・「根回し」について
「根回し」は交渉、会議などを巧く
運ぶために事前に関係者に話を付けておく
事を意味し、商談や政治の世界では
物事を円滑に進めるために欠かせません。
でもなぜ「根回し」と言うのでしょうか?元々「根回し」は植木職人の専門用語です。
移植に先立ち、事前に根を切り詰め新しい根を出させ処置を意味する言葉です。
先ずは、幹から少し離れた所を
80センチ程の深さまでドーナツ状に掘り
進め、細い根は断ち切り、太い根は皮の
一部を削り取ります。これは新しい根を出させるための手法で江戸時代から続く職人技です。
根の処理が終わると土が崩れないように
荒縄を巻きつけ再び埋め戻します。しかしなぜこの技術を「回す」というのか。
東農大の濱野教授によれば「新しい根を
めぐらすという意味と、移植しやすい形に性質を変える(=転)といった2つの意味からきているのでは」ということでした。
この事前工作的意味合いから、
「根回し」は一般的に広く
使われるようになったのです。
【末次通訳事務所】