みに苛まれている学園生徒の相談にのり、心を癒してやろう…というものだ。
 まぁそれはいい、趣旨は解った…解ったのだが、女子が生徒数のほとんどを占めるこの学園、だというのに相談役が男である俺や蒼馬だというのは、納得がいかないものがあった。

『女子の悩みは女子に相談するのが普通だろう?』

 当然、俺はそう言った。
 しかし、やつからの返答は…。

『それじゃ面白くないだろう?』

 という、何ともあいつらしいものだった。
 ふざけるな! と言いたいところだったが、たまにあいつに任せた仕事だしなぁ…と文句は言わないでおくことにした。
 そんな訳で、簡易相談室として変貌を遂げた第二会議室に俺は座っていた。
 ちなみに、もう一人の相談役である蒼馬は隣の第一会議室にいる。

紅夜「…にしても」

 暇だ。

 かれこれこの『生徒会主催! ドキドキお悩み相談コ〜ナ〜!!』が始まって二時間程経っただろうか?
 その二時間の間、誰一人として相談者は来ていない。
 やはり男の俺が相談役というのがそもそも無理な話だったのか?
 しかし、どうやら蒼馬のいる第一会議室は行列が出来る程に大盛況の様子。
 一人列整理をしている命は、完全にキャパシティーオーバーなのか、オロオロと廊下を右往左往していた。
 まぁ、俺と蒼馬どちらに相談するかと聞かれれば、間違いなく俺も蒼馬を選ぶ。
 誰も来ないのは別に構わないのだが、こう暇だと生徒会室に行って書類整理をしたくなってくる。
 …職業病だろうか?
 とりあえず、そんな事を思うほどに暇だった。

紅夜「…付き合わせて悪かったな、つづら」

 もう一度深くため息をつくと、少し離れた所にストップウォッチ片手に座っている少女…つづらに声をかける。
 もともと人手が足りない生徒会、たまたま図書室に居たせいで蒼月に捕まってしまったらしい。
 人手が足りないのは事実だし、手伝ってもらえるならそれに越したことはない。
 とはいうものの、流石に列整理をさせるのも気が引けたので、比較的楽なタイムキーパーを頼んでいた。
 ちなみに蒼馬の方のタイムキーパーは蒼月が務めている。
 本当なら体の弱い命にやらせるべきなのだが、まぁ…たまに運動させるのもいいだろう。

つづら「どうせ暇だったの、これ位なら特に問題はないの」

 そう言ってコクコクと小さく頷くつづら。
 とはいうもののやはり暇なのか、手持無沙汰気味に椅子に座ったまま足をぷらぷらと揺らす。

紅夜「…そうか、そう言ってもらえると助かる」

 ふっと、その子供の様なつづらの仕草に思わず口元が緩む。
 同年代の女子と比べ、かなり小さな体格が子供っぽさに拍車をかけていた。

つづら「……」

 ぷらぷらと規則的に揺れていたその足が止まると、つづらはじっと此方を見る。

紅夜「…どうした?」
つづら「久し振りなの」
紅夜「…?」
つづら「こーやくんの笑顔、久しぶりにみたの」
紅夜「は?」
つづら「本当に、久しぶりなの」

 コクコクとつづらは小さく頷く。

つづら「こーやくん、この頃はいつも眉間に皺が寄ってるの」
紅夜「…そうか?」
つづら「そうなの、ムス〜ッと眉毛も吊り上って口もへの字なの」

 つづらはそういうと、眉間に皺を寄せる両手で眉の端を吊り上げて見せる。
 ついでに口もへの字。
 何とも言えない、その表情。

紅夜「……」

 俺は今までそんな顔をしてたのか?

つづら「でも、これはこれで役得なの…いいもの見させてもらったの」

 つづらは俺の顔真似? をやめると、ニコッと笑う。
 その笑顔に、苦笑を返す。

つづら「普段からそれ位笑えれば問題なしなの。いつも怖い顔してるから皆近寄ってこないし、今日だって誰も来ないの」
紅夜「そうはいってもな…」

 別に自分で意識して表情を作っている訳でもないし、それに、この学園にはどうにも俺の眉間に皺を寄せる要因が多すぎる。
 一重に仕事、一重に対人関係。
 この頃は風紀委員会の暴走が悩みの種だろうか…一応風紀委員は生徒会と風紀委員長の連名で決まるが、どうにも人選を間違えた様な気がしてならない。

つづら「笑う門には福来たる、なの。こーやくんはもっと笑うべきなの、ゆいちゃんとかを見習うべきなの」

 言われ、ゆいちゃん…美術科総括会会長・花園遊意華の、あのありえない程の天真爛漫ぶりを見習った自分を思い浮かべる。
 …ふざけるにも程があった。

紅夜「…まぁ、考えておく」

 俺の返答に満足したのか、つづらはもう一度ニコっと笑うとぷらぷらと足揺らしを再開する。

 ふぅ、と小さく息を吐きつづらから視線を外すと心の中で呟く。
 そういうお前も、あまり笑う方じゃないだろう…と。

紅夜「さて…」

 相も変わらず廊下から響いてくるのは、順番待ちの喧噪と命の悲鳴。
 壁の時計を見ると、終了まではたっぷりあと三時間。
 幸いな事に会議の内容をまとめた冊子が、壁際の棚にしまってある。
 流石は会議室、それでも読んでいれば直ぐに時間は過ぎるだろう…ついでに仕事の足しにもなる。
 椅子から立ち上がると、開く気配の全く見えないドアを見る。

 このドアを開いて誰かが入ってくる…はたしてあと三時間でその時が来るのだろうか?

 そう思いながら、俺は冊子を取りに棚へと足を向けたのだった。


-- NEXT --------------------------

[92]
ジャッキー - 2007年06月29日 (金) 20時54分

お〜、作者自らの投稿作品ですね。
つづらは今執筆中なので、参考にさせてもらいます。
紅夜とつづらは、この二人がお互い無口なせいか、穏やかな感じの話ですね。
というより、他のキャラクターが騒がしすぎるのでしょうか?

む?『ムス〜ッと眉毛も吊り上って口もへの字』!?こ、これは相良宗介!?←マイナー

続き、楽しみにしています。

[103] 主観:紅夜 登場人物:紅夜、つづら、命
凪鳥 - 2007年07月16日 (月) 01時21分

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- 休日のお仕事 その2 -
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 ペラペラペラ…。

紅夜「・・・・・・」

 ペラペラペラ…。

つづら「・・・・・・」

 相変わらずの第二会議室に、俺は冊子の、つづらは本のページをめくる音。
 そして、相変わらず外からは騒がしい音が聞こえてくる。
 あれから30分程経っただろうか。
 やはりというかなんというか、相談者は一人も現れない。

紅夜「…間違ってるな」

 自分で淹れたコーヒーを一口飲むと、冊子の記述間違いを添削する。
 製作者の名前は…柊 蒼月。

紅夜「……」

 後で説教だな。

 コンコン。

紅夜「……?」

 控え目なノック。
 完全に意識が冊子に向かって居たせいか、一瞬反応が遅れる。
 音は確実に第二会議室のドアから。
 まさか…相談者第一号が来てしまったのだろうか…?

紅夜「どうぞ」

 声をかけ、訪問者に入るよう促す。

命「あ、あの〜…紅夜?」

 キョロキョロと、周りを伺うようにドアを開けて入ってきた人物。
 それはもう既に見慣れてしまった真っ白な長髪。
 桜ノ宮生徒会書記・九条命その人だった。

つづら「あ、みことちゃんなの」
紅夜「…なんでお前が入ってくる?」

 こいつは外で相談者の列整理をしていたはずだ。
 何か問題でも起こったのだろうか?

