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桜ノ宮学園 学生掲示板

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[5] 美術科用スレッド
管理人 - 2007年05月22日 (火) 23時17分

美術科についての小説を投稿、雑談をする場合はこのスレッドにお願いします。

小説投稿用テンプレート↓

-----------------------------------------
- タイトル -
-----------------------------------------
ここに内容。
-- END or NEXT --------------------------

[31] MUSIC!
3A - 2007年05月25日 (金) 16時00分

-----------------------------------------
- Leading Actress -
HARUMI KUZUHA
- Supporting Actress -
YUIKA HANAZONO
- Appearance -
SOUGETU HIIRAGI
-----------------------------------------

(・・・もういやだ)

今は2時限目の音楽の時間だ。
何が嫌なのかというと、

1、高校生にもなって楽器がリコーダー
まあ百歩譲ってOKとしよう。

2、先生が好きな曲が何故か子犬のマーチ
自分が好きだからって授業中2回も演奏and歌うのはやめてほしい。

3、『ふるさと』の時に、先生がいちいち泣く
しかも、御国自慢を最長20分近く行うのはどうかと。


上記3つが主だった理由で、音楽の時間は大嫌いだ。

しかし、音楽自体が嫌いなわけじゃない。むしろ大好きだ。
でも、紅夜さんの方が・・・。いや、なんでもありません。


―――キ〜ンコ〜ンカ〜ンコ〜ン―――

音楽室から自分の教室へ戻る晴美。
もちろん隣には遊意華がいる。

晴「やっと終わった〜。」
遊「相変わらず音楽嫌いだね。」
晴「ユイはなんでそんなに好きなの?」
遊「え?だってリコーダー楽しいし。子犬のマーチ好きだし・・・。」

遊意華はなおも好きな理由を述べる。

(あんたはあの先生肯定派なんだね)

ふと、彼女の頭によい事が思い浮かんだ。

晴「ユイ、ちょっといいかな?」
遊「ん?何?」
晴「今日さ、カラオケ行こ!」
遊「あ〜!いいね!久しぶりに行こ!行こ!」
月「僕も賛成だね。」

(今日は午前中で終わりだし、宿題も総括会の仕事もないし、部活もないし・・・。え?)

晴&遊「うわああああ!!」
月「どうしたんだい、そんなに驚いて?」
晴「どっから出た?」
月「呼ばれて飛び出てジャジャジャジャーン・・・とはよくいったものだよ。」
遊「ああ〜なるほど。」
晴「納得。・・・なわけないですよ蒼月さん。来るって言ってもあなたには仕事があるんじゃないんですか?」
月「紅くんがいるから大丈夫。」
遊「ああ〜なるほど。」
晴「納得。・・・って2度もやらせないで下さいよ蒼月さん。」
月「いいセンスしてるよ君達。」
遊「やったー!」
晴「ああ、どうも・・・って違う!紅夜さんに仕事押し付けてくるんですか?」
月「何か?」
晴「何か?じゃないですよ。自分の仕事くらい自分でやってください。」

(紅夜さんのことがからんでくるとムキになってしまう。冷静に冷静に・・・。)

月「したいのは山々なんだけど、どうも紅くんが奪ってしまうのさ。
君ならわかるだろう?あの仕事の早さ。書類を取る時、僕のまで取ってしまうんだよ。」
晴「・・・書類内の字の誤りを見つけ、それを直せとまで言う紅夜さんがそんなことするはずないじゃないですか。」
月「っ!・・・君も思ったより鋭いじゃないか。」
晴「あなたほどじゃありませんよ。」

嫌味混じりに答える晴美。しかし、

月「惚れたかい?」
晴「惚れません!」

あっさりと返されてしまう。さすがは会長。

晴「と、とにかく、自分の仕事を終えたのであれば来てもかまいませんから、紅夜さんに迷惑をかけないで下さい。」
月「待ってく・・・。」
晴「ユイ行こ!」

蒼月の発言を遮るように言った。

遊「うん!蒼月さんバイバ〜イ。」

蒼月は手を振り返しながら不敵な笑みを浮かべた。

月「僕はあきらめないよ。」

-- To Be CONTINUE --------------------------


高校に入って傘が3本も折れてしまった3Aです。
めっっっっちゃ眠い中書いたんで(いいわけ)とても稚拙だと思います(通常でも同じだろう)。
次回、カラオケに行く2人なんですが・・・。ストーリーを作れるのか不安でいっぱいです。

ほとんど期待しないでいてください。

[36]
凪鳥 - 2007年05月26日 (土) 02時38分

カラオケ…。
今までに無いパターンで、これは期待するなというほうが無茶なお話です。
期待させていただきます!

[47] MUSIC! EPISODE2
3A - 2007年05月29日 (火) 16時16分

-----------------------------------------
- Leading Actress -
HARUMI KUZUHA
- Supporting Actress -
YUIKA HANAZONO
- Appearance -
SOUGETU HIIRAGI
YUUKO KUZUHA
...etc...
-----------------------------------------

―――キ〜ンコ〜ンカ〜ンコ〜ン―――

3時限目終了のチャイムが鳴った。
今日の授業の終わりのチャイムでもあった。

晴「よし!ユイ、行こう!」
遊「あ、どうせならさ、優さんも誘っていこ。」
晴「姉さんか、、、いいんじゃね?」
遊「じゃあ言ってくる。」

 『優さん』というは私の三つ子の姉である『楠葉優子』。ここの美術科でもある。ちなみに、弟は『士仙(しせん)』。地元の公立校へ通っている。

遊「オッケーだって。」
優「たまにはいいかもね。」
晴「だっぺ?よっしゃ、善は急げ。早速出発いたしましょう。」

 私達は一旦寮に戻り、私服に着替えてから学園を出た。
 外出は久しぶりだ。いつもあんなお嬢様学校にいたら息が詰まる(中学からなんだから慣れろよ)。

 私達の服装を一言で、
  晴美 :『B-GIRL』
  遊意華:『可愛い』
  優子 :『おしゃれなお姉さん』
 こんな感じ。

遊「2人ともいいなぁ〜。」
晴&優「何が?」
遊「背が高くてさぁ。」

 私も姉さんも170cm近くある。対してユイは155cm。

晴「ユイはユイで可愛くていい。」
優「そうそう。背が高くても不便な事は多いから。」
遊「でも、ちっちゃいのも不便だよ。」
晴「だからってユイが大きかったら何か違和感がある。」
遊「う〜ん、、、」
優「じゃあさ、逆に私達が小さかったら?」
遊「・・・それは・・・・・・ヤダ。」
優「でしょ?だからこれでいいの。」
晴「世の中そういう風にできてるんだって。」
遊「そういうもんかなぁ。」
晴「そう思わないとこんな世界やってけないって。『全ては必然』ってことなんだよ。分かったかいユイ君?」
遊「あー!!馬鹿にした!!!!」
晴「だって馬鹿でしょ?」
遊「馬鹿言うなー!!ハルも馬鹿ー!!!!」
晴「『も』?認めてんじゃん。」
遊「うるさいうるさいうるさいうるさぃぅ...。」

 ポカポカポカって音が聞こえてきそうな叩き方。

 そうこうしているうちに、カラオケ店到着。

店員「何名様でしょうか?」
優「あ、さん・・・。」
?「5人です。」
晴「・・・はいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいぃぃいいぃぃぃいいいいい!?!?!?!?!?」
遊「あ、蒼月さんと蒼馬さん。」
月「やぁ遊意華君、優子君それと晴美君。」
馬「なんていうかその、、、いきなりごめんね。」
晴「い、いえお気になさらずに。」

 き、きやがった!きやがったぜおい!・・・あ、そういえば。

晴「蒼馬さん、蒼月さんの仕事は終わってるんですか?」
馬「う、うん。雨が降らないといいけど。」
晴「雨ってレベルなんですか?」
馬「・・・時々やってたりするからね。紅がしんどい時とかは。」

 約束は果たしてる。男に二言は無いとは言うが、女にも二言は無い。
 ちなみに、彼等の服装は
      制服
 おそらく時間がなかったとかなんだろう。

 ドリンクは飲み放題の3時間。Are you ready?

晴「さて、誰が一発目歌う?」
優「遠慮します。」
遊「はいはいはいはーい!」
馬「気にせず歌って。」
月「遊意華君に任せた。」

解説(晴美):ユイは歌が上手い。歌うのは明るい人気のある曲。「これ!」という1つのアーティストに固執しないで、色々な人の有名な曲を歌っていく。

晴「いよ!さすが!」
優「相変わらず上手い。」
馬「(パチパチパチ)」
月「かわいらしく歌うねえ。」
晴「おっ!きた!!」
遊「あ、ハルだ。」
優「あの、かなりはじけるんで気にしないで下さい。」
馬「はじける?」
月「要するに自分の世界へ入り込むってことかい?」
優「ええそうです。」

解説(優子):ハルが歌うのは主に、、、ロック。バラード、ラップとかも歌うし何でも歌えるけど、1番好きなのはシャウトするようなハードロック系。
       歌は申し分なく上手い。絶対音感とかもってそう。さすがは我がバンドのボーカル。

遊「わー!!いつもどおりすごいね!!!」
優「さすが。」
馬「す、すごい。」
月「感心するねえ。」
晴「次は?」
優「蒼馬さん?」
馬「あ、蒼!いつの間に!?」
月「いいじゃないか。兄さんこれ得意だろ?」
馬「勝手に入れるな!・・・歌うけど。」
晴「これ、、、難しいよね?」
遊「いけー!」
優「うん。結構音の幅あるよ。1オクターブくらい平気で上がるし。」

解説(遊意華):蒼馬さんは、、、上手!!なんか、優しかった。聞いてて癒される感じ。
解説(優子):補足します。蒼馬さんはユイみたいに1つのアーティストに固執しないで歌う。しかし、歌う曲は有名なものから、マイナーな曲まで幅広い。
       歌はお上手です。ただ、声量が少ないかな?しかし、「これが彼の歌だ」といわれれば「ああ、そうなんだ」と納得できる。

遊「すごーく上手いですね!!」
馬「あ、ありがとう。」
晴「普通に上手ですよ。」
優「同感です。」
月「相変わらず素晴らしいね。」
晴「次は?」
優「私。蒼月さん、お先です。」
月「気にせず歌ってくれたまえ。」

解説(晴美):姉さんはレゲエやラップといったものを中心に、ポップ、ロックを織り交ぜて歌う。
       歌は普通に上手い。テンポもしっかりととれている。

遊「上手上手!」
晴「かっこいいぜMC.YU-KO!」
優「そりゃどーも。」
馬「すごいね、あんなに早い歌を歌えるなんて。」
晴「『好きこそ物の上手なれ』って良く言いますからね。」
優「恐縮です。」
月「さて、次は僕の番か。」
馬「!み、みんな、、、ごめんね。」
晴「???」
遊「????????」
優「・・・もしかして、『あれ』ですか?」
馬「うん。」
晴&遊「????????????????????????」

解説(晴美):・・・ただ一言『絶句』
解説(優子):一応補足します。テンポ× 音感× 声量△ ・・・結論『下手』。

月「いやぁーいいねぇ歌は。ん?みんな拍手は?」
一同「・・・。」
月「ああ、惚れたかい?」
一同「何故そうなる?」
月「拍手も忘れるほど聞き入っていたんでは?」
一同「・・・。」

 その後も蒼月さんは歌い、その都度蒼馬さんは申し訳無さそうな顔をしながら謝っていた。
 皆は座席からずり落ちる現象に陥っていた。まるで吉本新喜劇みたいに。

 総合評価
   晴美≫遊意華>蒼馬、優子≫≫≫≫≫≫≫蒼月
-- END --------------------------------

読んで頂きありがとうございます。
このネタはですね、結構前に思い浮かべてあったんですよね。そのきっかけは、

[162] 主観:紅夜 登場人物:etc
凪鳥 - 2007年01月26日 (金) 04時40分

----------------------------------------
- ハムエッグを焦がした日 -
----------------------------------------

の(↑は過去ログから拝借。↓も同様)

 紅夜「…あぁ、音楽室にな」
 晴美「音楽ですか〜…あたし、あんまり音楽って得意じゃないんですよね」
 遊意華「あたしは好きだな〜音楽!」
 晴美「ユイはそうだろうさ…あ、そういえば紅夜さんは歌も得意って聞いたんですけど?」
 紅夜「……普通だ」
 晴美「普通か〜、紅夜さんの普通ってレベルが高いからな〜」
 遊意華「って! ハルッ! あんまり話してる時間無いよぉ〜」
 晴美「本当だっ! じゃ紅夜さん、あたし達はこれで!」

っていうやりとりの部分で、晴美は「音楽は得意じゃない」といってるんですが、僕の中では音楽大好きのイメージがありまして、
「でもしかたないか」と諦めていました。
が、凪鳥さんのブログの方で女性がシャウトしている絵を見た瞬間に
「待てよ、、、」と思い、構想を練っていました。
得意じゃないのを『音楽の授業』という意味での『音楽』として受け取ったら可能性はある。と思いまして、、、
そして出来上がったのがこの話。
シャウト話から生まれた話なんでハードロック好きにしました。元のイメージもロックではあったんですが、、、
で、この話では必ず誰か『犠牲』がいるなぁと思っていました。
そういう意味で柊蒼月さんと彼女の作者・凪鳥さんには謝罪の気持ちでいっぱいです。
蒼月とは反対、ということで蒼馬は歌を上手にしてみました。
ご不満ありましたらどうぞご遠慮なく言って下さい。

