393 ムーディ・ブルースVSキング・クリムゾン
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ハージェスト
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私は両者共に好きですが、音作りの面で語るには共通項はほとんど無い様に思えます。 しいて言えば、メロトロンという当時の新鋭的な楽器を取り入れたバンドという、 殆どその一点で同系統のバンドと認識したプロデューサーのトニー・クラークが 「ムーディーズの弟分バンド」としてクリムゾンをツアーの前座として世に出す意図も彼の頭にあったらしいことぐらいで、 実際にトニー・クラークがグレアム・エッジらを連れて、 クリムゾンの練習場まで見学しに足を運んでみたら、 まったく異なる方向性であったことで、 結局はこの時の話は立ち消えになったという経緯をみても 同じプログレッシヴという範疇の右端と左端ぐらいの位置関係じゃあないでしょうか。
「オトナのロック」のプログレッシヴ人気投票は私も読みました。 ただあのような統計のとり方では、どうしてもフロイドやクリムゾンに 過剰なまでの大量票が集中してしまうので、私は信じていません。 小選挙区及び比例代表並立制みたいなもので、確かに一番好きなプログレは? と個人名を特定して訊かれれば、ああなるでしょうが、 コアでマニアックなファン以外の中に存在するごく普通のポップ&ロックファン、 対象でアンケート集票が実施できれば、プログレ党を支持します、 みたいな不特定多数の浮動票の中に かなりのムーディーズ支持者が存在すると思います。
プロの音楽ライターの中には「このバンドを語らせたら第一人者」みたいな、 たとえばフロイドなら立川直樹、レッド・ツェッペリンなら渋谷陽一、とか 彼らはロック黎明期に日本に彼らのサウンドが上陸する際の宣伝マンでもあったのですが、 70年初期、ムーディーズは日本でもプログレ四天王に次いで人気があったのに、 彼らを語る、特定の書き手が不在だったハンディもあるのかもしれません。
2009/09/12/(Sat) 10:52:32
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