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タイトル:次元を超えて・・ オリキャラ(自分を含む)によるオリジナルワールド

やり直しの投稿です。
いくらか、訂正したい部分があったので、再びこうしています。

夜魅 2014年07月30日 (水) 22時37分(3005)
 
タイトル:傾向&テーマ、世界観&シナリオ、戦闘シーンや雑談

※簡単な作品の紹介です。

【作品の傾向&テーマ】

ジャンルとしては、ファンタジー、バイオレンス、グロテスク、エロス、鬱になる描写も多く、ギャグ描写やネタ、メタ発言もいくらか含んでいますが、全体的にハードでシリアスな作品になると思います。
作者の私が中二病なので、時折、そんな感じの表現も見られます。
また、BL(ボーイズラブ)GL(ガールズラブ)などの同性愛(ホモセクシュアリティ)が見られる事もあります。
ですが、基本的にはNL(ノーマルラブ)です。
恋愛描写は純愛系は鬼畜系と違って、あまり書いていませんが、しっかりと書きます。
テーマは壮大で善と悪、人間の悪意と狂気、種族間での争い、異端への迫害、家族愛、仲間や師弟との絆、弱者の成長、輪廻転生、と言った感じです。
また、かなり長い作品になる予定ですので、スピーディーな展開を求める方には少し向いてません。

【世界観&シナリオ】

世界観は少し曖昧ですが、少なくとも現実的ではありません。
ファンタジーな要素も見られれば、ライトノベルなどでよく見かける学園モノの要素もあります。
まぁ、ドラゴンボール好きなので、宇宙などに出る要素もあるでしょうね。
作品が進むごとに壮大になっていきます。

【戦闘シーン】

RPGでよく見かけるような武器、魔法が主ですが、ワンピースなのでよく見られる能力バトルもあります。
こうなると、ドラゴンボールでよく見かける殴り合いは少ないと思います。
何ともお粗末な文章ですが、期待してくれれば嬉しいです。

【作者コメントと雑談】

ジャンプ三大原則である『友情』『努力』『勝利』を上手に書ければ良いな、と思っています。
上に書いた暗いテーマに埋もれがちですが、少年漫画でのこういう展開は良いですよね。
王道的なのが、とても好きです。
ですが、勧善懲悪はあまり好きではありません。
より良い作品にしていく為に頑張ろうと思います。

PS:変更など、曖昧な点が見られますが、温かい目で見ていただければ嬉しいです。

では、夜魅でした。

夜魅 2014年07月30日 (水) 23時06分(3006)
タイトル:登場人物の紹介

※主要人物の紹介です。
オルステッド、ストレイボウは本作の鍵を握る重要なキャラクターです。

クライド・・本作の主人公。天空族(天使)と地球人(人間)のクォーター。
英雄と呼ばれ、慕われているオルステッドの孫であり、今尚彼を尊敬している。
前向きな思考の持ち主で基本的にはクール且つ冷静沈着であり、慌てる事は滅多に無い。
親譲りの正義感を持ち、仲間思いで仲間を傷付けた者には容赦は無い。
また、厳しい状況でも決して諦める事無く、決めた事を守ろうとするなど、強い意志を持っている。
基本的にはしっかり者で責任感も強いが、少し気分屋でマイペースなところがある。
セティアに対しては、非常に一途で彼女が危険な目に遭った際はすぐに助けに行く。
また、クールな性格だが、口数は割と多めで遠回しな発言を嫌い、誰に対しても直球且つストレートな物言いをする。
一人称は一定して、『俺』。
淡い茶色の髪にやや淡い緑色の横長の目が特徴のイケメン。
年齢は16歳。

セティア・・本作のメインヒロイン。凶魔族(悪魔)と地球人のハーフ。
オルステッドと共に英雄に慕われているストレイボウの娘で彼を畏敬している。
世界を大きな存在と考え、自分の小ささに日々嘆き、悩む内向的な性格。
真面目で困った人を見捨てられないなど、心優しく、素直な性格の反面、嘘や隠し事が人より苦手で問題を抱えやすいが、クライドの前では年頃の女の子らしい一面を見せている。
クライドとは両思いであり、自分を助けてくれる彼に対して、非常に感謝している。
また、臆病ではあるが、ピンチの際は「逃げていたら、何も変わらない。」と自分に言い聞かせ、奮い立たせるなど、熱血的な一面も持っている。
普段が穏やかな分、怒る時は別人の様に怖く、例え誰が相手だろうと怒りが頂点に達した際は感情に任せて怒鳴る。
一人称は一定して、『私』。
オレンジ色のロングヘアに縦長の水色の目が特徴の美少女。
年齢は16歳。

