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桜ノ宮学園 学生掲示板

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[2] 風紀委員会用スレッド
管理人 - 2007年05月22日 (火) 23時15分

風紀委員会についての小説を投稿、雑談をする場合はこのスレッドにお願いします。

小説投稿用テンプレート↓

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- タイトル -
-----------------------------------------
ここに内容。
-- END or NEXT --------------------------

[22] 『天津会長の多忙な日々1』
猫侍to管理人 - 2007年05月22日 (火) 23時36分

「これは…?」

その日、私ことルティア・天津・ライゼルロードは溜まりに溜まった風紀の報告書に目を通している最中、書類に厄介な事柄が記載されているのを発見した。

「天津会長、どうしたんです?」

私の呟きが聞こえたのか、未処理の報告書を整理していた宇美さんが私に声をかけてきた。

「どうやら盗撮を行っている不届き者がいるようですわ」
「ち、またか。…ったく、懲りない連中だ。」

と、うんざりした表情で宇美さんは呟いた。…無理もない。事実私もそう思っている。

閉鎖的で、元とはいえお嬢様学校である桜ノ宮学園の生徒の写真は希少価値が高く、
その手の取引では高値で売買が行われているらしい。
よって毎月二、三度は盗撮目的で園内に侵入する輩が出没する。
私たち風紀委員は警備員の方と協力してそんな輩を捕まえ警察へと引き渡す。
本来警備員の仕事かと思われるが、学生主体の学風な為か最低限の人員しか配備されて
おらず、やむを得ない、そんな形で風紀に回ってくる。
故にそういった事は、会長の私や護身術に長けている宇美さんといった方々が直接調査を行わなければならない。

「宇美さん。私が留守にしている間、警備員の方から何かあったかは聞いておりませんか?」
「いや...私は特に。ひょっとすると泉が何か聞い――」

視線を副会長代行―と言っても既に代行は要りませんわね―席へと移した宇美さんは絶句し、頭を俯かせて舌打ちする。
風紀委員会副会長、九条 泉さんは書類を残して風の様に消え去っていた。

「また例の病気ですわね...」
「っくそ…この俺が気配すら気付かないなんて…忍者かあいつは…」
「はぁ…全く泉さんは…」

日々進化する彼女の脱出方法に頭を痛める。
彼女は非常に有能だが、あの常軌を逸したシスコンだけは困ったものだ。
始めは姉離れさせようと様々な方法を試してはみたものの…結局全て効果無し。
最近は諦め、うまく折り合いを付けながらやっているが、稀にこうなってしまう。

「まぁとにかく…私が彼女を迎えに行ってきますわ。宇美さんは引き続き報告書の整理を御願い致しますわね。」
「…」

どこか納得行かない表情の宇美さんを一人残し、私は風紀委員室を出る。

――現在昼休み。
今日は命さんのクラスで4限目に調理実習が入っていたはずだから彼女が向かった先はおそらく、いや、間違いなく調理室のはずだろう。
命さんの居場所が解っているのならば、彼女の捜索は至って簡単だった。

――そして数分後、調理室で何故か気絶している彼女を発見する事になった。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

何分書き始めたばかりの若輩者ですので、何か問題点などありましたら、
指摘して頂ければ有り難いです。

[23] 『本日のテーマは卵料理』
猫侍to管理人 - 2007年05月22日 (火) 23時37分

「姉様ーーーー!!!」

そんな怒号と共に、九条はドアの蹴破らんが如くの勢いで調理室へと入ってきた。
流石に転校したて当時はクラス全員が奇行として注視したものだが、
大分経った今となっては慣習と化して誰も驚きはしない。
単に、「またか…」と思うだけだ。

九条は命の前まで走り寄り、命の両手を握る。

「姉様、お怪我は御座いませんか? 綾河紅夜に何かされませんでしたか!?」

後半の部分がやけに切羽詰ったような声になっているのは気のせいではないだろう。

「えぇ、怪我は無いわ。紅夜に色々と助けてもらったから。」

そこまで聞くと九条は俺の方へと振り向き、ズカズカと足音を立てながらこちらの方へ
と近づいてきた。
眉が平常時よりも高く吊り上っているのを見ると、怒っているようだ。

「綾河紅夜…貴方、一体何のつもりですか?」
「…何のことだ?」

俺の態度が癇にさわったらしく、さらに顔が険しくなる。

「とぼけないでっ! 普段姉様に素気ない貴方が手助けなんて何か裏があるに決まっています! まさか姉様を誑かしてお持ち帰りすると言うのですか! 
何て羨ま…ではなく…何て浅ましい!」
「…単に玉子焼きの調理法を請われたから教えただけだ」
「たかが玉子焼きなどに特別な調理法などありません! どうせ貴方が無理やり姉様に教えを請わせたとしたのでしょう!」

たかが、という言葉に引っ掛かりを覚えたが、今の九条に何を言っても通じないのは既に明らかだ。
…なら、九条が疲れるまで適当にあしらっておくのが一番だろう。

早々に結論を出した俺は、変わらず大声を出し続ける九条の後ろを見ると、命が泣きそうな表情で、蒼月はニヤニヤと笑い、蒼馬は苦笑しながら、其々が三者三様にこちらを眺めていた。

////////////////

「紅も大変だなぁ…」
「紅君だからね」
「そ、蒼月ぅ〜、蒼馬ぁ〜、そんな呑気にしてないでよ〜」
『『だって紅(君)だし』』
「うぅ…双子コンビネーション…」
「ふふ、冗談だよ。そろそろ、紅君を助けに行こうか」
「何かいい考えでもあるのかい、蒼?」
「うん、まあね。」
「どうするの?」 
「簡単だよ。泉君を美味しい目にあわせる、それだけでいい。」

////////////////

「泉君。紅君もそろそろ反省したろうし、この辺で止めにしないかい?」

ここからが綾河紅夜を追い詰める、というところで柊会長に止められた。

「……………それは生徒会長としてのお言葉ですか?」

「それも多少は。けど何より、僕の大切な紅君が虐められるのが耐えられなくてね。」
「………………」
「〜♪」

綾河紅夜が眉間に皺を寄せ、無言の圧力を柊会長に向けるが彼女は全く動揺せず、
むしろ奴を怒らせた事によって笑みを強くさせる。
…相変わらず読めない人だ。

「で、どうかな、泉君。今ならもれなく紅君の玉子焼きを優先的に試食できる権利のプレゼント付きだよ。それとも命君の方がいいかな?」
「…姉様の玉子焼きを御願いします。」

もとより生徒会長まで出しゃばられてはこちらとしては引き下がるしか無い。

「泉君ならそう言ってくれると思ったよ。では、はい、どうぞ。」

小皿に切り分けて盛られた玉子焼きとフォークを受け取る。
フォークを手にし、玉子焼きを刺そうとした時――手を止めた。
…いくら何でも準備が良過ぎる、そんな考えがふと浮かんだのだ。

柊会長の性格を考えると罠を仕掛けてある可能性は高い。
だからと言って食べないとなれば…仮にこれが姉様の愛情玉子焼きなら、食べない私を見て姉様は失望するに違いない…そんな事になったら私は耐えられない…!
ひょっとしたら食べるのに躊躇している私を見て既に失望してしまっているのでは…?
恐ろしい不安に駆られながら姉様の表情を窺うと――姉様は笑っていた。
姉さまと目が合う。より一層笑みが強くなる。
玉子焼きをそっと指さすと、天使の笑みで首を縦に振った。
そして確信する。これは姉様の玉子焼きだと。
躊躇無く玉子焼きを刺し、口に入れた瞬間、私の脳裏に小さい頃の記憶がよぎった。

――小さい頃の私は普通よりも味覚が鋭かった為に、独特の臭みがある卵がどうしても食べられず、いつも両親に叱られていた。
当時姉様の担当医として屋敷に招かれていた老けた男の医者に相談すると、
彼はある料理を作ってくれた。

