身近なアマゾン(21)――真の理解のために=タパジョス川の上流に=今は少ない秘境地帯□経済政策と自然保護の皮肉な関係(1)□アマゾン川中流にサンタレンという町がある。そのサンタレンの町の前で、タパジョス川という支流がアマゾン本流に合流しており、合流部の川幅の広いことで有名な川だ。アマゾン川の支流であるが年間流水量は22,000トンで中国最大の川、長江を超える。この川は、対岸まで横断するのに船で一時間以上もかかり、対岸が見えないことからも、その広さの規模が伺えるのではないだろうか。このタパジョス川を船で上流に進むと、丸一日でイタイトゥーバという町に着く。この川岸の町から数キロ上流に、船の往来を拒否するように、滝が控えている。滝といっても、落下高度のある日本で考えるような滝ではなく、恐らく地層の断面のずれによってできた数メートルの落差があるだけの、幅の広い滝だ。その落差の滝によって、船が遮断されてしまう。この滝の存在から、上流へは大型船が入れないため、滝の上流は現在でも未開の地域のまま現存されている。そういう条件があって、この地域は古代からの原始林が鬱蒼と続き、現在では数少ないアマゾン地域の秘境地帯となっている。しかし一方、この地域のすべての河川は砂金の宝庫なのだ。アンデス山中その源を発し、大西洋に注ぐアマゾン河総延長8300km、ナイル川よりも1610kmも長く水系のネットワークの流域面積は705万平方キロメートルで南アメリカ大陸の40%以上を占めており世界第2位のコンゴ川の約2倍もある。さらに驚くのは年平均流水量だ22万5000トン世界2位以下の13大河をあわせた以上の流水量何もかも断トツの世界一の超大河アマゾンスケールは世界の大河とはまるで違う。幻の源流はアンタレナンス付近のアルペンチノ湖付近の山の氷河が源流となっていることが分かってきた。オグリマップ川よりさらに下流のウカヤリ川に合流している強い流れが発見されてこの川がアンデス山脈の氷河の下側を縫うように流れて合流していたのだ。この川はなんと南米大陸アンデス山脈の最南端のアルペンチノ湖付近の山が源流だった。この付近はしょうがでグリーンランドや南極大陸状態になっている。海抜以下まで氷の山なのだ。幻のアマゾン川の源流といわれる、この山からは「15少年漂流記」で有名なハノーバ島が天気がいいと見えるそうだ。まだ探検中でなんともいえないが、これが本当だとアマゾン川の長さはなんと2万KM以上にもなる。イタイトゥーバの前を流れるタパジョス川は、約二百キロ上流に上ると、川名をテーレスピーレスと変える。このタパジョスからテーレスピーレスに川名が変わる地域が有名な砂金地帯で、現在でもガリンペイロ(金採掘人)たちが多数集まって、タパジョス川に注ぐそれぞれの支流に、やたらにガリンポ(金採掘場)を設けている。
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