バイザー・・クライドのライバルで殺し屋。純血の凶魔族。
実の親からは生まれてから、すぐに捨てられたが、とある殺し屋の元で拾われた。
生まれ育った複雑な環境や暗殺者の経験故か、荒んでおり、好戦的且つ冷酷非情な性格。
戦闘では、合理的且つ冷静だが、実力主義者で利己主義者且つ目的の為なら手段を選ばず、躊躇や容赦を見せない。
反面、慎重で上には上がいる、と言う事を心の内に止めており、元来の研ぎ澄まされた直感力は悪い意味でも作用しやすく、敵の底力を理解して、呆然自失になったりとプライドは高いが、諦めの早いところや無気力なところもある。
基本的に人に対する態度はシニカルなものだが、信頼した相手には思いやりを見せる。
一人称は一定して、『俺』。
黒髪の程良く伸びた髪を縛っており、赤色の横長の目が特徴のイケメン。
年齢は16歳。

真紅・・クライドの側近兼部下(クライドは仲間だと思っている)。純血の竜神族。
雌雄同体と言う自分の身体の性質に疑問を抱いており、女性に間違われやすい容姿を若干、コンプレックスに思っていて、間違われた場合は即座に否定する。
生真面目で冷静沈着且つ論理的で物腰も柔らかく、敬語を使う紳士的で謙虚な性格。
だが、生真面目な性分のせいか、神経質でプライドが高く、頑固で融通が利かない他、表面上には見せていないものの、ふとした発言から地球人を初めとした者を見下している。
また、慇懃な態度のまま、毒舌や皮肉を吐く事があり、(そう言った意味では直球な物言いをするクライドとは正反対。)主人のクライドに対しても容赦が無い。
ふとした事で故郷に置いて来た病弱な弟を思いやるなど、肉親の情が深い。
一人称は基本的には『私』だが、時折『俺』になったりする事も。
金髪の腰まで届く長髪に猫の様な縦長の瞳孔が入った赤色の横長の目が特徴の中性的な美形。
年齢は不明。

ルーシア・・バイザーと共にいるミステリアスな雰囲気の女性。純血の月天族。
情報収集を得意とし、裏社会に通じており、とある組織のサブリーダー的存在である。
冷静沈着で頭脳明晰且つ、記憶力抜群で頭脳戦を得意とするなど、知的な性格で常に泰然自若としていて、冷静な判断を下す。
敵に対してはバイザー同様冷酷だが、味方に対しては穏やかで的確なアドバイスを送るなど、しっかりしているが時折、天然で抜けたところがある。
基本的には常識人で高い社会性を持つが、過酷な人生を送ってきた為と能力のせいか、不吉な発想をする事が多く、真顔で恐ろしい発言をする事も多い。
肉親の母親を大切に思っており、共に行動する年下のバイザーをからかいながらも気にかけている。
一人称は一定して、『私』。
淡い茶髪の腰まで届く緩いウェーブのかかったロングヘアに水色の横長の目が特徴の美女。
年齢は25歳。

キリト・・バイザーの数少ない友人であり、親友。純血の天空族。
まだ幼い少女の神に使えている優秀な側近にして、幼き神達の教育係をしている。
あらゆる分野でもそつなくこなせるが、決してそれを誇示する事の無い謙虚な性格。
礼儀正しく、物腰柔らかで温厚且つ慎重でバイザーとは対照的にあまり大きく出ることは無い事からか、良く言えば慎重、悪く言えば積極性に欠ける事を自覚はしている。
戦闘においては、女性と(自身が未熟と認めた)子供とは戦わない、と言う信念を貫いており、その様な相手を倒さなければいけない状況下では、相手の武器を壊したり、攻撃を回避して、相手の気力と体力が無くなるのを待ち、それ以外の相手でもまず、説得や話し合いを試みるなど、平和主義者である。
一人称は一定して、『僕』。
青色の髪に金色の縦長の目が特徴の童顔なイケメン。
年齢は16歳。

