春秋時代のお話です。呉の国の王、夫差が楚国を攻めることを計画します。臣下の者は口々に「その間に隣の国の越の国が攻め入ってくるからやめるべき」と唱えますが王様は耳を貸しません。そんなある日、夫差王の息子がビショビショに濡れたズボンをはいて父親の元にやってきます。理由を聞くと「花壇で遊んでいると、蝉が一匹飛んできて木に止まり、得意げに鳴いていたのですが、それを後ろからカマキリが狙っていました。しかもそのカマキリの後ろからはカナリアが狙っていたのです。私はそのカナリアを打ち落とそうと弓矢を構えたところ足元の水たまりに気が付かず入ってしまい、この体たらくになってしまいました。」と答えます。この話を聞いた夫差王は臣下の忠告の意味に気が付き、ハッとします。そして、楚国を攻撃する命令を慌てて取り消しました。 この話から「螳螂捕蝉,黄雀在后」(カマキリがセミを捕えようとすればカナリアは後ろにいる)という言葉は「利欲をむさぼって後の危険を顧みない」ことを意味する成語になりました。
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