[413] 天皇絶対論とその影響 |
- 伝統 - 2015年01月28日 (水) 18時29分
「天皇絶対論と其の影響」は以前、本流掲示板(?)に掲載いたしましたが、 現時点では、消滅致しております。ここに再掲載を行なっていきます。 ・・・
『天皇絶対論とその影響』
目次
謹序(谷口雅春)
天皇信仰(谷口雅春)<P3〜P7>
第1篇 荻原俊三氏の『天皇信仰』鼓篋集覧<P11〜P66>
第2篇 尾関貞一氏の『新日本学樹立への努力』<P67〜P175>
第3篇 田中子葉氏の『日本教育学樹立への貢献』<P177〜P274>
第4篇 大崎勝澄氏の『天皇絶対論を根基とする臣民教育』<P275〜P335>
第5編 矢野酉雄氏の『忠一元・臣道無窮論』<P337〜P371>
皇運扶翼生長の家青年会規約<P372〜P374>
昭和16年3月23日 発行 編著者 谷口雅春 発行所 光明思想普及会
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天皇絶対論
謹序
天皇は宇宙神にましまして、同時に現人神として個身(こしん)を現じたまう大君 として宇宙に臨み給う。個身と宇宙と相対するが如くなれども、個身は宇宙と相対 するに非(あら)ずして、個身即宇宙なるなり。
宇宙の中に個身があるに非ずして、個身その儘が大宇宙なるなり。 「個」即絶対なるなり。
天皇の個身を仰ぎ見て、ただ五官的有限身にましますとのみ観じて、絶対實在を 仰ぎ見ること能(あた)わざるものは霊感なきなり。誠にも慨かわしきかな。
或は云う 『天照大御神は日本民族の族長なり、これを宇宙神と云う空漠の理念として 尊崇するは、民族の具体的族長にまします 天照大御神を抽象的理念に昇華するものに して、その烈々たる尊崇の心は以って多とすべきも吾等日本人は 天照大御神を具体的 族長として仰ぎ来たれる歴史を尊重せざるべからず』と。
是、一を知ってニを知らざるものなり。 是、個身即絶対の真理を知らざるものなり。 個身そのまゝに宇宙に満ちたまえる大生命そのまゝが天照大御神にましますなり。
天照大御神が宇宙神にまします事は同時に大御神が日本民族の具体的族長に あらせられることを何等妨げるものには非ず。
須らく知るべし、多即一なり、一即多なり、一時(じ)即一切時なり、一切時即一時なり、 久遠即『今』なり、『今』即久遠なり、一所即一切所なり、一切所即一所なり、 『此処』の一点そのまゝ普遍にてあるなり。
現身(げんしん)そのまゝにして宇宙に満ちて常に久遠に宇宙を総攬し給うなり。
空間無、時間無、物質無(仏教=色即是空又は五蘊皆空)の哲学は、 現身そのまゝにして宇宙に遍満したまう真理を開くところの鍵としての哲理なり。
肉体ありながらあるがまゝに其の儘無きことを知るとき個身そのまゝに 宇宙に満つることを知り得るなり。
釈迦は之を説けるなり。華厳の一時一切時、一所一切所、一仏一切仏の哲学も、 法華の「我常に此処にありて説法す・・・此の世の焼くると見るときにも吾が浄土は安穏 なり、天人常に充満す」の如来寿量品の「常今(つねいま)」又は「常茲(つねここ)」 の哲学も、
天皇が単なる時空的滅盡の流れに浮ぶ個身のみにあり給わずして、個身その儘にして 宇宙に満ち給い、我等日本民族の族長にてあり給うと同時に宇宙神として、宇宙一切の 内的生命として、生きとし生けるもの、有りとしあらゆるものを総攬し遊ばさるゝ真理を 開く鍵として説かれたるなり。
一切の宗教は、天皇即大宇宙 大宇宙即天皇 の真理を闡明(せんめい)するところの 鍵にして、豈(あに)それ個人の霊魂(たましい)の救いのためのみならんや。
