【広告】AMAZONからG.W.に向けてスマイルセール!4月22日まで開催

GoGo!小説

小説を完成させる自信の無い方、または小説を書く練習をしたい方、そしていつも作品が完成しない無責任なしんかー進化(笑)、等々気軽にこの板で小説をどうぞ!

ホームページへ戻る

名前
メールアドレス
タイトル
本文
URL
削除キー 項目の保存


こちらの関連記事へ返信する場合は上のフォームに書いてください。

[117] TRUE JUSTICE N
夏目 はごろも - 2010年03月05日 (金) 12時35分

生い茂る芝、木々。深く底のない緑。滴る深紅の血液。

だくだくと血を流し倒れこむ異型のモンスター。

歓喜に沸く男が3人。

「うっし。レベル上がったぜ!」

ここはTJと呼ばれる架空の世界。体感型ゲームの中。

丁度この男たちがボスと呼ばれるモンスターを倒したところだ。

「この剣ももうダメかもなぁ」

刀身に付いた血を拭いながら一人の男がつぶやく。

その剣はそこかしこ欠けていて切れ味も鈍くなっていた。

戦歴の証とも取れるが明らかにみっともない刀の姿。

「そういえば、ダンジョン内にしかいない武器屋が居るらしいな。」

「そいつの店ではなかなかレアで強い武器が並んでるんだとよ。」

他の二人の男が言う。

TJはRPGのゲームを体感できるゲーム。

街の中に薬屋やバーなど従来のゲームではよくある店も並んでいる。

もちろん武器屋もありいろいろな武器が揃っている。

だがそこにある武器はどれも基本的なもので武器自体のレベルは相当低く設定されてある。

この男たちのように自身のレベルが上がっていくとそこにある武器では物足りなくなってしまう。

このような者たちが満足する武器は特定のモンスターを倒すことで手に入る。

至って古典的でありがちではあるが単純なだけ燃えるということ。

だが武器が出る確率はかなり低く人によっては本当に出ない。

そこでダンジョン内での隠し要素的に武器商人が回っているのだ。

その武器屋ではなかなか手に入らない武器や防具などが手に入る。そこそこ値は張るが間違いはない。

「そうだ。」

剣の男が閃いたようににやりとする。

「その武器屋、見つけたら襲っちまおうぜ。」

「武器屋を襲ってレアな武器と道具を独り占めだ!」

なんとも程度が低いがこれもありがち。RPGではよくあることだ。

この考えに他の男も賛同。

「それいいね!」だの「やろうやろう!」だのとノリノリ。

下品な笑いが空間を包む。

「どうせ相手は商人。俺たちに敵いっこねえだろうからな!」

「その武器屋は『夏目屋』って書いてあるのれんを下げてるらしいぜ。見つけたら一気に―――」

「それは面白い話だね。」

三人の男とは明らかにトーンの違う声が一つ。

盛り上がる男たちに切って入るようにそう言った。

男たちの前にいつから居たかは知らないが男が一人立っている。

フードの付いたローブのようなものを着ている男。

「誰だか知らねえけどお前さんもいい話だと思うだろ!?流石は俺様―――」

言い終わるか終わらないかという時、剣の男の声が止まった。

男は声が出なかった。

さっきまで2,3メートル前に居たはずのローブの男に首根っこを掴まれ持ち上げられたのだ。

ギリギリとしまる首、締める手。息ができない。

「何しやがるてめぇ!」

他の男がそう言いローブの男に襲いかかる。

二人の男の武器は棍棒と。槍ローブの男に向かって大きく振りかぶる。

振りかぶったが振り落とすことはできなかった。

二人の男の上半身が地に落ちる。

圧倒的な早さの太刀筋。

男たちが振りかぶった時にはもうローブの男の脇に刺してある細身の刀は抜かれその斬撃が男たちを襲っていたのだ。

男たちには全く太刀筋が見えなかった。

「さっきまでは振りかぶってたはずなのに。」

なぜか地面に体だけ突っ伏している。男たちは切られたことにすら気づけなかった。

落語で剣の達人に首を切られたが切られたことに気がつかないという噺があるが、いま男たちはその状況だろう。

さらさらと消えていく男二人。「死んだ」のである。

この世界の「死んだ」は現実ほど重くはない。むしろただの「ゲームオーバー」。

「さっきまでの威勢の良さがないね。」

