歌帖楓月 |
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ガイガー管理官(男 25歳 湯当たり経験なし) いらっしゃいませこんばんは! 作者は湯当たり気味ですってよ。アハハハ面白いったらありゃしない。
では続きです。どうぞ!
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顔を傾けて前方の星空から少し上の中将を見ると、彼も星空からロイエルに視線を移して微笑んだ。 「たしかに星は動かせないけどね。自分のなすべきことはわからせてもらえる。そうだな、自分という存在の小ささを悲観するんじゃなく、逆にね、……尊大になりたがる心を抑えてもらえる、ということかな」 尊大になたがる心。ロイエルは心中でその言葉を反復した。ゼルクベルガーは、わかったかい? という確認の表情をしている。 「そう。そういうふうに、中将は考えるのね」 自分は、星に、というより自分よりも偉大なものに対しては、目標とするもの、祈りを捧げるもの、という見方をしてきた。彼にとっては、それは目標ではないのだ。 「中将にとって星は、見守る者、たしなめてくれる者、……支えてくれる者?」 ロイエルが、そう口にして、首をかしげて中将を見つめると、中将は、そういう感じかな、と言って微笑んだ。ロイエルは数度瞬きをして、うなずいた。 「そうなのね。私はね、中将、神様も星も、太陽も、月も、……自分以上の何かを持ってるものや人は、讃えたり、祈ったり、そうありたい目標にしたり、そういうふうに、捉えてるの。中将みたいなそういう考えもあるのね。私のが追いかける存在だとすれば、中将のは、教えてくれる、守ってくれる存在?」 中将は、ロイエルの中の何かに手を貸そうとするような瞳で、彼女をゆっくり見つめた。 「まあ、そうだね」 交流を持とうとするならば、何かを供物に差し出さねばならない存在。 こちらに手を貸してくれる、自然に、未来の姿を育んでくれる存在。 彼女はきれいな瞳で、青年を見つめる。純粋で真摯な、清廉な心が覗く。 「守ってくれる存在ね……。おもしろいね。そういうふうに、考えられるんだ」 珍しいものを見つけて喜ぶ表情と同じ微笑みで、ロイエルは笑った。 ふと、しかし、ロイエルは首をかしげた。 「……でも、中将、あのね、大人になったら他の人に頼ってはいけないって、ドクターは言ってらした。ええとね……、中将は、色々、できるのに、なんだかそういうふうに中将が考えているのって、不思議」 自身が教わってきた観念と、中将の言葉との妙な相違に、ロイエルはやや眉を寄せた。ドクターの言葉からすると、中将の言っていることは甘えだ。だけど、彼の姿からして、そうとは思えない。けど、ドクターの言葉は、誤ってはいないと思う。 「どうしてかな。よくわからない。どういうことなの?」 ふう、と、ゼルクベルガーは軽く息をつくと共に笑った。微苦笑している。 「頼っているっていうことかな? 自分でできることを、他にさせてる?」 瞳の奥に浮かぶロイエルの迷う心をくすぐるように見つめて、そう返すと、ロイエルは困った顔をした。 「そう。でも、中将はそんなふうだとは思えないけど……でも、そういうふうになるの。そうか、ドクターが教えてくださった考え方をすると、頼っちゃいけないから、それをしては駄目になるのよね? でも……」 そうは思えない。星の話は、聞いていて、とても、暖かかった。 「ええとね……、中将はどうしてそう思えるの? それは甘えとかとは違うように感じるけど、ドクターがおっしゃっていた言葉と、どうして噛み合わないの? 中将、中将は自分で色々できるのに、どうして、甘えとかと違うの?」 ゼルクベルガーの深い瞳を覗き込んで、まるで奥底にある扉を叩くように、希求の表情でそう問う。すると、ゼルクベルガーは静かに笑って、包むように抱き締め直した。 「寒くない?」 「暖かい、中将」 中将はほほ笑んで、ロイエルの髪をなでた。いとおしむ、という仕草に相応しい。 ロイエルが見つめる。中将は笑った。 「交流を持つということは、甘えかい?」 問われて、ロイエルは首をかしげた。 「それは。そうじゃない時と、そういう時と、あると思う。場合によるわ」 「じゃあロイエル。例えば、誰かが君に、親切に何かを教えてくれたとする。それは君がとうに知っていることかもしれないけど、相手は純粋な好意から教えてくれている。その場合、君は、どうする?」 ロイエルは当たり前な問いに、少し肩を竦めた。 「ありがとうって、言うわ。私のこと考えてくれたのだもの。うれしい。……でもね、忙しかったり別のことで私の頭が一杯のときは、そう気づかなかったり思えなかったりするから……そういう所、もっと余裕を持てたらなって、思うけど」 ゼルクベルガーは笑う。 「人に頼るのは甘えだって、相手の言い分を聞かないことはないかい?」 ロイエルの表情が渋くなる。 「そういうの甘えって言わないわ。自分勝手なだけだわ。他の人が思いやってくれてる、とか考えてないもの。そりゃ、自分がすべきことを他人に頼るのは甘えだけど、教えてくれる人はそういうのではなくて、……こっちのことを思ってくれてるんでしょう? そういうところわからないのって……。あ」 言っている途中で、彼の問いの意図がわかったようだ。 「星の……思いやり?」 「そういうふうに、私は感じているけどね」 他者を思いやる心同士の、交流。 依存する依存されるではなく。 「お互いの気持ちを汲み合えること、それは、甘えではないと思うよ」 交流だ。 ロイエルは、大きく一つ瞬いた。口から言葉が漏れた。 「星と、交流?」 ゼルクベルガーが微笑んだ。 「そうだよ。他者を交流の持てる相手だと思うこと。言葉を交わす交流もあるだろうけど、言葉でなくても伝わることがある。そういう性質の世界だ、と思えること」
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ガイガー: おだやかーに、話が進んでますよ。 ちなみにこの一連の話には、こんな前ふりがついてましたよ。そういえば。 話がここまで進んでから載せるのもあれですが、 こんな前ふりから始まるのです。どうぞ。 ちょっと「誰それ?」な部分もありますが。
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D.M.B.[IF]3 情報処理課職員(男) いやーまたまた続きましたね! D.M.B.IF 三回目を数える ことになってしまいました。
情報処理課職員(女) 三回目ねつづいてるわね……。それで、今回は何するのかしら?
情報処理課職員男) ……何と、ラブラブ編!
情報処理課職員(女)
それはいつもでしょ? 番外にする意味あるの?
情報処理課職員(男) あると言いましょうよ! ここは!
情報処理課職員(女) そうかしらねえ? では、まあいってみましょうか? 前回のルイセちゃんの予告はこれだったのね。 じゃ。 D.M.B.IF3 ラブラブ編。本当に?
D.M.B.IF3 ほんとにラブラブになるか?
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ガイガー: ってな感じで、本文が始まるわけですね。 はたしてラブラブかなあ?
それではまた来週
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(140)投稿日:2005年03月06日 (日) 00時10分
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