話は変わって、
裏設定の楠葉バンド(仮名)を出そうと模索してるんですが、どうやったら出せますかね。聞くのもおかしい話ですが、、、

今回はあとがきが無駄に無駄に長くなりすぎました。最後まで読んでもらった皆さんにはもう1度深く感謝です。

[82] カラオケ…か。コンナイメージ
ラスティ・ブランフォード - 2007年06月27日 (水) 20時56分


光の持ち歌のメインはアニソン。マイク握らせると、真っ先に歌うのが目指せポケモンマスター。
主人公名が光、というだけで魔法騎士レイアースも歌ったり。<鶯になぜか進められた。
積極的には歌いはしないが、空気を読んで適当なタイミングでマイクを取る。

宇美は音痴なのでじぶんからは歌わない。
無理やりマイク渡された時にネタで「俺はジャイアン様だ」(ジャイアンがいつも歌うあの破壊ソング)を歌ったら爆笑されたので以後持ちネタ。
基本的に音楽をあまり知らないのでカラオケで他の曲を歌う事もあまり無い(無理に歌わされると小学校の音楽で歌うような曲を歌う。)
鶯に薦められた曲はメダロット(アニメ)
大体は鶯にいじられる為にカラオケに連れてこられる。

鶯「いろどりましょう しょくたくを
  みんなで ふせごう つまみぐい
  じょうおんほぞんであいをつつみこむ
  カレーなるメダロッター
  快盗レトルト ただいまさんじょう!」
宇美「何のつもりだよ、鶯。いっそのこと、
   
   さかせましょう おこめのはな
   ちらしましょう あくのはな
   てんよりまいおりた び(しょう)じょメダロッター
   (コマチ)レトルトレディ ただいまさんじょう!

   とでもいってほしいのか?」
光「まさかと思うけど…」
鶯「おや、気づいたかい?」
光「私、メダロッターよりはポケモントレーナーのほうがいいわ。」
鶯「つれないねぇ。」

……なんていうか、名前ネタはまだまだいろいろありそうです。

[86]
凪鳥 - 2007年06月28日 (木) 18時50分

カラオケネタ、なかなか広がりそうで良さそうです。

3Aさん、実は私も蒼月は音痴だという設定を考えていたので、音痴に確定で行きましょう〜。
その他のキャラも大体イメージ道理でいいですね。
ラスティさん、光はアニソン派ですか、ふむふむなかなか意外なイメージですね。鶯は想像通りですが。
名前ネタは確かに行けそうですね。
でも紅夜とかつづらはあまり歌を歌うイメージがないですね。

[107]
雲理 - 2007年07月19日 (木) 17時42分

'3')!?
鶯のしゃべりかたが蒼月みたく
…いやいや、でも

[138] 主観:晴美
3A - 2007年08月31日 (金) 02時50分


-----------------------------------------
- 友情物語 -
-----------------------------------------
――――――大会3日前――――――

 私の出場種目は多い
 本職の三段跳びに加え、幅跳び・400m・200m・100m・100mハードルそして4×100mリレー
 果たして何勝できるのか?
 やっぱり出るからには全て勝ちたい
 小さな大会ではあるが、中学の時からずーっと出ている大会だ
 しかも三段、幅跳び、100mでは同学年にはまだ負けていない
 一応今回も優勝候補にはなっている
 自分自身この3つで負けるなんて考えてもいない
 問題は、

晴美「え?私がアンカーですか?」
先生「やはりあなたがアンカーだと周りにもプレッシャーをかけられるかと思ってね」

 突然の交代
 今までは1走だった私がアンカーへ移動
 私は陸上を本格的に始めてからというもの、ずーっと1走だった
 というのも、それには2つの事情があった
 1つ目は、スタートダッシュはもちろん、全ての反射という反射にとても自信を持っていた
 体内を流れる電気信号、所謂『インパルス』の速度が常人よりもあきらかに速いそうだ
 2つ目は、

晴美「ああー、またやっちゃった」
陸部A「ちょっとスタートが早いわ。もう少し溜めても十分よ」
晴美「はい、もう一回いいですか?」
陸部A「いいですよ」

 バトンのキャッチが下手なんです
 先生曰く、反応が早すぎるために、普通の人のタイミングの掛け声だとどうしても早くなってしまうそうだ
 どんな練習よりも、私はバトン練習を重点的に行った
 大会3日前、ほとんど何も変わらないまま私は委員会の仕事へと向かった


――――――美術科総括会室――――――

 ペラペラ

 ユイが書類を見直しているのだろうか
 だが、今の私にはどうでもいいことだった

晴美「・・・」
遊意華「・・・」
晴美「・・・」
遊意華「・・・」
晴美「・・・」
遊意華「・・・」
晴美「・・・」
遊意華「・・・」

 沈黙が続いた
 ユイも珍しく仕事に集中しているのか
 私はユイがまとめた書類の内容をもう一度確認し、まとめ直していた
 ・・・
 ・・
 ・
 はずだった

?「・・・」

 なんだろう、何かが聞こえる
 ん?なんで真っ暗なんだろう

?「・・・きて・・・・・・ル」

 ユイ?

遊意華「起きてハル、先に戻っててもいいから」
晴美「ん、んー・・・あれ?」

 どうやら寝てたみたいだ
 ・・・不覚

遊意華「疲れてるんでしょ?先に帰ってていいよ」
晴美「大丈夫、大丈夫、あと少しだし」
遊意華「あと少し・・・ってあと10枚はあるよ?」
晴美「主催権のためなら、美術科のためならOK」
遊意華「だーめ!先に帰ってて!ほらほらほら」
晴美「お、押すなって」
遊意華「はい、出てください」

 ガラガラ

 ユイに閉め出された
 ここはユイに甘えるとしようかな

遊意華「試合前くらい私がやってあげないと・・・ね」

 私は部屋に帰って少しベットに横になっていた
 このままでは寝てしまうことは十分分かっていたんだけど・・・
 案の定意識は戻らなかった


――――――大会2日前――――――

 時計を見ると5時30分
 いつもと変わらない時間だ
 ただ、いつもとちがうのは、制服を着たままだという事だ
 しかし、布団はしっかりとかかってある
 ・・・ユイには感謝しなきゃな
 私は朝練へと向かった
 ・・・
 ・・
 ・

 この日も朝・夕練共にバトンパスを中心とした練習だった
 しかし、結局何もつかめないまま解散となった
 今日は委員会は休みなので気の済むまで1人残ってイメージトレーニングをした
 結局のところタイミングが合わないのが問題だった
 微妙な調節が難しい
 うちには私より速い選手はいない
 だからこそバトンパスが大切だ
 100mを10秒で走れる人は、リレーの100mだと9秒近くで走れる
 理由はバトンパスだ
 100mはクラウチングスタートから走り出す
 ということは最初はスピードが0の状態だ
 しかしリレーだと、テイクオーバーゾーンがある
 ここでは次の走者もスタートを切る事ができる
 所謂『リード』というやつだ
 同じ100mでも、スピード0から走るより
 テイクオーバーゾーン、リードを使って、スピードが1でもあった方が有利なわけだ
 いかにスムーズに渡すか
 これがリレーの醍醐味であり、勝負の分かれ道でもある
 もしバトンを落としたりしたら失格
 テイクオーバーゾーンを越えてバトンをもらっても失格
 0.01秒でも速くするために、
 いや、それよりももっと簡単に
 勝ちたいから・・・


――――――大会前日――――――

 今日は大会前日
 軽めの練習予定
 相変わらずタイミングが合わない
 前に比べ合うようにはなってきたが、それでも10回やって4回成功だ
 成功率40%
 100%にしなきゃ
 そんな思いが私を焦らす
 徐々にイライラしてきた

陸部A「もうちょっと溜めて・・・」

 もう限界だった

晴美「わかってますよ!私だって・・・私だって・・・・・・私なりに・・・・・・」

 自分が情けなかった
 悔しかった
 涙こそ流さなかったものの、私はその場にいるのが恥ずかしくなった
 逃げ出したかった

晴美「すいません先生。今日はあがらせてもらいます」
先生「楠葉さん・・・」


 私は自分の部屋へと逃げ帰った
 謝りもせずに・・・


――――――自分の部屋――――――

 シャワーを浴び、食事も摂った
 パジャマに着替えて、電気も消して、あとは寝るだけ
 そんな時、ユイが話しかけてきた

遊意華「なんでも言ってよ、力になれる事なら手伝うしさ」
晴美「ありがとう」

 私は全てを打ち明けた
 全て言い終わると、ユイが言った

遊意華「私中学の時に「いつも練習ばっかりで辛くないの?」ってきいたよね」
晴美「・・・そんなこともあったかな」
遊意華「でさハルは「しんどいし、辛いけど勝つためなら構わない」って言ったよね」
晴美「・・・」
遊意華「で、「やっぱり辛いんだ」って私が言った時、何て答えたか覚えてる?」
晴美「・・・全然」
遊意華「「最初は『勝つために』って考えてたから辛いと思えるような練習だったけど、『勝ちたい』って思って練習したら、全然だった」」
晴美「・・・」
遊意華「しかも、「『勝つために』で辛くたって私は構わない。私が神に自分から言った事だから」って言って、私が「神様に?」って」
晴美「・・・」
遊意華「で、「私ここで陸上やる時に、夜に近くの神社で言ったんだ」って言って私に言ってくれたよね。えーと確か」
晴美「「勝ちたいから、例えどんな辛い事があっても『勝つため』ならどんな事でも乗り越えてみせる。それで強くなってみせる。『どうか我に七難八苦を』」だったかな」
遊意華「やっぱり覚えてたんじゃない」
晴美「『どうか我に七難八苦を』は私の好きな戦国時代の武将の言葉」
遊意華「ほんとに日本史は強いよね」
晴美「まあね、で彼は滅んだ主家を再興させるために挑んでいったんだ。少数ながらも大国相手にゲリラ戦法でね」
遊意華「それで?」
晴美「結局主家再興はならなかったし、彼自身最期は捕まって護送中に暗殺されたんだよ」
遊意華「えー」
晴美「とは言え捕まえた方の武将も「こいつは強いから使える」と思って味方に引き入れようと思ってたらしいんだけど、そこの大名が怖がってね、暗殺はその大名が指示したんだよ」
遊意華「かわいそう」
晴美「世が世だからね、弱肉強食ってやつだよ。弱いから捕まった、だから殺されるような目にあった、ってことかな」
遊意華「そういうもんなの?」
晴美「さあね、その場には居合わせなかったから知らないけど」

 すこし冗談交じりで言った

遊意華「ふふ・・・」

 突然ユイが笑った

晴美「ん?どした?」
遊意華「ハル、さっきより元気になったね」

 私はバカだった
 ユイにまで心配をかけて
 ユイのおかげで初心にかえったみたいだ
 勝つために七難八苦を望んだ私が、バトンが上手くいかない苦しみに耐えられなかった
 だがその前に、何故苦しんだのだろう
 『勝つために』と思っていたからだ
 苦しむのは構わない
 ただそれは私一人の場合だ
 しかし今はどうだ
 チームメイトまで苦しめてしまっているじゃないか
 こういう時こそ『勝ちたい』って思って練習するのが私じゃないか
 自分自身を見失っていた
 それをユイが見つけて届けてくれた
 ホントにいい親友だよ
 そう思った私は布団を抜けてユイのところへ近づき、

晴美「ありがとう」

 そう言ってギュッと抱きしめた
 そのありがとうは先ほど言ったありがとうとは比べ物にならないくらいの想いが詰まっていた

遊意華「ぐ、ぐるじいよ〜」
晴美「あ、ごめん」
遊意華「ううん、でも気持ちいいからいいよ」
晴美「・・・何が?」
遊意華「おっぱい」
晴美「・・・」
遊意華「だってさハルったら大きいのにいつも晒し巻いててぎゅ〜!ってしてるからさ、抱きつかれても『胸板!』って感じだったじゃん」
晴美「・・・」
遊意華「・・・どしたの?」
晴美「そ、そ、そ、そ、そっち系のしゅ、趣味は、わ、わ、わ、私にはないからな」
遊意華「あー、わかった、照れてるんでしょ?」
晴美「べ、別に・・・」
遊意華「ふぅん・・・にゅふふふ〜☆」

 暗くても窓から入る月明かりのせいで、ユイからは私の顔が良く見えていたのに違いない
 私の方は逆光のせいかよくは見えなかったが、夜目はきくほうなのである程度は見えていた
 そのユイの顔を見た感想は
 ・・・何か企んでる

遊意華「エイッ」

 むぎゅっ

 ・・・
 ・・・
 ・・・
 ・・・
 ・・・は?
 『むぎゅっ』?
 一体何を・・・
 ・・・両手
 ・・・・・・鷲掴み
 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

晴美「・・・」
遊意華「・・・」
晴美「・・・」
遊意華「・・・えへへへやっぱりいいなぁ〜」
晴美「・・・」
遊意華「ん?どした・・・の・・・ま、ま、まままま待って!待って!ごめん!許して!」

 ユイには私の顔がどう見えていたかは定かではないが、良い顔ではなかったんだろう

晴美「もう遅いから静かにしないと・・・ね?」
遊意華「ひっ!」

 ゴンッ!!