命「えと、さっき泉が来てね…」
紅夜「…九条が?」
命「うん、それで『姉様にこんな肉体労働などさせられませんっ!!』って…」
紅夜「仕事を取られた訳か…」
命「そういう事、でもちょっと疲れてきてたから丁度よかったわ」

 ふぅと息を吐いて、軽く笑う命。
 確かにどことなく表情には疲れが見える。
 もともと体が弱いので『一応』簡単な列整理も命にとっては重労働なのだろう。
 まぁ、解っててやらせた事ではあるが。
 泉は…まぁ、手伝ってくれるというのならばそのままにしておくか。
 何度も言うようだが、我が生徒会は人手が足りていない。

紅夜「で、それは解ったが…なんでここに来る? 休む場所なら他があるだろう」
命「え? う〜んと、誰も来てないみたいで丁度よかったから」
紅夜「……」
つづら「確かに、さっきから誰一人として相談者は来ていないの」
命「でしょ? それに…少し相談にのって貰おうと思って」

 言うと、命は俺の正面…相談者様に設置された椅子に座る。

命「駄目―…かな?」

 チラチラと、こちらを窺うように上目遣いの視線を投げてくる命。

紅夜「…関係者は相談対象外にしたはずだがな」
命「それは蒼月の話でしょ? そうでもしないとずっと紅夜の所に入り浸るからって」
紅夜「それはそうだが…」
つづら「こーやくん、受けてあげれば良いと私は思うの、どうせ他にはだれも来ないの」
紅夜「……」

 正面の命と、左脇のつづらを交互に見ると…俺は観念したように息を吐く。

紅夜「…解った、ただし手短にな」
命「本当っ!? ありがとう紅夜っ!」
紅夜「…で? なんだ相談したいことってのは何だ?」
命「あ、うん…それなんだけどね…あの、なんていったら言いか…」
紅夜「…?」

 もじもじと、落ち着かない様子で膝に置いた手をパタパタ動かす。
 しばらくすると決心がついたのか、口を開き話し始めた。

命「昨日、蒼月に聞いた話なんだけど…」
紅夜「……」
命「――その、男の人って『大きい』方が好きなんでしょ?」
紅夜「…は?」
命「稀に『小さい』方が好みだっていう人もいるって、蒼月は言ってたけど…」
紅夜「待て、話の意図が読めな…」
命「べっ別に私は紅夜がどう思ってるかを聞きたいんじゃなくて、その…そう! 世間一般の、大衆的な意見を聞きたいの!」
紅夜「だから、待てって…」
命「でも…その、大衆的な意見と言っても、私の近くには紅夜と蒼馬の二人しか男性がいなくて…だから、聞けるのはその二人しかいなくて…」
紅夜「おい、こら…人の話を…」
命「でもでも、蒼馬は忙しそうだし…それに丁度よく紅夜が暇そうだったし、だから、その、別に深い意味はなくて…」
紅夜「……」
命「それに私だけじゃなくて、蒼月とか遊意華ちゃんとかも結構気にしてて…」
紅夜(…ふむ)
命「別に抜けがけしようとかそういうんじゃなくて…丁度いいから私が代表で聞いておこうかなぁ〜なんて思ってて…」
紅夜(男は普通、大きい方が好き…でも稀に小さい方が好きな人間もいる…か)
命「蒼月はもう諦めてるみたいだけど、ほら、一応私ってまだ成長期じゃない? だからその…例え大きい方が好きでもまだなんとかなるのかなぁ…って」
紅夜(…成長期? まだ間に合う…身長の話か?)
命「でも私、ほとんど泉に持っていかれたみたいで、望みは薄いんだけど…」
紅夜(…? 身長じゃないのか…こいつとあいつではそう変わらないからな)
命「だからその、私としては小さい方が好みならいいなぁ〜って思ってて…」
紅夜(…なんだ? まさか胸の大きさって訳でもないだろうし…)
命「あっ! べ、別に紅夜がどうとかっていう訳じゃなくて、あくまで大衆的な、世間一般の話で…」
紅夜(…解らん。 こいつの話から考えられる事は大体網羅したと思うが…)
命「――っていう事を、その…昨日から悩んでいるんだけど…」
紅夜「…で、結局何の話だ?」
命「え? あの、胸の話…」
紅夜「帰れお前」

 俺はつづらに命を追い出すよう指示する。

命「ちょっ! ちょっと紅夜ぁ〜!」
つづら「まぁまぁ、後で私がちゃんと相談に乗ってあげるの。そんな事こーやくんに聞くのがそもそもの間違いなの」
命「そ、そんなぁ〜! わっ私、これでも結構勇気出して聞いたんだからぁー!」

 うわ〜ん…。

 ガラガラガラ…バタンッ。

紅夜「…ったく」

 深く深くため息をつく。
 晴れある相談者第一号があれとは…。
 先が…もうないかもしれないが、思いやられる。

 やれやれと呟いて、コーヒーカップに口をつける。

 第二号は果たして来るのかな――と、ドアを見ながら。


-- NEXT --------------------------

[113] 主観:なし 登場人物:紅夜・蒼月
凪鳥 - 2007年07月29日 (日) 20時15分

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- 週末イベント -
-----------------------------------------


 いつものごとく、いつもと変わらない生徒会室。
 その生徒会長席。
 珍しい事に深々と腰をかけ、そしてこれまた珍しい事に会長・柊蒼月は悩んでいた。

蒼月「う〜ん…」
紅夜「…決まったか?」

 どうするべきか悩んでいた蒼月に、紅夜は声をかける。

蒼月「うん、一応決めたんだけどね」
紅夜「そうか、どれに決めたんだ?」

 会長デスクの上。
 副会長席と比べ、極端に上にあがっている書類の少ないデスク。
 その中央には『御意見箱』と書かれた箱と、文字の書かれた数枚の意見用紙。
 これは生徒会の企画する『週末イベント』にやって欲しいことの意見を募るもの。

蒼月「今回はね、これにしようと思うんだ」

 パジャマパーティー、お茶会、映画鑑賞会等々。
 数ある意見の中から、蒼月は一枚の紙を指さす。

 その紙に書かれていた文字は…。

 『ホスト部』

紅夜「…………」
蒼月「斬新でいいと思わないかい?」
紅夜「…いや、まず意味が分からん」

 ホストは解る、ホストは解るのだが…。

紅夜「部って、なんだ?」
蒼月「これはあれだね、僕もよく解らないけれど…遊意華君や晴美君が読んでいた漫画に出てきた言葉だね」
紅夜「…………」

 漫画?
 そういえば…よく見るとどこかで見た筆跡。
 これは、美術科総括会から提出される書類で見る事があるような…。

蒼月「とりあえず今度の週末イベントはこれで行く事にするよ」

 バンッ!

