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No.3929 インタネット俳句 |
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NAME:可津美 |
蜩の遠ざかりゆく座禅かな 野田ゆたか 筆者は、小学生の時一度座禅を経験した、といっても学校の授業で真似事? をした程度だが、何となく雰囲気は味わえたように思う。この句は実際お寺での風景だろう。座禅で大切なことは、心を無にする、ということを前述小学校で習ったが、実際蜩が鳴いていても、その声が聞こえなくなるほど心が無になってゆく。蜩の声と、座禅をしている姿との対比が、落ち着いた雰囲気を醸し出している。 群青の台風の目の中に有り よしほ それまで吹き荒れていた台風も「目」の中に入ると、今までの暴風雨が嘘のように晴れ渡る。そして又その目から暴風雨圏に入ると荒れだす、というプロセスを敬虔した方は多いだろう。その事実だけを述べておられるが、その素直な表現から、何か台風の凄まじさとは別の、自然を司る大きな意志のようなものを感じる。小さな人間に対する眼差しも見て取ることが出来る。 花火果て星座たがへず星戻る 玲 晴れた夜空を花火が彩り、そしてその花火も果て、又漆黒の夜空が戻ってくる。当然晴れていても花火によって、その間は星はよく見えないだろう。もちろんその間も星はそこに存在しているのだが、この句は、まるで花火が揚がっている間は星が何処かへ避難しているような表現をしているのが面白い。花火の躍動感、又星も活き活きと描かれており、ロマンを感じさせる句である
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