 ユイはその場にKOされた
 『された』というよりは私がそのように『した』

晴美「・・・バカ」
遊意華「・・・」
晴美「・・・今日ぐらい一緒に寝てあげようと思ってたのに」

 いつもユイは一緒に寝ようと言ってくるんだが、私は暑いからと言って断ってきた

遊意華「じゃあ寝よ」

 ユイが笑顔で言った

晴美「・・・しょうがないなぁ〜」
遊意華「やった!」
晴美「但し、変なところは触んなよ?」
遊意華「わかってるよ、・・・寝相は悪いけどね」
晴美「・・・」
遊意華「ハル?」
晴美「すーすー」
遊意華「寝ちゃった・・・早いなぁ」
晴美「すーすー」
遊意華「・・・あ、ハル・・・枕。枕ないと明日辛いだろうしな・・・これ使わしてあげよ。よっと・・・ハイOK」
晴美「う、・・・ん」
遊意華「そうすると私の枕ないなぁ・・・にゅふふ〜☆一度やってみたかったし、腕借りるよ」


――――――大会当日――――――

晴美「う・・・んんー」

 今日も5時30分くらいか
 朝日が差し込んでくる
 それにしても腕が重い
 練習のしすぎかなぁ
 ・・・なんだろう?
 何かがあたたかい
 胸の辺りと腕が
 特に胸の辺りはまるで息が当たるようなリズムで・・・
 息?
 そう思うと私はゆっくり目を開けた

晴美「・・・」
遊意華「すーすー」
晴美「・・・・・・腕・・・枕?」
遊意華「すーすー」
晴美「・・・ま、いっか」

 私とユイは向かい合う様にして寝ていた
 ユイは顔を少し下げていて、丸くなるように眠っていた
 そのため、息が胸元にあたっていたようだ
 もう少しこのままが良かったのだが、

晴美「悪いな」

 そう呟いて、私は腕を抜いて、ユイに枕を返した
 やばい・・・腕が麻痺してる
 でも時間は待ってはくれないので、さっさと用意をして部屋を後にした


――――――駅までの道――――――

 現地に各自集合
 私は絶対に一人で行く
 他の人は大抵何人かで集まっていくが、私はこういう時一人になりたい
 マイペースにいきたい
 あと、絶対に他の人より1時間前に着く
 場の空気に慣れるのと、アップを入念にしたいからだ

 ブーブーブー

 メール?
 ・・・士仙からだ

 『練習だから見に行けないけど、良い報告期待してる
          君の近くの女神様に祈りを捧げている健気な弟より愛を込めて』

晴美「バカか。どこのどいつが健気だ」

 ブーブーブー

 また?
 ・・・姉さんからだ

 『昨日はグランドで怒ってたけど、それくらい自分でどうにかできるよね?
  まあ自分じゃコントロールできなくとも、
  あなたの部屋には可愛らしい女神様がいてくれてるから、これくらい杞憂なんだろうけどね〜。じゃガンバ!
  追伸:時間ができたら女神様と一緒に見に行こうかな』

晴美「女神様・・・・・・ね」


――――――会場――――――

 アップも終わった
 緊張はしてない
 今回の参加校は6校
 中学の時より1校増えている
 その6校の中には姉妹校・菫ノ宮の名前もある
 ま、正直相手ではないが、油断はしない
 決して足元をすくわれるような真似だけはしない
 優勝候補だといわれても追う立場に立って臨む

先生「桜ノ宮集合ー!!」

 集合がかかった
 うちの先生もなんだかんだ言って陸上協会でもそこそこ名の知れてるお偉いさんらしい
 だからこんな小さな大会だと、役員としての仕事が多いらしい
 集合すると、先輩の姿も見えた
 目が合った

陸部A「・・・」
晴美「・・・」

 しかし先輩はすぐに逸らした
 先生の話もそこそこに、各自の出場種目の場所へと向かった

 一番最初に始まった競技は投擲種目だった
 でも、うちに投擲の選手はいない
 投擲というのは『やり投げ』や『ハンマー投げ』といった種目の総称だ
 私が最初に行う競技は100mだ
 参加校が少ないわりには出場選手が多いので、予選⇒準決勝⇒決勝という感じになっている
 出場選手が少ない競技は、予選⇒決勝という風になっている
 ただ1つ、私が出場する中で決勝だけというのは、リレー
 これは1番最後に行われるいわば『目玉競技』だ
 そうこう言ってる間に、私の組が走る番だ
 『参加校が少ないわりには出場選手が多い』ので、同校の選手の戦いが多い
 現に私の組にも1人桜ノ宮の選手がいる
 しかも私の隣のレーンだ
 逆側は菫ノ宮の選手だ
 この組には特に警戒するべき選手もいない
 出場種目が多い私にはラッキーだった
 名前がコールされていく

アナウンス「第5レーン、楠葉晴美選手、桜ノ宮学園」
観客席「キャーーー!!!!」

 ・・・これにはちょっと困る
 いや、嬉しいしホームな感じもする
 だけど・・・恥ずかしい
 一応手を上げて応える

観客席「キャーーーー!!!!楠葉さ〜ん!!」

 『ハルミ倶楽部』(名付け親は彼女の姉と遊意華、由来は某深夜番組○○○倶楽部より)というらしい
 姉さんとユイ曰く、
 構成は正メンバーは桜ノ宮学園の生徒、これが6割ほど(うち6割美術科、3割普通科、1割看護科)
 準メンバー菫ノ宮学園をはじめとした近隣校の生徒、これが2割
 その他が2割(街で晴美の『男気』に惚れた人、晴美を見て「かっくいー」と思った少年少女、「公言したら迫害される」と怯えながらも結束する看護科の隠れ晴美ファン)
 ちなみにユイ達の話によれば、正メンバーは正式な部活動として認めてもらえるよう学園に申請しているとかしていないとか
 同じ現象が蒼月さんのファンの間でもそんな事が起こっているような起こっていないような
 ・・・関係ないか
 おっと、そんなこと考えてるうちに、そろそろ位置につかないと

スターター「ON YOUR MARKS・・・・・・・・・・・SET」

 バンッ!

 私にはわかった
 今は20m地点だが、勝ったと
 後半は流したがそれでも余裕だった
 スタートはいつも通り順調だった
 そして、もちろん一着

観客席「かっこいー!!!!」

 こういう時の歓声とかは気持ちいい
 でも休んでもいられない
 次は幅跳びがある
 その次は200m
 その次は三段跳び、400m、100mハードル
 そしてリレーは一番最後
 ストレッチだけは常に忘れなかった
 他の競技も100m同様予選は順調だった
 準決勝・決勝は午後にある
 全ての競技を終えた時、気付いたらもう昼だった

先生「桜ノ宮ー!集合ー!」

 先生からの話は午後はいつから始まるか
 それと予選を見た感想とアドバイス
 最後にリレーの注意

先生「私から言えるのは自分とチームメイトを信じる事、以上」

 信じる・・・
 私は・・・何をすべきか・・・・・・
 信じる・・・
 私がすることは・・・
 そんなことを考えていると

?「ハルー!」
晴美「ユイ・・・と姉さん」
優子「調子よさそうね」
晴美「いつも・・・通りかな」
遊意華「あとあと皆来てるよ〜」
晴美「みん・・・な・・・・ってええええええ!!??!?」

 そこにいたのは蒼月さん、蒼馬さん、命さん、泉、そして紅夜さん
 泉は命さんの隣で紅夜さんを威嚇しつつ命の日傘を持っていた
 命さんはサングラスなどでしっかりと肌をカバーしていた

蒼馬「今からお昼?」
晴美「はい、そうです」
命「全部残ってるなんてすご〜い」
遊意華「当然だよね」
蒼月「さっきつづら君を見かけたんだけどね」
遊意華「なんか忍者みたいでしたよね」
蒼月「あの姿でカメラを持ってるということは・・・ふふふ」
蒼馬「晴美ちゃん、優勝候補なんでしょ?」
命「期待してるからね」
泉「危ない!!日光が!!」
蒼馬「ほら紅も一言言ってあげなよ」
紅夜「ん、ああ、頑張れ、期待している」
晴美「は、はいぃい!」

 ああー、期待してるだなんてそんな・・・
 「頑張れ、期待している」
 この言葉が昼休み中ずーっと頭から離れなかった
 気付くともう始まる時間だった
 まずは200mの準決勝から
 そこから順に
 走り幅跳び決勝
 400m決勝
 100m準決勝
 100mハードル決勝
 三段跳び決勝
 休憩
 200m決勝
 100m決勝
 そして4×100mリレー
 午後からもハードだ
 さて、じゃあ200mから頑張っていこう


 全て順調だった
 200m、100mは決勝に残ったし、
 400m100mハードルでは自己ベストで優勝
 走り幅跳びは大会新記録で優勝
 観客席からは歓声がよく聞こえた
 特にユイや姉さん、生徒会のメンバーの皆さんの声はよく聞こえた
 紅夜さんの存在もプラスに働いてるようだ
 だが油断しちゃいけない
 油断して怪我でもしたら大変だ
 次は本職の三段跳び
 400mがデットヒートだっただけに少し足にはきているが、水分も塩分も摂ってある
 ストレッチもしてある
 調子もいい
 ここは記録を狙うべきか
 いや、あとあと決勝が3つも残ってある
 ここは手堅くいこう
 勝ちが決まってからでも遅くはない
 まずは勝つ
 そのあとに過去の自分に勝つ

 1回目のジャンプは踏み切りを確認しながら手堅く記録を残した
 2回目、3回目ともに満足のいくジャンプではなかった
 4回目、自然と拍手が沸き起こる
 観客席をみると皆も拍手をしていた
 何故だろう、とてもホッとする
 緊張していたのかな
 考えすぎていたのかな
 まだ3回跳べる
 そう思うと足が、体が、そして気持ちが軽くなった
 持ち時間もそろそろ無くなってきた
 けれど私には関係なかった
 気付いた時には走っていた


――――――中学の頃――――――

晴美「なぁユイ」
遊意華「ん?」
晴美「私さ時々わかるんだ。記録が出そうな時、勝てそうな時って」
遊意華「へぇ〜」
晴美「一瞬だけど見えるんだイメージが」
遊意華「それってどんな気分?」
晴美「なんでだろう、楽しいんだ」
遊意華「へ?」
晴美「そのイメージの走り、フォーム・滞空中が気持ちよくて楽しいんだ」


――――――今――――――

 助走の中で一瞬だけどゆっくり見えたイメージ
 もしかしたら砂場を越えるかもしれない
 そんな勢いのあるジャンプが見えた
 そして現実に踏み切った
 ホップ、ステップ、ジャンプ!!
 私は自分自身を疑った
 それは高校記録にあと一歩といった記録だった
 もちろん優勝だった
 何故だろう休憩がいらない気がした
 今跳んだのに逆に疲れがとれたような感じだった
 

 200mも難なく優勝
 100mも圧倒
 残るはリレーだけになった


 もう皆が準備を始めていた
 観客席も目玉競技とあってか
 少しざわざわしていた
 しかし、本当は違っていたようだ
 私は知る由もなかったが、本当の話題は私の事だったみたいだ

遊意華「・・・すごいねハル」
優子「特別調子がいいみたい」
蒼月「晴美君は敵無しだね」
蒼馬「今さ聞いたんだけど、このリレーでも優勝するとこれも大会になるらしいよ」
命「うわあ〜すごい」
泉「私が聞くところによりますと、リレーでわが校は前評判3,4番手だったらしいです」
蒼馬「じゃあ優勝候補は?」
泉「それはですねば・・・」
紅夜「梅光(バイコウ)か・・・」
泉「む!?」
命「その・・・梅光って?」
泉「私が説明します。正式名称・梅光学院大学附属高校。リレー競技ではこの大会6連覇」
蒼馬「6連覇?」
蒼月「確かにそこは強いね」
命「知ってるの?」
蒼月「甘いよ命君。ほら100m・200mの2位3位の選手はその梅光だろう?」
遊意華「ああ!本当だ」
泉「そのほかの競技でも上位進出の殆どは梅光。晴美が出場していない競技では表彰台の独占もあります」
優子「あそこは大学も運動が強い・・・高校でもテニスだって強いし・・・確か士仙も『花園に行くには打倒・梅光』って言ってたなぁ」
紅夜「スポーツ推薦だろう」
遊意華「あ、そろそろ始まるよ」
命「勝てるかな」
泉「総合的な能力からすると、明らかに梅光の方が有利です」

 梅光有利
 そんなのは百も承知だ
 正直、私も調子がいいとはいえそろそろ足にもきてるはず
 この最後の100m・・・勝つには限界突破でもしないと厳しいか
 いや、私1人じゃないんだ
 仲間を信じる
 それがチームだ

晴美「先輩」
陸部B「な、なに?」
陸部C「緊張しすぎよ」
陸部A「・・・」
晴美「自分を信じましょう」
陸部A&B&C「・・・」
晴美「私は・・・先輩はもちろん、自分も信じて。先輩達の最後の地元の大会ですからね、花・・・添えてみせますよ。優勝って花を」
陸部A&B&C「・・・うん」

 全ての神経を集中させた
 歓声も聞こえない
 何もない世界
 ギリシャ神話ではこの世界ができる前は
 光も闇もない、音も無い、色さえも無い
 そんな世界だったときいたことがある
 私は今そこにいる気がした
 なにも無い
 『無』
 だった
 そこから私はゆっくりと意識を戻した
 
 バンッ!