 と、そのどこかで見た筆跡で書かれた『ホスト部』という意見用紙に、生徒会の判を押す。

紅夜「…………」
蒼月「おや、納得のいかない表情だね紅君、今回も僕に任せてくれるんだろう?」
紅夜「…解った、好きにしろ」

 言って、溜息を一つ。
 先週に続いて、何か面倒な事になりそうな予感ではあるが…。

蒼月「さて、忙しくなってきたね」

 副会長席に戻っていく紅夜を見送ると、蒼月は改めて週末イベントの詳しい案を練り始めた。

 そうして気づく、ホストって具体的に何をすればいいのかなぁ〜と。

-- NEXT --------------------------

[118] 泉は臨海学校でおりませんw
ラスティ・ブランフォード - 2007年08月11日 (土) 22時24分


---------------------------------------
- プール -
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紅夜「プールに行かないか。だと?」
命「泉たち一年生は、臨海学校で海に行ってるでしょ?私も泳ぎたいな〜なんて思ったりして……」
貢永「明日の土曜日は休みですから、一緒に来ませんか?」

……紅夜は、確か何か用事があったはずだとふと思い出す。

紅夜「……明日は姉さんと約束があるから……。」
命「氷雨さんなら、私の主治医として一緒に来てくれるって言ってたよ?」
紅夜「本当か?」
命「本当。」
紅夜「……電話かけてみる。」

ぴぽぱぽ……

紅夜「明日、買出しがあるとか……え、他のところで安売りしてたから今買ってる?だから明日行くって?え、そう、うん、わかった。じゃあな。」

んふふ〜

命が、満面の笑みを浮かべている。
貢永も、微笑していた。

紅夜「……分かったよ。一緒に行けばいいんだろ?で、他に誰誘ってるんだ?」
命「えっ?」

命がパニックになったような表情を浮かべる。

貢永「……私とその家族です。」

とっさにフォローを入れたような感じが、なんとも怪しい。

命「え、えっと他にも、ルティアに蒼月と蒼馬に……」
貢永「これからそのお三方にも声をかけようと思っていたところです。」

表情がくるくると変わる命に対して終始無表情な貢永。
……まあいいか。

命「あ、明日は車で迎えに来るから!絶対来てね!」
紅夜「分かった。」
命「それじゃーねー。」
貢永「命さん、待って。」

二人は駆けて行った。


@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@


七海「……それで、お姉ちゃんは紅夜君と2人っきりのデートの約束に失敗したの?」
貢永「そう。ルティアさんに加えて蒼月さんも呼んじゃって。」
狼輝「世の中は思い通りに行かないものだね。せっかく心配性な妹さんがお出かけしてるのに。」
貢永「この調子では、別件が何時までたっても終わりそうにありません。」
狼輝「まあ、そんなものだよ。腰を据えてどっしりやらないといけないから、わざわざ君の上司もこちらに預けたんだろうし。」
貢永「早めに帰りたいわけではありませんが、男女の仲という物は難しいですね……。」

机にペタっと張り付く貢永。
予定がいくらか崩れたのそうだが、思った以上に奥手な命と朴念仁の紅夜は手ごわい事を改めて思い知ったようだ。

狼輝「気長にやればいいよ。出来れば、ずっと家族として一緒にいて欲しいんだけどね……」
貢永「それは難しいですねー。」
狼輝「そう、か。なら、明日は家族の思い出を作ろうじゃないか。命さんには感謝しないといけないね。」
貢永「そうですね。明日はプールですから。」
七海「え、明日プール行くの?命ちゃんたちとデートでプールに行くはずだったの?」
貢永「そうよ。明日は思いっきり楽しみましょう。」

七海が満面の笑みを浮かべる。

七海「わーい!」


@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@


執事「こちらが、九条家のプールでございます。」
七海「うわー!凄い……。琵琶湖くらいあるのかな?」
狼輝「さすがに、そこまではないよ。それでも大きいね、このプール。」
蒼馬「……このプールの大きさより、黒塗りの車が迎えに来たことの方が衝撃が抜けないよ……」
ルティア「この程度で驚いていては困りますわ。」
蒼月「紅君、どうだいこの水着。お洒落だと思わないかい?」
紅夜「ん、命。お前はこのプールで泳いだことはあるのか?<シカト」
命「チャプチャプとなら……犬掻きって言うのかな?そのくらいなら泳げる。」
蒼月「犬掻きは泳げるとは言わないよ。せめてクロールくらい出来ないと。っていうか、紅君僕を無視しないで……。」

紅夜の腕に手を絡めようとして、ルティアが蒼月の手を引っ張る。

ルティア「不純に引っ付いて行こうとするのは止めてくださらない?私たちは泳ぎに来たのですよ?」
蒼月「泳ぎに来たのは、親睦を深める為だろう?こういうスキンシップも必要」
ルティア「あなたの場合はスキンシップではなくて、立派にセクハラの類でしょう!?」
蒼月「ペラペラペラ……」
ルティア「ミガミガミガ……」

…………戦争勃発。

狼輝「仲が悪いって聞いてたけど……。」
七海「ねえ命お姉ちゃん、もう泳いでいい?」

命「え、良いわよ。」
七海「わーい!」
狼輝「あ、七海飛び込んじゃ……」

ザブーン。








水飛沫が波打ち際にいた全員にかかる。当然、喧嘩している二人にも。

狼輝「……飛び込みは駄目だよ、七海。」
七海「でも楽しいのにー。」
命「あ、別に構わないわよ。どんどん楽しんでいって。」
七海「わーい。」

ルティア「……私たちも泳ぎましょうか。」
蒼月「そうだね……」

ルティアがチャプンと水に入った……所に。

ザボォン!

蒼月がルティアのすぐ傍に飛び込みをした。

ルティア「蒼月さん。私に何か恨みでもあるのかしら……?」
蒼月「僕の紅君を引き抜こうとするばかりか、狂犬を放って妨害し、挙句の果てにはスパイまで送り込まれたら僕だって堪忍袋の緒が切れるさ。」
ルティア「貴女が仕事をちゃんとしないからでしょう!」

ジャバーン!
蒼月が水をはたいてルティアにぶつける。

ルティア「……よくもやりましたねー!?」

ジャバーン!

蒼月「このー!」

ジャバーンジャバーン!

……口喧嘩の次は水の掛け合いだ。

七海「お姉ちゃんたちが怖いのー。」
狼輝「……離れとこうか。七海はあんな真似しちゃ駄目だよ。」
七海「分かったー。」

命「ねえ、もう二人とも止めてよ。」
蒼月「君も引っ込んでて!」

ジャバーン!

命「ワプッ!?」

思わず動揺して命はこけてしまう。

蒼月「あ?」
命「ガボゴガ……」

そして、そのまま溺れかけて……

紅夜「命!」

とっさに紅夜が駆け寄って引き起こす。

紅夜「……大丈夫か?」
命「うん、何とか大丈夫……。」

紅夜は蒼月を睨みつけて。

紅夜「悪ふざけが過ぎるぞ、蒼月。」
蒼月「ご、ごめん紅君……」
紅夜「まったく。せっかく招待してくれたのに招待主を水をかけるやつがいるか。」
ルティア「そうですわ。命さんの厚意に恩じゃなくて仇で返すところでしたのよ?」
命「……♪」

蒼月がお説教されている間、命は紅夜の腕の中にいて少し幸福な様子。

狼輝「……まったく脈が無いわけでは無さそうだね。」
貢永「でも、進展が無い。」
七海「だからこそ、時間をかけるの。命ちゃんファイト!」

そんな空気の中、遅れてやってきた人物が一人……

氷雨「遅れた。ごめん。昨日、急患でよく寝てなくて。紅夜、一緒に泳ごう?」
紅夜「姉さん……。」


……この語もトラブルはあったものの、楽しく水泳を楽しんだそうな?

