|
No.3914 雨音のはじめは蓮の葉の辺り 松村洗耳 |
|
NAME:可津美」 |
急に雨が降り始めたとき、雨音がまず蓮の葉のあたりから聞こえてきたというのである。夕立が降り始めたときの様子がうまく捉えられている。蓮の葉が雨を受けたときのぱらぱらという音が先ず耳につき、次の瞬間には自分自身も雨の中にいるのであるが、そのちょっとした時間差をこの句は的確に捉えている。しかも、蓮の葉の雨音を聞いたということで、迫ってくる雨の激しさも暗示できている。大粒の雨に打たれて揺れながら、綺麗な水玉を転がしている蓮の葉の様子も目に浮かぶ。何気ない表現でありながら、夏の夕立の突然さ、激しさが感じ取れるところが、この句のよいところだ。
2011年07月15日 (金) 09時37分
|
|
|
|