ガイル・・クライドの『自称』ライバル(クライドは喧嘩友達だと思っている。)地球人。
名の通ったヤンキーでヤンキーの間で彼を知らない者はおらず、そこら辺のヤンキーは彼を見たり、名前を聞いただけでも怯える程の有名だが、クライドに突っかかった結果、一撃でKOされてからは彼に喧嘩を売っている。
常にだるそうにしており、誰に対してもぶっきらぼうで攻撃的且つ気性の荒い性格。
この様な好戦的で喧嘩っ早いところがあり、周囲からは煙たがられているが、仲間の為に尽くすなど、兄貴的で面倒見が良く、弟分のヤンキーからは好かれており、信頼も厚い。
仲間思いでもあるが、家族思いで特に既に他界した母親に代わり、家事全般を担っている姉や病弱な妹を気遣っていたり、比較的常識的な発言も多い。
アルルに対しては、素直になりきれないが、異性として大切に思っている。
一人称は基本的には『俺』だが、たまに『俺様』になる。
赤色の逆立った髪に金色の横長の目に鋭い目付きで三白眼が特徴。
年齢は17歳。

アルル・・クライドとセティアの親友であり、ガイルとは恋人関係。地球人。
優秀な魔法の使い手だが、まだ発育途上であり、魔法使いの卵と言う状態である。
明朗快活で人当たりが良く、素直で明るくサッパリとしており、喜怒哀楽をはっきりと顔に出す元気でムードメーカー的な少女。
好奇心半分ながら、親友のクライドとセティアの仲を気にしたり、バイザーやルーシアの間を気遣ったり、と周囲への気配りを絶やさない友人思いな性格。
周囲から煙たがられているガイルに対して、普通に話し、今の恋人の様な関係になるなど、非常に肝が据わっており、度胸もある。
しばしば口調が急に変わり、会話の節々に様々なしょうも無いネタを混ぜ込む癖がある。
ガイルに対しては、遠慮の無い付き合いをしながら、彼に積極的にアプローチしている。
一人称は基本的には『私』か『あたし』だが、親しい人物の間では『僕』を使う事も。
明るい栗色のセミロングに青色の縦長の目が特徴の美少女。
年齢は16歳。

登場人物との関係や家族構成などの詳しいところはまた雑談で書きます。

夜魅 2014年08月15日 (金) 09時24分(3028)
タイトル:プロローグ

※以前とそれほど変わらないプロローグです。

それは、遠い昔の事であった・・

この世に繋がる『存在』の全てが、『永遠』の『皆無』で、ただ、『闇』が広がる空間でしか無かった時の事だ。

突然、気まぐれに『神』が現れ、『光』と『闇』がお互いに覆い始めようとする『混沌』の世界となっていた。

かくして、『宇宙』が生まれた。

そして、神はその光と闇を分け、光を朝と呼び、闇を夜と呼んだ。

それが対照的な存在となっていく様に・・

美麗が、醜悪である様に・・

華麗にして、汚濁である様に・・

清浄で、混沌である様に・・

全て、そうなる様に・・

そう、当たり前の様に・・


『創造』が『破壊』である様に・・


いつしか、人々は欲望を持ち始め、長い悲劇と戦争が始まった。

その人々と神々の間に存在するのは深い奈落・・

彼等はそこに滑り落ちるしかない。

・・なのかもしれない。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

これは、様々な因縁と輪廻が混沌とした悲痛な物語。

運命に選ばれ、導かれていく者達。

そして、その中心となる過酷な宿命を背負った青年の存在。

全ての『真実』を解き明かす長い冒険が今、始まろうとしている。

夜魅 2014年09月27日 (土) 20時42分(3039)
タイトル:花の園の夢物語

※さぁ、始めからのスタートです。
なるべく、誤字や脱字が無い様にしていきたいですが、間違っていたらごめんなさい。

・・何も変わらない日常は、神様がくれたもの。

・・大量の人が死ぬ日も、神様がくれたもの。

プクッ・・

ポッワワッ・・!!