-- END or NEXT? --------------------------


貢永を動かす事を目標にした割には、人数出張らせすぎたと後悔。
命ちゃんのサポート役をイメージした割には命が墓穴を掘ってばっかりだったような話ですね。
後、オチの氷雨姉さんは落ちてない気がします。(汗

[144] 今更?
ラスティ・ブランフォード - 2007年09月01日 (土) 10時53分

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- 桜ノ宮ホストクラブ-
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蒼月「うーん……そもそもホストってなんだろう?」
貢永「何を悩んでいるんですか?」
蒼月「ん、みつなが……じゃなかった、ミクト君か。週末の生徒会企画でホスト部をやることにしたんだけど、具体的にどうするかを考えてるんだよ。」
貢永「……この学校、男性は紅夜と蒼馬さんだけですよね?ホストは男の人がやるわけですが……」

そこまで言って。

蒼月「……僕の紅くんを呼び捨てにするなんて、君はどんな関係だい?」
貢永「唯のクラスメイトです。」
蒼月「それ以上のものは持ってないだろうね?」
貢永「あえて言うなら、『命さんの友達』と言う事でしょうか?」

バチバチバチ。真意をぶつけられて蒼月の目付きが鋭くなる。が、それはさておき……

蒼月「まあいいや。とりあえず、女の子がホストをやるわけにはいかないのかい?」
貢永「それは『ホスト』ではなくて、『ホステス』となると思いますが。」
蒼月「ふむ。となると、男手が足りなさ過ぎるか……」
貢永「……お義父さんを呼んでみましょうか?」
蒼月「そう言えばミクト君のお父さんって桜ノ宮の裏手にある、黒森神社の神主さんだっけ?」
貢永「あの人、結構親馬鹿なんですよね。『来て』って言ったら飛んできますよ。もちろん、飛んでくると言っても空からは来ませんよ?」
蒼月「へえ、意外だね。で、ホストを任せるには十分な逸材なのかい?」
貢永「人が良くて顔も平均以上ですし、何より天然で口説きが出来る辺りは十分過ぎるほどに。……本人の知らないところで何人か落としてる事もあるくらい。」

ミクトがポソッと愚痴るが、ホスト部の方向性を決めた蒼月には余計な言葉は届かなかった。

蒼月「ふふふふふ。ありがとう。方向性が見えてきたよ。後はイケメンの士仙君も呼べばいい感じにまとまるかな……?」

こうして、桜ノ宮学園ホスト部は幕を開けたのだった。



@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@


蒼馬「一気飲み、行きます!」

コーラ・メロンソーダ・ウーロン茶。その3種をごちゃ混ぜにしたジュースをゲームに負けた蒼馬が一気に飲み干す。

蒼馬「うう……不味い。」
生徒A「きゃーwかわいいぃぃw」
生徒B「もう一回、もう一回やろw」
蒼馬「何でこんな…」

蒼馬はすっかりおもちゃ。


生徒C・D「士仙くーんw」
士仙「はいはい、ただいまお持ちします。」
生徒C「このケーキ病み付きになるー♪」
生徒D「ホント、おいしーよねー♪」

士仙はすっかりケーキ屋さん状態。


蒼月「紅くん、あーんしてー♪」
晴美「ちょっと待て、どっちがホストでどっちが客だ(汗」
紅夜「……。」

紅夜はすっかり立場が逆転していて。


生徒E「すごーい!」
狼輝「この花束、皆さんどうぞ。」
生徒F「手品がお上手なんですねー。」

狼輝はすっかりマジシャン……いや、天然で女心くすぐる辺り、芸持ちのホストで正しいか?


と、以上のような感じだ。

宇美「……意外と盛り上がってるな。」
ルティア「まあ、この学校は男子が来ること自体が珍しいですし。」
宇美「さり気なく賭博を始めてる馬鹿がいるんだが……」
貢永「なんか、凄く嫌な感じね。」
宇美「ん?もしかしてファザコンなのか?」
貢永「いえ、そういう訳では。ファザコン云々抜きにしても、身内が賭けの対象になってるのは気持ち悪いとは思いませんか?」
宇美「ああ、そう言う話か。ところでお前は参加しないのか?」
貢永「止めておきます。呼んでおいてなんですが、ホストやってるお義父さんが嵌りすぎてて痛々しくて……声をかけづらいです。」
ルティア&宇美「……。」


ちゃんちゃん♪


貢永「ところで泉さんは?」
ルティア「泉さんなら、お姉さんの付き添いで早退したそうですわ。なんでも、月に1度の定期健診の為ですって。」


-- END or NEXT --------------------------

凪鳥さんのホスト部を引っ張ってみたけど、男が少なすぎたのでサブキャラも引っ張ってきたけど、それですら4人ですか……
肝心のホスト部自体、各キャラの個々のイメージだけ書いて終わりってのはネタとして引っ張れてねえOTL

[145] 口だけJAPANです!
3A - 2007年09月01日 (土) 14時46分

このタイトルのネタ分かる人だけ分かってください

えー自分では特に何もホスト部で話思いつきませんが、
この際、生徒から人気の高い蒼月あたりが男装したらどうでしょうか?
いや、本当に口だけですいません

[146]
ジャッキー - 2007年09月01日 (土) 19時05分

宇美……ハッキリもの言い過ぎだって……
本人目の前に「ファザコンか?」って……空気読めなさすぎだって……



ここで笑った僕は変人ですか?

[257] 主観:なし 登場人物:etc
凪鳥 - 2008年03月16日 (日) 04時24分

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- 中等部総括会 -
-----------------------------------------




 ポンポンポン。

 いつもの日常、いつもの午後。
 珍しく静かな生徒会室、次々と書類に判子が押される音が鳴る。

 ポンポンポン・・・。

 音の主はこの生徒会室の主――であるところの生徒会長。
 その生徒会は、机の上に高々と詰まれた書類の山から起用に書類を取り出すと、流れ作業の様に判子を押していく。

 暫く軽快に判子は押されていたが、その手がぴたりと止まる。

蒼月「ねぇ、紅く――」
紅夜「五月蝿い黙れとっとと判子を押せ」
蒼月「ぁぅぁぅぁぅ・・・」

 叱責。
 直に再開される再開される判子押し。

 ポンポンポン・・・。

蒼月「ねぇ、こぉ――・・・」
紅夜「口を開くな手を止めるな判子を押す事以外考えるな」
蒼月「ぁぅぁぅぁぅ・・・」

 ポンポンポン・・・。

蒼月「ね―――」

 目の高さに持ちげられた紅夜の握り拳が、副会長席の振り下ろされる。

 ダンッ!!

 と、机を叩き割らんばかりの打撃音が室内に響いた。

蒼月「ぁぅぁぅぁぅぁぅ・・・」

 生徒会席の机の上、判子押しが再開される。

 ポンポンポン・・・。

命「あの・・・紅夜?」

 半泣きになりながら書類に判子を押し続ける蒼月。
 それを横目に命は紅夜に声をかける。

紅夜「・・・(ギロリと、目だけでそちらを向く)」
命「えと、その・・・お客さん、だけど」

 紅夜のその険しい目つきに気圧されながら、命は生徒会室の入り口を指す。
 見ると、そこには一人の中等部生徒かちょこんと立っていた。
 紅夜と眼が合うと、その生徒はビクッと震え、ペコリと慌てて頭を下げる。

紅夜「・・・用件は?」
命「中高連絡会議の準備が出来たから呼びにきたって」
紅夜「そうか・・・」

 横目で蒼月の様子を見る。
 一応サボることなく、まるでそれ専用の機械のようにポンポンと書類に判子を押していく。
 それでも、今日までに終わらせる予定の書類の半分も進んでいないが。

紅夜「・・・・・・」

 一瞬今日は会議を中止してもらって、こちらを先に片付けさせるか・・・と、考える。
 しかし、流石にそういう訳にも行かなかった。

紅夜「蒼馬、命、蒼月を頼む」
蒼馬「解ったよ」
命「うん、任せておいて」
紅夜「・・・じゃ、行ってくる」

 二人に蒼月を頼み、紅夜は席を立ち上がると迎えの待つ入り口に向かう。

蒼月「あっ! 紅君、行ってらっしゃ――」

 ヒュッ!!

 と、鋭く空を切り紅夜の手より放たれたシャーペンが・・・。

 カツーーーーーンッ!!

