『いつかパラソルの下で』森絵都
いつかパラソルの下で
森 絵都 (2005/04/26)
角川書店
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柏原野々は雑貨店で働く28歳の独身女性。
厳格な父の教育に嫌気がさし、成人を機に家を飛び出した。
そんな父も死に49日の法要を迎えようとしていた頃、
生前父と関係があったという女性から連絡が入る……。
森さんの児童文学以外の作品って
他にも出てるのでしょうか?
永遠の出口に続いて2冊目読んでみました・・・
読後感 最初に感じたひとこと。
身内ってやっぱりいいもんだなぁって
純粋にそう思えました。
今頃になってそんなことわかってしまってさあ。
知らなければよかった、
何もわからないままでよかった、
そういう気持ちもある一方で。
知った以上はそれはそれでよかったのかなぁーって。
なんとなくそれが父親のことだと抵抗もあるんだけど。
でも、父親といえどひとりの人間だし。
生前それを知られないように父親が家族に
だまっててくれたことも
ある種の優しさだったのじゃないかなあって。
そんな風にも感じました。
子供たちにこんなにざくざくと掘り返すように(笑)
真実を知られちゃって、
お父さんはあの世でさぞあたふたしてるんじゃないかなー
楽しいって言うと語弊があるのだけど、
家族はいいなあって思えるような作品でした。
身内が亡くなって一年って
実感がわかない部分もあるっていうか。
そういえば家に帰っても会えないなあみたいな。
なくなってるって事実はわかっていても
どこかでまた会えるような気がしてしまうというか。
亡くなった直後の悲しみは落ち着いてるものの、
さみしさが時々じわじわっと感じ始めてくる頃だと思うんです。
そういう時期にお父さんのスキャンダルを知ることは、
ちょっと心がざわざわするような気分になりそうだけど。
時期が時期だけに腹立たしさもあるんだろうけどね。
生前厳しすぎる人だと余計にねぇ。
特になんともなしに、大きなイベントがあったわけでもなく、
ラストも自然な形で終わったかなあという感もあるんだけど
私の中ではとてもいろいろ考えてみる機会があって。
すごく読み応えのある一冊でした♪
彼氏と元通りになれてよかったねぇ。
それが一番読んでてうれしくなった場面かなぁ。
最後に
お父さんにも見せてあげたかったねぇ
・・・とほんの少しさみしさを感じながら。
読み終えました。
生きていればいろんなことがあるんだよね。
ちっちゃなことでも身内のことだったらすごく大きく感じたり。
こころがざわざわすることも聞かされることがあったり。
いらんことも耳に入ってしまったりー。
何のために?ってわけでもなく、父の故郷をたずねてみたり。
それもすべて今自分が生きているゆえなんだと思う。
もちろん私のこの本に出合えたっていうのもね。
森さんの世界、また一歩親しみがわきました。
次は何を読もうかなあ。
あ、ちなみに今DIVE!読んでますぅ〜(((((*^o^*)♪
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