剣の男は未だにギリギリと首を締め付けられ体が宙に浮いている。意識も薄くなり体のいたるところが痙攣。失禁までするという悲惨な状態。

「でも、まあ、苦しそうだし。」

ローブの男が手を離す。剣の男がドサリと力無く落ちる。

かろうじて意識はあるが体は動かない。

「ひとつ教えといてあげる。」

ローブの男が口を開く。

「僕の名前は夏目一郎。「夏目屋」という武器屋の武器商人だよ。」

「次、君らと会ったらまたこうしちゃうよ。襲われたら敵わないからね。」

ローブの男はそう言い腰の刀をゆっくりと抜く。

フードに隠れた目がギラリと怪しく光り、口がにたりと笑い。

「他の二人の下衆共にも教えといてね。下衆野郎。」

剣の男は頭から真っ二つでゲームオーバー。死んだ。

[118]
夏目 はごろも - 2010年03月05日 (金) 12時38分

ロキさんへ
勝手にお話お借りして申し訳ないです。
しかもこんな私めがお話をお借りしてしまって…

[119]
夏目 はごろも - 2010年03月05日 (金) 16時16分

TJ稼働開始から1年と半年が経過したある日。

一人の男がTJを始めようとゲームセンターへ向かった。

「我慢して正解!やっとプレイ料金が下がったよ!」

圧倒的人気で一時は100人に1人はプレイしているとまでいわれていたTRUE JUSTICE。通称TJ。

現実世界では味わうことのできない感覚、刺激が体験できるゲーム性が売りに売れた結果だ。

だがそのTJにも衰退期が訪れていた。

稼働から1年したころ。プレイヤー離れが始まったのだ。

原因と思われるのはなによりプレイ料金の高さ。

1000円という金はライトなゲーマーには高すぎたのだ。

ライトなゲーマーがどんどん離れていき残されたのはレベルの高い上級ゲーマー。

一時のにぎわいは消え失せゲームの中の世界もどこか暗くよどんでいた。

そこでメーカーは電力消費をギリギリまで抑えるなど改良を加えた新しい匡体を発売。

内容は新要素を携えプレイ料金も半額の500円という衝撃的であった。

この新匡体により人気が爆破。離れていったユーザーを取り戻し、さらに新規のユーザーも爆発的に増えていった。

これによりTJの世界がさらに混沌としたものとなってしまうのだが。






先ほどの男がゲームセンターの中から出てくる。

プレイしたわけではない。プレイできなかった。

あまりの人気に順番待ちの長蛇の列ができていたのだ。

流石に順番待ちしていると日が暮れてしまう。そう考え、男は別の店へと向かった。

そして4軒目。ここも空いてなかったら諦めようと決めて店内に入ると丁度一台だけ空いているではないか。

よほど運がよかったか神様がほほ笑んだか。誰にともなく男は感謝し匡体に座る。

『Please equip with a helmet. 』 男はヘルメットを被った。






『ようこそ,TRUE JUSTICEへ。
本ゲームにご参加いただき、まことに有難う御座います。
まずは、私からこのゲームについてご説明させていただきます。』

男は説明に聞き入る。

そして基本的な設定を埋めていった。

名前欄には「夏目」。

そして職業には何週間も考えて考えて決定した「武器商人」と。

この職業は夏目本人にすればかなりのひらめき。

ゲームの中で戦えると評判のゲームであえて商人というジャンルを選び、他人との違いを出したかったのが一つ。

そしてゲームの中の金は現金へ換金可能であるので、ゲームの中でお金を稼ぎ高いプレイ料金をそこからねん出しようという考えであった。

他にも郷土料理などわけのわからないものも考えたがしっくりこないので武器商人に決定したのだ。

夏目が職業を入力し終えた瞬間画面が暗くなった。

『本日はありがとうございました。紙に書いてある住所へお越し願います。』

プツーン

機械が変な音をたて画面が消える。

ジジジ…ジジジジ…

画面の下の換金した紙幣が出る口からレシートのような紙切れ。

夏目は何事か分からずただ茫然とした。

そして混乱の中で思った。

「…なけなしの500円が紙切れに…」

[120]
ロキ - 2010年03月10日 (水) 18時09分

ええやないですか……(*´ω`)

[121]
夏目 はごろも - 2010年03月12日 (金) 11時20分

コメントありがとうございます!