 スタートした
 悪くないスタート
 現在3番手
 まずまずだ
 バトンが2走に渡った
 順調だ
 梅光は?
 トップだ
 やっぱり離される
 うちは?
 3番手キープ
 いける
 バトンが3走へ
 梅光は200mの2位
 一方うちは200m6位
 でも、その速さの差を補うのが
 バトンパス
 梅光はもちろん洗練されたバトンパスだ
 うちもここまでは負けていない
 もう先輩はもう目の前だ
 私は前を向いた
 梅光はそろそろ私の隣でバトンパス
 『信じろ』
 私は胸のあたりのウェアをギュッと掴んだ
 一回天を仰いだ
 梅光、順調にバトンパス
 2番手の高校がバトンパスの掛け声をかけた
 と同時に

陸部A「はい!」

 溜める・・・
 GO!!!!!!

 パシッ

 最高のパスだった
 バトンパスで2番手の高校を置いていった
 100m弱の直線
 相手は100m2位
 でも、私にはそうは思えなかった
 全然違った
 能力とかそんなものじゃない
 なんだろうこのパワー
 ああ、これがチームってことなんだ

遊意華「ハル・・・笑ってる?」
蒼月「楽しそうだね」
蒼馬「でも」
命「このままだったら」
泉「負けてしまう」
紅夜「いや」

 一歩一歩足で地面を蹴る度に、相手の背中が近づく
 それと同時にゴールラインも近づく
 でも相手の背中の方が近づくのが早かったみたいだ

観客「うそだろー?」「もう横じゃん!」「もしかして・・・」
命「楠葉さん・・・」
泉「晴美」
蒼月「流石だね」
蒼馬「うわぁ」
優子「やっぱすごいわあの娘」
紅夜「・・・さすが・・・・・だな」
遊意華「いっけぇええ〜〜〜〜!!!!!!」

 残り20m
 私の頭にイメージが浮かんだ
 残り10m
 すごく嬉しい
 残り5m
 空に向かって左手を上げた
 残り3m
 人差し指だけを立てた
 残り1m
 ユイの声が聞こえた
 ゴール




 先輩達が私に抱きついてきた
 泣きながら
 とってもきれいな涙を流しながら
 私は左手を下げようとはしなかった
 いや、下げると言う行為を忘れていた

 私達にとって今回の大会は最高だった
 特にリレーで勝てたのが大きかった
 全体的にも成績が上がって先生はよく褒めてくれた
 そしてここで解散となった
 私を待っていたのはユイだけだった
 でも、それで良かった
 ゆっくりとユイの方へ向かう
 ユイもこっちに近づいてきた
 
遊意華「みんながすごいって言ってたよ」
晴美「みんなは?」
遊意華「紅夜さんたちには無理言って来てもらってたんだ。だから仕事があるからって帰った」
晴美「そっか」
遊意華「でユウさんは今から練習なんだって」
晴美「大変だねえ」
遊意華「あ、そうそう紅夜さんがね」
晴美「ん?」
遊意華「『よくやった、かっこよかった』ってさ」
晴美「・・・ホント?」
遊意華「うん、嬉しい?」
晴美「当たり前だよ。でも、」
遊意華「でも?」
晴美「私はユイがここにいてくれる事の方が嬉しいよ」
遊意華「恥ずかしいこと言わないでよ〜」
晴美「はは・・・帰ろっか」
遊意華「うん」

 帰りの電車内、道ではユイが色々とスタンドであった面白いことを喋ってくれた
 そのおかげか、私は眠らなくて済んだ
 寮に戻ってお風呂に入って、ご飯食べて、寝る支度して、寝ようとした時

遊意華「今日も一緒に寝る?」

 突然冗談のようにユイが言った

遊意華「嘘嘘、じょうだn・・・」
晴美「じゃ、お言葉に甘えて」
遊意華「え?嘘だって言ってるじゃん」
晴美「そんなの聞こえないなぁ〜」
遊意華「もう・・・いいよ」
晴美「あ、今日は枕用意しなきゃ。腕しんどいし」
遊意華「えへへ〜あれいいよ」
晴美「じゃユイやってよ」
遊意華「ヤだよ、紅夜さんにやってもらえばあ〜?」
晴美「!!」
遊意華「・・・あっ!顔、赤いよ?」
晴美「う、ううううるさい!」
遊意華「ほら静かにしなさい、ていっ!」

 むぎゅっ

 こ、この音は・・・
 ・・・え?
 ちょっと違う・・・
 ユイが・・・
 私に抱きついて・・・
 顔を・・・
 押し付けて・・・
 ・・・
 ・・
 ・
 
晴美「や、やめなって、ほら」
遊意華「にゅふふ〜いいなぁ〜・・・ね、このまま寝てもいい?」
晴美「え?このままって・・・」
遊意華「抱きついたまま〜☆」
晴美「・・・いいよ」
遊意華「え?ホント?やったあ!」
晴美「私もかわいいユイを力いっぱい抱きしめてあげよう」
遊意華「ハルの力いっぱいはシャレになんないよ〜」



 寝息だけが聞こえるこの時間
 旧学生寮の一室で、机いっぱいに写真が並べられていたことを知るものは極僅かであろう
 その大量の写真の本人・楠葉晴美は花園遊意華と仲良さそうに眠っていた
 




-- END --------------------------

[140] ↑にかけなかったことをば
3A - 2007年08月31日 (金) 03時03分

書いた目的をずばり言いますと

@世界陸上
A凪鳥さんの鶯のオークションに話にでたレートをあげてみよう

この2つです

いやぁ〜にしても
クサイですな
友情っていいなぁ〜
晴美の隠れ巨乳もここで明らかになってますしね
巨乳って(ry

えー話変えますが
実はですね、最近はノンジャンルしか書いてねぇなぁとも思ってたんでちょうどよかったのかなとも思ってるんです

文章書くなら順序を考えて書けよと自分でも申し訳ないと思っている
            いまだに宿題に手をつけていない3Aより

[141]
ジャッキー - 2007年08月31日 (金) 18時52分

へ〜、晴美って巨乳だったんだ
そのくせ走るのが速いって……いくらさらしで巻いてるからって……



長い話をどうもありがとうございました
短い期間でこれほど長い話を書けるとは、正直僕にはとてもじゃないですけどムリなので尊敬します

でもまあ、お互い宿題はやりましょう
昨日宿題を一つ残して終わらせたジャッキーより

[157] 主観無し
3A - 2007年09月19日 (水) 02時53分

-----------------------------------------
- 伝説 -
-----------------------------------------
 ワアァァァァァ

 一つの城が大軍に囲まれている
 時は戦国
 群雄割拠の時代
 下剋上により国が一つ生まれては
 また一つの国が滅びゆく時代
 そんな中、また一つの国が消えようとしていた
 その国の名は『美』
 豊かで民達には笑顔が絶えない
 姫・花園遊意華をみんなで盛り立てようとして自ら動いていく国だ
 対するは『看』
 女帝・天乃雪奈が絶対的カリスマ性で統率する軍国主義の国だ
 自分の国の民からは善政を敷くリーダーとして絶対的信頼を得ているが、
 他の国の民からは恐怖の女帝として恐れられている
 勝負は戦が始まる前から決まっていた様なものだ
 兵力差だけで10倍、いや20倍はあろうか
 国の面積や石高差も歴然
 誰もが「また一つ『看』に食われる」「1ヶ月も持たないだろう」と思っていた
 しかし、戦が始まってから半年は経ったというのに、未だ『美』は在った
 それは『美』の猛将・楠葉晴美の善戦のためだった
 前線には常に返り血を浴びながら突撃する晴美の姿があった
 『看』の兵達はいつしか晴美の事をこう呼ぶ様になった
 『鬼毘沙門天』と
 鬼は云わずと知れた存在だが、毘沙門天とは七福神の一人で戦いを司る者である
 しかし、「いつかは地力の差が出てくるもの」と考えた『看』の参謀・久遠つづらが戦術を長期戦に切り替えた
 それにより徐々に『美』は圧されていった
 さらに拍車をかけるように、女帝・雪奈が『美』の前線にやってきた
 それにより、『看』の兵達の士気は上がり、『美』の兵達は恐れ戦いた
 そして完璧な戦術、戦略、采配により、さらに半年後ついに『美』の城はたった一つとなってしまった
 
 タタタタタタタタタ

 城の廊下を誰かが走っている

 カシャッカシャッ

 鎧の音も聞こえる
 恐らく武将の1人なんだろう

??「姫っ!姫はおられますかっ!?」
姫「も〜姫なんて呼ばなくてもいいって、い〜っつも言ってるでしょ!?」
??「だって、タメで喋ったらこのジジイが五月蝿くて仕方がないんだよ」
??「だれがジジイじゃ?だれが?」
姫「この際ど〜でもいいでしょ?爺も抑えて、ハルも私にはタメ語でいいから」
晴美「さーっすがユイ」
爺「うぬぬぬ」
遊意華「こんな状況でもうちは明るいね」
??「ユイ、ハル」
晴美「・・・姉さん」
遊意華「ユーさん」

 楠葉優子、晴美の姉だ
 とても深刻な顔で言う

優子「今はなんとか私の弓隊で防いではいるけど・・・正直時間の問題だよ」
遊意華「民達は?」
晴美「城内にできるだけは入れておいた」
遊意華「どうするの?」
優子「そろそろ文が来るころかも」
遊意華「文?」

 ダダダダダダダ

 その時、1人の兵がやってきた

兵士「優子様、文が参りました」
優子「ご苦労、持ち場にもどれ」
兵士「ははっ!」

 ダダダダダダダ

晴美「それは・・・」
爺「『看』からの・・・」
遊意華「勧告書」
優子「読み上げます」

 そう言って優子は読み始めた
 内容はこうだ
  我、『看』の王、天乃雪奈である
  ここに提案する
  そちらの遊意華姫の首を我に献上するならば、民達は我々が責任を持って未来永劫の安全を誓おう
  もし、断れば民もろとも殲滅致す
  しかし、鬼毘沙門天・楠葉晴美殿の武勇には敬服致すところがあり、是非とも我が国の大将軍となっていただきたい
  よって、ここに新たに提案す
  遊意華姫の首を献上できないのであれば、楠葉晴美殿自身、もしくはその首のどちらかでもかまわない
  そのどちらかを我の目の前へ
  我が望むものを整理致す
  一、遊意華姫の首
  二、楠葉晴美殿の我が国への投降
  三、楠葉晴美殿の首
  以上、何れかを選択されよ
  何れも交渉が決裂した場合、民の命は潰える
  『美』の歴史もろとも
  一刻の間に判断致せ

 沈黙が包む
 皆が考える
 遊意華が口を開く

遊意華「私が・・・首を切るよ」
爺「姫様!?」
遊意華「私1人の命で他の何百人もの命が助かるのなら、私は喜んで■るよ?」
優子「それでいいと思ってるの?」
遊意華「それが人の上に立たせてもらってるもののつとめ」
晴美「・・・なぁ」

 今まで黙っていた晴美が口を開く

晴美「ユイ、それは違うよ」
遊意華「え?」

 晴美は遊意華の胸ぐらを掴んで言った

晴美「なめてんのか?人の上に立つものの仕事は、あくまで人を助ける事じゃない・・・人の上に立ち続けて指揮し続ける事だ!!」
遊意華「ハ、ハル・・・」
晴美「自分が道標となって・・・旗となって引っ張っていくのがお前の役割なんじゃないのか?」
遊意華「だって・・・」

 遊意華が泣き始めた

遊意華「だって、ハルの命はあげられない」
晴美「それは私だってあんなやつにはあげたくないね」
遊意華「じゃあ・・・降るの?」
晴美「ユイを裏切る事は絶対にしない」
遊意華「じゃあ・・・じゃあどうするの!?」
晴美「両方取っちゃえばいいんじゃないか?」
遊意華「ふぇ?」
爺「両方?」
優子「自らも生き、民も生かすということ?」
晴美「うん」
遊意華「そんなのどうやったらできるの?できるわけないじゃん・・・」
晴美「諦めるな・・・可能性は低いが、零じゃないんだ」
遊意華「・・・」
??「もう民達は亡命させたよ」
遊意華「・・・え?」
晴美「実はユイ達には別の場所で『美』を再興してもらいたいんだ」
??「そしてこの状況を予測したハルが半年ほど前から地下道を作っていたんだ」
晴美「そ、士仙の寺の村へね」
爺「い、いつの間に・・・」
優子「今は一応僧侶だっけ?」
士仙「まあね」
遊意華「でもどうやって地下道なんか・・・」
士仙「うちの隠密出身者の手を借りてね」
晴美「こいつの村、素性が明らかじゃないやつがたくさんいるんだ」
優子「そうか!元々士仙の村には亡命者が多い自治都市だから、少々加わっても変とは思わないものな」
爺「しかし、そう簡単に敵の目を誤魔化せるでしょうか?」
晴美「何のために私がここまで残ったと思ってるんだ?」
爺「!?」
優子「ま、まさか・・・」
遊意華「ハ、ハル?嘘でしょ?そんなの無理だよ、■んじゃうよ」