ダシ巻き玉子。

私はそれを見て言った。今までシェフが苦心して卵の味が目立たない様に作ってくれても駄目だったというのに、今さら卵だけで食べられる筈が無い、と。

しかし、彼は笑って答えた。
「貴方は私の孫と全く同じ事をおっしゃる。が、その玉子焼きから嫌な臭いはしますか?」

恐る恐る匂いを嗅ぐと、臭い匂いなどせず、むしろ美味しそうな香りが漂っていた。
私はそのダシ巻きを抵抗なく口に入れると、あまりの美味しさに震えた。
卵本来の旨みを最大限に引出す調理法、更にダシとの調和によってより高い次元に昇華した味、外側はしっかり、内側はしっとりとした絶妙な焼き加減。
臭みなど全く感じず、ただ美味しさだけが溢れていた。
私はあっという間にダシ巻きを平げると、彼は微笑みながら言った。

「これでもう、貴方は普通に卵を食べられるようになりますよ。」
そして彼の言うとおり、その日から私は卵が普通に食べられるようになった。

――その完璧な玉子焼きが今! 姉様の手によって! 完・全・再現!!!
いやむしろ味は愛情という至高の調味料を抜きにしても姉様の方が優れていると言ってもいい。
あぁ素晴らしいです姉様、僅か数ヶ月の間にここまでの腕前になられるとは神ですら
予期し得ぬ事でしょう。

「泉〜紅夜の玉子焼き、美味しかったでしょ?」
玉子焼きの味を尋ねてくる姉様。あぁその笑顔を護る為ならもう、神でも屠れる。
…だけど何故、綾河紅夜…?

「いえ、姉様のを頂きましたが…」

すると姉様はきょとんとした表情となり、

「え…その玉子焼きって…紅夜のでしょ?」

柊会長の方へ向くと、

「あ、間違えちゃった。ゴメン泉君、(ワザと)間違って紅君の渡しちゃったよ」

悪びれる様子など全く無く、てへっと、彼女は笑った。

「…やはりな」

「――……え?」

突然の暴露に、思考がフリーズする。

「それにしても、紅夜の玉子焼きってどうして凄く美味しいの?」
「それはね、紅君の玉子焼きは紅君のお爺さん直伝だからなのさ。」
「へぇ〜、紅夜のお爺さんって、料理上手かったんだね。」
「実は紅君はね、小さかった頃牛肉や卵が食べられなかったんだ。」
「そっ、そうなの!?…意外…でも、どうして?」
「味覚が鋭くてね。大人だと気にならないけど、子供には嫌な独特の臭みとかがあったみたいなんだ。それで紅君にちゃんと食べてもらえる様に、腕を磨いたって訳さ。」
「…十年以上も昔の話だ」
「そう言えば泉も卵が駄目だったんだけど、急に食べられる様に――って泉!?」

驚く姉様の声を最後に、私の意識は途絶えた。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
泉が気絶する経緯の話です。
生徒会所属である、紅夜の視点が入りましたので番外編という扱いにさせて頂きました。
ルティア会長も出てきてないのもありますが。

[70]
ラスティ・ブランフォード - 2007年06月17日 (日) 18時43分

-----------------------------------------
- 戦乙女の怒り -
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風紀委員の会議…なのですが。
私の視線にはこれまでにない雰囲気を放つ宇美さんと、その手に握られた『ソレ』から、どうしても目が離せません。

ルティア「……それ、どこからもって来ました?」
宇美「部活動で使う備品という名目で剣道部に置いてある。
もう簡便できねぇ。犯人見つけたら二度と犯罪できないように両手切り落としてやる!」

どこからどう見ても、日本刀。それも、刃の磨がれた真剣。
全身から殺気まで出していて、もはや手のつけられない猛獣としか言いようがありません。

ルティア(いったい何があったんです?)
風紀委員A(実は、この間は宇美が盗撮にあったらしいんです。)
ルティア(それで、今度は真剣を持って巡回をするつもり?)
風紀委員B(さすがに問題なんで光さんに止めてくださるようお願いしましたけど……お姉さんでも無理ですって。)
ルティア(それ、本当ですの?光さんの説得でも無理だなんて。)
風紀委員A(光さんの目が遠かったです……。一応、巡回する時は光さんが付き添って暴走には備えるそうですけど。)
ルティア(……。泉さんの暴走だけでも頭が痛いというのに。)
風紀委員A(血に餓えてるとか、怖い事言い出さない辺りはまだましでは?)
風紀委員B(でも、犯罪者を捕まえるために身内から犯罪者出すのだけは勘弁…)

ルティア・A・B「はぁ。」

宇美「何ため息ついてるんですか、皆さん?犯罪者は捕らえねば。
   高い金出して警備の強化ができないなら、私たちがチャッチャと捕まえてチャッチャと突き出して終わらせましょう。
   こんなくだらない一件で頭を悩まされないようにね。」

ルティア・A・B(盗撮犯より、あなたの銃刀法違反のほうに頭を悩まされてるんです!)






巡回と門限についての会議が終わって。

ルティア「……もう、宇美さんの好きなようにしてください。」

最終的に、宇美が説得できないことを思い知らされただけだった。理論ではなく、彼女の感情に押し切られた格好だ。

宇美「ありがとうございます。それでは、早速巡回を始めます。」

彼女は、数人の委員(実際に被害にあった人ばかり)を引き連れて巡回を始めた。







風紀委員C「光さんと宇美さんが姉妹だということをまざまざと見せ付けられました、今回の一件。怒った顔がそっくりでした。」
風紀委員D「武道派なのは知ってたけど、なんて言うか凄かったです…」
風紀委員C「息もぴったり合った最強タッグって感じだったよね……」
風紀委員D「最後は、光さんが盗撮犯3人をロープで縛り上げて、宇美さんは頭を踏みつけて喉元に剣を突きつけて脅してたんですが、何の冗談かと思いました。どこの漫画ですか?」

ルティア「頭が痛いわ……」

その成果はと言いますと。
夜に忍び込んできたチームを組んでいた盗撮犯グループを一網打尽にして
(取り押さえる際に宇美さんがスタンガンを浴びたりもしたらしい)、
ボッコボッコのメッタメッタにしても怒りは冷めず、売られた写真のルートを聞き出して通報などをした結果、
新聞の一面に載る一大事件となったほどでした。

-- END --------------------------

なんとなーく。
……いや性犯罪に対して、
宇美も光も徹底的に嫌悪している設定が旧のほうにあったので、
それを生かそうと思ったらルティア会長が頭を悩ます一件にしかならなかった……。
本音を言うと、バトルシーンがかけないのでこの視点(ルティア支店)になったのです(汗

[87]
凪鳥 - 2007年06月28日 (木) 18時57分

ラスティさん。

何というか、相変わらずルティアは役立たずというか部下に恵まれないというか…。
いや、一応優秀なんだろうけど問題行動が多いというか。
でもやはりこれ位の行動力がなければ風紀委員は務まらないかと。

バトルシーンは難しいですよねぇ〜、ほんと。

[120] 宇美ザンス
ラスティ・ブランフォード - 2007年08月11日 (土) 22時29分


---------------------------------------
- 1年生の臨海学校 -
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宇美は頭を抱えていた。
同じ風紀委員会に所属する身として、何かと彼女の首根っこを(物理的に)掴む事はよくある。
自分も短気な性で色々と迷惑を起こす問題児。しかし、一度冷静になればわりと素直になる、が……
彼女の場合は姉を思っての行動がいささか過激すぎる上に、さっぱり反省の色を見せない事が一番の問題なのだ。
今回もまた派手なトラブルを起こした為、風紀委員会室まで彼女の首を首根っこを引っ張って来たものの
ルティアがいないので、戻ってくるまで宇美が話し相手をしている訳なのだが……

