[193] 『錬心健康術』序文 |
- 伝統 - 2014年10月14日 (火) 04時08分
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大正15年9月 スィ−・ディ−・ラ−ソン著『錬心健康術』を翻訳し、東京三土社より出版。
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『錬心健康術』序文@
*『錬心健康術』(P1〜2)より
序
”Perfect Health”を訳して
自分はこの訳書を人類に対するよき贈り物と信じている。 自分はこの書を、献げられた時間に、献げられた気持ちで訳したのである。
詳しく云えば、人がまだ寝床のなかでその甘いあけがたの《とろん》とした気持ちを享楽して いる1時間と、また人が美味い昼飯と、食後の楽しい雑談にふけっている1時間半とに、 自分だけは昼飯をとらないで、水を飲みながら訳したのである。
自分は自分の時間を損していないし、ひとの時間も損していない この書が出来たのは子供が生まれでもするように新たに生まれた時間に於てである。
そこには少なくも営利的な気持は含まれていない。 若し此の書の版元が自分にやりたいと云う印税でもあるならば、それは人類のために、 ひとりでも多数の同胞が此の歓びの福音をきくために使って頂けば好いであろう。
この書は自分にとっては喜びである。 読んでいれば憂鬱の雲がふきはらわれる。 悲哀が影をひそめる。
恐怖が雪より淡く消える。 落ち着いたはればれした気になる。 自分は運命の王者だと感じられる。
此の書全体が驚くべき有力な『健康暗示』を構成している。 その暗示に触れるとき、如何なる失っていた治癒の希望を蘇生らさずにはいられないであろう。
昨年自分がクリスチャン・サイエンスの訳本を『如何にせば運命を支配し得るか』という 題名で公にした所が、沢山読者から礼状を頂いたなかには
『購めてから今日まで一日として読まざる日なく今日まで8回精読して全然境遇を一変しました』
と云うような歓びを洩らされた方があった。
此の書に於ても一人でもそんな読者が得られることはどんなにか訳者にとって歓びであろう。 この歓びのゆえに此の書を訳し始めたのである。
精神科学は人間の生命に対してもっと関心しても好いと思う。
自分は、法界の万物は唯心の所現であると信じているが故に、あの手紙を寄越して喜んで 下された読者のように、境遇や運命さえも、ただ心を支配することを体得することによって 支配することが出来ると信じている。
心を支配することによって肉体を支配することなどはその最も容易いことでなければならない。 しかし茲に如何にして心を支配すべきか、換言すれば如何に思考すべきかが問題となるのである。
<感謝合掌 平成26年10月14日 頓首再拝>
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