まんぼさん 初めまして司法書士のほそのです。
ご質問の件…
まず、ご質問事項@についてですが 詐欺罪の成立が成るか否か… 外形的に判断すると、グレーな部分が大いに目立ちますから 詐欺罪が成立するような状況であるとは思います。
ただ、詐欺罪の成立には人様の財物を領得する意思 即ち「不法領得の意思」の存在が必要です。 それは、「お払いをしてあげる。」と 指輪や絵画を受け取ったときに その意思が存在していないといけません。
本件の場合、自称霊能師と称されているところから 当初は、本当にお払いをする意思で持ち帰ったのかも知れない… そして、その後不法領得の意思が生じ 何だかんだと、言い訳をして返還に応じない と、考えれば本件は詐欺罪が成立しないことになりますね。 しかし、人様から一旦預かったものを 処分したり、隠したりする行為は「横領罪」を構成します。
ですから本件が、何ら刑事処罰の対象とはならない とは言えません。ただ、詐欺罪の成立には 行為者の行為時の意思が重要な要素となりますから それを立証することは、まんぼさんにとって 大変困難な課題であるということは確かです。
刑事罰に相当する行為の構成要件該当性 そして、行為者の行為時の意思その他諸般の事情を 総合的に判断して、刑事罰を追求できる可能性を 慎重に模索する必要があります。
次に質問事項Aについてですが 指輪及び絵画の所有者は、まんぼさんなのですから 当然に「所有権に基づく各動産の返還請求権の行使」は 認められます。但し… 各動産が、人手に渡ってしまっている場合は もはや、その所有権を行使できなくなる場合もあります。
民法には「動産の即時取得による保護」が規定されています。
譲り受けた方は その動産の所有権が自称霊能者に帰属するということを 過失なく信じて、取引行為をした場合は この規定に基づき、その動産の所有権を 有効に所得することができるのです。
もし、各動産の所有権を主張できないような事態となれば 自称霊能師に対して それに代わる価額の賠償を請求することができます。 さらに、不法行為による損害賠償請求も 併せて行使することも可能です。
まずは、事実関係をきちんと確認して下さい。 本件の場合は、私人間で解決することは 非常に困難であると考えます。
もはや、内容証明郵便の効果は期待できないでしょう。 弁護士や司法書士などの代理人を立て 裁判外和解の可能性も踏まえながら 合理的な解決策をご検討下さい。
様々な権利の行使には 事実を証明する証拠が必要不可欠となりますから どんな些細なものであっても大切に保管し 然るべき時に活用できるように準備しておいて下さい。
[101] 2008年02月13日 (水) 07時33分
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