[10581]然も有らば有れ - 投稿者:繰る名
全てを背負い、生きていくことになったあの日から。
…俺は抜け出せていたでしょうか?
貴方の慈悲に縋ってばかりだった幸せな時間は、きっと。
…俺を閉じ込める檻を作るのに十分でした。
…希望を見つけたんです。
糸が絡まった傀儡の、唯一の光。
そこには貴方がいて、花も鳥も空の色でさえも自由で…。
きっと、この心を繋いだ鎖を解き放ったと、錯覚していたのでしょう。
いつか来るはずの終焉も、醜く流れる時代の波も、此処には遠い場所だったのだと。
…全ては幻想でした。
だって今此処にあるのは血濡れた汚らわしい自分と幾人をも無残に斬ってきたこの刀だけ。
ね?今まではただの空想だったんです。
暖かな日差しも優しく微笑むあの人の姿も。
目の前にあるのは血肉の塊。
もはや人としての器では無くなった負け犬共。
鈍く光る刀に映った己の姿は、鬼のようでした。
そして俺は嘲笑うのです。
嗚呼、血だけではなくその運命も受け継がれるものなのだと。
本当は。
もっと貴方と共に居たかった。
追ってくる醜い自分を振り切って、貴方のもとへ。
それでも…
貴方ヲ守レナカッタ自分ヘノ罪トシテ。 俺ハ地獄ニ住ミツイテ鬼ト化スノデス。
(
2009年12月15日 (火) 23時28分 )
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- RES -
[10582] - 投稿者:繰る名
大切な大切な守りたいものがあった人がそれを失ってしまったら…
とても悲しくて、綺麗だと思います。
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2009年12月15日 (火) 23時32分 )
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