ダメダメな文章ですが見てやってください

[122]
夏目 はごろも - 2010年03月12日 (金) 15時26分

「TJをやりに来ただけのはずなのに…」

グチグチと文句をたれながら目的地へ向かう夏目一郎。

文句をたれながらも進む足はどこなのか楽しみといった感じで軽やか。

結構な距離を歩いたが心の内の楽しみという気持ちがすぐに目的地へと向かわせ到着。

「ここは…」

ここはTJを制作している本社ビル前。

あたりにいくつもの縦長のビルが建っているがそれらよりも大きい。

夏目はあまりの大きさにうろたえひるみながらも中へ入っていった。


受付嬢に事情を説明し中へと通される。

目的地は「プログラムルーム」

大きなガラスの開口部が開いたエレベーターに乗って目的地へ。


コンコン

ノックの音が響く。

「失礼します。」

夏目は中へと進んでいった。

中にはどこか渋いというか何とも言えない雰囲気の男が一人。

「やあ、君が夏目一郎君だね。私は霧島正樹。TJのプログラミングをしている。」

霧島がよろしくと手を差し出し夏目がそれに答える。

「プログラムルームと言う割には機械が全然無いような…」

夏目の言う通り部屋にはパソコンが一台のみ。

そのパソコンは見たこともないパーツがいくつもついていかにも何でもできそうな雰囲気。

だがさすがにこれ一台でTJを管理するのは不可能だろう。

「ここは主にお客様を迎える時に利用するんだ。いつもは別にある研究所で作業している。」

「質問は以上かな?ではさっそく本題へ移ろう。」

プログラムルームなんて名前を付けなくてもいいのでは?と思ったが胸の中に閉まっておくことにした。





「…と言うことだ。」

霧島が言うには夏目が作った職業「武器商人」はあるスイッチになっており、そのスイッチが押され、この会社の住所が書かれた紙が出てきた。

戦う物であるTJにおいて商人になる変わった感性の者をここに呼び出そうという考えだそうだがこれがなかなか集まらないらしい。

「君には私たちのスタッフとしてTJの中に入ってもらう。もちろんそのための金もこちらで用意しよう。」

「役職は武器商人。それもダンジョン内を流れるレアな商人だ。やってみるかい?」

夏目は少し考えたずねた。

「いつもどおりゲームをプレイするんですよね。」

問いに霧島がうなずく。

それに続く夏目。

「ではゲームの筐体がいっぱいで座ることができないときはどうすれば?」

今日のように歩き回るのは辛い。そんな考え。

「その時はこの会社に来るといい。いくつか筐体が置いてあるのでそれを使っても構わないぞ。」

お金の問題と場所の問題を同時に解決。これ以上ない話に夏目が飛びつかないはずもなく即決。

ただの夏目がTJスタッフの夏目に変わった瞬間であった。

「君の聞き分けがよくて助かったよ。早く話をつけることができた。」

「ごくまれだが君のような人間が来るんだが皆妙に身構えてしまって「悪い話が隠れてるのでは」だの…」

霧島の愚痴のような話が続く。

疲れているんだろう。夏目は心の中でそう思った。

「…おっと、グチグチと申し訳ない。…とにかくスタッフには何も悪いことはない。問題になっては困るわけだしな。」

その通りだ。といったように夏目が頷く。

「では夏目スタッフ。これからよろしく頼むぞ。」

二人は二度目の握手を交わした。

[123]
夏目 はごろも - 2010年03月12日 (金) 15時30分

このお話で霧島正樹他本編で登場したキャラが出てくるかもしれませんが本編との話の繋がり等は何もありません。

たとえ本編であるキャラが事故で亡くなった…などのことがありましてもこちらでは元気に登場したりもします。

本編から少し経ったときどうなるか…という夏目のIfだと考えて御覧になってくださいね。


[124]
夏目 はごろも - 2010年03月12日 (金) 16時08分

「さて、スタッフとなったところで詳しい仕事内容の説明をしよう。」

武器商人になり武器を売ること。

その売上の約4割を本社へ譲渡すること。

基本的な武器そして回復薬は本社から支給されること。

等々霧島からさまざまな事を教わった。

その中で最も驚いたこと。それは元から高いランクで始めることができるということだ。

TJではキャラクターのランクが決められておりモンスター等との戦闘によってランクが上がり強くなる。

RPGで良くあるレベルといった感じのものだ。

通常新規プレイヤーは一番下のGランクから始めることになるのだが、スタッフはいきなりBランクから始めることができるのだ。

高いランクから始まる理由として、商人はレアな武器を自分で取りに行って売らなければいけないというのが一つの理由。

スタッフとしてレアな武器を売らなければいけないが持っていないという事態を出来るだけ防ぐために、高確率でレアな武器が手にはいるように設定されている。

武器のプログラムを直接渡せば済む話ではあるが飽きられては困るという考えの元決められたルールらしい。

そしてもう一つの理由が襲われたとき対処しなければならないというものだ。

襲われたときは倒してしまって構わない。しかし自分から手を出してはいけない。これがルール。

「…以上だ。あと、君がスタッフであることは隠しておくようにお願いしたい。」

「TJ内を私達が厳重に監視しているし、そう言った噂が流れたときは真っ先に君が疑われる。場合によってはアカウントの削除、TJ利用の禁止まで行われるので注意してくれ。」

そして霧島が続けて尋ねる。

「何か質問はあるかい?」

「ひとつ良いですか?」

久々に夏目が口を開く。

「商人として二人付き人を設けたいのですが可能でしょうか。」

この質問に霧島が考え込み言う。

「私の判断だけでは決定することはできない…話し合いの末決まり次第また後日連絡する。」

分かりましたとうなづく夏目。

「あと、このカードは君の会員証みたいなものだ。TJを利用する際これを入れてから利用してほしい。」

「では以上だな。今日のところは登録関係でTJを利用することはできない。明日から仕事に取り掛かってくれ。」

ありがとうございましたと一礼ののち夏目が部屋を出る。

ぐったりとしたようにソファに浅く座る霧島。

「…ありがとうございます…か」

「また一人、多くて三人もこのゲームに飲まれてしまうんだな…」

霧島は胸ポケットからしおれた煙草を取り出し着火、細い煙の中でつぶやいた。



Number
Pass

ThinkPadを買おう!
レンタカーの回送ドライバー
【広告】AMAZONからG.W.に向けてスマイルセール!4月22日まで開催
無料で掲示板を作ろう   情報の外部送信について
このページを通報する 管理人へ連絡
SYSTEM BY せっかく掲示板