突然、かすかな羽音にも似た機械の振動音と緩やかな水音が聞こえてきた。

だが、何故だろうか?

自分の視界には何も映らないし、何も見えてこない。
ただ、布団に潜った時の様に暗い空間が見えるだけだ。
そう、そこには何も存在しない暗闇の世界で自分は閉じ込められているような空間。
でも、よし寝るぞ!と布団に潜り、目を閉じれば、意識が遠のいていくのを待つ様に居心地の良い空間でもあった。
何も考えずに、ただ、時間だけが過ぎていくような気だるい感覚を覚えた。

・・そもそも、神なんて本当はいなくて、人類が神気取りなだけ・・

本当はこの世に正義も悪も無くて、人類が勝手に創り上げた、それだけの小さな事なのに・・

怨みや呪いの無い世界の筈なのに、当たり前の様に他者を非難して・・

「・・・・・。」

何処からともなく、不思議な声が聞こえてくる。
それは何処からかは分からないが、確実に鮮明に耳に響いてくる。
少し気だるかったが、何があるのかが気になる好奇心の気持ちが勝ったのか、ゆっくりと慎重に目を開けようとしていた。

「・・ッ!!?」

結晶の様な狭い何かに閉じ込められているのに気付き、彼女はアンニュイな余韻から意識を覚醒させ、目を覚ました。
あぁ、出来たらもう少しこの余韻と言うか、心地の良い感覚に浸っていたかった、と表面上は水が入った狭い空間の中で溺れて、息が苦しいと言うのに、中途半端に冷静な頭で一心にそれを思った。
あぁ、助けて、と言う言葉を思い浮かべる前に何故か、別の言葉が浮かぶ。

・・そんな連中が神様だなんて、私は絶対に認めない・・!

『では、貴方が拒絶しているものは何ですか?』

自分自身?それとも世界?

『人々は正しく生きようと必死ですが、それを『正しい』と決めたのも人類です。人々は悪に生きようと必死ですが、それを『悪戯』と決めたのも人類です。』

何なんだろう・・この声・・?

耳に鮮明に聞こえてくる透き通った女性の声が自分に問いかけている様だが、それを聞いたところで自分の現在の状況は何一つ変わらなかった。
寧ろ、この声に耳を傾ける度にどんどん苦しくなっている気がする。
呼吸をしようにも、息継ぎをするところが見当たらず、視界には闇が広がるだけで何も出来ない。
滝からの激流を上る魚の様に足をジタバタさせ、パニック状態に陥る。
濡れているロングヘアが水中で纏わりつき、とても気持ちが悪い。

お願い助けて苦しい無理もうこれ以上は息が続かないの助けて助けて助けてよ死んじゃう・・!

『貴方がそうやって、今苦しんでいるのは、貴方の中に強大な悩みが存在しているからです。貴方の悩みはきっとこの先、障壁にもなり・・貴方の全てを変える鍵にもなるでしょう。それを忘れないでね・・。』

ピキッ・・ピキキ・・


・・ガッシャーン!!!


「!!!」

結晶に卵の殻の様なジグザグのヒビが出来て、四方八方に飛び散ったかと思えば、雪の様に水となり、徐々に溶けて消える。
結晶の様な水槽の中にあった水も綺麗な花々にかかって、その水の衝撃を受けて、ゆらっと揺れて、濡れた。

「ケホッ!?ウッ・・あっ・・ハァ、ハァ・・!!」

水の中で呼吸が出来なかった、と言うのもあるせいか、オレンジ色のロングヘアは完全に濡れて、身体に纏わりついている。
表情は完全に慌てていて、結晶が割れた際に中にあった水が気管に入ってしまったのか、噎せて、咳き込んだ。
そのせいで顔が少し赤くなり、目は半開きで少女らしい可愛さと幼さが残る顔立ちだが、濡れているのもあってか、少し色っぽく艶めかしい雰囲気を出している。
例えるならば、海に入った女性が水で濡れたまま海から出ていくような・・そんな感じだ。
数分間の間、苦しんでいた少女の名前はセティア。
セティアは落ち着いて、呼吸を整えて、辺りを見回すが、結晶から見えた景色と何ら変わらない真っ暗な空間であった。
強いて変わっているところを言えば、暗闇には無数の星々が瞬いている。