泉「おのれ、にっくき綾川 紅夜!!私の姉さまを独り占めにして…」
宇美「独り占めにしたがってるのはお前だろ……」
泉「そうよ、私のものなのよ。」
宇美「それは無い、貴女のお姉さんは誰の物でもないよ。」
泉「そうなのよ!姉さまは姉さまのもの!決してあの男のものではない!」
宇美「……過去の私を見ているようで正直、ものすごく見てられないんだが……お前もいつか悟る日が来るんだろうな。」≪遠い目
泉「悟ってたまるものですか!絶対に私は諦めませんよ!」

昔は宇美もまたシスコンだった。多分、泉に匹敵するほど。
だから彼女の気持ちは痛いほどに分かるし、逆にそれがどれだけややこしい事なのかも知っている。
色々と説得の言葉を出してみたものの、本人が納得しなければ無駄だと言う事が宇美は分かっているのでお手上げだった。
その内に、話はいつの間にか綾川紅夜をいかにして排除するかと言う話になってしまっている辺りで宇美は匙を投げたくなった。
だが、そういうわけにも行かないだろう。話の軌道を修正することを試みた。

宇美「……泉。一応私の話は聞いてくれてるんだよな?」
泉「ええ、そうですよ。共に手を取り合ってにっくき綾川 紅夜をこの学園から排除しようではありませんか!」
宇美「いや、風紀だからってそこまでの権限ないし。仮にあいつを首にするといっても、最終的な判断はあいつが所属する生徒会にあるんだぜ?」
泉「その辺は、金の力で!宇美には、あの綾川 紅夜を燻り出す為のトラブルを引き起こすスケープゴートとして、頑張っていただきたいのです!」

余りのトンでも発言に、宇美は一歩引く。
恐らく、この暴走テンションを引き起こしている原因は……

宇美「…………泉。もしかして、臨海学校に行きたくないのか?」
泉「当たり前です!3日も空けているうちに、お姉さまがあの狼に食べられてしまわないかと気が気でなくて……」
宇美「……心配しなくても、あの朴念仁は3日じゃ落とせないと思うぞ。」
泉「落とす落とさないの前に二人の関係が進展されてしまうではありませんか!そんなのは絶対認められません!」

やはり駄目か。二の句が告げなくなって、とうとう閉口した。
もうお手上げと言うことで、首をすぼめて両手を広げてポーズをとる。

宇美「ヤレヤレ。」

しばらくして、ルティア会長が帰ってきたので宇美は泉の説得を任せる事にした。
……最も、やはり効果はまるでなかったのだが。











泉「何としてでもあの男は排除せねばなりま……ぐぇ。」
宇美「そーはいかない。ルティア会長からお前のお目付けを言付けられてるんだよ。」

会長の必死の説得、もといお説教を終えた泉が懲りずに生徒会室に向かおうとしたので宇美に襟首を捕まれる。

泉「なぜ邪魔をするんです?貴女とあの男は、仲が悪いのでしょう。」
宇美「そりゃまあ、綾川の野郎は俺的に嫌なポイントで、『他人の思いに鈍感』・『いちいち癇に障る物の言い方』・『完璧人間』・それに加えて『男』の4つを兼ね備えたやたらうぜー奴だからな。」
泉「宇美、一つ付け加えてもいいですか?『女にだらしない』。これが何より、危険な要素なのです!」
宇美「……どこが?大体あの朴念仁っぷりからして、違うんじゃ?」
泉「お姉さまを怪しげな力で心を掴んでおきながら、お姉さま以外の女も侍っているではありませんか!」
宇美「学校の中で男は2人しかいないんだから、女に囲まれるのは仕方ないだろ……。」
泉「……随分とあの男の肩を持ちますね。」
宇美「庇ってるんじゃねぇ。事実を言ってるだけだ。取り合えず、落ち着いてくれよ……」
泉「落ち着いてなんていられません!何とかしてあの狼を引き離さないと!」
宇美「……だったら、お前たち姉妹が転校するとか適当な手段を好きに考えろよ。金持ちなんだからその位出来るだろ?」
泉「貴女と違って私たちには世間体と言うものがあるのです!」
宇美「……。」

【シスコン大暴走で校内お騒がせしといて、今更世間体も何も……】
【って言うか、そー言うお貴族様みたいな考えしてる割には、姉って言う弱点で簡単に切り崩せるのは後継者として向いてないんじゃないか?】
【人の上に立つって事は、時には非情さも必要なんだぞ。政略結婚なんかの駆け引きに使われるくらい。】

と、宇美は思ったが、言ったら言ったで余計に荒れそうだから止めた。
とはいえ、ほっとくわけにもいかないので話を続ける。

宇美「取り合えず、好意を隠そうともしてないのが『バ会長』(柊 蒼月)と『晴美』。あるんだけど積極的じゃないのが『ルティア会長』。怪しいのが……『貢永』?」
泉「そんなにとっかえひっかえ……」
宇美「……。」

これは、もしかして……?
宇美は一つ、気がついた。

宇美「なあ。なんで綾川の奴に女が寄る事を気にしてるんだ?」
泉「……?」

ポカンとした顔で、宇美を見つめ返す泉。

宇美「……奴から命を引き剥がしたいだけなら、気にする必要ない事だろ?実はお前……いや、何でも無い。」

【アブねぇあぶねぇ。うっかり「命と綾川の仲を認めてるってことじゃないのか?」なんて言っちまうとこだった。】
【それが心の底で思ってる事、あるいは違っていてもこいつの逆鱗に触れることは間違いねぇ。】

だが、続きを口にしなかったものの、泉はその言葉の先の真意を感じ取ってしまったようだ。

泉「……。ちょっと、頭を冷やしに部屋に帰ります。」
宇美「あ、ああ。委員会も終わってるし、別にいいぞ。ただ、ちゃんと部屋に帰るまでついてくけど。」

こっそり生徒会の面子に絡みに行かないようにな。と心の中で宇美はつぶやいた。
だが、その必要が無さそうなのは見てわかった。
過去の自分を見ているようで、正直不安な所もあるが……と。

泉「一つ、聞いていいですか?」
宇美「なんだ?私に答えられることなら。」
泉「私、実はあの男の事が……いえ、何でもありません。多分、気の迷いです。」
宇美「…………。ああ、それは気の迷いだ。それが多分、大人になるって事だ。人から独立した、大人に……。」

自分と泉が同じ物だとは思っていない。だが、宇美の経験は泉が思っている事を予想していた。
姉が手に入れられないのならば、自分がその姉の想い人を奪ってしまえ……と。
言ってしまえば、醜い愛憎劇だ。だからこそ……気の迷いとして片付けるしかないのだ。

宇美「もうすぐ臨海学校だろ?……いい機会だし、少しお姉さんから離れて頭を冷やしてみるのもいいと思うぞ。」
泉「いや、それは。やはり心配でして。」
宇美「……様子を見るのも必要だろ。二人の仲を否定するにしたって。」
泉「……そうですね。」

泉の部屋についた。

宇美「じゃあな。」
泉「ん、きょうはどうも。」
宇美「……ゆっくり休め。」

バタン。

もう一言くらい、何か言ってやろうかとも思ったが、宇美は止めた。
あまり、言いたい放題言うのも悪いだろうしな。

-- END --------------------------

……なんて言うか、人生の指南役を何時の間にやら始めた宇美さん。
元シスコン設定がなんか変な方向に回ってる気が……

[165] 風呂に入りながら思いついたことをすぐ実行するこの無計画さ
ジャッキー - 2007年09月26日 (水) 00時11分

-----------------------------------------
- 来襲 -
-----------------------------------------
『緊急放送、緊急放送
これは訓練ではありません、繰り返します、これは訓練ではありません
本日午後0時28分、調理室より「黒い悪魔」の発見報告が寄せられました
よって、ただ今より風紀委員が校内の探索に出ますので、協力、もしくは教室で待機するようお願いします
「黒い悪魔」の総数は報告によれば約10 まだ未確認のものもいる可能性がありますので見つけましたらすぐに風紀委員会に報告下さい
また、奴らの『爆弾』もある可能性がありますので、見逃さないようお願いします
繰り返します……」