個人自身の霊魂の救いを欲する者は声聞、縁覚の徒に過ぎず、 他人の霊魂の救いを欲するものは稍(やや)上乗なれども菩薩乗に過ぎず、 仏(ぶつ)の正覚(しょうがく)は宇宙の成仏をそのまゝ此の世界に観るなり。
釈迦が悟れるときに山川国土悉皆成仏と観たるは、山川国土悉く 天皇の恩徳の顕現にあらざるものなきを観たるなり。 天皇が宇宙に満ちて成りませる實相を観奉(みたてまつ)りたるなり。
大宇宙(たまあまはら)に天之御中主大神が成りませる法体を観奉(みたてまつ)りたるなり。 大宇宙(だいうちう)と天之御中主大神とが表裏一体なることを観奉(みたてまつ)りたるなり。 天皇即大宇宙(だいうちう)なることを観奉(みたてまつ)りたるなり。
物質世界の山川国土を見ながら、最早物質なき世界、 天皇の御徳(おんとく)のみの現成(げんじょう)せる世界を見たるなり。
即ち釈迦の悟りは個人のみを救うにはあらず、山川国土そのまゝに、 天皇の御徳現成の世界として大宇宙全体を自覚せしめたるなり。 そは大宇宙の救いなり。
キリストは『みこゝの天に成るが如く地にも成らせ給え』と祈りたり。 これ個人の救いの祈りにあらざるなり。 既に成れる金婆羅華の世界現成を祈りたるなり。
白馬に跨り給うミコトが天上(實相界)のみならず、 全地上をも治(しろ)しめし給う日の実現を祈りたるなり。
我れ嘗て、天皇絶対神論を「いのち」誌に掲げたることあり。 今その一文は「驀進日本の心と力」に収録されあり。
その後、これに対して甲論乙駁(こうろんおつばく)あり。 その反駁者は概ね、天皇を個身としてのみ仰ぎ見て、宇宙神として仰信し得ざる徒のみ。 されど又吾が 天皇絶対神論は多くの日本を愛する忠義の志士の共鳴を得たるを喜ぶ。
本書に収録せるはその一部に過ぎざれども、多くの忠君愛国の士、 わが 天皇絶対神論より雲の如くならび起れり。
(中略)
われは如何なる反対あらんも敢然として、 大日本天皇は宇宙神にましますことを絶叫せんと欲す。 われは昭和維新の北畠親房たらんことを欲するなり。
神戸新聞嘗て神戸の史蹟を書きて烏原村(からすはらむら)の谷口氏の事を書く。 曰く『谷口氏は××を奉じて湊川に苦戦せし大楠公に呼応して立ちし新田義貞の残党が 再挙せんが為に暫く世を忍びて谷口氏を称せしなり』と。
真偽の歴史的考証は操觚(そうこ)者に委ねるも、 吾が血の中には××の忠臣の烈々たる大義の血流れたるを覚ゆ。 これ吾が実感なり。
今や大日本帝国が神国なる事を明らかにせざるべからざる秋(とき)なり。 萬民立って 大日本天皇が絶対神にまします事を高唱せざるべからず秋なり。 一日このこと早ければ一日早く全世界が大日本国となるなり。
言葉は創造力なるが故なり。一人(いちにん)多くこの事を伝うれば全世界の 民草(たみぐさ)一人(いちにん)多く 日本天皇を仰信するなり。
三界唯心なり、世界は仰信の展開なり。 思想は力なり、仰信は更に力なり。 吾を黙せしめば、石叫ばん。
同志よ、同志に語りつたえよ。大日本帝国は神国なり。 大日本天皇は絶対神にまします。
大日本民族はその赤子なり、天(あめ)が下を救わんがために 天孫と共に天降り来れる諸諸の命(みこと)たちの子孫なり、と。
(後略)
皇紀2601年3月 著者識
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<感謝合掌 平成27年1月28日 頓首再拝>
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