『ここは貴方の望んだ世界・・私は、こことは違う空間にいます。無事に会えたら良いわね。』
「・・貴方は、誰・・?」

そう尋ねたが、答えは返ってこなかった。

夜魅 2014年09月28日 (日) 23時13分(3044)
タイトル:花の園の夢物語2

※さて、久しぶりの更新ですが、誤字や脱字に気を付けていきたいものです。
ネタバレですが、これはセティアの夢の中での話を再現したものですよ。

セティアと言う名の少女は、女性の声が聞こえないと分かると、仕方が無い、と思うと、やや痛む足に力を入れ、立ち上がる。
濡れた長いオレンジ色の髪を掻き上げ、取れかけた赤色のカチューシャを着け直す。
水色の澄んだ優しげな目は何処かに進む場所は無いだろうか、と出口を探し、動いている。

・・そもそも、ここは何処なんだろう・・?

そんな疑問が頭に浮かんだが、花畑を進んでいく内に硬質的な素材の金属で造られたであろう扉が現れ、疑問に感じたが、セティアは手を掛け、扉を開ける。
ギィ、と音を響かせ、扉から手を放すと、バタン、と閉まる。
そこに広がるのは、また似たような花畑があり、違いと言えば、花々に埋もれずにちゃんとした床がある事か。
その床も殺風景で、潔い程に眩い白だ。

「また、ドアを探さなきゃ・・。」

ハァ、とやや重い溜め息を吐き、一歩足を踏み出すと、途端にあの声が。

『力が無くてはこの先、貴女は進めない。貴女に勝てるのは、貴女自身・・。』

そう女性の声が告げると、1m程先に宙に浮いている目玉を模した・・いや、目玉のみの生物が現れる。

「ッ!?な、何コレ・・?」

ひぃ、と小さな悲鳴を上げた。
セティアは怯えているが、当然である。
まず、グロテスクな物が苦手な者からすれば、目玉だけの生物など、漫画でしか見たくないだろ
う。
それがいきなり現れるなど、嫌いな者からすれば、悪夢。
しかし、力が無くては、進めない、と女性の声はやや厳しい調子で言った。

ひょっとして、この声の主は自分を試しているのだろうか?

でも、何の為に?

何が、目的なんだろう・・?

そんな疑問を思い浮かべながらも、女性の声の正体が気になった。
これを乗り越えれば・・或いは、まだまだ自分は女性の言う障害を越えなければならないのだろうけど、セティアは女性の声の正体を突き止め、何故、ここまで連れて来たの?と聞き出す為に、前に進む為にダーツの矢(正式名称はダート)を取り出すと、目玉のみの魔物めがけて矢を投げた。

ビシャァアア!

弾けた。

まず、それがセティアの頭に浮かんだ第一感想であった。
しかも、簡単に。
自分のコントロールが正確に、確実に魔物を直撃した事が少し驚きだった。
それと同時に、血が、鮮血が綺麗に宙を舞い、やや顔を顰めるが、その成果はあってか、またも扉が現れる。
ダーツの矢・・ダートを回収し、扉を開ける。

「あっ、何か変わってる・・。」

床が鏡のような透き通ったものへと変わり、セティアは思わず言葉に出た。
そして、目に入ったものは宝箱。
ドラゴンクエスト、ファイナルファンタジーなどの有名RPGゲームのダンジョンで見かけるような宝箱を思わず、連想してしまう。

あれ?もしかして今、私は冒険してる・・?

