歌帖楓月 |
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ガイガー管理官(25歳ビューティーアドバイザー<嘘>): っだーーー!! いらっしゃいませこんばんはーー! 誰か見てますかー? 見てなくってもずーらずら書きこみますがね? 動かない刑事VANもとい掲示板を見てると辛抱たまらん僕の登場です! っていうか、総合ネタバレ共に動きませんね。フフフ…動いてるのは刑事VANばかりみたいですな。あれは奴の落書き帳ですからね。 各掲示板とも動きませんが、だからといって全部僕が書きこみ出張DMBジャックしてしまうとやはりまずいので、ええ一応16禁扱いですし、とりあえずここだけ書き込んでしまいましょう。 では、フッフッフ。 無責任持ち出し企画ー!
:::::::::::::::::: 未完成作品を載せる無責任男ガイガー。一体何を持ち出してきたのか。
D.M.B.魔法使いの回廊
「出るのは大体、戦場だな。」
「そこで、魔法使いは魔力を使い果たして、魔法使いではなくなるから。」 しかしながら、わずかに残った魔力が蒸発して、魔法使いから逃げて行く。それが集まる場所。誰が名付けたのか、「魔法使いの回廊」と呼ばれる。
「まあ俺に任しとけって!」 アインシュタイン、魔法使いなのに体育会系な男。
「お顔は凜としてるけれど、ちょっと憂いがあって女性みたいに繊細で、『あ、魔法使いだ』って感じなのにね。」 「それを裏切っちゃう性格よね。」 「超、体育系。」
「距離ですか?・・そりゃあ、ちょっと遠いですよ。50キロくらい。」 「そーかそーか!じゃ、走るぞ!」 「え、あ、いや、それはどうかと・・・。車で参りませんか?」 「ふうむ。走るよりも車の方が時間はかからないもんな。なるほど。じゃ、君、暇なとき一緒にフルマラソンしような!」 「・・・は、ええあの、時間がありましたら。」 「トライアスロンでもいいぞ!」 「・・・・・、・・・・、あの、僕、体力には全く自信がありませんので・・。」
「来ました。」 パソコンが次々と立ち上がる。 「うわあ・・・数値むちゃくちゃですよー、」 「本当になあ、一体、魔法っていうのはどうなってるんだろう。・・・」 「パソコン壊れるかも。」 ほかのパソコンの群れを見ていた部下が、うんざりした声を出した。 「管理官、単位が一つ変わっちゃいましたー。」 それを聞き、引きつる職員たち。 「単位が変わったって・・・3桁飛んだってこと?」
「近づいてきてるなあ。こりゃ確かに回廊だ。」 アインシュタインが腕を組んで、普通の人間には、ただの風の強いだけの泥炭の荒野を、うなずきながらぐるっと見渡した。 「うーん苦しい。こごった魔力で首回りが苦しいな。よし、いっちょ、運動でもして、体を柔らかくするか!」 そう言って、アインシュタインはブンブンガンガン腕を回したり、ももあげをしたり、首を回したり、体操をし始めた。 「あ・・・あのお、」 その光景を、止めようとして手を差し伸べたまま、だけど相手は大変な上司であるため「運動はもういいから、大魔法使いとしての意見を聞かせてください。」とは言いだせず、固まったままになる職員。
「きたな。」 そう言って、アインシュタインが、にっ、と、不敵に笑った。 「出ました。『魔法使いの回廊』です。」
暗灰色と赤褐色の荒野に、揺らぎが生じた。ストーブの熱気ごしに見る風景のように、景色がその部分だけゆらゆらと揺れてみえる。
「あああ、駄目になっちゃった。」 ガイガー管理官が、珍しくみじめな声を漏らした。 「えっ、」 情報管理課の職員、つまり、彼の部下が背後に駆け寄ってくる。 「だめですかあ?」 管理官は小さく何度もうなずいた。 「そうなんだよそうそう。あああ、いいやつだったのに、傑作だったのに・・・はあ。」 「やだな。管理官のが駄目だったら、・・。きっと我々のなんて、駄目じゃないですかあ・・・。」 部下が、はあ、と、ため息をついた。 「そうね。」 あっさり肯定した管理官に、その部下は嫌な顔を見せた。 「ちょっと、やだな、否定してくださいよ?」 「やだね。君たちは僕より駄目なの。そうなってるの。」 肩をすくめる部下。 「やる気無くなるなあ。口先だけでもいいですから士気を高めるようなこと言ってくださいよ。部下を褒めて自信と力をつけさせようって気はないんですか?」 管理官はコンセントを抜きながら、「頑丈な精神を養ってもらうために、わざと、親心でこのように言っておるのだ。」と返した。