 晴美は遊意華をギュッと抱きしめて言った

晴美「・・・また会えるから」
遊意華「ハ・・・・・・・・・・ル・・・・・・・・・・・・・・・・・ハル」

 遊意華も抱きしめ返した
 大粒の涙をこぼし、大泣きしている
 晴美は体を離した

晴美「みんな・・・わかってくれ」
爺「おお・・・」
優子「ハル・・・」
晴美「士仙・・・・・・・・・・・任した」
士仙「ああ」
晴美「きっと・・・また会えるから」

 そう言って晴美は駆けていった

遊意華「ハルーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!」

 遊意華達は士仙の案内のもと地下道へと向かった



 晴美はその光景に少しも驚いていなかった
 自慢の騎馬隊も、優子の弓隊も全滅していた残るは晴美の側近2人だった
 その2人は門のところにいた

晴美「ご苦労、辛かっただろう」
側近A「晴美様の命であれば、犬馬の労をも厭いません」
側近B「晴美様、兜でございます」
晴美「おお、すまない」

 晴美は兜の緒を結び、そして切った

晴美「そなた達も門を開いたら地下道へ」
側近A「いえ!私達も戦いまする!」
側近B「晴美様についてゆきます!」
晴美「お前達・・・残念だがこれは命令だ行け」
側近A「いいえ!これだけは譲れません!」
側近B「私達2人で話し合って出た結論です!」
晴美「私もこれだけは譲れない」
側近A&B「晴美様!」
晴美「・・・お前達は私を信用していないのか?」
側近A「は?」
側近B「いえ、信頼しきっておりますが?」
晴美「なら私は生きて帰る故、その時『美』再興の初陣を飾ろうではないか」

 側近の2人は黙った

晴美「な?だから行くんだぞ?命令だ」
側近A「承知仕りました」
側近B「きっと・・・きっと帰ってきてください」
晴美「うむ、お主達も道中姫をしっかりと守るんだぞ?さぁ急いで行くんだぞ」
側近A&B「はっ!」
晴美「では予定通り矢を放つ」

 一本の矢が『看』陣営に放たれた


つづら「雪ちゃ〜ん」
雪奈「・・・殿と呼ぶように言ってるでしょう?」
つづら「そんなことはどうでもいいの」
雪奈「・・・」
つづら「それより、ほら」

 つづらが慌てながら見せたのは一通の文だった

  交渉決裂
  今から半刻後に開門す
  我、此処に在り
  我、不滅也
  我、鬼毘沙門天美国大将軍楠葉晴美也

雪奈「・・・弓兵の準備、あと門付近の兵の位置を下げて」
つづら「わかったの」
雪奈「あと・・・わかってるわね、つづらさん?」
つづら「承知なの」
雪奈「彼女の攻撃方法は貴方なりに解析したんでしょう?」
つづら「大丈夫なの」

 半刻後・・・

 ギギギギギギギギギギイイイイィィィィ

 美国南大門開門
 そこには真っ黒な馬に跨り、真っ黒な甲冑に全身を包み、一際長い槍を携えた武士の姿があった
 そして旗が一本立っていた
 一文字『義』とだけ書かれてあるものだった
 一気に晴美は突っ込む
 
晴美「雑魚はどけええええ!!!!!!!」

 ただひたすらに前方へ向けて突き進む
 一つの隊を抜けると前方から見えてくるのは弓隊だった

看の将「構えー!!!」

 馬に乗った武将の声を合図に一斉に構える
 すると晴美は槍を逆手に持ち、馬上からその武将めがけ槍を投げ放った
 見事に命中し、頭を失った弓隊は混乱していた
 そこを腰に差していた太刀を抜いた晴美が突破する
 徐々に雪奈に近づく
 すると、弓隊の向こうには五騎の兵が見える
 中央には・・・久遠つづらがいた

つづら「一番手行け・・・なの、他も続いて行くの」
晴美「ふん!小賢しい!」

 晴美は一番手を一撃の元に斬り捨てた
 二番手、三番手と斬っていくうちに、四番手で少し隙ができたのか、二撃で斬った
 最後に出てきたのはつづらだった
 この者も実は相当な使い手
 一騎打ちでは負け無しだった
 晴美ももちろんそうだ
 それに、つづらには秘策があるよう
 晴美の不利はだれもが承知していた

晴美「うおおおおお!!!!!」

 晴美は太刀を思いきりつづらの脇腹辺りへ薙いだ
 つづらは少々驚いている
 何故なら晴美は常に槍で戦ってきたため、太刀での情報が少なかった
 太刀でも情報は、『薙ぎ』が得意である事としか知らない
 しかし、それだけでもつづらには十分だった
 つづらは速さに驚きながらも、しっかりと捌ける体勢をとっていた

つづら(この勝負もらったの)

 しかし、晴美の攻撃はつづらの刀を破壊し、つづらはモロに斬撃を食らった
 鎧をも欠けさしたその斬撃により、つづらは馬上から10mほど吹っ飛ばされ、さらにそこから5mほど転がった

つづら(うぅ・・・あぁ!!痛ッ!!!あばらが・・・2,3本いかれたみたいなの)

 この事態を予測していなかった雪奈の目には晴美の姿が大きくなってきた

晴美「看国国王天乃雪奈殿とお見受けする!!成敗!!!!」
雪奈「くっ!こ、これしき!!」

 晴美は雪奈めがけて刀を振り下ろす
 雪奈は身近にあった槍を取り、突き上げた
 晴美は紙一重でかわし、刀を振り下ろした
 しかし、槍を避けた分照準が少しずれて、雪奈の右の肩口を斬っただけで終わった
 そしてそのまま晴美の姿は消えて行った
 雪奈は肩を押さえながら追撃を命じた

晴美「ユイ・・・また会えるよ・・・・・・きっと」

 ドスッ


 7日後・・・
 士仙の村
 遊意華は今日も祈っていた

遊意華(どうか、どうかハルが無事帰ってきますように)
士仙「今日もお祈りか」
遊意華「シーくん」

 寺の縁側で士仙が淹れた茶を啜りながら休憩をいれることにした

士仙「少しやつれたな」
遊意華「え?そ、そうかな」
士仙「食事は摂れ」
遊意華「うん、でも喉を通らないんだ」
士仙「それでも薬だと思って摂るんだぞ」
遊意華「うん、それくらいわかってるよ」
士仙「・・・」
遊意華「・・・グスッ」

 遊意華が泣き始めた

遊意華「もう7日目だよ?まだハルはここに来てないんだよ?」
士仙「そんなことは言われなくとも」
遊意華「ねえハルが心配じゃないの?みんなは「もう■んだんじゃないか」って言ってる」
士仙「ユイ・・・」
遊意華「私は祈り続けるし信じ続けるよ」
士仙「ユイ・・・」
遊意華「私だけは信じてるよ、ハルのこと」
士仙「ユイ、聞くんだ」
遊意華「・・・グスッ」
士仙「今入った情報によると、『看』の本隊は未だ『美』にいるそうだ」
遊意華「え?」
士仙「なんでも参謀とあの女帝が怪我をしたらしい」
遊意華「それって・・・」
士仙「多分考えてることは一緒だろうな」

 と、その時

 ガサガサッ

 近くの草むらが揺れた
 士仙は遊意華を自分の後ろへと下がらせ、杖を持って縁側を降りた

士仙「ユイ、動くな」

 遊意華は首を縦に振った

士仙「何者だ、出てこい」
??「う・・・」
士仙「???」

 ガサガサッ

 もう一度揺れて人影が見えた

士仙「な・・・ハ・・・・・」
遊意華「ハル!!」
晴美「う・・・ぁぁ・・・・・・はぁはぁ・・・・・・・」

 姿を現したのは晴美だった
 ここからは士仙の文献による物だが
  顔は血で真っ赤に染まり、目は虚ろだった
  そして呼吸は荒く、なのに脈は遅かった
  そして弱かった
  全く言葉を発せず、右手には強く握られた太刀
  それも顔と同様に真っ赤だった
  しかし、刃毀れは一つも見受けられなかった

 遊意華が側による

遊意華「ハル?・・・・・わかる?わたしだよ?ユイだよ?」
晴美「はぁはぁはぁはぁはぁはぁ・・・・・・・・ュ・・・・・・・・・・・・・・ィ」
遊意華「今、今ユイって言った!」
士仙「ハル・・・」

 士仙の文献より
  最初の言葉は『ユイ』
  その後も幾度かそれを言った
  その状況を見て私は思った
  助けられないと
  その時、ハルが膝から崩れるように倒れかけた
  それをユイが抱きかかえる

遊意華「大丈夫?」
晴美「はぁはぁはぁはぁはぁはぁ・・・ユイ、ユイ、ュィ」
遊意華「なに?」
晴美「はぁはぁはぁはぁ・・・・また・・・会、えた・・・・・・はは」
遊意華「ハル?」
晴美「士・・・・・仙・・・・・・・・・・頼・・・・・・ん・・・・・・だ・・・・・・・・・」
士仙「任せろ」
遊意華「ハ・・・・・・・・ル・・・・・・・・・・・・・?」

 遊意華の目に涙がたまる

晴美「泣くな・・・わた・・・し・・・・・は・・・・泣いて・・・・・な・・い・・・のに・・・・痛い・・・の・・・・に」
遊意華「痛いの?どこ?どこが?」
晴美「背・・・・・・・中」
遊意華「え?背中?あ!」

 士仙の文献より
  背には七本もの矢が刺さっており、刀傷もあった

晴美「はぁはぁはぁはぁ・・・」
遊意華「シーくん、助けてあげて」
士仙「・・・」

 首を横に振るだけだった

晴美「はぁはぁ・・・はぁはぁ・・・・はぁはぁ・・・・・・・・」

 呼吸が整ってきた
 いや、静かになってきたと言うべきか

晴美「ユイ・・・・・・・・・・・・・・・ごめん・・・・・・・・・・・・・・・」
遊意華「・・・」
士仙「・・・」

 士仙の文献より
  ユイの涙止まらず
  この話を聞いた者の中にも涙流す者在り
  しかし、■者はそのようなこと望んではいないだろう
  彼女と言う人間はそういう人物なのだから



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遊意華「・・・てのはどーよ?」
晴美「・・・は?」
遊意華「ほら学園祭でうちのクラスの出し物で演劇やるってのは?」
晴美「・・・結構濃いストーリーだなぁ」
遊意華「まぁシーくんは出るの無理だろうけど、そこはまた誰かが編集してやりゃいいでしょ?」
晴美「・・・正直に答えてね」
遊意華「うん」
晴美「お姫様がやりたいだけでしょ?」
遊意華「もちろん」
晴美「やっぱりな」


-- END --------------------------

今回のあとがきは二言


眠たいです。(現在26:53)
燃え尽きたよ真っ白にな(作業時間19:00〜26:53)

[161] 主観:なし 登場人物:紅夜・遊意華
凪鳥 - 2007年09月20日 (木) 01時31分

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- スケッチブックと昼休み -
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紅夜「・・・・・・」

 シャッシャッと、紅夜の手に操られた鉛筆が、白いスケッチブックを走る。
 その動きは迷うことなく、次々に黒い線を引いていく。

遊意華「あ、紅夜さん、そこはもう少しこぉ〜した方がいいですよ?」

 紅夜の座っているベンチ、学園を囲む森林の奥に設置された小さな広場。
 その隣から、身を乗り出すようにして紅夜の線に指導を入れるのは花園 遊意華。

 それは学園のある昼休み。

 美術の授業で出された『学校の風景』というスケッチの課題を、昼のうちに片付けてしまおうといつもの場所に来た紅夜。
 そこに食後の散歩でもしていたのだろう、元気良く現れた遊意華。
 遊意華は何をしているのかと問い、スケッチをしていると答えた紅夜。
 ならば美術科の人間としては見過ごせないと、遊意華は紅夜に助言を申し出た。
 紅夜も遊意華の天才的な絵の才能は知っていたので、それならばとその申し出を受けた。

 そうして今この状況にいたる。

紅夜「こう、か?」
遊意華「そうです!」
紅夜「しかし・・・これだと風景とは少し違うだろう?」

 遊意華に指摘されて付け加えた線は、紅夜が見定めた風景とは少し違っていた。
 見たものと違うものを描いたのでは、スケッチにならない。

遊意華「でも、こうすると少し雰囲気が柔らかくなりませんか?」
紅夜「まぁ・・・確かに」
遊意華「木とか葉というのはですね、実は思った以上にふっくらフワフワしているものなんですよ!」
紅夜「・・・(ふっくら?)」

