536 一度まとめて
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北コレ
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男性 会社員 56-60 北海道 p7250-ipad206sapodori.hokkaido.ocn.ne.jp
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皆様おはようございます。 最近は愚痴ばかりで皆様に不快な思いをさせていたのかも、の北コレです。 私生活でいろいろと問題を抱えていて、あまり頻繁に顔も出せそうにないので、一度まとめて書かせていただきます。
確かに最近は「プログレッシブロック」の幅がいろいろな方面へと広がりすぎて、正直、あまりにもとっちらかりすぎの感すらあります。 いまやウイッシュボーンアッシュやジェスロタルもプログレ扱い。 誰かが「これはプログレ」といえば何でもOKかと思えるほど。 これだけ「プログレッシブ」の裾野が広まったというのに、逆になぜかことムーディーブルースに対しては、いまだに頻繁に「プログレじゃない」という声が多くあがるのが、彼らの音楽を心から愛するファンとしてあまりにも不憫。 ビートルズの「サージェントペッパーズ」よりはるかに理解しやすい、時間軸を元にテーマ設定した「デイズオブフューチャーパスト」でトータルアルバムの概念は完成したと私は見ているくらいなので、ムーディーブルースがこの「プログレ」ジャンルに残した音楽的実績があまりにも軽視されすぎで、私など声を上げずにいられません。 確かに80年代以降の、ポップ化推進したイメージのせいもあるかもしれませんが。
1970年ピンクフロイドのアルバム「原子心母」が大ヒットしてから広まることとなった、日本発祥でいまや世界にも通用することとなったところの「プログレッシブロック」。 最初期からその動向を見守ってきた立場から言わせていただくと、当初は、ロックにいわゆるクラシック音楽的な要素が何かしらの形で盛り込まれていることがキーワードで、ムーディーブルースはピンクフロイド、ELPらとともに、そのいち早くオーケストラと競演した実績と、シンセサイザーやメロトロンといった当時の最新楽器を駆使、木管担当のメンバーを置くなどして、オーケストラに負けない芳醇な音創りを自前で実現可能にしたこと、そういう先取りの音創りをしていた制作姿勢や、LPというフォーマットを最大限生かして、1枚のアルバムを流れるように聞かせる抜群の構成力などが評価され、多くのロックファンから「プログレッシブロック」の代表グループとして扱われていたのは間違いのない事実です。 ただその後、英国発売から2年遅れで紹介されたキングクリムゾンの、クラシックの要素のほかジャズの要素も加味した音創りが更なる衝撃を与え、ELP、その後登場したイエスなどにクラシック出身の凄腕キーボードプレイヤーやギターの名手などが多かったことから、徐々に演奏技術が重要視されるようになり、アドリブやインプロビゼーション、インストルメンタルバトル、変拍子といった演奏方面に「プログレッシブロック」たる定義の比重が移行していったようです。 そうなるとあとは英国産ジャズロックなども「プログレッシブロック」枠に参入してきて、その幅は際限なく広がり、その代わり初期の「クラシック」や「先取りの姿勢」などの「プログレッシブロック」たらしめていた要素の一部は、年月の経過とともに方法として一般化していったこともあり、ほとんど省みられなくなったという流れな訳です。 評価を著しく落とした来日公演も確かによくなかった。
私は、ムーディーブルースはメロディーとハーモニーを生かしたヴォーカルグループとしての姿にこそその本質、変わらぬ真の魅力があると考えます。 ビートバンドあがりで、特にテクニックを誇示するでもなく、メロトロンを音作りの中心に据えてはいたが、あくまでも曲と歌で勝負するグループ。 そのあたりが、ギターヒーロー、アドリブ、インストルメンタルバトルを好む傾向が強い、コアなプログレファン及び一般のロックファンにも、物足りなく聞こえることは想像に難くありません。 また、ムーディーブルースはその英語の歌詞に、彼らの個性を際立たせる大きな魅力があることも、日本人にはその魅力が伝わりづらい大きなマイナス点なのは、これもまた以前から言われ続けてきたこと。 永遠の愛や心の平和を希求する、まさしく人生探求のメッセージともいえる、他のバンドとは一線を引いた、彼らならではのスケールの大きな暖かく心安らぐ歌世界。 ロック歌謡などと揶揄する向きもあるようですが、決してそんな偏狭なものではありません。 この魅力は、80年代以降の、単なるラブソングが大いに幅を利かせているアルバムの中にも、少なからず聞き取れることは大いに救いです。 乱暴に言い切ってしまうと、世界一英語が話すのも理解するのも苦手な日本人には、結局何を歌っているか判らず彼らの歌も楽器の一つ扱い。 メロディーや演奏に耳が集中することになり、単なる歌ものポップグループにしか聞こないのではあまりにもったいない。 私も正直なところ、今の彼らを偏屈な日本のプログレジャンルに放り込んでおくのは、彼らにとって決してプラスではないことは十分承知してまして、もっと幅広く理解してくれそうなS&Gやビーチボーイズ、シカゴなどのファンに薦めてアルバムを買ってもらい、大いに好評を得ていることを最後にご報告させてもらいます。
2011/10/23/(Sun) 10:03:31
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