有栖川さんの校内放送を聞きながら私は3−2の教室をくまなく調べていた。
「ど、どう……?」
「こっちにはいないですわ。『爆弾』もないようです」
「そう……」
心の底から安堵したような、実際そうなのだろうけど、そういう顔をして彼女は教室の皆が集まっている方へと戻っていった。
それを見届けながら私は腰につるした無機質な金属の塊を口元へ寄せる。
『こちらルティア・天津・ライゼルロード。
3−2の教室捜索を完了、対象は補足できず、他の場所に潜伏中と思われる。
引き続き捜索を続行』
『了解』
連絡係の1年生の返事が聞こえ、そこで通信を終える。
「それじゃあ、私はまだ探索がありますので。教室はしっかり閉めて、出入りのない様にしてください」
「はい、分かりました。がんばってください!」
その言葉を背に受けて私は廊下へと出る。

「ちっくしょー……ここにもいないか」
私は埃の積もったダンボール箱を床に捨て、悪態をつく。
こういうところはあいつらが潜んでいそうな気もするんだが……勘が外れたか。
正直、この部屋を1人で探すのは無謀な気もしてきた。まあ、一応見ておいたってことにしておこ。問題はない。きっと。
外に出ていい空気――田舎ほどではないけれど、少なくともさっきまでの薄暗い所よりはいい――を肺に溜め込みながら黒い金属製のそれを口の方に持っていく。
『こちら如月宇美。
備品室の探索を完了、時間の関係上捜索はあまり出来なかったが、恐らく奴らはいない。
他の場所の捜索を優先する』
『了解』
ふむ、なかなかいいな、コレ。
私はたった今役目を終えたそれを見ながらそう思った。
でもどうしてただの風紀委員会の備品にトランシーバーなんてあるんだ?
まあいいか、実際思った以上に役に立つし、なによりカッコイイ。
と、早く行かないと色々どやされる。

「姉さま、ご無事で!?」
「うん、無事だよ」
「別に奴らに会ったって怪我をするわけじゃあないだろうが……」
「なんですって!? 体の弱い命姉は何が起きるか分からないんですよ!? それを、それをあんたは……! それに加えて! なんであんたがここにいるんですか!?」
「それはここが生徒会会議室だからじゃないかな?」
柊会長が冷静にツッコミを入れてきた。
辺りを見回す。
四角形に並べられた机、その上には様々な書類があって特に会長の前の机は惨憺たる有様、前の黒板には今度の総括会で決まった内容の具体的な決め事が書きかけで、後ろの黒板には何もない。
壁には大小さまざまな棚が備え付けられ、大きい棚にはこれまでの生徒会の歴史――まあ、恐らく多分きっと使わない種類の本ね――や文房具類、画用紙から板切れ、紙袋の中からはみ出ているのは真っ赤なビニールテープかな。そんなものがその場所の主となっている。
まあ、会議室なんてこんな小汚い場所か。普通の教室の方がよっぽど綺麗だ。
「悪かったな」
「あら、聞こえていましたの? ごめんなさい」
やりぃ、綾河紅夜に苦い顔をさしてやった。
「泉……」
「……はっ! み、命姉、そんな怖い顔しないで! ホ、ホラ、今のは冗談ですよ!」
どうやらさっきの呟きが綾河紅夜だけかと思ったら、命姉にも聞こえていたらしい。
「ていうか命君は何をしに来たんだい?」
「あ、はい、奴らがいないかどうかの確認です」
「それならもうした。ここにはいない、もちろん『爆弾』もな」
「あんたの言う事なんて信用しないわよ」
「い、泉! いい加減にしなさい!」
途端、命姉が怒り出した。
「ご、ごめんなさい」
「全く、いつもいつも言ってるでしょ? 私は別に紅夜に何もされてないって。なのにどうしてあなたはそうやって突っかかるのよ?」
「それは……」
「あー、じゃあオレは戻るか。じゃあな、蒼月」
私たちのやり取りを聞いていた綾河が、不自然に帰ると言い出した。
「ん? うん、また後でね」
「ああ」
そうして綾河紅夜は出て行った。
くっ……敵に塩を送られるとは、なんたる不覚。
この屈辱、絶対に100倍にして返してやるわ!
「えー、燃えるのはいいけど、とりあえず部屋の捜索しようよ?」
「う、そうですね」
あいつに対する憤慨はそのまま取って置いて、私は部屋の捜索に移った。
-- NEXT --------------------------




勢いで書いたはいいけど、これどうやってまとめようかな。
とりあえずあとミクト編と、最後の閉め、でいいか。

[171] ごめんなさい
ジャッキー - 2007年10月12日 (金) 22時22分

続きが書けそうにありません。
やっぱり落ちを考えないで書くのは失敗の元らしいです。
すいません。

[188] 視点:ルティア
瀬希 望 - 2007年10月24日 (水) 22時39分

----------------------------------------------------
とある朝の抜き打ち服装検査
----------------------------------------------------

ぴぴぴぴっぴぴぴぴっ・・・・・・・・・
「・・・・・・ん・・・・・・」
聞き慣れた電子音で目を覚ます。
音を止め、時計を見る。
設定した時間通り、7時。
「ん〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜」
未だ寝ていたいと主張する重たい瞼を擦りながら私は大きく伸びをした。

「・・・う・・・おはよふごさいまふ。きょうははやひですね」
この部屋のもう一人の住人が呂律の回らない口調で話しかけてくる。
どうやら今ので起こしてしまったらしい。
「おはようございます、緋山さん。今日は少し、用事がありますので」
「そうはんですか。うー・・・・・・」
そう言って緋山さんはベッドから抜け出し大きく伸びた。
「用事って、委員会関係ですか?」
「学校に登校すれば分かりますわ」
「・・・一応、きちんとしていきます」
「その方が賢明ですわね」
今の会話だけで今日おおよそ何があるのか理解したらしい。
さて、そろそろ支度をしないと・・・・・・

--------------------------------------------------------------------------------

午前7時半、生徒用玄関前到着。
服装検査が始まる15分前、そこに一人、綾河紅夜がいた。
「おはようございます。お早いですわね」
「ああ、おはよう・・・今日のことを事前に知って早めに来るような馬鹿もいるからな」
紅夜が指を指した方向を見る。
そこには耳に穴を開けたり、爪の色が違ったりしている生徒が4人ほどいた。


・・・伝統と格式のあるお嬢様学校とはいえ、通う生徒は人間。
ましてや多感な年頃。何処の学校にもこういった生徒は、いる。


「流石綾川さん。仕事が速いですわね」
「別に。仕事をこなしたまでだ。・・・しかし、何処から情報が漏れているのやら・・・」
「どんなに秘密にしようともそれを操作するのは人。情報は漏れるものですわ。」
「まあ、それもそうだな」

ちなみに桜ノ宮学園は髪の色は校則には入っていない。
私のようなハーフや国外からの留学生もいるからである。

「さて、登校する生徒も増えてきた。話はここまでにしよう」
「そうですわね」
そうして、私たちは検査を再開した。

-----------------------------------------------------------------------------------

午前8時。服装検査開始時間。
風紀委員の生徒と生徒会の面々が登校してくる生徒の服装をチェックしている。


・・・・・・なのに、あの人だけがこない。


いや、まあいつもの事なのだかたまにはきちんと時間を守ってほしい。
「あの、蒼馬さん。非常に聞きにくいのですが・・・」
ため息をつきながら、蒼馬が答える。
「言わなくても分かってます。蒼のことですね」
「はい・・・」

「まあ、あの、その・・・諦めて下さい」


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・はぁ。
------------------------------------------------------------------------------------

午前8時20分。服装検査終了。

結局今回の検挙者は15名。
抜き打ちの成果にしては上々であろう。

そろそろ時間。引き上げようとするタイミングで

「やあ、みんなおはよう」

なんて平然とやってくるグータラ生徒会長。

「おはよう、じゃありませんわ蒼月さん!!まったく、昨日あれ程遅れないでくださいと釘を刺した

にも拘らずあなたはホントいつもいつもいつもいつも!!!!!!」
「まあまあ、いつもの事だから」
「自分で言わないでください!!」
「・・・惚れたかい?」
「惚れませんわよ!!!」

「天津、ちょっといいか」
そう言って紅夜がルティアの肩にぽん、と手を置く。
「あ、綾河さん」
いつもと同じように見える・・・が。
よく見るとこめかみに血管の筋が浮いている。
紅夜に気づいた蒼月がにこやかに挨拶を
「やあ、こ・・・・・・」

ガッ!!!

