2006 / 08 / 17 ( Thu ) 17:59
松本 清張 (2005/12)
新潮社
割烹旅館で働く31歳の成沢民子は、
脳軟化症で回復の見込みのない夫・寛次に縛られた暮しを
若さの空費と考えていた。
彼女は赤坂のホテル支配人・小滝にそそのかされ
夫を焼殺し、行方を絶つ。
直感で民子を疑った刑事・久恒はその行方を追ううち、
民子への欲望をつのらせ、政財界の黒幕・鬼頭の女に
なっていることを突き止める。
人倫の道を踏み外したものがたどる<けものみち>とは。
(本書より)
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松本清張さんの本はこれで3冊目。
昔・・・ドラマで見たとても暗い風景のあの作品を
読んでみたいと思いつつ、『砂の器』、『点と線』を読了。
最初『点と線』と思っていたけど違う感じ・・・???
『けものみち』というタイトルがこのストーリーの
すべてを的確に表していると思いました。
その通りけものみちに入ってしまった主人公民子を始め、
この作品に出てくるすべての人たちもけものみちへ
落ちてしまった・・・ように感じます。
そしてその行く末は誰も残酷でありました。
私はドラマ、を見ていませんが、ウェブサイトで見る限り、
俳優さんと原作のイメージはほぼビンゴ!でした♪
特に小滝氏=佐藤浩一さん、鬼頭氏=平幹二郎さんなど。
↓以下ネタバレになるかもしれません・・・↓
松本清張氏の作品の中では珍しく?
刑事役の久垣の行く末はかなり過酷、残酷でした。
過去2作品しか読んでないから他の作品は知りませんが。
松本さんのサスペンスってよく2時間ドラマになるでしょう〜。
あれに出てくる刑事さんって物静かで冷静な判断をするタイプの
人が多かったから今回もそうかなあと思ってたけど・・・(--;)
けっこう貪欲な方でしたねー。久垣氏って。
ドラマでは仲村トオルさんが演じてたそうですが、
最後は胃がんでなくなるとか?
原作と全く違うのでびっくり!
原作よりかなりいい方に描かれていたのではないでしょうか。
一番のブラックホールはやっぱり小滝氏なのでしょうが、
最初からえらくかわっちゃいましたねえ。
かなり魅力的な人物でもあったのですが・・・
なかなか下心大有りな方だったんですねえ。
佐藤浩一さんの演技も見てみたかったですけど・・・
何気に想像できちゃいました(*^^*ゞ
原作を少し流し読みしてしまったのですが、
公団の理事さんでしたっけ?の失踪事件のところが
よくわからないまま終わってしまいました。
主人公はあくまで民子の生き様なので、
半分はどうでもいいところもありましたが(笑)
少し以外だったのは秦野氏ですね。
原作では鬼頭氏と同年代の老人とかかれてますが、
ドラマでは吹越さんでしたっけ?若すぎます〜〜〜。
イメージが???になってしまいます。
かなり悪者のひとりではあったと思いますが、
人物の魅力は小滝氏同様感じましたねえ。
ドラマでは最後民子がけものみちに一度入ると
逃れることはできないーというくだりで終わるそうですが・・・
原作では・・・亡くなったのでしょうか?(謎)
なんとなくしぶとく生き延びていくような気もしつつ。
彼女も考えてみると殺人を犯してるのに、
あまりにもいろんな経験と人に出会ったせいか、
最後の方になるとすっかり忘れて読んでました・・・私(笑)
結局のところ、ここに出てる人たちすべてこわい!です。
よくよく考えると・・・けものみち・・・悪の道かなあ。
ところでこの時代背景は・・・昭和20年代・・・でしょうか。
この辺もドラマでは現代版にしてしまうと思うので、
原作のよさを再現しづらいものがあるかなーと感じます。
今回原作を読んでHPを少しのぞいていましたが、
鬼頭氏のおうちの写真・・・なかなかリアルでしたね♪
最初に言ってた私が読みたいなあと思ってたドラマ。
・・・なんとなくゼロの焦点の気がします。
いつか読んでみましょう(^^)/
氏のミステリーは読み応えがあるので好きな作家とまで
いかないけど、また読みたいです。
ちなみにドラマ化の方は・・・私にとっては×ですね(><)
絶対原作がいい!デス。
中居くんは好きだけど・・・砂の器のドラマは×でしたもん♪