DATE:2007/06/09(土) 15:09 CATEGORY:作家:マ行
名もなき毒
宮部 みゆき (2006/08)
幻冬舎
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どこにいたって、怖いものや汚いものには遭遇する。
それが生きることだ。
財閥企業で社内報を編集する杉村三郎は、
トラブルを起こした女性アシスタントの身上調査のため、
私立探偵・北見のもとを訪れる。そこで出会ったのは、
連続無差別毒殺事件で祖父を亡くしたという女子高生だった。
宮部さんの本を読んだのは・・・3年ぶり?
数年前夢中になって数々読んでたころが懐かしい!
いっとき読みのが億劫になったことがありました。
『理由』を読んだころ。(出版時期とは違います)
あんまり深く読めなかったので実はおもしろかったのに、
入り込めなかったかも?と思ったりもしてるもですがー。
かなりいろんな人がおもしろかったって言ってるのに・・・
自分の中ではちょっと悔しかったので読むのやめたとこも☆
さて、3年ぶりに読み始めたら読みやすくて。
さらさらと通勤中にも読めるは〜なんて思いつつ
でもちょっと心当たりのする部分があって?
あれ?と思いながら読み進めていくうちにー
以前どこかで似たような作品に出会った気がしたんです。
固有名詞は覚えてないけど、コンチェルンとかその辺り。
表現のくだりがとてもよく似ていて。・・・そのうち気づきました。
たぶん、これ、『誰か』のシリーズ化?だよねえ?
『誰か』の自分の感想を読んで何気にああ、そうか〜と。
固有名詞は書いてなかったので確信とはいいがたいけど(笑)
というわけでその感想見てると、かなり類似点が多いというか。
被害者も似てる、登場人物も似てるような気も?(^^;
今回の作品にはいろんな毒がしかけられていて。
毒といっても目に見える形のある毒だけじゃなくて。
大きいものから小さいものまでリアルなものから形のないものまで。
世の中には実はいろんな毒が存在するんだって。
まあどれも毒という言葉で表現すると、そうなるのかもしれないけど。
からみあって関連性があってと思ってたらそうでもなくて。
個人的にいうと一番毒を感じたのは原田いずみの存在かなあ。
言葉の毒は一番重く感じました・・・
ただ実際犯罪として大きくなってしまうのはあくまで形の毒でしょうが。
原田いずみと毒物をいれた犯人と(名前覚えてなくて(^^;)
どちらがひどい?どちらがいたい?
フクザツですね。こういうの。
恨み度が大きい人より小さい人の方が現物の毒をしかけたってこと。
動機よりも結果次第というか。
じゃ、言葉の毒の方がいいの?って言われると答えられませんが。
どっちがつらいか。で決めることじゃないんだろうけど。
でもやっぱり人の命を奪うことは
たとえどんな理由がそこに存在していたとしても
その人がある人に対してはどんなにいいことをしたとしても
許されないことなんだと思いました。
作品最後の方で探偵さんが亡くなるでしょー。
人が亡くなるって深く考えると・・・なんとなくね。
一番大きな大切なものだと思うんです。ー命
こういうの答を言おうとすると・・・難しいよね。
うまく表現できないです(^^;
でもこんな風にいろいろ考えられる作品って私は好きです。
宮部さんのミステリーは最初のころに比べると
なんとなく何かが変わってきたような気もします。
ひょっとしたらそれは宮部さんのカラーではなくて
私の感じ方の問題なのかもしれません。
こういうミステリーもいいなって思いました。
ミステリーがいいってのもなんだかな・・・ですけど(笑)
まあその辺はさらって流してくださいませ♪