 と、生徒会長席の机に突き刺さる。

蒼月「ぁぅぁぅぁぅぁぅぁぅ・・・」

 ポンポンポンポン・・・。

・・・・・・・・・
・・・・・・
・・・

 ツカツカツカ。

 と、迎えに来た中等部生徒を置き去りにせんばかりの歩調で、紅夜は中等部棟へ向かう。
 迎えの生徒は前を行く紅夜に、置いていかれまいと必死についていく。

 中等部と高等部を繋ぐ渡り廊下を抜け、中等部棟へ入ると、ちらほらと廊下に中等部生徒の姿が見えた。
 廊下の真ん中でおしゃべりしていた生徒達は、歩いてくる紅夜の姿を見つけると、一様にビクリとすると廊下の両側に避け道を空けた。
 それを皮切りに、廊下に出ていた生徒達全員が、教室に入るなり道を空けるなりし始める。
 それはモーゼが海を割るかのごとく。
 その開いた道をツカツカと紅夜は歩いていく。
 毎度のことなので気にも留めない。
 何せこの状況は学校だけではなく、寮でも起こる。
 これが蒼月や雪奈、ルティアや晴美ならばわらわらと集まってきて前に進めない程なのだが。

紅夜「・・・・・・」

 ふと、一人の生徒と目が合ってしまう。

生徒「ひっ―!?」

 その生徒は小さく悲鳴を上げると、ぺたんとその場にへたり込んでしまった。

紅夜「・・・・・・」

 こういう状況には慣れてはいたが、流石に眼が合っただけで腰を抜かされたのは初めてだった。

紅夜「・・・大丈夫か?」

 そういって紅夜はその生徒に手を差し伸べる・・・が、その紅夜の行動にますます怯えると、生徒は泣き出してしまう。

 ヒソヒソと周りから何か話し声が聞こえて来た。

紅夜「・・・・・・」

 仕方ないので、生徒を無理やり立たせその場を離れた。

・・・・・・・・・
・・・・・・
・・・

 中等部総括会室に着くと、ドアには会議中という札が下げら、鍵がかけられていた。
 トントンと、軽くドアをノックする。

声「どちらさまですか〜?」

 ドアの奥から、どこか間の抜けた声が聞こえてくる。
 聞き覚えのある声・・・中等部総括会・副会長の声だ。

紅夜「総括生徒会副会長の綾河だ」
声「綾河さん? まぁまぁ、お待ちしてました」

 パタパタと歩く音がこちらに近づいてくる。
 ドア越しに人の気配、そしてカタンと中等部室のドアが揺れる。

声「あら〜? 鍵が開かないわ・・・」

 その声と共に、ガチャガチャと金属音が鳴り、ガタガタとドアが揺れる。

声「・・・それ、逆」

 副会長とは別の気配。
 この落ち着き払った声は、中等部総括会会長の声だ。

声「あらあら、本当? こう? ・・・えいっ!」

 カチンッ。

 と、金属がかみ合う音と共に副会長の歓喜の声が上がる。

声「開いたわ〜! すみません綾河さん、今空けますね〜?」

 ドアの前で待つ事五分。
 
 ようやく中等部総括会のドアが――開いた。


-- NEXT --------------------------

キャラとかはさっぱり設定がないけど、一応中等部もあるぞ〜と。
ある意味やりたい放題できる所です。

[259]
ƒジャッキー - 2008年03月21日 (金) 20時15分

紅夜どんだけ怖がられてんだ、オイ
あからさまな不良なんかよりも怖いのだろうか、うん、きっとそうに違いない

[267] 主観:なし 登場人物:紅夜・命・鶯・光
凪鳥 - 2008年07月30日 (水) 01時38分

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- 骨が折れる、ということ -
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紅夜「――全て却下です」

 バサリと、手に持っていた書類の束を机に落す。
 そしてその書類に『却下』の副会長印を押し、普通科総括会長・庭瀬鶯に手渡す。

鶯「――ッ〜〜!」

 ワナワナと、戻された書類の束を引き千切らんばかりの怒りで肩を震わせる鶯。
 いつもフワフワと、とらえどころのない彼女にしては珍しい反応。
 まぁ虎の子のイベント案を次から次に却下されては、流石の彼女も頭に血が上るだろう。

鶯「ななななななんでっどうしてぇ〜全部こ〜んなに面白そうなのにぃぃぃぃっ!!」
紅夜「『まとも』なのが一つとしてありません」
鶯「なぜなんですか!? これなんか本当に面白そうなのにぃ〜〜!!」

 返した書類の束から鶯は一枚取り出すと、ズイッとこちらに突き出してくる。

紅夜「…わざわざ『菫ノ宮』に喧嘩売るなんざ、阿呆としか言いようがないでしょうが」

 ハァと溜め息を付き、突き出された書類に再度『却下』の判を押すと、もう一度付き返す。

鶯「キィ〜〜ッ!!」

 鶯は顔を真っ赤にして付き返された書類を力一杯横に引っ張る…が、書類が破れることは無かった。
 破れなかったのか、破らなかったのかは解らないが。
 病弱で非力なほうだが、流石にここまで非力だと少し体の具合を疑う。

 血液嗜好症。

 別名を吸血病といい、簡単にいうと人・獣を問わず血液を好む症状の病気。

 もともと体も弱く小さく、加え極めて特殊な病気もあいまって、実の所学園でも一、二位を争うほどの病弱体質。

 一度『本当に噛まれた時』など、流石に動揺したものだが…。

 その噛まれた左手首には、歯型が今でも消えずに残っている、それはまるで呪いか何かのように。
 普段は発作が起こっても、人に噛み付くような事は殆どないそうなのだが。
 美味そうに見えたのだろうか?
 よく考えたらあの時の事は庭瀬会長から何も説明がない…忘れているのだろうか?
 彼女といい命といい、この学園には特殊な病状の人間が多い。

鶯「いつか絶ッ対、全身の骨叩きおってやる――!!」

 うわ〜ん!! と叫び、
 バタンッ!! と、生徒会室のドアを閉め、
 バタバタバタと、桜ノ宮一の策士は走り去った。

 バサバサと、去り際投げ捨てていった書類が、生徒会室に舞う。

 見事な負け犬ッぷり、素直に賞賛物だ。
 一日で30ものイベント案を提出してくるその根性にこそ、賞賛を送りたいものだが。

 しかし…

紅夜「なぜ、骨だ?」
光「…すみません綾河さん、あの子も悪際ないんですけど」

 鶯が放り投げていった書類を拾いながら、光が申し訳なさそうに声をかけてくる。
 彼女も鶯と共に生徒会に来ていたのだ。
 当初は議論に参加していたが、結局いつもの通り彼女は蚊帳の外で眺める形になってしまっていた。

紅夜「いえ、これ位やる気があるほうが生徒会としてはありがたいです」
光「生徒会としては…ですか?」

 紅夜も書類拾いを手伝おうと、副会長席を立つ。

光「では、貴方個人としては?」

 その質問に、紅夜は書類を拾う手を止め、少し考えると眉間に皺を寄せ口を開く。

紅夜「…いい加減にしてほしい」
光「…すみません、本当に…」

 深い溜め息と共に口から漏れた本音は、光の謝罪の声と共に空に消える。

 程なくして全ての書類を拾い終えると、紅夜は副会長席に座り直した。

光「では、私もこれで」

 そういって集めた書類を丁寧に持つと、ペコリとこちらに一礼し生徒会を後にする光を見送る。

紅夜「…さて、仕事に戻るか」

 放課後の頭からずっと鶯に付き合っていたため、自分の作業が進んでいない。
 紅夜は改めて、今日の作業を確認する。
 まだまだ片付けなければ成らない仕事は、数え切れないほどあった。