「・・・へ?」

みしり。

軋む。潰れる。

「〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜っっっっっっっっっっ!!!!!!!!!!!」

紅夜のアイアンクローに蒼月が声にならない悲鳴を上げた。


今回の検挙者:15名。
検査側遅刻者:1名。
----------------------end----------------------------------------------

みなさま、お久しぶりでございます。瀬希です。
落ちてないのはいつものことであります。気にしないでください。

風紀委員だしこんな事もやるのかな・・・という思いつきで書いてみました。

いやぁ、なんかルティアと蒼月が絡ませやすくて非常に楽です。

あ、後ルティアさんのルームメイト出させて頂きました。
ちょこっと設定をば。

緋山 恵(ひやま めぐみ)
・普通科1年
・エスカレータではなく受験入校。
・割と平凡

以上(ぇ


[268] これ2分の1のスケールでもいけるよね?
ジャッキー - 2008年08月02日 (土) 10時46分

-----------------------------------------
- 紅茶はアールグレイ -
-----------------------------------------
日差しも柔らかい昼下がりの頃のこと。
桜ノ宮学園の校舎の屋上には、超御嬢様学校なればこんなのもあるのかという、いわゆるひとつの庭園のようなものが存在する。
四季折々の草花が咲き目を楽しませ、紅茶の香りが鼻腔をくすぐり、豊かな味が舌を撫で回す。
まあ、我々一般ピーポーにはトンと縁のない、『ぶるじょわ(古い)』層用のスペースだ。
だが実際、ここがいくら御嬢様学校といえども、所詮は住宅街の中に顕在する豪華絢爛建造物。日本が豊かだといえども、中にいる学生全てが自身の貯金で一戸建てを買えたり部屋数が30もある豪邸に住んでいた、ということはない。
早い話、ここを使う生徒など滅多にいない。紅夜に言わせれば、『維持経費の無駄の象徴、筆頭、張本人』だ。
が、今は紅夜もその言葉は恐らく言えない。
実際に使っている人物がいるのだから。

白い卓に白い椅子。無駄に豪華なコリント式のような装飾を施されたそれに座っている人物は、2人。
1人は陽光に照らされなおその華やかさを増す金色の髪をゆるくカールした、碧眼の女子。
金髪碧眼はどう見ても日本人には見えないが、よく見れば日本人的な顔の特徴も見て取れる彼女は、恐らく社交界でそれなりの格好をしたらもう2,3歳は年上に見られるだろう。
そのままでも十分同世代からは大人びて見られるのだが、それが外国人の血が混ざっているからか生来の物かは分からない。
もう1人は生粋の日本人で、長い黒髪を背中に垂らして紅茶を口に運んでいる。
ややツリ目できつそうな印象を受けるが、その印象は間違ってない。
彼女によってもたらされた被害は備品の破壊、罵詈雑言等の騒音被害、フラグ壊滅など、微に至り細に渡る。最後のものは本人が知ることはないが。
とりあえず、彼女が(目立たないが)宇美らと同等、いやそれ以上の暴走の可能性を秘めていることを学園中は知っているので、皆は彼女にとっての『禁忌(タブー)』に触れないよう必死だ。
本当に、風紀委員会には手を焼く存在が多い。南無。
その彼女が紅茶を受け皿に置き、目の前のルティアと視線を合わせる。
「天津会長…本当にこのままでいいんですか?」
「…私は別に構いませんが? 泉さんはこの現状が、我慢なりませんか」
「もちろんです!」
泉が勢いよく立ち上がる。そのせいで紅茶が少し零れ、泉が謝る。
「別にいいですわ。それより、どうしてなのです?」
「す、すいません…本当に。で、あの、だ、だって……」
泉は言いにくそうに口の中でモゴモゴ言うが、やがて意を決したのか、もう一度ルティアを見据えた。
「だって! 風紀委員会の投稿ダントツで低いじゃないですかー!」
……………
日差しは快い。
………………
「…まあ、そうですわね」
「でしょう!? このままでいいんですか、天津会長!」
「…と言われましても、(私はちょくちょく出番がありますしね…。士仙さんの時とか。というより、あれで1人だけ出番がなかったから泉さんはこんな事を言い出したのでは?)私は別に」
「なんですか今の間は」
「気にしてはいけませんわ」
泉はハア、と息をつき、紅茶を今度は優雅にではなくがぶ飲みした。飲んだ後に親父ヨロシク「、ッハァ〜」というのは御嬢様としていかがと思うが。
こんなところが見せられるのも、ルティアが幼い頃から交流があり、もう1人の姉さん的な存在だからだろう。
ルティアも泉のこういうことろは嫌いではなかった。
「それに、それを言ったら生徒会の方だって少ないではありませんか」
「綾河紅夜はどうでもいいです。激しく。完璧に。どこまでも。徹底的に。ありとあらゆる。世界の果てまで。宇宙の神秘まで」
「分かりました」
止めないと際限が無い。
というか途中、日本語が少しおかしい気がしたのは、ルティアがハーフだということには全く関係なしに気のせいじゃないだろう。
「でもこっちはまだ2桁いってないんですよ!? 最後の投稿去年の10月ですよ!? 一体どれだけほっとかれてるんですか私達!」
(私、の間違いだと思いますけれど…)
心の中で割りと残酷な事を思う天津会長。
「とにかく、私は宣言します! 綾河紅夜とかは一億年×一兆年くらい放っといて私を書け! 書け! 書け!」
(私になってますし…)
なかなか目ざといルティア会長。
(本当に…この為だけにあんな無駄に長い前文を書いたのですか)
実はこれ書いてる間もだんだんめんどくさくなってきていたりすることが無い事も無いかもしれない気がするようなしないような。

太陽に向かって自身を書けと懇願する人と、呆れる人。
実際にそこにはいないが、確かにいてどうしてわざわざ屋上の庭園にしたのかという理由を考える、なんとも珍妙不可思議奇奇怪怪、奇想天外吃驚仰天驚天動地前代未聞な集団がおったとさ。
-- END --------------------------




…もう書きたくないかも。
文才の無さを痛感しましたよ、今回。
出来るなら投稿したくないかも。
…でもしますね。
スイマセン。

あ、後自分は紅茶は全く飲めない人種です。

[273] こんなのはどうなんだろ?
ラスティ・ブランフォード - 2008年09月16日 (火) 23時07分

-----------------------------------------
- 紅夜と夕闇 -
-----------------------------------------

:……引っ付くな。
:惚れたかい?
:……人の話を聞いているのか?離れてくれ。
:そうだそうだ!紅夜さんにベタベタヘラヘラくっ付くな。
:ううう〜
:そんな眼で見ないでくれるかい。羨ましいんだろう?
:ムキー!

ドッスン、バッタン、ドッゴン!

