文藝春秋 2004-09-25
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山奥のクラシックホテルで毎秋開かれる豪華なパーティー
その年、不吉な前兆とともに、次々の変死事件が起こった
果たして犯人は・・・。(本書 帯より)
↓ここからはネタバレありです↓
『この殺人事件は真実か幻か!?』
↑これも帯に書かれてるんですけど・・・
この一言に尽きてるかも(笑)
ぞくぞくするようなミステリー小説と思ってたけど
ふたを開けてみると・・・あらら?
第一変奏ではかなり思わせぶりな始まり方だったのに・・・
変死事件だけでなく、近親相姦からホモまで〜(^^;
第2変奏からあれ?と不思議に思い始めて
第3変奏でえ?これってひょっとして?
第4変奏になるとパターンを理解して(笑)
第5変奏ではでもなぞがまだ残されてるはず?
1年後の第6変奏にひたすら期待してたのはオチ☆
だけどラストに描かれてたのは???
ええ〜こんなのあり?みたいな。ちょっと拍子抜け。
第一、第二変奏あたりがかなり思わせぶりだったし・・・
盛り上げつつ、すとーんってテンションさがっちゃったよ。
それにしてもややこしい。誰の視線で描かれてるのか?
心の中に想いとどめてることなの?
そうではなくて、赤裸々に言っちゃってる?
そんなことまで言っていいの???
こういう描き方はストーリー的にはおもしろい。
三人称他視点という描き方が、恩田さんは、
あとがきで一人称より自分は書きやすいからと
言ってるけど・・・小説としては読書から見ても魅力感じるよね。
初めて読んだ『蛇行する・・・』で拍子抜けしたイメージで
しばらく読むつもりなかったんだけど、恩田さんのカラーを
最近理解できてきて、ある種の期待感を最近感じてます。
この作品も上の感想読むと、おもしろくなかったの?と
想われるかもしれないけど・・・全体の構成を考えた上での
オチ☆と思ったら・・・なるほど♪そういうことだったのかと
なんとなくわかってきました。あのオチだからこそ、
各変奏が成立するみたいな。私の解釈が合ってればだけど(笑)
以下ネタバレになっちゃうけど、途中ややこしすぎて
少しだけメモっちゃいました(*^^*ゞ
第一変奏 時光の視点×被害者桜子
第二変奏 早紀の視点×被害者丹伽子
第三変奏 降介の視点×被害者伊茅子
第四変奏 天知の視点×被害者末州子
第五変奏 桜子の視点×被害者伊伽子未遂×犯人瑞穂
第六変奏 辰吉の視点×妄想相手桜子
ネタバレバレですね。(笑)
イチバン最後の文字がすべてってことかなあ。
それにしても今入力しながら気づいたけど
変わった名前の漢字多いですね(^^;
書評をさっきネットで見ていたらあまりいい感想を
多く見かけませんでした。消化不良だからかしら?
ミステリーとしてはやっぱり納得いかない部分もあり?
帯には変死事件って書いてるのになぜ〜みたいな。
ただここまですごい妄想も犯罪のひとつと考えてみたり。
タイトルの薔薇がどこにリンクするのかわからないままですが。
書き手と同じく、読者も視点を変えて読むと
見えてくるものがあるような気がしました。(#^^#)
ひとつ惜しかったのは・・・最初の方では桜子と時光に
すごく魅了されるものがあったのに、あのオチゆえに?
なんかふつ〜の人に見えてきちゃいました。(><)
だけど妄想といえど、お互い言い合っていいものかなあ・・・
な〜んて考えつつ、いろいろ感想できる作品でした♪