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社会福祉法について
ばなな
はじめまして。
宜しくお願い致します。

保育園で「投書箱に意見か寄せられていました」との手紙が配られました。
駐車マナーが悪いとの内容で名前は無いものの車種とクラスが書かれていました。
当然父兄はそれが誰なのかが分かる内容です。

後日この投書について「いじめにもつながりかねないので個人が特定できる内容は載せるべきでは無い。」
と投書があったとの手紙とこの件に関しての保育園側からの返事がありました。
社会福祉法82条により投書内容の開示は義務で投書内容の省略や一部削除は出来ない。
との事でした。

社会福祉法や法律に詳しくないので第何条〜でなどと言われてしまうとどうすることも出来ません。
個人情報が守られている今日保育園側に個人が特定出来ないようにしてもらう方法は無いのでしょうか。
宜しくお願い致します
[86] 2007年11月20日 (火) 18時23分
Pass

回答者の皆様:



ほその司法書士事務所
ばななさん初めまして、司法書士のほそのです。

ご質問の件…
考える観点により様々な解釈が成り立ち得る
奥深い課題ですね。

というのも、個人情報の慎重な取扱の要請は
法律の規定に基づくから…というよりも
法律の前提にある人が人らしく最後まで
幸福な人生を歩むために認められた様々な自由や権利を謳った
憲法の要請に基づくものであると言えるからです。

人権を擁護し、個人の尊厳を尊重していく観点から
個人の情報が安易に漏れてしまうことは
絶対に許されることではないし
それらを予防するためには
様々な規律が必要となるということも言えます。
しかし一方で、その個人情報の保護に一定の制約を課す事により
守られる権利や自由というものがあるということも事実です。

今回のケースで申し上げれば
投書箱による意見の公開により
擁護すべき人の権利や自由が存在するものなのか?それとも
その公開により誰かの権利や自由が脅かされてしまうのか?
という問題があります。

駐車マナーの悪い父兄の行為が
もし、その車の影から子供が道路へ飛び出して
重大な交通事故の要因になるものであるとしたら…
その他子供達の安全の確保や
保育園の運営上好ましくない行為で
速やかに改善してもらう必要のある行為であったとしたら…
その父兄に注意を促し、改善への認識の喚起のためにした
投稿内容の公開は、必ずしも個人情報の保護の理念を脅かす
不適切な行為とまでは評価出来ないと考えることもできます。

権利の主張は、常に相手方も有する同じ権利との
バランスにより展開される必要があると言えます。
個人に認められた権利や自由は
決して一方通行のものであってはならないのです。

もっとも、以上のことから
ただ法律で定められているのであるから
闇雲に全てを公開する必要があるのだという論法は
賛同出来ませんね。
いじめにもつながりかねないとの他の父兄からの意見にも
配慮が必要でしょう。
実際にいじめ行為があれば
取り返しのつかない重大な人権侵害が生じてしまいます…。

今回のご質問は色々な課題が含まれているので
こうですと明確なお答えは難しい、しかし常に心の中に留めおき
バランス良く考えていく必要のある
大切なものであると思います。

先ずは、園長先生に認められた様々な裁量権に基づき
常に予防的な観点から
個人情報の保護を初めとし、人権の擁護へ配慮して頂くように
働きかけるべきだと思います。
簡単に言えば、「憲法的なセンス」をもって
諸般に対処して下さいと要請すべきでしょう。
何でもかんでも法律が、法律がはナンセンスです。

法律は憲法の理念に基づき作られるものです。
法律で人権を制約する事を正当化するためには
よほどの事情がないとだめだし
合理的な根拠に基づき、
原則として、その制約は最小限の制約でなければなりません。

しかし、憲法上又は法律上様々な権利が認められているから
といって、その権限を乱用するということまで
許されるものではないということは言うまでもありません。

最後に…酷な申し上げ方かも知れませんが
日本という法治国家で生活を送る以上
「法律は知らない、分からない。」は通用しません。
法律により、ばななさんの権利が守られ
平穏な生活の維持が確保されているわけですから。

ただね、膨大にある法律を
全部理解しなければならないと言うわけではありません。
法治国家である以上
自分は様々な法律により守られ、そして時に義務を課せられ
またある時にはどうしても一方の権利や自由を守るために
自分の権利や自由が一定の制約を受けることもあるのだ
という程度の認識は持っていて下さい。







[87] 2007年11月24日 (土) 11時04分
Pass



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