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From:室長
ネフローゼ腎臓の移植
まず、ネフローゼの治療の根本が内科的治療であることは、確かです。そして、最近ではその中に、免疫抑制剤まで含まれています。しかし、それらをすべて、試しても、どうしてもネフローゼが改善しない症例があります。その方達の中には、肺水腫から心不全になり無くなられる方もおられます。多くのネフローゼ患者を見たことのなる臨床医ならば、一人か二人、そのような経過で失った症例を持っているでしょう。(括弧内、投稿者削除)。そして、そういった治療に抵抗するネフローゼ症候群には、最後の手段として残されているのが、腎臓摘出です。小児においても( Nephrol Dia Transpl 17 (supple.4): 55-58, 2002)、成人においても (J Am Soc Nephrol 12:S44-S47, 2001)、腎臓摘出が最終手段であることは、権威ある論文で述べられています。こういった常識を知らない調査委員会の先生は不勉強であるとしか言えません。万波氏は、免疫抑制剤まで投与して、それでも、改善しなかった患者さんから、本人の承諾を得て臓器を得ています。これの、どこが悪いのか僕には理解できません。調査委員会の先生方はこの患者さんから直接話を聞くべきでしょう。それすらせず、カルテだけ、それも移植後の1−2ヶ月のカルテだけをみて、まだ、蛋白尿が残っているから、やるべきでなかったというのは、どう見ても、科学的ではありません。現在、蛋白尿があるのか、ネフローゼが再発していないのかを調べるべきでしょう。ここにも、はじめから、結論ありきの姿勢がありありと見えます。
2007年02月21日 (水) 23時22分
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