ゲーム好きの友人が見せてくれたゲームを自分は隣で見ていた。
そのゲーム機の画面の中にいたプレイヤー。
操作されて動く、自分の分身、ゲーム内での自分。
今の状況を言うとすれば、私はそのプレイヤーなのかな?と彼女は考える。

・・でも、私は操られている感じがしない。

寧ろ、私は女性の声にこうして導かれながら、進んでいる。

いや、もしかしたら、この声に導かれて進んでいるのは、自分の意志では無いのだろうか?
またもそんな考えが、自分の脳内をぐるぐると駆け巡る。
そんな脳内だけ放っておくように、足は歩を進め、宝箱の前へと導かれる。
箱を開けると、薬を思わせる液体が瓶詰めにされて、入っていた。

あぁ、冒険してるんだ。

箱の中身を見て、ぐるぐると複雑に思考を駆け巡る脳内が一つの答えに辿り着いた。
何か、役に立つかもしれない、と箱の中身を回収して、再び進んだ。

夜魅 2015年01月03日 (土) 01時01分(3100)
タイトル:花の園の夢物語3

※長らく休んでいた本編を書いていきたいと思います。
尚、この話は作者(神)の第三者視点での書き方が基本ですが、突如、キャラクターの視点に切り替わる事があるので、読みにくい、と感じる部分もあるかもしれません。

再び、扉に手を掛け、歩を進める。
その時だった。

シュン!!

「っ!!?」

扉を開けて、その先にある新しい部屋へと移動した瞬間、突如、眩い光がセティアの視界を奪う。
それと同時に、腕に強い熱と痛みが走った。
痛む自分の腕に目を移す。

「えっ・・?」

幼い頃、走って転んだ際、泣いたものだった。
それを思い出させる掠り傷が、自分の腕に血を流させている。
大分、視界が鮮明に回復して、部屋を見回すと、先程と似た様な目玉の魔物が、こちらをじっと見つめていた。
眩しい光が目に入って、反射的に目を瞑って、何か嫌な予感がして、咄嗟に自分の腕を盾にした。
その時に何らかの攻撃を受け、この火傷にも似た傷が出来たのだ、とセティアは推測した。

『怪我を負ってしまったのなら、すぐに回復すれば良いだけ・・慌てずに落ち着いて。きっと、貴女なら大丈夫だから・・。』

どうしよう、これでは腕が痛んでダーツの矢を持てない、と軽く慌てていたところに女性の声が。
『回復』と言う単語を聞き、先程箱から回収した瓶詰めの液体を取り出し、蓋を開けて、腕に振りかける。
すると、メロンソーダを連想させる鮮やかな緑色の液体が、傷口に徐々に浸透していく度に、傷が塞がっていき、痛みも無くなっていた。
まるで、何事も無かったかのように傷口は完治した。
そして、ダーツの矢を魔物目掛けて、投げると、すぐにそれは息絶えた。
魔物を倒した瞬間に、再び目の前のすぐそこに扉が現れる。

(何か、調子が良いなぁ・・。)

調子が良い、と言うのは、ダーツの命中率の事だ。
ダーツボートと呼ばれる30cm〜40cmの円形の的に、一定の距離から矢を投げ、得点を競うスポーツをたまにやっているが、いつもはこんなに当たる訳では無い。

・・でも、理由はどうであれ、調子が良いのに越した事はないか!

そう思って、扉を開けようとするが、また攻撃される、と考え、思い留まるが、今度はしっかりと構え、進む。

(く、来るなら、来なさい・・!)

そんな思いで扉を開けた。
すると、先程の目玉の魔物が現れたが、今度は色違いであろう青、黄、赤、と三体が律儀に信号機を思わせるように並んでいた。
相変わらず、瞬きもせず、無機質にこちらを見ていたが。
ただ、セティアは律儀に並んでいる魔物を見て、先程、突如、攻撃を仕掛けた魔物と比べ、それを可愛い、と思ってしまっていた。

『そろそろ相手も本気を出してくるかもしれない。気を付けてね、闇を照らす光・・貴女には秘められた力も存在しているから・・。』

闇を照らす光・・?

それは私の事を言っているの?

頭の中に疑問が浮かび、その言葉の意味を聞きたかったが、女性の声はもう聞こえない。
その瞬間に、信号機の様に並んでいた目玉の生物は一斉に動き出し、咄嗟にセティアは矢を三つ持って、矢を投げる。
全てに矢が的に命中した途端、目玉の生物は消滅した。
跡形も無かったかのように。
前の目玉の生物は無惨にグロテスクに死体になったまま、残っていたが、何故だろうか?
脳内に浮かぶ疑問を掻き消すかのようにまた扉が現れ、今度は深く考えずに歩を進めた。

夜魅 2015年01月11日 (日) 22時22分(3104)


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