:蒼(ソウ)、挑発しちゃダメだよ……
:まったく、とんでもなく破天荒な人ですわね。
:このままじゃ会議が進まないの……
:ふふふ……
:なんですか、その不敵な笑みは?会議が先送りになった事で出し抜こうとしていると言うのなら、そうは行きませんわよ。
:以前、我が普通科に漁夫の利で持ってかれた事を根に持っているのですか?そう言う考えでは、挽回は難しそうですね。
:……ご心配なく。今年も看護科が最多主催権獲得賞を取って見せますわ。
:その意気込み、見せてもらいましょうか。
:鶯さん……。お願いだからこれ以上話をややこしくしないで……

ルティア「……。」

会議室は、今や主催権を決定する会議そっちのけで、私怨渦巻くどす黒いプレッシャーを振りまく事に没頭する人間の為に
その場にいるもの全てに精神的負担をかける、人の悪意を煮立てた地獄の釜となっていた。
たまたま会議室を通りかかったとある生徒などは、中から聞こえる声を聞いただけで関わり合いになりたくないと足早に去っていく。

ルティア「何が、悪いんでしょうか?」

風紀委員として、この空気を何とかしたいと思ったが、説得する言葉すら思いつかずに机に突っ伏した。
泉さんや宇美さんがこの場にいたら、さらにカオスになっているだろうなどと考えたら、余計に疲れが出たような気がする。

紅夜「〜〜!!!!!!!!」
ルティア「!?」

鼓膜が破れるのではないかと思えるほどの大声で生徒会副会長が叫ぶ。
その一喝で、場は沈黙した。
そして、紅夜は辺りを見回し、こう言った。

紅夜「……さて、会議を続けよう。」

目つきが一段と鋭くなった紅夜の迫力の前に、会議室に集まったメンバーは静々と会議をやり直すのだった。



------------------------------------------------------------------


風紀委員室

ルティア「……やはり、アレが男の迫力と言うものかしら?それとも、綾川さんの一喝だからこそなのかしらね。」

普段は物静かで、声を荒立てる事無く完膚なきまでに正論で叩き潰してくる綾川さんですが、
俗に半年革命と呼ばれる生徒会の改革で、
いささか独断が過ぎていた当時の看護科を恫喝する為に大声を張り上げた事もありましたわね。
その場にいる全ての人を思わず黙り込ませるほどの力を例えるなら、まさしく雷が落ちたような一喝。
今思い出しても、思わず息を止めてしまう迫力がありますわ……。

泉「どうしました会長!あの綾川紅夜に何かされたのですか!?」
宇美「落ち着けよ、泉……。」

狭い風紀委員室を駆け出そうとし、宇美さんに服の裾を捕まれて泉さんがバタバタとしている。

……昔から、落ち着きが無いのが特徴的でしたわね。
泉さんがよく暴走するからか、最近は宇美さんがよく気にかけているようでして、
走り出す前に服の裾を捕まれて静止させられてる事が時々あります。
(それでも振り切られていったり、捕まる前に走り去っていくことの方が多いですけど。)

ルティア「いえ。統括会議を纏められるのは綾川さんの手腕が有ってこそではないかと、少々思っただけですよ。」

良くも悪くも、アレだけ濃い面子を纏めて取り仕切る手腕はとても私(ワタクシ)には真似ができない事です。
……泉さんと、宇美さんの二人だけでも梃子摺っていますから。

泉「あの男に騙されてはいけません!あの飄々とした顔の下でどんなどす黒いことを考えているか……」
宇美「お前、妄想じゃなくて客観的な事を言えよ。……まあ、綾川の奴の腹は無自覚にどす黒いだろうけど。」

客観的、ですか。確かに、彼については色々と噂などがついて回っていますが、
基本的に下級生の間では、ただ『怖い人』というのが共通のイメージで通っていますね。
しかし、宇美さんが言うように『腹がどす黒い』と言うのも何か違うと思いますし、
意外と優しい面や小動物が好きと言う側面も持っていますね。

彼は、他にどんな面を持っているのでしょうか?

ルティア「……少し、付き合ってもらいましょうか。」

泉「ん、今何か言いましたか会長!?」
宇美「だから落ち着けって……」

少々、頭の中でスケジュールを組み立てながら、作戦を練りましょうか。
綾川さんとの『デート』の為に。

ルティア「明後日、菫ノ宮学園との合同会議に出ますが、遅くなると思いますので後事は任せますよ。
     私(ワタクシ)が留守の間に騒動を起こさないでくださいね。」

そんなことを考えながら、思わず苦笑しながら二人に私(ワタクシ)は釘を刺しておくのでした。


---------------------------------------------------------------------------


カリカリカリカリカリカリカリカリカリカリカリカリカリ……

ひたすら書類に直筆で書き込む作業の音。

チラッ、チラッと時計を見る。……もう、時間があまり残ってないな。

紅夜「さっさと終わらせろ。」
蒼月「ぁぅぁぅ……」

この後、菫ノ宮との合同会議が待っている。
……それを分かっていながら、本日中に処理しなければならない書類を渡してきた天乃会長の
ささやかな意地の悪さは、よほど根に持たれていることは間違いない。

……もっとも、纏まらない主催権会議で時間を潰してしまった事、
サボって仕事を溜め込む蒼月などの要素はこちら(生徒会)の問題であり、
彼女が書類を遅れて出してきた事を非難することができないのだが。

ガラガラガラ。

誰が来たか。……まあ、考えるまでもなかったか。
これから菫ノ宮学園に向かうのに、いつまでも出てこずにここに篭っていたら
向こうのほうから迎えが来るのは当然か。

ルティア「まだ、終わらないのですか?」
蒼月「天津く……」


ドンッ!

無駄に喋るな、手だけ動かせ。机を叩いて、無言で威圧する。

カリカリカリカリカリカリカリ……

紅夜「すまない、見ての通りだ。」
ルティア「本当に、期待を裏切ってくれませんね。蒼月さんは。」

そう言いつつ、天津は後ろにいた人物を手招きした。

ルティア「時間もありませんし、どう見ても終わりそうにありませんね。だったら、生徒会長は置いていきましょう。」
蒼月「待って!僕も……」
紅夜「どうやって終わらせるんだ?」
蒼月「ぁぅぁぅぁぅ……」
宇美「駄弁ってる暇はないぞ。」

ドサッ!

宇美が小脇に抱えていた、それほど分厚くはない書類が蒼月の横に置かれる。

ルティア「それ、風紀委員会からの分です。今日中に終わらせる必要はありませんが、合同会議に不参加ということで
     空いた委員会の時間は、その書類の処理をやってもらいます。宇美さん、生徒会長の監視をお願いしますね。」
宇美「はい、任せて下さい。」

竹刀を携え、不遜な笑顔を浮かべる宇美&絶望した感じの蒼月。

蒼月「待って、二人だけじゃ心配だから他に誰か桜ノ宮からの出席者を……。」
ルティア「今から決めてる時間はありません事よ?」
紅夜「お前『も』来るはずだったのに、仕事を終わらせられなかったのは自分の責任だろ?」
蒼月「この、女ぎつ……」
宇美「はいはい、さっさと仕事をしような。」
蒼月「ハイ、ワカリマシタ、ウミサン……。」

竹刀を突きつけられ、思わず言葉が片言になった蒼月に思わずため息をつきながらも、
俺達は菫ノ宮学園の合同会議へと向かった。


----------------------------------------------------------------------------------


菫ノ宮学園との会議が終わって。

ルティア「すいませんね、綾川さん。」
綾川「いや、これも仕事だからな。」

……多分、軽く視線を合わせただけなのでしょう。
ですが、元々目つきが悪いために睨み付けているように見えるのは仕方の無いのでしょうか。
菫ノ宮の面々が、会議の間中綾川さんを正面から見据えるのを避けていたくらいですし。

