笛の練習のとき、不快感を表明することがありますが、失敗にはやっても仕方がない失敗とやってはいけない失敗とがあり、後者のときに不快感が全身をめぐります。 前者は単なるミスで、これはまだ最初ころは練習不足のため、指が回らないから起るミスで、私なんかしょっちゅうです。これは練習さえすればいつかは吹けるようになります。 許せないのが、後者のミスで、音楽の根幹・構成にミスのときです。まず、調号の見落とし。♭が一つ付いているのにHを平気で吹く人がいます。♭が一つなら普通ヘ長調かニ短調ですよね。主音・導音・中音がパッと思い浮かぶはず。 初見でも譜面を見たときに表情記号・拍子記号・調号などをパッと見てあらかじめどんな感じなのか予想しなくては。和音もせめて主和音・属和音くらいは頭に思い浮かべ、自分がどの音を吹いているのかちょっとくらいは分からないと。 これができていれば、音程のことも最初から問題が起らないし、仕上がりが早くなります。一緒に吹いていても「分かっているな」と気持が非常に良くなります。 初見だから曲の感じが分からないというのは半分ウソ。上行はクレッシェンドだし、下行はデクレッシェンド。音程が離れていたらスタッカートだし、順次進行ならレガートです。最初から一応の基本は踏まえたうえで、知性を持って演奏したいですね。 ただ単に音符をなぞっているのはバカみたい。楽しくない。 古参のメンバーにもこういう人は多いようです。曲をたくさん吹くという量の問題ではなく、基本を押さえるという質の問題。 分かっていない人が多いと感じられます。
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