 確かに遊意華は類稀な才能の持ち主であったが、今一その感性は紅夜には捉えづらいものであった。

遊意華「紅夜さんみたいに鋭く描くのも良いんですけど、やっぱり緑も生きてますから!」
紅夜「そうか、まぁ俺は良く解らんが」
遊意華「技術も大事ですけど、やっぱり感性も大事ですよ〜」
紅夜「感性・・・ね」

 どちらかというと理系人間な紅夜にとっては、少々難しい所だ。
 そいうのはどちらかというと蒼月や命の方が強い。

遊意華「あ、紅夜さん! 良いこと思いつきましたよ!」
紅夜「・・・?」
遊意華「にゅふふ〜、ちょ〜っと失礼しますね」
紅夜「って、おい花園?」

 ポンとまるで頭に豆電球でも浮き出そうな勢いで何かを思いつくと、遊意華は紅夜の返事を待つ前に行動に移る。
 スルスルと小柄である事を生かし、紅夜の膝の上に座った。
 そして紅夜がそれを咎める間もなく、遊意華は手で紅夜の視線の高さを測ると、う〜んと唸りながら風景を眺めていく。
 咎めるタイミングを逃してしまった紅夜をよそに、暫くすると、よしっ! という遊意華の声が広場に響いた。

遊意華「え〜っとですね、こういう構図の絵を描く時は〜」

 そういって遊意華は右手を正面にまっすぐ伸ばすと、ビシッと人差し指を立てる。

遊意華「紅夜さんだと、こ〜目線を持って行けばいいと思います」

 そういって、遊意華は人差し指をスーっと動かし、紅夜の視線を誘導する。
 それは紅夜の目線の高さに丁度良く、そして遠くを指すように。

紅夜「これは・・・」
遊意華「これなら多分、全体を把握しやすいですよね?」
紅夜「あぁ、さっきよりも描きべきところが掴み易いな」
遊意華「風景を描くときって、慣れない人は全体を把握したつもりでも、近くだけしか見てない事があるみたいですよ?」
紅夜「成る程・・・流石だな花園」
遊意華「にゅふふ〜、絵の事なら任せてください!」

 ニッコリと下から遊意華の笑顔が、天を仰ぐように紅夜を見上げる。
 ともすれば遊意華の額に顎をぶつけてしまいそうな位置の顔を、紅夜は上手く下に向ける。

紅夜「・・・で、何時までこうしているつもりだ?」
遊意華「え?」

 遊意華には悪いと思ったが、紅夜は正直・・・邪魔だった。

遊意華「え〜っと、もう少しお願いします」

 紅夜を見上げたまま、う〜んと軽く悩む素振りを見せると、遊意華は改めて笑顔を作る。
 それはもう、見たものを一撃で虜にしてしまいそうな。

紅夜「はぁ・・・わかった」

 紅夜は小さく溜め息を付く。
 流石に折角の昼休みを、自分課題に付き合わせてしまった手前、無下には出来ない。

遊意華「にゅふふ〜♪」
紅夜「・・・・・・」

 嬉しそうに笑うと、遊意華は体の力を抜き体重を紅夜に預けてくる。
 重いかどうかと聞かれれば、全然そんな事は無く、むしろ軽すぎるほど。

遊意華「やっぱり紅夜さんって胸板広いですね〜何だか安心します」
紅夜「別に、俺は何か運動をしてる訳でもないからな・・・特別広い訳でもない」
遊意華「え〜? 私とかハルに比べたら全然広いですよぉ〜」
紅夜「・・・それはそうだろう」

 比べる相手が悪い。
 基本的に男と女では骨格が違うのだ、普通に育っていれば男のほうが胸板は広くなる。
 ・・・まぁ若干身近な所に一名例外はいるが。

 そんな事を紅夜が心で毒付くと、遊意華が一つ小さな欠伸をする。

紅夜「・・・花園?」
遊意華「紅夜さん、私・・・なんだか、眠くなってきちゃいました」
紅夜「・・・? なら部屋に戻・・・」
遊意華「・・・・・・」
紅夜「花園?」

 紅夜は軽く遊意華の肩をゆする。

遊意華「―zzZ―zzZ」
紅夜「・・・早いな、おい」

 紅夜がそれに気づいた時には、既に遊意華はスヤスヤと寝息を立てていた。
 紅夜の普通サイズの胸板に寄りかかるように、それはもう気持ちよさそうに。

紅夜「・・・ったく」

 どうしろというのか?
 完全に体重をこちらに預けている遊意華、余り手荒に動くと起きてしまうだろう。
 いや、起こしても別にかまわないのだが、ここまで気持ちよさそうに眠られては流石に気が引ける。

 どうしたものかと軽く思案するが、そろそろ昼休みも終わりだ余り選択肢は無かった。

紅夜「・・・仕方が無い」

 結局、このまま運んでいく事にした。
 文房具とスケッチブックを鞄にしまい、肩にかけると紅夜は一声かけ、起こさないよう出きるだけ優しく遊意華を持ち上げる。
 いわゆるお姫様抱っこ。

紅夜「軽いな・・・大丈夫なのかこれは?」

 一瞬、本当に飯食ってるのかこいつは? と思ってしまうほどの軽さ。
 紅夜の腕の中でスヤスヤと、清々しいまでの寝息を立てている遊意華を眺める。
 遊意華がいくら小柄だとしても、少々軽すぎに思えた。
 紅夜は家柄上、年齢や身長などから算出される人の適正体重というものを把握していた。
 それから考えても、やはり軽すぎる。

声「ユイ〜!」

 そんな事を考えていると広場の出口方面から、知った声が聞こえてくる。
 まず間違いなく美術科総括会・副会長の楠葉 晴美だ。

晴美「ユ〜イ〜! 時間だよぉ〜!」

 段々と近づいてくるその声に、むにゃむにゃと反応する遊意華。
 その様子に、紅夜は軽く息をつく。

紅夜「さて、さっさと引き渡すか・・・」

 そしてできるだけ揺らさないよう、ゆっくりと紅夜は出口に向かって歩きだす。
 広場に付き、こちらの姿を確認した晴美が、驚きの表情と共にこちらに駆け寄ってくる。

 ――遠くで予鈴の音が、鳴り響いた。

-- END --------------------------

遊意華って唯一紅夜でベタな事をやれるキャラなんじゃないかなぁ〜と思ったり思わなかったり。
あれです、多分紅夜にとっては小動物とどっこいなんではないでしょうか。

3Aさん、長丁場お疲れ様です。
美術科と看護科の関係が、良い感じですね〜やはりライバル。

[167] 注:なんか変な文とテンションです
3A - 2007年09月28日 (金) 23時55分

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- いきなりですが -
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宇美「なあ、将来の夢ってある?」
晴美「いきなりだねえ〜随分と」
遊意華「夢・・・お兄ちゃんが欲しい」
宇美「それは不可能だな」
晴美「将来と言うならそれは来世で叶えてくれな」
遊意華「む〜・・・」
宇美「話を戻そう。将来の夢は?」
晴美「・・・・・・・しぼりきれないな」
宇美「は?」
晴美「『夢』っていうならいくらでもあるさ。ああしたいこうしたいって」
宇美「なら1つピックアップしてくれ。」
晴美「『目標』というならオリンピック金メダリスト&世界記録保持者になること」
遊意華「昔からの目標だよね〜」
晴美「夢から目標に変わったからな」
宇美「ふ〜んそうかそうか」
晴美「そういうお前は?」
宇美「ん?これだよこれ」

 そう言って宇美は胸を張って敬礼のポーズをとった

遊意華「ああ〜」
晴美「あれか」
宇美「そうそう」
遊意華&晴美「自衛官」

 宇美の目が点になった

遊意華「・・・あれ?」
晴美「外れた?」
宇美「ごめん。これは俺が悪かった。そうだよなそっちにもあるよな『これ』は」
晴美「ああ〜ポリか」
遊意華「ハル言い方が・・・」
宇美「いつか逮捕してやる」
晴美「・・・そこはさぁ「逮捕、し・ちゃ・う・ぞ・うふん(はぁと)」くらいやらないと笑いは取れないぞ」
宇美「取る気がない」
遊意華「違うよハル。そこは」
晴美「ああ〜わかった。「逮捕するぅ〜!!バキュンバキュン」(バカボンに登場する人)みたいな感じの方がいい?」
遊意華「私はそっちの方が好き」
宇美「・・・もういいよ。お前等に真面目に話したこっちがバカだった」
晴美「ごめんごめん、ふざけすぎた。こっちが悪かった」
遊意華「機嫌直して、ね?ね?」

 宇美にも遊意華の「ね?ね?」は効くようで(この学園で効かないのは紅夜、雪奈、蒼月あたりか)、どうやら許したらしい

晴美「警官か〜ふむふむ」
遊意華「てことは卒業したら警官学校に?」
宇美「当たり前だろ」
晴美「私より点数悪いのにいけるの?」
宇美「う、うるさい。なんでお前『意外と』できるんだよ」
晴美「『意外と』て」
遊意華「ハルねぇ〜、『テスト前は』ちゃあ〜んと勉強してるんだよ?」
晴美「『テスト前は』って限定?」
宇美「こっちもしてるんだけどなぁ・・・」

 暗い空気が流れる

晴美「ところで将来の夢な」

 空気を読み取って、晴美が話題を変える

宇美「それそれ。職業的に聞きたいんだよ」
晴美「職業か・・・職業としては歌手・ミュージシャンかな」
宇美「え?」
晴美「意外?」
宇美「歌、歌えんの?」
遊意華「すっごく上手いよ。詳しくは別のSS参考」
宇美「何歌うの?」
晴美「ロック・ラップが特に好きだけど、基本なんでも」
宇美「ふ〜ん歌手か」
晴美「オリンピック金メダリストで陸上世界記録保持者でなおかつ世界的に有名な歌手」
宇美「・・・なんかすげえな」
晴美「だろ?」
遊意華「ハルならできるよ」
宇美「お前ホントこいつの味方だな」
遊意華「だってハルが好きなんだもん」
晴美「可愛いぜこのこの〜」

 晴美は遊意華を軽くヘッドロックして、遊意華の頭を拳でぐりぐりする

遊意華「痛い痛い〜」
晴美「結婚してくれ〜」
宇美「・・・付き合いきれんわ」
-- END --------------------------

俺は何がしたいんだ
と問いたくなるようなSSですね
こんばんわ3Aです

ラスティさんのSSの『宇美の将来の志望が警官』という部分から、晴美の将来の目標をギャグっぽく描いた、
全く面白くともなんともない作品です。
ていうか、すっごく適当に書きましたので、推敲も何もしておりません。

勢いってすばらしいですねというのを座右の銘にしようか悩む3Aでした

[170] 主観:遊意華
3A - 2007年10月10日 (水) 21時50分

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- おかしな風景 -
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 なんでだろう。
 いや、確かにね暑いよ、大浴場出たばっか出し。
 夏から秋に入った今でも残暑はきつい。
 だからってそれでいいのかなぁ?
 何って根本的に間違ってるんだよそれ?

晴美「あっちーなーそれにしても。」

 うん、それはわかるよ。
 でもさ、どう見てもそれは・・・。

晴美「ん?どしたユイ?」
遊意華「ハルさぁ・・・なんでランニングシャツにトランクスなの?」
晴美「だってここいわば我が家でしょ?」

 そう・・・ですかね。
 そうだね。
 そういうことにしとこう。
 でもさ。

遊意華「せめて部屋の中だけでしてくんない?」

 なぜ廊下でその格好なんだ?
 ていうか一応年頃の女の子じゃないの?