ルティア「女の子の前で、そんなキツイ目をしたら逃げられてしまいますわよ?」
紅夜「いや、そんなつもりは……」

意外と狼狽する、綾川さん。意外とかわいらしい一面……なのでしょうか?
私(ワタクシ)は思わず笑ってしまいます。

ルティア「内容自体は予想通り、と言えば予想通りでしたわね。」
紅夜「仕事が溜まってて、蒼月が出てこれない事も予想の内だったんだろう。
   天津の言うとおり、期待を裏切ってくれないからな、蒼月は。」

まあ、その通りですわね。さて、そろそろ本題を切り出しましょうか。

ルティア「蒼月さんが出てこれない事は、初めから前提にしていたくらいですよ。少し、付き合っていただきたいと思いまして。」
紅夜「……俺に、何をして欲しいと?」

やっぱり目つきが悪くなる紅夜さん。ちょっと警戒しているのですわね。
少しだけ、からかい半分と……蒼月さんへの当てつけも兼ねて、私(ワタクシ)ははっきり言いました。

ルティア「ちょっとだけ、デートを。」
紅夜「……は?」

きょとん、とした表情。一瞬だけでしたが、ずっと見ていたいほど面白い表情をしていました。
ですが、直ぐに表情を戻して。

紅夜「冗談だろ。断る。」

まあ、そう言われるのは分かっていました。嫌われてはいないけど、好かれている訳でもありませんから。
ちょっとだけ寂しい気もしますが、初めから当て馬になるつもりですしね。

ルティア「拒否権はありません。貴方という存在が、どれほど風紀の乱れの原因の一翼となっている事に自覚はありますか?」
紅夜「……確かに原因の一部なのは否定はしない。が、それと関係あるのか?」

『彼を取り合っているのが統括会のトラブルの一因ですし、少しは女の子の扱い方を学ぶべきです。』
そう考え、紅夜さんとのデートを密かに計画したわけですが、ふと問われたらそうする理由は何でしたかしら?
蒼月さんや晴美さん、そして恐らくは命さんまでも出し抜いて……

べ、別にやましい気持ちとかそういうものがあって近づいている訳ではありません!
ええ、違います。決して自分に言い聞かせているわけではありません。
……初めから当て馬になろうと考えていたり、初めから勝てるとは思ってすらいないし、
単純に蒼月さんを見て、彼女がそこまで好きになった人がどんな人なのか知りたいと思っただけで……

ルティア「……蒼月さんをライバル視しすぎなのかしらね?」

アレだけグータラで無能なのに、どうして生徒会長としての票が得られたのかずっと疑問でした。
能力だけなら紅夜さんは頭抜けていて、彼が男性である為に会長になれないのは仕方の無いことですが、
仕事ぶりは明らかに私(ワタクシ)の方が上で、色ボケで、色々と煙に巻くような信頼のならない人物でありながら、それでいてなぜアレだけの人望があるのか……

紅夜「どうした?」
ルティア「いえ、何でも。少しは女性の扱い方を心得て、蒼月さんの手綱をしっかりとってください。」

思わず呟いてしまった言葉を聞かれてしまいましたわね。
紅夜さんは何か納得いかない様子で、手を頭の上に置きました。

ルティア「ふふふ。まずは、ショッピングに付き合ってもらいましょうか。」
紅夜「……仕方が無いな。」
ルティア「心をこめて、とまでは言いませんが女の子を傷つけるような素っ気無い態度はやめてくれません事?」
紅夜「さすが、お嬢様だな。」

その言葉に冷ややかな視線を返すと、彼は観念したのか……

紅夜「……分かりました。」
ルティア「うん。それでよろしい。」

複雑そうな表情を浮かべたままでしたが、彼の承諾を得ることに成功しました。

-- END or NEXT --------------------------

フラグ、と言うにはまだ早い。
片思い、というにはまだ微妙。
一応、ルティアの半分自覚のありそうでなさそうなデートです。

[274] 可能性は、無くは無いのか? まあ、絶対無い。
ラスティ・ブランフォード - 2008年09月16日 (火) 23時08分

-----------------------------------------
- 紅夜と夕闇2 -
-----------------------------------------


なぜ、このような事になっているのだろうか?
菫ノ宮学園との会議が終わって、制服のまま近くのデパートに連れ込まれて。

ルティア「これ、どう思います?」
紅夜「……好きにしてくれ。」
ルティア「そういう時は、『似合うよ』とか他の物を見て『こっちの方が良い』とか言うのです。
     女の子は、男性の反応を待っているんですよ。それだけでぜんぜん印象が違ってきますから。」

髪留めを見せながら、天津がそのような事を言ってくる。
印象が違うと言うが、俺に言わせれば、普段の天津からは想像もつかなくて戸惑いを隠せないんだが。

紅夜「……蒼月がデート?と称して何度か引っ張り回された事があるが、そういう対応をすればいいのか。」
ルティア「紅夜さん。一応、二人っきりでいるんですよ。そういう時に、他の女性の名前を出すのは野暮と言うものです。」

……早く帰りたいんだが。
溜息の一つでも吐きたかったが、ここでを吐いたら『幸が逃げる上に、女性にも良い印象をあたえませんよ』とか言われるのだろうな。
内心そう思いつつ、ふと目に付いた(やや可愛らしい)黒っぽいウサギの髪留めをルティアに渡した。

紅夜「これなんかどうだ?」
ルティア「そうそう。そういう感じで対応するんです。」

疲れる。これが蒼月だったら問答無用で帰ってるんだろうが、相手が天津だと思うとなんだか帰りにくい。
いつになったら終わるんだ?

ルティア「少々小腹が空いてませんか?一休みしましょう。」

……俺の表情から読み取られたらしいな。

ルティア「そこでアイス買ってきて食べましょう。そこで奢ると、更に印象UPなのですが……」
紅夜「お嬢様なんだろ?さすがに俺の財布の口は開けないぞ。」
ルティア「……まあ、良いでしょう。」


-----------------------------------------------------------------------------------


アイスの売店の近くに設置されているベンチに並んで座り、一緒にアイスを食べる。
何か、悪寒のようなものを感じたのは単純にアイスを食べて冷えたからではないか……と思ったが、
それは予兆だったのか。

狼輝「おや、紅夜君にライゼルロードさん。」

買い物帰りらしく、袋を2つ引っさげて現れた男。
……この男、普段ノリが軽い割には俺には全く違う一面を見せてくる。
二人の娘も、何か曰くありげに俺に接してくることが多々あるが、
さっきの悪寒は、この男が近づいて来たからだったのか。

ルティア「ええと、どちらさまでしたっけ?どこかで見た記憶はあるのですが。」
紅夜「……貢永の親父だ。前に学園に来た事があるだろう。」
ルティア「ああ、あの時の!」

微妙な表情を浮かべて、オーバーなリアクションで肩が落とす貢永の親父さん。
あの時、と言うのがどの一件を指しているのかは……あえて問うまい。

狼輝「しかし、学園でも評判のお嬢様とデートだなんて、紅夜君は本当に隅に置けないねぇ。」
紅夜「いや、そういう訳じゃ……」
ルティア「そう見えたら、素敵ですね。この朴念仁にはもったいない位です。」

どことなく、棘のある言い方で言ってくる二人。
……もしかして、俺は蒼月と付き合ってるとか思われているんだろうか?
だとしたら、かなり不愉快だが。

狼輝「まあ、紅夜君にそんな甲斐性があるわけない無いのは貢永から良く聞いてるからね。
   とは言え、二人のお邪魔をするのは野暮だし早々に退散させてもらうとするよ。」

そう言うと、彼はさっさと立ち去って行ってしまった。

……目の錯覚か、ただの意識過剰か、ほんの一瞬だけ狼輝さんの後を貢永が追いかけたのが見えたような気がしたが、ただの錯覚だな。


-----------------------------------------------------------------


デパートから出た頃には、すっかり日が沈み始め、夕焼け空となっていた。

ルティア「きれいな夕焼けですわね。」
紅夜「そうだな。」
ルティア「もう少し眺めていたいですけれど、急いで帰らなければなりませんわね。」

今は5時半。まあ、会議が終わったのが4時だし、もうすぐ門限の6時になる。

ルティア「今日は、お付き合いありがとうございましたわね。」
紅夜「礼を言われるほどの事じゃない。」
ルティア「もう、最後くらいはしっかり女心をエスコートしてくださいな。」

