古い祖母の家、草草の生い茂る庭。
染め織りに心轢かれる4人の娘と
不思議な人形にからまる縁。
何かを探すためでなく、
ただ日常を生き抜くために・・・。
(本書帯より)
梨木さんの本は丹生都比売以来です。
帯を見て不思議な気分になれるような気がして
手にとってみました。
人形のりかさんも家族のひとりとして
そういう感覚から始まるこの物語。
いりいろと行く末に期待しつつ読みました。
実際はそれほど不思議でもなく
夏の午後にひとりでいるような?
そんな気分になりそうな気もしたけど
かといってそうでもなく・・・(^^;
帯の最後にも書いていたように?
日常の生活がお話になっています。
人形と話せるのが不思議という感覚でもなく。
最初少し江國さんの小説の雰囲気を
想像してたんです。なんとなく・・・
でも意外に普通でした(笑)
人形と会話できる感覚もうなづける感じ・・・
4人の娘たちのそれぞれの生き方。
すごくいろいろな経験に見えるけど、
普通に出会ったできごとにも思えてしまう。
不思議な縁も実はああそういうことも
ありうるかな?みたいな気分で読みました。
たぶん梨木さんの描き方なんだと思います。
クライマックスでりかさんが炎に包まれる
シーンがありますが、なんとなく想像してみて
不思議とこわい、という気持ちになりませんでした。
実際目で見たとしても・・・きれい、なんて
思ってしまいそう・・・なぜだかわからないけど。
みんな個性があるけれど個人的には
蓉子さんのカラーが私は好きでした。
これからはりかさんとどんな風に
言葉を交わすのかな?なんてちょっと気になりつつ。
また明日からの日常が普通に始まるような
予感でこの作品を読了しました♪