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 カッチコッチカッチコッチ。

 珍しく紅夜一人しかいない放課後の生徒会。
 蒼月・蒼馬は菫ノ宮に、命は一人風紀委員会に出払っている。

 カッチコッチカッチコッチ。

 古い時計の音が音の少ない生徒会室に響く。

紅夜「…間違ってるな」

 書類の不備を見つけ、訂正する。
 作成者は…柊蒼月。
 後で説教だな。

紅夜「…無理だろこれは」

 また書類の不備を見つけ、訂正する。
 作成者は…花園遊意華。
 学習機材申請用の書類…経費総額の桁が一つ間違っている。
 絵筆一本に10万円×20個。
 ありえない、後で書類整理の指導だな…。

紅夜「…………」

 ポンと『承認』の判を書類に押す。
 風紀委員から提出された、学生寮の設備調査の希望。
 特に問題なく右から左に流す。
 風紀委員会の提出書類は処理しやすくて助かる。
 次も風紀委員からの提出書類だ…。

紅夜「…………」

 どこかで見た事のある筆跡で書かれた呪いの手紙。
 破り捨てる。

紅夜「………?」

 またしても手紙。
 恋文だ…あて先は『柊蒼馬様』。
 蒼月宛てでは無いのが珍しいが、特に気にせず会計席、その机に手紙を置いた。

 その後も次から次へと書類を処理していくが、終わりが見える気配がまったくしない。
 むしろ増えている気がしなくも無い。
 仕事をこなすたび、他の委員会や教師陣から次々に書類が提出されてくるので、減らしても増えるばかり。
 去年は去年で仕事は多かったが、今年はそれにも増して多い。
 それというのも今年は去年までのような看護科の一人舞台とは違い、
 普通科・看護科・美術科の三科がそれぞれ切磋琢磨し合い、学園を盛り上げようとしているからだ。
 各科の代表が盛大に動けばそれはそれは、仕事が増える。

 それに相手をしなければならないのは何も三科総括会だでではない。
 風紀委員を筆頭した通常委員会との会議。
 高等部生徒会の下部組織として連なる中等部総括会との連携。
 理事長や学園教師からの要望・対応。
 そして隣町の姉妹校・菫ノ宮学園との睨みあい等々。
 
 自分が望んだ結果…自分が招いた結果とはいえ、少しどうにか成らないものかとも思う。

紅夜「……?」

 ふと、外が騒がしい事に気が付く。
 それに先程から何故かチリチリと、鶯に噛み付かれた時の傷跡がうずく。

紅夜「なんだ…?」

 気にはなったが、目の前の書類の山を放っておく事はできず確認しに行く事はしなかった。

 カッチコッチカッチコッチ。

 それから十分ほど経つと、外の喧騒はますます大きくなっていた。
 流石に見過ごす事はできなくなり、自体の確認をしようと副会長席から腰を上げる。

 すると、タイミングを見計らったように勢い良く生徒会室のドアが開く。

命「紅夜っ!」
紅夜「命?」

 その妹が女神様の様だと称える真っ白な長髪を乱し、ドアを開け現れた人物は九条命。

紅夜「なんだお前、走ってきたのか?」

 珍しく息を切らし、額から汗を流している命をみて思わず聞いてしまう。
 命は自分で自分の体が弱いと理解しているので、これほど疲労が溜まるような運動はあまりしないものだが。

命「そのっあのっえとぉっー…」
紅夜「…まずは落ち着け」

 とりあえず、息を整えないと会話する事もままならないので、命を書記長席に座らせる。
 命が落ち着いた所を見計らい、声をかける。

紅夜「一体何があった?」
命「えと、庭瀬さんが…」
紅夜「…庭瀬会長が?」
命「『ことごとくイベント案を却下された腹いせ』にって…」
紅夜「…腹いせに?」
命「ゲリライベントを始めちゃったのよっ!!」
紅夜「…は?」
命「は? じゃないでしょっ! もう大変だったんだから!」

 命の話では、庭瀬普通科総括会は行き成り学園の中庭を占拠しだしたのだそうだ。
 当然そんな暴挙を天津風紀委員会が見逃すはずも無く、その場に居合わせた命ともども止めに入ったそうだ。
 しかし、庭瀬会長の安い挑発に乗った九条泉・如月宇美両名が暴れだしてしまい逆に事を大きくしてしまったらしい。
 そしてそれを止めようとしたルティアも、またに庭瀬会長に乗せられ騒動の中心に。

 にっちもさっちも行かない状況、命一人ではどうしようもない。

紅夜「…で、お前は激しい運動を止められてるにも関わらず、そんな血相変えて走ってきたわけか」
命「だって本当に大変だったしっ! それに、庭瀬さん紅夜のこと『鬼っ! 悪魔っ!』って…」
紅夜「…? 別にそれはお前も良く言うだろ?」
命「そっ! それはそうだけど…でも…」

 他の人に言われると、何だか腹が立つ。
 と、命は心の中で呟いた。

紅夜「…まぁいいが、で? あの人は何やらかしたんだ、そのゲリライベントやらで」
命「…えと、『鬼ごっこ』」
紅夜「…はぁ?」

 学園中庭を占拠してまでやる事が鬼ごっことは…。
 多分『ただの鬼ごっこ』ではないのだろうが。
 そういえば、先程提出されたイベント案に、確かに『学園鬼ごっこ』というものがあったが…。
 鬼ごっこそのものは別に良かったんだが、鬼を倒した景品が学園有名人の生写真、というのは流石に許可するわけには行かなかった。
 というか、そもそも『鬼を倒したら』というのは一体…。

紅夜「…ハァ〜…まったく、あの人にも困ったもんだな…」
命「どうするの紅夜? えと…止めに行く?」
紅夜「いや、もう転がったものを無理に止めるのは得策じゃない」
命「じゃ、じゃあどうするの? 放っておくの?」

 はぁと一つ溜め息を付くと、生徒会室のドアに手をかける。

紅夜「…どうせだ、最後まで盛大に転がってもらうさ」

 どうせやるのなら最後まで、中途半端にやられるのもそれはそれで困る。
 それに、こういった生徒の自主的な活動を『何事も起こらないよう支える』のが生徒会の本来の仕事。
 転がった岩ならば、それをきっちりどこにも被害なく転がしてやるのが、生徒会というもの。
 そろそろ蒼月や蒼馬も帰ってくる時間だ、丁度いいといえば丁度いい。 

 とはいっても…あーまったく、本当に――…

紅夜「骨が折れる…」


-- NEXT --------------------------


久しぶりの投稿〜。
久しぶりだなぁ〜ほんとに。
この頃はちょっと放置気味だっだんですけど、これからは少し時間を見つけて投稿していこうかなと思います。

『学園鬼ごっこ』の内容は特に考えてませんが、まぁ楽しい事だろうと。

しかし、相変わらず学園随一の苦労人・紅夜。
溜め息が似合う男になってきました…主人公なのに…。
そろそろ何かご褒美とかあげてやるべきですかねぇ。

[269]
ジャッキー - 2008年08月02日 (土) 21時10分

すごい、鶯すごい
何がとはいわずすごい
考えもなく(いや、あるのか?)ゲリライベント起こしたりとか、宇美と泉とルティアを簡単に引き込んだりとか
やっぱり桜ノ宮の中で鶯が一番好きだな〜



桜ノ宮学園版リアル鬼ごっこ、みたいなものですかね
何となく前に雪奈が出したバトルロワイヤルに通じるものがある気がします

[270] うーむ、もういいや
ジャッキー - 2008年08月03日 (日) 18時53分

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- 無愛想朴念仁君 -
-----------------------------------------

カタカタカタ……



>で、どうだよ女ばかりの学園生活は、色男君

>やめてくれよ、お前が思っているようなものとは程遠いから

>んなワケあるか! 桜ノ宮だぞ!? 周りを見渡せば両手どころか足の指と口と脇使っても持ちきれないくらいの一本ウン万円の華がゴロゴロ転がってる桜ノ宮だぞ!?

