投稿日:2007年03月11日 (日) 19時42分
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書虫で〔梁〕釈宝唱『比丘尼伝校註』(中国仏教典籍選刊)を。 なかなか面白いですよ。これによると、中国尼僧の初めを「晋の竹林寺の浄撿尼」(学術的には異論もあるらしい)とし、以下年代順に配列。もともと掌篇のため、参考資料として『釈氏六帖』や『仏祖統紀』なども附録。 「家」中心社会の六朝中国において、「家」を捨て社会を捨てて宗教活動に専念した彼女たちの苦悩と意志が伝わり興味深いです。 何后寺・道儀尼伝・十三 道儀、本姓 賈、雁門・婁煩の人。慧遠の姑。 (道儀は俗姓を賈といい、雁門は婁煩の出身であり、慧遠のおばであった) [中略]年七十八、疾に遇ひ已に篤くなれど、執心 弥々励み、誦念 殆む無し。 (七十八歳の年、病を得て重篤に及んだが、病床にあってもますます求道に励み、仏経を唱え三宝を念じて休むことがなかった) 弟子の請ひて曰く、「願はくは消息を加へよ。冀はくは勝損を蒙らんことを」と。 (弟子が「どうかしばらくお休みください。まだまだ教えていただきたいことがたくさんございます」と懇願した。) 答へて曰く、「宜しく言ふべき所に非らず」と。言 絶えて卒す。 (道儀は「そんなことを口にするものではありません」と答え諭すように言い終わると、そのまま息を引き取った) |
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[104]投稿者:NAGAICHI Naoto
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投稿日:2007年03月14日 (水) 01時45分 |
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ご紹介ありがとうございます。 比丘尼…なにやら仄かな萌えのかほりが…(違; なにやら面白そうなので、書虫に注文してみました。 |
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[106]投稿者:NAGAICHI Naoto
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投稿日:2007年03月16日 (金) 22時18分 |
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『比丘尼伝校註』届きました。 弘農北岳妙相尼伝四 妙相は十五歳で北地の皇甫達にとつぐが、喪中に皇甫達に失礼のことがあって、妙相はこれをにくみ、離絶を求めることを告げ、出家を願い出た…。 女性側から離縁を求めた例、やっぱあるわけですね。 洛陽城東寺道馨尼伝九 竺道馨、本姓は羊、太山の人なり。 太山ってどこでしょ?泰山の羊氏の間違いじゃないのかなあ? |
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[107]投稿者:むじん
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投稿日:2007年03月17日 (土) 14時21分 |
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太山は泰山と同じですね。『後漢書』は言うまでもなく『三国志』でも太山と表記されることは多いようですよ。 |
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[108]投稿者:NAGAICHI Naoto
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投稿日:2007年03月18日 (日) 00時49分 |
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ありがとうございます。やっぱり泰山羊氏だったんだ。 |
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[113]才女投稿者:方壺島主
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投稿日:2007年04月11日 (水) 22時19分 |
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本日また書虫さんから納品があり、頼んでおいた『唐才子傳校箋』第一冊をパラパラ見てみたら、2巻の後半に才媛・妓女が紹介されてますね。まあ、『唐詩紀事』のどこそこに名が見えるとか、『全唐詩』の何巻に作品が載っているとか、そっけない記事も多いんですが。 今回はほかに岑仲勉『唐人行第録』などの工具書を買ってみました。使えそうかどうか、まだ何とも言えませんです。 |
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[120]投稿者:NAGAICHI Naoto
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投稿日:2007年04月26日 (木) 19時56分 |
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『唐才子傳校箋』ですか。女性の伝記もあるんですね。 そういえば『唐会要』がどうとかもおっしゃってましたね。 いまは唐にハマっておられるんですか? |
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[121]ぼちぼちですが投稿者:方壺島主
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投稿日:2007年04月28日 (土) 22時33分 |
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ええ、じつは。 寄暢園・話梅子さんの影響もあり、唐宋、特に唐代の文献をチラチラ読んどります。中華書局の唐宋史料筆記や古体小説叢刊、中外交通史籍叢刊、中国古代地理総志、太平広記、法苑珠林、貞観政要、新志…など資料集めはセッセと続けております。しかし勤めのほうもいろいろあって(業務委託とか合理化とか…)、ここ半年くらいは精根尽き果てている状況で、高尚の志を失いかけているのですが。 また『唐会要』や唐代詩家の別集を書虫に頼んでみました。お伝えできる情報を発見しましたら、またご連絡しますね。 |
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