名月さん 初めまして司法書士のほそのです。 回答が遅くなり申し訳ありませんでした。 さて、ご質問の件…
市が差し押さえた状況下で Aさんに対する賃貸借契約解除に基づく 土地明渡訴訟は提起できます。 というか、是非、法的に Aさんの債務不履行に基づく 賃貸借契約解除は実現させておくべきでしょう。
もっとも、市の差押登記が先行しているので 実際に土地の明渡しを受けるのは容易なことでありません。 しかし、賃貸借契約解除の債務名義(確定判決など)を 取得しておけば、借地借家法に基づく Aさんの借地人としての権利の主張に対し 一定の防御を備えることができます。 例えば、借地上に建てられたAさん名義の建物について Aさんが買取請求権を行使されても それに応じる必要はなくなります。
とにかく、Aさんが正当な借地権者ではないことの 根拠付けが必要ですから、是非、その法的な根拠となる 訴訟提起の準備を始めてみて下さい。
賃貸借契約解除通知だけでは足りません。 もちろん、名月さんの行動は 適正なものであることは言うまでもありません。 ただ、名月さんの努力が水の泡に帰すことのないように 今一歩踏み込んだ手段を講じることが必要です。
最後に、本件では、土地が借地なので 特段の事情がない限り 建物の任意売却で、事が収まるという事案ではありませんね。 例えば、Aさんの市に対する滞納について 名月さんが、第三者による代弁済を行い その後、市に差押登記を抹消してもらい 上記代弁済額について、Aさんへ求償するというのが 現実的な見方であろうかと思います。 そして、その求償に応じなければ 賃貸借契約解除と同様に 確定判決を得て、Aさんに対し強制執行を図る ということになるでしょう。
名月さんの手元に 更地となった土地が戻ってくるまでには いくつかの課題を乗り越えていく必要があります。 しかし、必ず解決できる事案ですから 一つずつ、その課題を乗り越えて行って下さい。
[307] 2014年10月05日 (日) 07時22分
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