>まあ、それは否定しないけど…とにかく、僕は普通校行きたかったよ、ホントに

>けっ、またウソくせェ。どうせ廊下の曲がり角でぶつかって『大丈夫?』『うにゅう…』とか、いつもは鬼、悪魔って罵ってるけど実はツンデレっ子とか、下級生の女子は『おにいちゃ〜ん』って学園でも言ってくるとか、突然部屋に来て『あなたの許婚です』ってきたりとかしてんだろうが!?

>…切るよ?

>まあ待て、落ち着け、こっちは男子校でただでさえ女に餓えてるんだ。これでお前から瑞々しい若々しい女の話が金輪際聞けなくなったりしたら、俺は一体どこでこの鬱憤を晴らせばよくなる?

>知らないよ

>最近冷たいな…

>ほっといて。…とにかく、まるで『それなんてエロゲ?』って突っ込まれたいほどのシチュエーションみたいなことはな

>あん? どした

>…いや、微妙にあるかも

僕はチャット中の画面から目を離して、すぐ傍にいるこの部屋のもう1人の住人に目を向けた。
綾河紅夜。
常に学園トップの成績を誇る秀才にして、天性の万能性と努力を苦にしない生粋の万能人。
口数も少なく、どちらかと言えば――というより見かけが怖いんだろうな――無愛想な方で、近寄りがたい雰囲気をまとっている。
思ったことをハッキリと『言い過ぎる』性格で、容赦を知らない。その為、友人が少ない。
切れ長の目でいつも眉間に皺が寄っているせいか、周りの女子生徒からは怖がられている。
――とまあ、どっかの紹介文をそのままそっくり写したようなことを並べてみたが、平たくいえば「無愛想な朴念仁」ってところかな。
頭はいいのにこういうことに限っては……なんていうと本当にギャルゲーの主人公みたいだ。
実際、それに負けず劣らずのハーレム状態なんだけど…。
僕? 僕はないね
彼は、僕が知っているだけで4人…妹の蒼、命さん、晴美ちゃん、遊意華ちゃん。あと、ルティアさんからも好意を抱かれているって蒼から聞いた事がある。でもまあ、あいつの言う事だからあまり信用してない。
とにかく、5人もベクトルの違う女の子が周りにいれば、もちろんギャルゲーの主人公としての素質は十分だろう。

>なんだ!? 微妙にってなんだよオイ! やっぱり廊下か!?

>それはないよ。ついでに部屋に許婚が押しかけてくるのも…ある

>あんのかよ!?
(蒼が勝手に来て紅にまとわりつくだけだけどね…)
>まあ、若干

>チックショー、やっぱり俺も行くんだったぜ、桜ノ宮
(いや、お前が来ても多分春原のポジションがいいとこだと思う…)
>いや、お前が来ても多分春原のポジションがいいとこだと思う…

>あんだとコラ!? 俺をあんなギャグキャラと同類にすんのかテメェ!

>あ、ゴメン、思ったことを思わず打った!?

>もっとひどいわー! そして!?てナンダ!

>あ、間違えた

>……お前が女なら可愛かったろうな、そのドジッ子属性

>やめて、お願い。お前に可愛いとか言われたらいくら僕でもキレる

>可愛い可愛い可愛い可愛(以下ry

>切るよ、いいね?

>だあちょっと待て!

「ソウマさんが退出されました」

「ふう…」
チャットルームから退出したのをしっかり確認し、僕はなんとなく疲れた肩を回してほぐす。
「終わったのか?」
「うん」
紅夜が本から顔も上げずに声をかけてきた。
別に紅夜がこういう風に失礼な態度を取るのは今に始まった事じゃなく、というか自分から声をかけてくるのもちょっと珍しい。
基本的にこの部屋は静寂が常なのだ。
「珍しいね、話しかけてくるなんて」
「…ま、たまにはな」
…もしかして疲れてるのかな?
最近総括会も血気盛んだしなあ〜…会長はアレだし。最近やっと使えるようになったといっても、まだ目を盗んでは怠けるし。
命さんや僕も、あまり戦力にはならないし…。
結局、生徒会の仕事って紅夜が半分以上1人でやってるんだよね。
そりゃまあ、疲れるのも当然か。
「一体何を話してたんだ?」
…本当に珍しい。紅夜がここまで他人の事を気にするなんて。
何があったんだろう。病気かな、過労かな、拾い食いかな、鬱病かな。
「ん〜…とね、桜ノ宮学園はどうだ〜って」
「死ぬほど大変だな」
「大賛成だね、その意見」
紅夜が本を本棚にしまい、出掛けようとするので、その前に一声かける。
「なんだ?」
「うん」
…結局、僕は何が言いたいんだろう。
「結局、紅夜は何がしたいんだ?」
-- END --------------------------


おかしいなあ…こんな風に終わらすつもりじゃなかったんだ
最初はただ蒼馬チャットで「桜ノ宮学園はハーレムじゃないよ〜、紅夜はハーレムだけど」って言うだけのつもりだったんだ。
それがなんだ、この終わりは?
これでENDか?
スイマセン

[272]
ジャッキー - 2008年08月17日 (日) 02時12分

-----------------------------------------
- 綾河紅夜を笑わせよう! -
-----------------------------------------
「ということで、どうすればいいと思う? 光」
「突然ですね、鶯さん。せめて何の事かを言ってくれないと」
「それならタイトルが全てを物語っている」
「…要は?」
「手抜き」
「最初に私達に名前を呼び合わせたのも」
「労力の無駄を省いたんだよ」
「物は言いようですね」
「日本語って素晴らしいねえ」


「で、どうしていきなりこんな事を?」
「人が思いつきで行動するのに、論理的な思考は必要ないでしょ?」
「そーですね、そーでした」
「あ、光なんか冷たい」
「ま、それはともかく、紅夜さんを笑わせる方法…ですか?」
「うん」
「そーですね…くすぐるとか」
「そんなん駄目だよ、ナンセンスだよ。そんな無理矢理じゃなくてちゃんと笑わせなくちゃ」
「そーゆーものですか?」
「そーゆーものです☆」
「………じゃあ、なんかギャグを言うとか」
「無視した、今すっごい無視した! あー、うん、例えば?」
「布団が吹っ飛んだ」
「………」
「………」
「光ってギャグセンスないね」
「分かってます」


「うーん、一体どうしたらいいのか…」
「そーですねえ…あの無感動人間を笑わせる事なんて、本当に出来るんでしょうか?」
「できるの」
「本当ですか?」
「本当に?」
「…え? 今の鶯さんじゃ」
「いんや?」
「話は全部聞かせてもらったの」
「うおわっ!? つづらちゃん、なんで窓から! しかも逆さまに!」
「髪が短いからそんなに怖くはないの」
「いえ、そういうことは聞いてないと思いますけど…」
「ずばり、紅くんを笑わせる方法は一つ!」
「おお、人の言う事全然聞いてないけど、考えがあるならいいや。何々?」
「マルコキアスをけしかける!」
「…あの子をですか?」
「紅くんは可愛い動物にハァハァだから、きっとマルコキアスと2人っきりにすれば気持ち悪いくらい笑顔のドロデレになるの」
「ハァハァってなにとかマルコキアスと2人って猫じゃんとかドロデレっていう新しい言葉作ったりとか色々突っ込みたいけど、絶対?」
「絶対、なの」
「よーし、じゃあいってみよう!」
「(ボソ)…無理だと思いますけど…」


