2007/03/18 (Sun) 18:15
宇宙のみなしご
森 絵都、杉田 比呂美 他 (2006/06)
理論社
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不登校のわたし、誰にでも優しい弟、
仲良いグループから外された少女、
パソコンオタクの少年。
奇妙な組み合わせの4人が真夜中の屋根のぼりをとおして交流していく…。
(本書より)
図書館で見つけたので借りてみました。
小学校の頃、読んだ本に書いてた
高学年用、中学年用、低学年用という表現が
とても懐かしく感じました♪
ちなみにあの頃は本読むのダイキライ−でした(笑)
不登校、オタク、ちょっと暗いイメージにもなりそうですが、
物語はとても明るく軽快な雰囲気を出してます。
というのも、主人公の陽子の性格からかなと思います。
不登校なんだけど、ちょっとかっこいい女の子ー。
私は不登校ってしたことないんだけど・・・
正直言うとする勇気がなかったってのが本音かも。(^^;
それが結果としてよかったのかどうなのかわかりません。
陽子の不登校はなんとなくからっとしてた。深刻に感じなくて。
行こう!って思ったら簡単に切り替えのできる子って気がしたから。
でも私はどちらかとういと
七瀬綾子ちゃんのタイプなんだろうなあ。(笑)
中学生ころってグループとか意識しちゃうでしょ。
時々どこにも属さずマイペースでやれる
陽子のような人っているよね。
その陽子たちが始めた屋根のぼり。
決していいことではないし、
実際あぶなすぎることではあるんだけど。
この頃の年代ってあぶないことを
あえて挑戦してみたくなっちゃう。
家出とかもそうだよねー。
これまた私はしたことないんだけど。
屋根のぼりを通じて、
中学生事情がすごく現れてるなって感じました!
あぶないことをあえてする、
そこに芽生える共有感というか友情というか。
好きじゃないタイプだったのに、
接してるうちに、変わっていく気持ち。
なんで好きじゃないタイプかっていうと、
キオスクはオタクだったから。
私が読んでても変わった子だなあと思えたし、
ちょっとひいちゃうタイプ。
七瀬さんは、若草物語のベスタイプー。
憧れる対象ではないかな。
主人公の目線でいくと、
きっと最初はこんな気持ちだったんだろうなと思う。
でも屋根のぼりを一緒にしていくうちに、
そのきっかけで話すようになったことも
重要なできごとなんだろうけど、
読んでる私の方も気持ちが変わってきたかも?と思えました。
人と人ってきっとそうなんだろうと思う。
お互いが接して初めてわかることもたくさんあるし。
自分が抱いてた相手に対するイメージって
案外違うことも多いし(笑)
視点が中学生ってことで、思春期の気持ちと
屋根のぼりがリンクされてて、
たぶん大人だったらそういう気持ちがあっても
態度に出さないのに、
中学生の頃だと、ストレートに気持ちをぶつけあってしまう。
それがいい結果につながることも多々あるんだろうけどね。
逆も確かにありますー。
だから大人は言わないんだろうね。(^-^;
屋根のぼりのできごとを大人たちに話すことが
どういう結果を及ぼすかー。
自分が大人だからまあ、想像はできるんだけど(笑)
それでもあえてその選択を選ぼうとする陽子の言動や行動が、
この物語の一番大切なことだったんじゃないかなーって思います。
大人になると、こういうことで
悩んだり考えたりする機会は少ないのかもしれません。
でも、出来事は違ってても大人ゆえに
考える機会を持つことは大切だよね。
すっかり忘れちゃってるこのころの考え方や気持ちって
実はすごく重要な鍵を持ってるのかもしれないって。
・・・読後そんな風に思えました。
うまくまとめられなかったけど、
ひとことで言うと陽子の生き方は
今の私が見ても好きだな。(*^^*)
大人だとこんな風にストレートにことは
運べないかもしれないけど、
考える機会は持ってみたいなって思いました♪
私のお気に入り度 ★★★★★