Re:恵さんが検索できる範囲内での情報かもしれませんが、書き込みます。
●Wikipedia 蝶の数え方は「一頭、二頭」 由来については諸説あるが、英語圏の動物園では飼育している動物全体の個体数を種類に関係なく"Head”で数えることがあり(日本語の「あたまかずを数える」と同じ発想)、これを日本語に直訳したものが定着したとする説が有力とされている。慣用的な数え方であり通常は小動物を数える「匹」を用いるのが一般的になっている。これに対して、ガを頭で数えることはない。
●蝶を「一頭」と詠んだ句。 秋蝶の一頭砂場に降りたちぬ 麻里伊 増殖する俳句歳時記 September 10 2002 より。解釈はネットでお読みください。人名読み方不明。句集「水は水へ」より 麻里伊は俳句結社「や」(東京杉並)同人代表。
●詩に出てくる蝶を「一匹」としたもの 安西冬衛の一行詩「春」「てふてふが一匹韃靼海峡を渡つて行つた」
●俳句で蝶の助数詞を調べる 蝶は4500首あまりの万葉集には詠まれていません。蝶が出ていないということは当時の花鳥風月の中で愛でる対象でなかったことがわかります。蝶は漢詩集の懐風藻(かいふうそう)に出るのが初めてだそうです。751年の記述があることから奈良時代です。 昭和39年初版 角川書店の「図説俳句大歳時記」から「蝶」ほか傍題20を含む例句の225句を調べてみました。 青空やはるばる蝶のふたつづれ 北 枝 *二つ連れ 蝶二つ飛び立つさまの光かな 横光利一 *蝶二つ 蝶ひとつ身をさかしまに鬼怒の淵 吉川英治 *蝶ひとつ 一蝶とその影のみに遠渚 富安風生 *一蝶 一蝶に雪嶺の瑠璃ながれけり 川端茅舎 *一蝶 双蝶を祝福しつつ見送りき 相生垣瓜人 *双蝶 舞ひもつる蝶々分れゆく二つ 高野素十 *二つ 初蝶の忽ちにして双つなる 松村蒼石 *双つ 初蝶の俄かや二つ漉屋谿 松林朝蒼 *二つ どうでしょうか、蝶を「一匹・一頭」で表記した俳句はありませんでした。ついでに昭和39年初版講談社の「カラー図説日本大歳時記」の「蝶」の例句24句の中には数詞を使った例がありません。蝶を「一匹」と俳句で書いたら、すぐに「一頭」の間違いですよと物知り顔からまず指摘をうけるでしょう。例句を読んでわかることですが「一匹・一頭」などの助数詞を使わないで、みんな調べが良いことに気付かれることと思います。また「三匹」以上を詠んだとしても俳句としては数詞の使用が、俳句がきらう「説明」になります。わたしは「一頭」は語感からも字面からもまず使わないでしょう。
萬坊 [29] 2007/06/03 21:05
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