晴美「まあまあ、楽なんだからいいじゃん♪」

 他の生徒もここを歩くでしょう。

遊意華「恥ずかしくないの?」
晴美「全然。」

 そういう性格だったね。
 ごめんね。
 前方からルティアさんがやってきた。
 おそらく、ルティアさんも大浴場へ向かうのだろう。
 ハルの姿を見て唖然としているルティアさん。
 私達は「こんばんは」と一言かけてすれ違った。
 その目はまるで珍しい動物を見るような目だった。
 お気持ち察します。

 ついでに言うと、

遊意華「それは絶対必要なの?」
晴美「コーヒー牛乳は当たり前でしょうよ。」

 絶対おっさんだよ。
 いや、仮におっさんじゃなかったとしても、女ではないと思う。
 サラシ外してるから辛うじて女に見えるだろうけど、、、。
 ん?
 サラシは外してる。
 じゃあ、

遊意華「下、履いてるの?」
晴美「え?何言ってんだよ。履いてるじゃないか。」
遊意華「そうりゃそうだよ・・・え?」
晴美「見てわかるっしょ?トランクス。」
遊意華「・・・その下は?」
晴美「なんでパンツの下にパンツ履くんだよ。」

 ああ、乙女までとは言わないが、女らしくなる日が来ることは一生無いなと思いました。
 ところで、

遊意華「何でトランクス持ってんの?」
晴美「士仙からパクッた。」
遊意華「なんで?」
晴美「楽だから。あとボクサーもあるよ。流石にブリーフはないけどな。」
遊意華「それより女性用下着持ってる?」
晴美「タンスの奥の方にあった気が。」
遊意華「・・・。」

 部屋に着いた。
 その後も彼女はテレビを見ながら、裂きイカを食べていた。
 もちろんランニングとトランクスで。

-- END --------------------------

これでいいのか女子高生!!!
って言っても彼女はこれでいいんでしょうね。
書きながら思ったんですけど、紅夜に見られたらどうなるんでしょうかね。
あまりいいのが閃かなかったんでやめときましたが。

私事ですが、
@1週間くらい前に秋田に帰り、墓参りしてきました。
A中間テストが目の前です。

だからどうしたってかんじですね。

終わり。

[184] 小話をば1つ
3A - 2007年10月22日 (月) 23時45分

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- 何丁目かの夕日 -
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 晴美達がまだ小学校6年生の頃の話・・・。

 土手で晴美はランドセルを横に置き、1人川を見下ろしながら考えていた。
 それというのも、よく一緒に遊ぶ仲の良い男友達から突然告白されたのだ。
 とそこへ士仙が自転車に乗ってやってきた。

士仙「なんで振った?」
晴美「ん?んー・・・なんでだろう」
士仙「・・・あいつのこと好きだったんだろ?」
晴美「そりゃ好きだけど、恋愛対象には見れないと言うか・・・ね」
士仙「好き違いか」
晴美「ははっそうだね」

 士仙は自転車から降り、晴美の隣へ座る。

晴美「なんで告ったこと知ってんの?」

 告白はついさっきの出来事。
 その場は2人きりだった。
 だから士仙が知ってるのはおかしい。
 しかし、晴美はどこか知っている風に聞いてきた。

士仙「あいつが昨日言ってきたんだよ。「ハルって好きなやついる?」って。」
晴美「それで?」
士仙「「んなこと知らん」って言っといたら、「明日告ろうかな」だって。」
晴美「ふぅん。」
士仙「ま、あいつがハルのこと好きなのは前々からわかってた事だし、別に驚く事もなかったんだけどね。」
晴美「え?どれくらい前から好きだったの?」
士仙「・・・え?あいつ言わなかったの?てか、気付かなかったの?」
晴美「うーん「ずーっと前から好きだった」としか聞いてないし、全く気が付かなかったからびっくりした。」
士仙「鈍感だな。」
晴美「否定はしないよ。」
士仙「『しない』っていうより、『できない』んじゃない?」
晴美「五月蝿いなぁ。」
士仙「あいつに言ったの?」
晴美「何を?」
士仙「中学のこと。」
晴美「桜ノ宮のことか。」

 晴美はもう既に桜ノ宮進学が決まっていた。
 ということは中学は別になるわけだ。
 更に寮生活になるので、会う機会もグーンと減るわけだ。

晴美「いんや言ってない。」
士仙「そっか。」
晴美「そっかって・・・『言えよ』とかそういうのはないわけ?」
士仙「単純に言ったか言ってないかが気になっただけだから。」
晴美「素っ気無いというかなんと言うか。」
士仙「で、なんでそんな悩んでんの?」
晴美「悩んで何かないよ。」
士仙「3つ子だよな?騙せると思う?」

 晴美の顔がキッと変わった。

晴美「明日からあいつがどう接するのかなって気になってさ。」
士仙「お前の振り方にもよるけど、あいつなら気にしない方じゃない?」
晴美「そうだとは思っても中々吹っ切れない部分があるからさ。」
士仙「そんなの簡単な事だよ。」
晴美「へ?」

 士仙がすくっと立ち上がった。

士仙「お前の悩みは『あいつが』じゃなくて、『私が』ってことだよ。」
晴美「・・・。」
士仙「お前自身、あいつがいつも通りに接する事は今言ったように分かってる筈だ。」
晴美「まあ。」
士仙「逆に自分がいくら気にしてないと言っても、心の隅では『私が振った』という自責の念があるから、私が明日からいつも通り接する事ができるのか?」
晴美「・・・。」
士仙「違うか?」

 晴美もすくっと立ち上がった。

晴美「帰ろっか。」

 晴美は士仙の方を見向きもせず言った。
 そしてすたすたと士仙の前を歩く。
 暫し沈黙が続いた。
 それを破ったのは晴美だった。
 相変わらず前を向いたまま言った。

晴美「あんただったらOKするけど?」
士仙「・・・寝言は寝てから言えば?」
晴美「そうしよっか。」
士仙「あっ!おい!」

 晴美はいきなり走り出した。
 士仙は慌てて自転車に乗って追いかける。

士仙「待て!こら!」
晴美「うはは!やっぱチャリの方が速いな。」

 夕日が笑う2人を照らしながら。

-- END --------------------------

ずーっと書きたかったものの1つ。
ただ士仙の方があれだったんで、中々書けなかったんですが、一服と言った感じで作りました。

晴美はモテたんでしょうね、男子から。今では女性からモテモテですが・・・。

士仙は言うまでもないでしょうね。
ふっ、想像したら殺意が・・・。

[193] 料理であれば何でもありか?
ラスティ・ブランフォード - 2007年10月26日 (金) 17時42分

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- 色んなクッキー -
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ズダーン!

背負い投げを受けて派手な音を立てる。駄目だ、足技使った時が隙だと言っても、何度もやれば向こうだって学習してるか。

晴美「なあ、光さんって料理上手なんだよな?」
宇美「ゼェ、ゼェ……なん、だよ、藪から、棒に。」

何時もの組み手。意識こそ失わなかったものの、さっきの一撃で過呼吸状態だ。
それに加えて、唐突な言葉に頭が良く回らない……

遊意華「この間、紅夜さんにケーキ食べさせたんだ。晴美のケーキが酷評されたのに士仙のケーキがべた褒めだったから、作り方のコツを教えて欲しいんだって。」
宇美「ゼェ、待て、姉さん、ケーキなんか、作った、事無いぞ。」
晴美「そうか……でも、この間光さんがクッキー持ってきたんだけど、あれが紅夜さんに好評だったぞ。」

遊意華と晴美が倒れた私を見下ろす。
私を投げ飛ばした奴は、汗こそ書いているものの、正直私の相手なんか余裕とでも言わんばかりの表情ははっきり言って悔しい。
何とかこいつの鼻を明かせないものか。
息が落ち着いてきて頭が回りだすと、晴美が言ったクッキーの事で一つ思い出した。

宇美「……アレ、半分は私が作ったのも混じってるぞ。」

それを聞いた晴美と遊意華が意外な顔をする。
……オイ、まさかこんな事で鼻を明かしても仕方ないぞ。

晴美「アレをお前が作った!?」
宇美「何だ、その反応は。一応私だって女だぞ。料理やお菓子作りの一つ二つ出来ないでどうする。」

自分でもガサツだとは思ってるが、まあ独り立ちする事を考えれば出来て損は無い。
とは言え、さすがにケーキは無理だぞ。デコレーションとかの盛り付けで確実に投げる事になると思う。

晴美「お前、確か技術家庭の成績悪くなかったか?」
宇美「テストはボロボロだけど、一応3だ。」

テスト前は主要5教科に力を注いでいる為に、体育を除く実技4教科はいっつも壊滅的。特に美術と音楽。
芸術的センスが無いのは自覚してるし、シンメトリーをタペストリーとか書いてるのはそれ以前の問題だろうなぁ(汗

それはさておき、色々と悩むように表情を変えた後、晴美はこう言った。

晴美「料理の技術、磨きたいんだけど良かったら手伝ってくれない?」
宇美「……別にいいけど。」
晴美「ありがとうな。」

……ニャー。

何故か突然、場違いな鳴き声が聞こえた。声の聞こえたほうに視線を動かすと、そこには一匹の黒い影。

宇美「……なんで、こんなところにマルコキアスがいるんだよ。」

つまみ出してやる。と思ったが、マルコキアスは殺気を感じたのか逃げ出していった。

宇美「んで、予定は何時にするんだー?」



@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@


この学園には、最高の情報通がいる。優れた耳は一切の会話を聞き逃す事を無く、優れた嗅覚は確実にネタを集める事に貢献している。
知らぬ間に情報が垂れ流しになってる事を誰もが警戒しない、最高のスパイ。

貢永「そう。晴美さんが。」

マルコキアスは、学園内一フリーに歩ける身。そして、猫の言葉が分かる貢永にとってはこの上ない情報屋だ。

貢永「……命さんも、晴美さんくらい積極的なら苦労しないんだけど。」

そういって、ため息をつく。そして、料理教室と言うアイディアはいいなぁ、と思っていた。
だが、誰に教えてもらうか。光さんは先約がいる。他に出来そうな人と言うと……

貢永「……お義父さんに聞いてみましょう。あの人なら結構広いコネ持ってるし。」

そう思ったが吉日。早速電話して聞いてみる事にした。ピンク色のいかにも少女趣味な携帯電話を持ち出し、ピポパ…っと。

狼輝「はい、もしもし?」
貢永「もしもし。貢永だけど。」
狼輝「ん、貢永かい?お父さんに何のようだい。」
貢永「命さんの為に料理教室をやってみようかと思うんだけど、だれか心当たりない?」
狼輝「物にもよるけど、お父さんでよければ一通りの料理は出来るよ?何を作るつもりだい?」
貢永「ん〜、クッキーとか。」
狼輝「……クッキーか。ちょっと難しいかな。ところで貢永は作れるのかい?」
貢永「いえ。ちょっと、やった事がないので。」
狼輝「……分かった、家の台所を使うといい。料理は実戦で覚えるのが一番だろうしね。」
貢永「……まさかとは思いますが、娘のエプロン姿を写真に収めたいからとか思ってないでしょうね?」
狼輝「なんだか、過剰反応をしてないかい?これでも、この間の一件から少しは自粛してるんだよ。」
貢永「親馬鹿大暴走は今後とも自粛してください。常時、仕事モードでいるくらいのクールさを維持するようお願いします。」
狼輝「唯一の楽しみなんだけど……そこまで言われたら仕方ないか。ところで、いつぐらいに命さんを呼ぶんだい?」
貢永「それは、今から命さんと話し合って決めますので追って連絡します。」
狼輝「(仕事モード)分かりました。基本的にはいつでも使えるようにしておく。材料も買ってきておくので、決まったら声をかけてくれ。」
貢永「では。」

プツッ ツーツー……

……はっ、料理の作り方を教えてもらおうと思っていたのに、親馬鹿ぶりに釘を刺すことにに意識集中して忘れてた!
でも、確かに実戦で覚えるほうがいいかもしれないですね。



-- END or NEXT --------------------------

はい、オチがまともに書けません。そんなわけで誰かに続きを丸投げします。
勢いは良くてもネタがないあなぁ。
……命はともかく、晴美は妄想と暴走でなんかろくでもない事になる気がします、はい。
とは言え、こんな状態じゃどうしようもないOTL

[216] テストテスト
3A - 2007年11月23日 (金) 22時31分

-----------------------------------------
- 真っ赤っ赤 -
-----------------------------------------
 テスト・・・だるい・・・・・・。
 ああ、嫌だ。
 何故数学というものがあるのだろうか。
 なんなんだ方程式・因数分解・関数・・・・・・。
 ああ憂鬱。
 いや、もはや鬱だ。
 どれだけ勉強してみても数学だけはわからない。
 数学って何なんだ?
 中学の時の問題集でさえわからないものがある。
 数学で分かるところといえば、『集合』がギリギリである。
 あとは図形の角度ぐらいかな。
 証明は・・・・・・I think my brain might break...
 そう、英語はわかるんだ。
 洋楽の歌詞を理解するために覚えた。
 でも、数学にはこれといった必要性がない。
 だから勉強した気でいたのだろうか?
 いや、そんなはずはない。
 授業も起きてる。
 妄想もしてない・・・はず。
 いやいや、何をいってるんだ。
 居眠りや妄想をするのは分かってる授業の時だけだ。
 ユイは・・・よく寝てますけど。
 『寝る子は育つ』とは言うが・・・嘘なのかなとユイを見て時々思う。
 それにしても・・・何故だ・・・・・・・・何故『一・問・も・分・か・ら・な・い・ん・だ』。
 おかしいだろ?
 1つくらい勉強してる時に問題覚える筈だろ?
 ねぇ奥さん?(←誰よ?)
 なのに・・・なのに・・・ああ、欠点決定だなこりゃ。
 ・・・カンニングするか?
 いや、それは人としてどうだ?
 しかも、万が一にもばれてみろ。
 数学どころか全教科欠点になる。
 だけど・・・成功すれば・・・・・・。
 だ、だめだ私!!
 流されるな!!!!!!

 キーンコーンカーンコーン

 あ、鳴っちゃったよ・・・。
 まさかの0点だぜ・・・・・・・。
 こうなったら!
 開き直るしかない!!!


