「女優とか無理だろー」 「まあ、可愛いは可愛いけどさー」 そんなことばっかり言われてきた。 私の夢は、女優になること、と言うたびに。 でも、誰がなんと言おうと、なってやる。 そのために、色々な努力をしてるんだから。
「自己紹介をしましょう。名前・出身小学校・将来の夢とか言いましょう」 将来の夢、か。 「じゃあ、青良(あおい)さんから。」 いやだな。私が最初に言うのって、みんなのを聞いて、将来の夢を誤魔化せないってことじゃん。 「青良 姫菜乃(ひなの)です。柳原小学校から来ました。将来の夢は、女優になることです。よろしくお願いします。」 「えー。女優だってー」 「ウケるー」 「調子乗ってんじゃん。」 なんで?なんで、将来の夢を言ったら、こんなに色々言われるの?私の勝手じゃん。 「ちょっと、みんな、静かにして!夢を持つのは自由よ。分かった?」 「はーい」 絶対に、女優になってみせる。そして、バカにしたやつらを、みんな見返してやるんだ。
自己紹介のあと、10分休憩になった。 「ねーね!確か、青良さん、だったよね?私、秋葉原 唯花。よろしくね」 「唯花ちゃん、よろしくっ。姫菜乃ってよんでね」 仲良くなれそうな子がいて良かった……。 「うーわ。調子乗ってんよなー。わざわざ下の名前で呼べ、とか、名前で呼んできたり。さっすが夢が女優の子ー。」 やっぱ仲良くなれないわ。
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