「俺は、あれを消せるだろうけど。あれから魔力はもらえないな。」 「なんで?そうなの?」 大魔法使いは、ガンガン首を振ってうなずいた。 「ありゃあ、俺には合わね。」 「そうなの?」 ガイガーは、相手の顔を下から覗き見た。 ああ!と、大魔法使いは力強くうなずいた。 「怨霊とかと同じで、その人その人で相性があるんだよ。取り憑かれやすい人とか、何もわからんで済む人とか。同じように、『魔法使いの回廊』に漂ってる魔力がすげえ好き!」って人と、『うわっ!寄るなっ!気色悪い!』って言う人と。」 「ああそうなんだ。で、怨霊って、アインシュタイン、見たことあるの?」 「まるでない!」
「!」 警報音、 職員が叫ぶ。 「壊れます!」 バリバリバリッという、大量のベニヤ板が破れるような破砕音。そして、爆発音。 パソコンが壊れた。 「うわあああ!個人用なのにい!」 何人かがくずおれた。精神的衝撃で。 「弁償してもらわなきゃあ・・・死んでも死にきれないいい 。」 「せっかく俺用に良い感じに作り替えてたのに・・・とほほ。」 爆風の中にもかかわらず、深刻だが呑気な内容の声が響いた。
「あー・・・・・。・・・・・おお。生きてる・・・・。」 ゴオ、と、やや強い風が吹く。がれきの中で、呆然とした声と、ガサ、という降り積もった板切れをどける音がする。 「あいててて。おーい。みんなあ、無事かあ?」 ガサガサバリバリと、自身の上にかぶさっていた細かい板切れを取りのけ、ガイガー管理官が身を起こした。 建物が、本当に粉々に吹っ飛んでいた。大きな破片は一つも無い。全部、おがくずや砂利の様になっていた。 ガイガー管理官は、それら破片をじいと見つめ、 「なんで生きてんだろう?」 と、気味悪そうに首をかしげた。石や金属や木がこんなに細かくなってしまうほどの威力に、なぜ、弱っちい人間の体が・・・無傷なんだ?
「まさか、」 「やっぱり、」 「そうだ!」 夕日を受け、がれきの中から無事生還した彼ら情報管理課職員に、長い影を延ばし、その男がかっこよく右手を腰に当てて立っていた。 「アインシュタイン師匠!」 「さすが師匠!俺たちを守ってくれたんっすね!」 どうしてなのか体育系の感激のしかたをする職員らに、師匠は「ふっ、」と笑いを決めた。 「当たり前じゃないか、俺たち・・・仲間だろ?」 「うおおお!アインシュタイン師匠ーっっ!」 軽傷ですんだ職員らは、アインシュタインの方へ駆け寄った。すっかり師匠に侵食されている。
「ふふふ、やっちまったぜ・・・。」 どうしよう、と、途方に暮れた目で、彼が笑っていた。笑顔はさわやかだった。これで良い、俺はやったんだやりとげたぞ、と人間的に大変満足している笑顔だったが・・・途方に暮れてもいた。 「ただの人になっちゃったよ・・・。」 皆、その言葉にぎょっとし、ばっと彼を見た。 「・・・て、ことは、」 彼、アインシュタイン。魔法使いの頂点に位置する男。彼無しで、今の魔法使いらは進歩しえないほどの男。だった。過去形。 ガイガー管理官が真っ青になっていた。愕然と、口を開く 「それじゃ、魔法、使い終わっ・・」 アインシュタインはみなまで言わせなかった。最後を引き取った。 「ちゃったの。今から、俺、ただの人。」
「よおし!みんなあ!あの夕日に向かって(ミッドガルの方向)、走れえ!」 「畜生、」 「ちくしょおう!」 「みんなあ!涙を拭くんじゃない!涙は、涙は心の汗なんだあああ!」
「うおおおおおおお!」 「うおおおおおお!」 夕日に響く、男泣き。黄橙色の夕暮れの荒野を駆ける、傷だらけの男たち。 「魔法使いの回廊」の消滅に、誠にふさわしくない、汗くさい終焉であった。
「で、」 「研究院に本日付けで配属となった、アインシュタイン博士だ。みんな、よろしくな!」
「しかし」 ガイガー管理官は、首をひねった。 「コレルの荒野で『魔法使いの回廊』が消滅。これには、何の意味もないのか?」
(この事件は蜃気楼の帝国へ続く)
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ガイガー: あーーすっきり!(イキイキ) それではまた辛抱たまらなくなったら、貴女のガイガーが出現しますよ? それでは! |
(146)投稿日:2005年04月20日 (水) 21時56分
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