……礼を言われるほどの事じゃない、とは言ったが、内心疲れた。
だが、以外にも俺の気持ちは悪くなかった、とは言える程度には……

紅夜「今日は、楽しかったぞ。」
ルティア「ふふ。それでよろしいですわ。少しはデートと言うものと、女心が分かりまして?」
紅夜「……まあな。」
ルティア「良かったですわ。それでこそ、身を張って実践してもらったかいがあるというものです。」

だが……なぜ、天津がこんな事を企画したのかが、俺には全く分からない。
確かに、蒼月や晴美が俺の周りでばたばたやっているのは理解しているが、それとこれが何の関係があるのだ?
しかし、聞いても天津は答えないだろう。そう思っていたが……

ルティア「機会があったら、またやりましょうか?蒼月さんに当てるために。」

ああ、単純に蒼月を敵視しているだけか。

紅夜「それで、あいつが仕事をしてくれると言うのなら構わんぞ。」

最終的な権限は全部握ってるくせに、仕事を放置されては学園が成り立たないからな。
そう言うと、ルティアは笑った。

ルティア「そうですわね。是非ともお願いしましょうか。さて、そろそろ帰りましょう。
     今日の話を元に、蒼月さんの青ざめる顔が見物ですわ。」
紅夜「仕事攻めにして、更にあいつの嫌がりそうな話か。確かに見物かもしれんな。」

ははははははははは


----------------------------------------------------------------------


:お義父さん。

狼輝「怖い顔しなくても分かってるよ。」

:なんで、あのあまずっぱ〜いデートの妨害をしなかったんです?
:万が一にも、紅夜さんとルティアさんがくっついたらどうするんですか!

狼輝「下手に手を出す方が、くっつく原因になりかねないよ。」

:……はあ、狼輝さんでは頼りになりませんね。紅夜さんとルティアさんが並んで歩いているのを見て、慌てて呼びに行ったのに。

狼輝「だけどね。良くも悪くも、紅夜君にああいう経験は必要だと思うよ。
   ルティアさんは、わざわざ当て馬になってくれてるんだから。」

:……好きあらば横取りしようとしてるようにしか見えませんが?

狼輝「君にはそう見えた、それだけの事だろ?」

:ライバルが多くて、私一人ではとても漕ぎ着けられないというのに、お義父さんは手伝ってくれる気が全く無いみたいですね。
:私に帰って欲しくないから、むしろ足を引っ張ろうとしてません?

狼輝「そりゃ、さっさと帰らないで欲しいないってのは、無くはないさ。
   だけどね。このまま彼に朴念仁を貫かせてたらどうしようもないじゃないと思うよ。
   今回の件は、紅夜君の意識を変えるには良い機会だったんじゃないかな?」

:そうやって纏めに入って煙に巻こうとしてるけど、結局手伝う気は無いって言ってるの?

狼輝「……そういう君こそ、何をしようとたくらんでたのかな?憑依やポルターガイストでも起こそうとしただろ、
   さっき一緒にルティアさんたちと会った時。」

:……バレテました?

狼輝「当たり前だ。そう言う怪奇現象はほっとけないから、無理やり引きずってきたんだから。」

:……やりすぎ、とも言ってられない。手段を選らば……

狼輝「そこは選びなさい、全く。まあ、もうしばらく様子を見よう。」

:結局それですか。

狼輝「何も、今すぐ二人がくっつく必要は無いんだ。赤ちゃんが欲しい訳ではないんだろ?」

:……言われて見れば。

狼輝「うまく進まないからって、最近、君は急ぎ過ぎてるよ。無限の生を持っているんだから、もう少しゆっくりしても良いんじゃないかな?」


-- END or NEXT --------------------------
落ちは、落とす気無い!ただの裏話っぽいものです。
紅夜視点で通してたのに、急に貢永さんが出張ってしまいました。

[284] 更正
ラスティ・ブランフォード - 2011年01月02日 (日) 21時36分

-----------------------------------------
- 変わる可能性 -
-----------------------------------------

ぱらぱらぱら……

風紀委員の活動記録報告書をめくる宇美の手がある一箇所で止まる。
それは、既に日常の一部かと思っている事件についての報告だった。

宇美「……当たり前を、当たり前と思ったら。そりゃダメなんだよな。」

彼女が見ていたのは、泉の暴走記録。
この一ヶ月で二桁を超える事件を起こしているとなれば、目を瞑りたくもなる。

宇美「まあ、理由は分からんでもないがな……」

主な原因はあのバ会長(柊 蒼月)が全く自重していないという事だ。
どうやら、泉の姉(命:みこと)が紅夜にほのかな思いを寄せている事を嗅ぎ付けたらしく、バ会長は恋敵と見なして様々な無理難題やちょっかいをかけている様なのだ。
気が中途半端に強い泉の姉(命)は中途半端に噛み付いて結局半泣きにされて……
そうなると、泉はもう凄まじい感の鋭さで姉の危機を感じ取って走っていってしまう。

……大体話がこじれ、対バ会長(蒼月)用制圧兵器と呼称された私がバ会長を脅して泉を連れ帰るのが日課になりかけており、頭を悩ませているのだが。

これではいかんと一念発起しても、反省の色を見せない両者をどうすればいいのか、解決の糸口が分からない。

宇美「どうすりゃいいんだ……?」

@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@

次の日

宇美「ルティア会長……。」
ルティア「なんですか?」

身内の恥であるため聞いたり振ったりし難い話題ではあるが、今日はもう夕暮れになっても泉は暴走しなかった。
逆にむず痒くなるくらい、気になって仕方ない。

宇美「後始末が日課になりかけてる自覚があって嫌なんですが、今日は泉の奴、暴走しませんでしたね。」
ルティア「命さんの危機を感じなかったからでしょう。」

そう言って、ルティア会長は悪戯っぽく微笑んだ。

宇美「……何か、したんですか?」
ルティア「蒼月さんに『当てた』んですよ。明確に敵視される位に引っ張りましたからね。」

そう言うと、ルティア会長はさらに笑う。

ルティア「将を射んとするなら、まず馬を射よ。綾川さんをこちら側に引き込む算段をちらつかせたんですよ。」
宇美「……!?」

ちょ、ちょっと冗談じゃないぞ、あいつは嫌い以上に怖い!
バ会長を篭絡する為に言った事なんだろうが、軽く背筋が冷える。

ルティア「そんなに嫌でしたか?」
宇美「あ、いえ……」

その表情は、一瞬だった。
茶目っ気のある愛嬌を出した顔でも、少し驚いた表情でもなく、
ちょっとだけ傷ついたような表情は、ルティア会長にとってどういう思いがあるのかを垣間見るには十分だった。

ルティア「命さんの危機の大半は蒼月さん絡みですからね。蒼月さんのアキレス腱は綾川さんですから、彼をうまく利用すれば被害も減るでしょう。」

真剣な表情でそう伝えてくるルティア会長に、どう言葉を返していいのか分からず、私は瞬きする事しかできなかった。

ルティア「……貴女は、これまで通り泉さんを抑えていてください。私(ワタクシ)が蒼月さんを、綾川さんと結託して誘導しますから。」
宇美「はい!」

考えもせず勢いで言ってしまった元気な返事に、ルティア会長は苦笑する。

ルティア「宇美さんは、元気でよろしい事で。」
宇美「期待されてるからには、がんばりますよ。」


-- END or NEXT --------------------------

まあ、場繋ぎ的なものですかねぇ。
今後も細々続けて投稿しますよ。
ここの掲示板がなくならない限りは。



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