 数日後の全教科テスト終了後に職員室に呼ばれたのは言うまでもない。

先生「どういうことですか?」
晴美「どうもこうもその通りです。」
先生「・・・その通りって。」

 テスト用紙には
 『先生、全く分かりません』
 と用紙いっぱいに書かれてあった。
 もはや先生は呆れていたようだった。

先生「ふぅ・・・今日はもういいです。」
晴美「失礼いたしました。」

 「数学さえできれば・・・」とよくいわれる。
 しかしできないのだ。
 なんだこれは。
 遺伝か?
 もはやそういう脳みそなのか?
 九九ぐらいはできるぞ。
 算数はOKだ。
 数学はNGだ。
 もうだめだな・・・私。

 数日後、テストが帰ってきた。
 数学はTとAの2つがあるが、勿論2つとも0点だった。

先生「花園さん。」
遊意華「あ、はいはいはーい。」

 ユイがテストを受け取りに行く。
 はぁ、またもやユイと共に欠点課題か。

遊意華「ねぇねぇハル〜。」
晴美「はぁ、また課題だな。」
遊意華「ハルだけね。」
晴美「そうそう私だ・・・け?」

 ん?
 私だけ?

遊意華「ジャーン!」

 ・・・点数が黒い。
 嘘だ。
 嘘だと言ってくれ。
 晴美は目の前が真白になった、バタン。
 とでもいきそうなくらいの衝撃だった。
 もはやそうなれば衝撃ではなく『笑劇』であろうが。
 とにもかくにも私が思ったことは、




 私、もうだめだ。
-- END --------------------------

数学は全くダメってイメージがあるんですよね、晴美。
英語はやっぱ洋楽好きの彼女はできそうです。
国語は・・・赤と黒の間?
社会は大好きそうですね(男っぽさUPかな?)。
理科は実験大好きっ子って感じがありますね(テストはわからない)。

[218] 後は俺に任せろ!
ジャッキー - 2007年11月23日 (金) 22時59分

廊下 二時限目と三時限目の間の休み時間

クーラーのきいた教室から出ると途端に湿気と温度の高い空気が体を包み込む。
窓から差し込む太陽光のお陰で気分はオーブンで焼かれる魚だ。あの光り輝く恒星に殺したくなるくらい感謝する。
うだるような暑さに辟易しながら辺りを見回す。
人間の性という物で、廊下に人影は少ない。が、何の幸運か目的の人物はいた。
どうやら誰かと話しているようだ。少しまずいかな、と思ったがその相手も知っている人物だったので踏みとどまりかけた足をもう一度動かす。
「あの、命さん?」
「ふひぇ!?」
どういう声を出すんですか。
「あ、えーと……み、み、ミクロさん」
「どれだけ小さいんですか、私」
「貢永さんだよ、命さん」
蒼馬が優しく訂正する。
「あ、ご、ごめんなさい貢永さん」
「いえ、いいんですよ。ところで、少しお話があるんですが、いいですか?」
「あ、えーと……」
命がチラリと蒼馬の方を見る。
「あ、大丈夫だよ。じゃあ僕、教室に戻ってるね」
「すいません、2分で終わりますから」
「いや、ごゆっくりどうぞ」
嫌な顔をひとつしないで蒼馬は教室に入っていった。
あの人当たりのよさには感心する。相手に嫌な思いを全く感じさせないのは一種の才能じゃあないだろうか。
妹(ふとすると忘れるが)にカリスマ性があるように、兄にも性格的な何か光るものがあるのかもしれない。
それはともかく。
「あ、で…なに?」
「はい。命さん……料理の勉強とかしたくありませんか?」
「え? と、突然なに?」
いけない、言い方が直接的過ぎたか。
もっと他に言い方があるだろうにと後悔するがもう遅い。
「あ、いえ。実は先日私が父さんに料理を教えてくれと頼んだんです。そしたら「1人じゃ心細いだろうから誰か連れてきてもいい」と言うので、誘ったんです」
「な、なるほど……そういうことですか」
うまく誤魔化せただろうか。こんな時でも崩さない自分のポーカーフェイスにすごく感謝する。
「どうでしょう?」
「う…ん、………なにをつくるんですか?」
「クッキーとかのお菓子類ですよ」
「クッキー……」
案の定、その言葉に反応した。
「……分かりました。そのお誘い、お受けします」
「本当ですか? ありがとうございます」
「いいえ、ちょうど私も料理の勉強したいな〜って思っていたところでしたから。それで日時は……」



『よし、分かった。その日に準備しておけばいいんだな?」
『はい。よろしくお願いします』
『なあに、愛する娘のためならこのくらいはお安い御用さ」
『(無視)いくら他人が来るからって、あまりはっちゃけないようにして下さいよ?』
『(涙)……はい、分かってるよ』
『それじゃあ』


さあて、どうなることやら。
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さあて、最後の言葉は貢永の言葉なのか僕の言葉なのか判断のつかない今日この頃です。
とりあえず書いてみましたが、なるほど、オチをつけづらい。
夏祭りあるのに書いていていいのかと自問しますがあえて答えは出しません。

というか、これ美術科用のスレッドなのだろうか?

[223]
3A - 2007年11月27日 (火) 01時28分

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- HERO? -
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エピソード1

生徒「ふぅ・・・重い・・・・。」

 そこには前が見れないくらい荷物を持った生徒が廊下を歩いていた。
 彼女は階段にさしかかった。
 3階まで上がらなければならない。
 まず1段目・・・からバランスを崩し、後方へ倒れそうになった。
 荷物を持っているため手が後ろに回らない。
 この際、荷物を放せばいいのだが、人間はこういう時に限って思ったように体を動かせない動物みたいだ。
 そうこう考えているうちに、彼女の体が斜め45度になろうとしたその時、誰かが彼女の体を支えた。

??「大丈夫ですか?」
生徒「あ、ありがとうございます。」

 荷物の上半分が落ちた。
 そのためその生徒の視界が開けた。
 そこにあったのは美術科総括会副会長・楠葉晴美の顔だった。
 この生徒は晴美のファンである。
 顔が真っ赤に紅潮していく。
 その様子を見て晴美は言った。

晴美「どこか調子でも悪いんですか?」
生徒「い、いえ!大丈夫です。」

 晴美は落ちた荷物を拾い、

晴美「運びますよ?」
生徒「あ、え、は、はい。」
晴美「2年生ですよね?敬語じゃなくていいですよ。」
生徒「あ、ありがとうございます。」
晴美「なんていうか・・・もっとこうフレンドリーにさ、お願いしますよ。なんか上の人から敬語使われるとおかしいですし。」
生徒「く、楠葉さんこそ敬語じゃなくてもいいですよ?」
晴美「私ですか?私は・・・そうですね、これは主義です。」
生徒「主義?」
晴美「目上の人には敬語って決めてるんです。」
生徒「わ、私も晴美さんには敬語って決めてるんです。」
晴美「???初対面ですよね?」
生徒「え、ええ。」
晴美「ふーん・・・。着きましたね。」
生徒「はへ?」
晴美「ここじゃないんですか?」
生徒「あ、そうです。ありがとうございました。」
晴美「さよなら〜。」

 歩いて自分の教室へ戻る晴美だった。

:::::::::::::::::::::::::::::

エピソード2

 中等部の教室の近くを通った時、悲鳴が聞こえた。

生徒A「キャー!!」
生徒B「いやー!!!!」

 晴美は走る。
 そして、着いた。

晴美「どうした!?」
生徒A「あ、あれです。」

 その子が示した先には・・・ゴキブリがいた。

晴美「はぁ〜なんだゴッキーか。」
生徒B「助けてくださーい。」

 2,3人は泣いている。
 ゴキブリ1匹のために。

晴美「はいはい。」

 晴美はてくてくとゴキブリの方へ向かい、そして、

 バン!!

 近くにあったスリッパで一撃。
 そこには無残な姿をしたゴキブリがいた。
 晴美はそれをゴミ箱に捨て一言。

晴美「このスリッパ誰の?」

 誰も名乗らなかったので、一緒にゴミ箱へといれられた。
 はぁ〜いい仕事したな〜と思いながら自分の寮へと戻っていく晴美であった。



-- END --------------------------

思いつきの話です。
面白くとも何とも無いお話ですね。

ノンジャンルは多すぎるのでなるたけ避けたかったんで、看護科に載せます。

風紀委員会のスレッドが寂しい気がする・・・。
今度は風紀で話作ってみようと決意新たにテスト勉強に勤しみます。

[263] 博打好きと言う設定でイメージを膨らませた結果。
ラスティ・ブランフォード - 2008年07月19日 (土) 19時27分

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- 相手が悪かった -
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遊意華「ねえ、ハルがどこにいるか知らない?」
宇美「多分、まだ普通科統括室だと思うぞ。」

ゴシゴシ……
ゴシゴシ……

遊意華「なんで、晴美が普通科の掃除してるの?」
晴美「……マージャンで負けたから。」
遊意華「ハルが負けるなんて珍しいね。相手は誰だったの?」
晴美「光さんと庭瀬会長、それに宇美の奴。」
遊意華「ふ〜ん……。」
晴美「まあ、罰が当たったって事なのかね?見逃してくれ、主催権の会議で負けてくれ、なんて都合の良い事を言ったから。」
遊意華「どんな風にして負けたの?」
晴美「それはな……」

@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@


宇美「……またやってるのか、お前。前にルティア会長に絞られた事があるって言うのに。」

いつもの様に、麻雀やっててな。
宇美に見つかって、風紀委員として見過ごす事が出来ずに鋭く睨みを効かされたんだ。

晴美「いや……見逃してくれないか?私とお前の仲じゃないか。」
宇美「そう言うわけにはいかない。」
晴美「なあ、頼むよ。あ、だったらこうしないか?次の対戦で私が負けたら素直に出頭する。私が勝ったら見逃す。」

何とか誤魔化そうと、宇美に麻雀で勝ったら見逃してくれないか?って取引持ちかけてみたんだ。
ルティア会長なら、初めから取り合わずに雀卓を取り上げてたんだろうけど、宇美はあえてこの誘いに乗った。

宇美「……いいぜ。ただ、麻雀って4人でやるんだよな?残りの2人はこっちで指定していいか?」
晴美「ああ、いいぜ。」

そういって、宇美は携帯を取り出したんだ。

宇美「あ、姉さん?ちょっと悪いんだけど……」

今思えば、アレは宇美の罠だった。
確実に私を完膚なきまでに叩き潰す為の。
言って分からない相手は、実際に痛い目を見ないと反省しないというのが宇美の考えだからな。

宇美「姉さん達に話をつけた。普通科統括室でやろうぜ。」
晴美「負けないぜ?」
宇美「その口、多分聞けなくなると思うぞ……?」


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普通科統括室に移動すると、部外者を排除して準備を終えた
いかにも自信満々な鶯さんと、乗り気じゃ無さそうな光さんが待っていた。


晴美「ちわ〜っす。」
鶯「ふっふっふ。待っていたよ、晴美さん。私の恐ろしさを教えてあげよう。」
光「……やっぱりやらないとダメ?」
宇美「頼むよ、姉さん。一回痛い目見せないとダメだろうから。」
光「……仕方ないですね。」
晴美「なんか私が負ける前提で話進めてるみたいだけど、絶対勝ってやるぞ!」

負ける前提でなんか話進められてて、なんかカチンと来ちまったもんだから、
ちょっととんでもない事言っちゃってな……

宇美「やれやれ……。」
晴美「私がもし勝ったら、次の主催権会議の手の内、教えてくれませんかね?……なんちゃって。」
宇美「な、何を言い出すんだお前?」
晴美「じょ、冗談ですよ、冗談。」

ちょっと気が強くなって、ふと思いついた姑息な取引を口にしてしまったのが間違いだったんだな。
多分、アレで本気にさせてしまったんだろう。

鶯「ふふん。主催権、一つも取れてないから焦ってるのかな?」
光「貴方の言う事も分かる、けど……」
鶯「会議は真剣勝負の場だからね、敵に手の内を明かすような事はしないよ。」
晴美「……そうですよねぇ。」
鶯「なんてねw勝てたら、考えてあげる。」
晴美「いえ、結構ですよ。」
鶯「但し、負けたらこの部屋の大掃除をしてね。マルコキアスの毛があっちこっちに落ちててね……」

なんか、目が笑って無かったよ。


@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@


晴美「……後は一方的だった。多分、牌並びに細工したんじゃないかと思うくらい
   こっちはツモれないのに、ガンガンツモられて、最後は宇美のやつに役満叩き込まれて潰れた。
   何が『大貧民』の一種みたいなものだよね?だ。
   ……実際負けて大貧民状態だけど。」
遊意華「ハル。」
晴美「なんだ?」
遊意華「これで懲りたの?」
晴美「まさか。麻雀卓と牌は取り上げられたけど、博打は止められない。」





遊意華「ぜんぜん懲りてないみたい。」
宇美「仕方のない奴だな……」
遊意華「ハルのことは好きだけど、一緒に麻雀とかやってるとルティアさんがやってきた時が怖いから止めて欲しいの……。」
宇美「どうしたもんかねぇ?次の作戦でも考えるか?」

-- END or NEXT --------------------------


久しぶりの投稿。火種が無くなれば、盛り上がらないのは仕方ないけど……

どうでもいいけど、自分は麻雀の事良く知りません。
大貧民(地方によっては大富豪)みたいに、数字か同じ牌を並べれば良いって事ぐらいしか分かりません。



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