「ふう…これで蒼月のやり残した仕事も片付いたな。ん?」
「ニャ〜(あ〜、たりぃ。なんで俺がわざわざこんな野郎のところに来なきゃいけねえんだよ。どうせなら可愛い女子に抱かれて胸の感触をたっぷり味わいてぇっての)」
「キュピーン☆ マルコキアス! なんでここに! いやまあどうでもいい、さっさと俺の腕の中に納まれええええ!」
「ニャ(は、コイツもこりねぇ。自分が動物に好かれにくい野郎だって事をいい加減分かってもいい頃合だと思うんだがな。まずその目だよ、ぜってぇ捕まえるなんつー、獲物を狩る目してやがんだぞ。そんな奴のところで安心して尻尾を丸められっかよ)」
「く、素早い!」
「ニャ?(ああん? のろいなあ、オイ。ああ、ただの準備体操か)」
「ぬおおおおおお!」


「なの」
「いやなのじゃなくてさ。確かにつづらちゃん、笑ってるけどさ、あんな凶暴な笑みじゃなくてもう少し大人しい、吹いちゃったーみたいなのはないかね?」
「ないの」
「即答ですね。諦めましょう、鶯さん」
「ううう………諦めるしかないのかなぁ? やっぱりあの人外超絶野郎には勝てないのかなぁ?」
「実はあるの」
「え!? いやいや、嘘は泥棒の始まりだよ?」
「お茶目。でもちょっと準備に時間がかかるから、明日まで待って欲しいの」
「ああうん、それはいいけど。その作戦の内容って?」
「ヒ・ミ・ツ♪ …なの」
「今もしかして無理矢理なのつけませんでしたか?」
「気のせいなの、それじゃあ、サヨナラなの」


翌日 放課後
「さて、約束通り生徒会室の前でつづらちゃんを待つ私こと鶯と光ですが、彼女は一向に現れません」
「空気に向かって話すと楽しいんですか?」
「ねえ、光って本当は私のことキライ?」
「でもいいんですか? 紅夜さん以外にも、まだ中に人がいますよ」
「ん、まあ、いいんじゃない? 要は私は、紅夜君を笑わせられれば全てOK! 後の事はまあ、どうでもいいや」
「最悪ですね」
「とうとう直接的な言葉の暴力が始まったのね?」
「お待たせなの〜」
「おお、つづ…」
「あ、つづ…」
「? どうしたの?」
「ど、どうしたのって…こっちが聞きたいよ! 何その猫耳! ゴシック・アンド・ロリータな服! 尻尾! ここはコミケ会場じゃないよ!?」
「しかもバッチリ似合ってるっていうのが、なんか、アレですね」
「適応力早いね、光」
「これでどんな男も『いちころ』なの」
「なんかどっかの4コマみたいな事言ってるけど、それ、本当に大丈夫? ていうかつづらちゃん自身が大丈夫?」
「面白い事のためなら、この身、惜しいけど惜しくないの!」
「どっちなんです」
「あ〜…じゃあまあ、とりあえずいってきて」
「なの!」
「鶯さん、あまり期待してません?」
「オチとしては、紅夜君にため息つかれて終わり、だね」


「ん? ………つづら君?」
「え、つづらちゃん? …だよね?」
「え、何、何で服が黒、え、つづらちゃん?」
「………」
「………」
……………
「……ぶっ!」
「「ええ!?」
-- END --------------------------

ヤッツケです
大体3,40分ほどで書き上げました
描写がほとんどないので、そこら辺は脳内補完して下さい
最後のオチなんてあまりにひどくて、もう絶対に読み返す事はないでしょう
書かなきゃよかった、と思います
でもなんででしょうね
駄作と分かっていても書かずにいられない、この変な気持ちは

[275] 文章を書く、ということ。
ラスティ・ブランフォード - 2008年09月16日 (火) 23時11分

そういう物ですよ、SSって。
厨二病とかポエムとか若さの現われが暴走して
思いをぶつけるのは、珍しいことではありません、というか私も良くやります(汗

だいぶ前の作品にレスをつけるのも、色々とアレですがね。

[285] 時を刻む
ラスティ・ブランフォード - 2011年01月18日 (火) 15時09分

-----------------------------------------
- 命の夢見 -
-----------------------------------------

私、どうしたんだろう?
えっと、何してたんだっけ?

部分的にしか思い出せない。

私の名前は命。人間ね。
間違っても、猫じゃない。
確か、生徒会室に何か用事があったんじゃなかったかしら?

とてとてとて……

何の気なく、四本の足で歩き出す。
とても背が低く感じる。
現在地を確認するために教室のプレートを見ようとして、たまたま通りがかった子のスカートの中が見えてしまった。

「……!☆?」

うっかりとはいえ、覗いてしまったことにすごい気恥ずかしさと申し訳なさを感じる。
頭に血が上ったおかげか、だいぶ今の現状が理解できてきた。

「私、もしかして夢を見てる?」

やたら低い目線。自然に4つ足で歩いていること。
手を持ち上げてみると、毛むくじゃらで肉球がついている。
どうやら、私は夢の中でマルコキアスになっているらしい。
そして、この夢の目的は生徒会室で寝ている私を起こす事。

「夢の中で寝てるって自覚してるのは、なんだか変な気分ね。」

とりあえず、現状が分かったところでもう一度教室のプレートを見ようとすると……。

「ふにゃ!?」

急に持ち上げられ、視線が高くなる。
脇の下の辺りをつかまれて凄くくすぐったい。
私を捕まえたのは誰?

紅夜「……。」

振り返ってみると、なんと言っていいのか判断に困る微妙な顔を浮かべた紅夜がそこにいた。
何を考えているのか、その表情からはまったく読み取れない。
だけど、一つだけ分かったことがあった。
生徒会室はすぐそこだったということ。目線が高くなったおかげで、プレートがはっきり見えた。

「早く、私を起こさないと。」

紅夜の手は思いのほか暖かくて、優しく感じた。
多分、紅夜は何の気なしに掴んだんでしょうけれど、中身は人間の女の子である私はこのまま抱きかかえられているのは凄く恥ずかしい。
紅夜は私が思考している事を大人しくなったと判断したのか、抱えなおそうとする。

「チャンス!」
紅夜「お、おい。」

するりと紅夜の手から抜け出した私は、そのまま僅かに開いていた生徒会室の扉を前足で器用に開けて滑り込むように入っていく。


すぅ、すぅ……

「やっぱり、私は寝てたのね。」

そこには、うつ伏せになって仮眠を取るうちにそのまま机で寝てしまっていた私がいた。

「何とかして、起こさないと……」

@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@


命「ん……?」

なんだか、少し変な夢だった気がする。私が私を起こす前に起きてしまうなんて。

紅夜「ああ、起こしちまったか。」
命「紅夜?」

声がする方に視線だけ動かすと、そこには制服の上着を脱いだ紅夜と紅夜に抱えられたマルコキアスがいた。

紅夜「マルコキアスを普通科の誰かに返してくる、上着は俺の机の上にでも置いておいてくれ。後で取りに来る。」


そう言うと、紅夜はそのまま行ってしまった。上着?
言われてみれば、背中の辺りに違和感が。

命「……!?」

いや、まさか紅夜に限って?
でも、私の心配してくれたのかな?

命「紅夜って、私の事どう思ってるのかな……?」

そして、私も紅夜のことをどう思っているのだろう。
今、背中にあるものの暖かさは名残惜しいけれど、このままかけている訳にもいかず、少し冷静にもなりたくて。
紅夜の上着に手をかけると、小さな皺も綺麗に折りたたんで生徒会副会長席に置き……
そして、私は席に戻ると紅夜が戻るまで上着の置かれた席を見ているのだった。

-- END or NEXT --------------------------

命視点で書いてみたはいいけれど、正直キャラクターの誤差が気になる。
前半夢落ちっぽく書いてるのは、夢+起き抜けなら多少の思考のブレはごまかせるんじゃないかな〜という思惑からだったりするんですよね(汗
がんばれ命!ライバル多いけど、正ヒロインなんだからw



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