先日書き込みましたとおり、3月下旬に、ロンドンのビスポーク・シュー・メイカー、フォスター&サンが東京にてトランクショーを開催致します。
Shoesページのトップにもご案内させて頂いておりますが、以下が概要でございます。
日程:2011年3月25日(金)〜2011年3月29日(火)。 個別アポイント形式による完全予約制です。アポイント日時は、先着順に決定させて頂きます。
場所:ANAインターコンチネンタルホテル(旧東京全日空ホテル) 地下鉄銀座線・南北線「溜池山王駅」13番出口より、徒歩1分。
価格:一足2,550£〜。シュー・トゥリー、300£〜。後に、VAT分20%が免税されます。配送料別。 ※ロンドン本店と同価格です。
お支払方法:クレジット・カード、銀行送金のいずれかでお願い致します。注文後日、デポジットとして、価格の50%以上の金額をお支払い下さい。
仮縫い:約8ヶ月〜。次回の日本受注会時に行います。完成までは1年〜1年半。ただし、仮縫いでロンドン本店にお越し頂く場合は、製作時間短縮可能でございます。
納品:ロンドン本店でのお引取りか、ご配送、いずれかをお選び下さい。
機械化の進んだ昨今、フルハンドを謳う高額な著名ビスポーク・シュー・メイカーでも、漉き機やグラインダーなど、一部工程にマシンを使用し、芯材やウェルトと言った各種パーツも、出来合いの品を加工して用いるのは珍しくありません。機械の力で生産能力を高め、品質の個体差を少なくしようと言う狙いなのでしょう。また、工程を簡略化しても、出来に大きい差はないと言う判断だと思われます。
しかし、フォスター&サンはそんな風潮とは無縁に、現代においてなお、旧き良き時代の技術、工程を頑なに守り、ラストメイク、クリッキング、釣り込み、掬い縫い、出し縫いはもちろん、細かな各種パーツまでも全て、革の大判からハンドで切り出し、ハンドで漉き、注文主に合わせ、微調整をしながら作成していきます。使用する機械は、製甲(アッパー縫製)用ミシンのみ。
そして、ビスポーク・シューズの要であるラスト作成においては、現在では注文主の足型に近いラストを加工して作成するのが一般的ですが、フォスター&サンでは、"ラフターン"と呼ばれる大型の木製足型からの削り出しです。 さらに、フィッティングが異なるレースアップシューズとローファーでも、現在では同一ラストを用いるメイカーが多い中、フォスター&サンでは、それぞれ別ラストを作成します。
また、キャップトウやウィングチップと言った、つま先に別革を用いるデザインの場合、現在ではキャップ革とヴァンプの革を繋ぎ合わせて作成するのが普通ですが、フォスター&サンをはじめとする英国のビスポーク・シュー・メイカー(と他国の一部メイカー)では、初めにプレーントウを作成し、その上にキャップ革を被せて作成する、古典的手法です。
この膨大な手間隙と、ハンドならではの繊細な技術が、注文主の足に合う、複雑で、美しいライン、そして圧倒的オーラを生み出すのです。
オーヴァークォリティとも言える作業量と、正真正銘のフルハンドメイドが織り成す傑作の素晴らしさを、是非、この機会にお楽しみ下さい。
なお、フォスター&サン公式サイトの「OUR PRODUCTS」の項目に、サンプル写真が展示されております。ご参考にして頂ければと思います。
http://www.wsfoster.com/
どんな些細な事でも、ご遠慮なく、お気軽にお問い合わせ下さい。皆様、どうぞよろしくお願い致します。
あと、「靴談話録」にて、2010年分の靴談話帳のログを保存致しました。
山下大輔でした。
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