新潮社 1995〜1998年
国民航空の社員 恩地一の波乱万丈の人生を描く
同期でライバルでもあった行天四郎が
社内でエリートコースを進んでいくの対して
恩地は組合で真実をつらぬいたがために
数奇な運命をたどることになる。
組合の実態、会社の規則、実際の現場が
どのようなものか、実際はわからないけど
主人公の立場で見ると何度も憤りを
感じずにはいられなかった…(><)
正しいことをするとなぜこうなるの?
誰が正しいか一目瞭然なのになぜ?
これが現実の社会なのかなあと思うと
最後の最後まで悔しい気分になった。(T^T)
でもひたすらそれに挑む?恩地さんにもかなり脱帽(^^;
普通なら見きりつけてそうなのにすごいよねー。
大和魂なのか昔ながらの日本人的性質なんだろうか…
3巻で日航機墜落事故の現場がリアルに描かれるが
文章だけなのにそれでさえ目を背けたくなるような
残酷な光景だった。当時のニュースの記憶はあるけど
実際の現状の様子はあまり知らなかっただけに
この事故の部分を読むとあらためてショッキングだった。
遺族の悲しみ、怒りはもっともだったと思う。
起こってしまった事故は最終的には不運な事故と思うしか
ないのかもしれないけど、せめて責任者たちには、
現場を見て認めることは認めるべきではないだろうか?
あくまでこの作品を読んでの個人的感想ですが…(^^;
この作品に出てくる中で唯一心が安らいだのが
恩地さんと恩地さんを信頼してる組合の人々たち。
そして国見会長だったんだろうなあ。
物語の最後の最後までひっくりかえしてくれたけど
恩地さんと国見会長の出会いは決して無駄では
なかったと思いたい。恩地さんがしてきたことも含めて。
最終的に彼はふたたびかの地に行くことになるけど
いつかきっとそれが報いられるときが来ることを
願いたい、信じたい…と切に思いつつ読了しました。
山崎さんの作品初めて読んだけど、長いだけあって
疲れたのと(笑)読み応え十分でした。(*^^*ゞ
最後にひとつだけ報われたこと…ラストの行天さん(笑)