歌帖楓月 |
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こんばんは。 他作品「万の物語」にDMBキャラを出しまして。私、「ロイエルが可哀相なのでアフターケア話」を書きます、と言っておりました。 今、書いてる途中なのですが。アフターケアではなく、本編扱いになりそうです。 DMBサイドから見るとこうなる、という話です。現在中断しているDMB本編の続きにもなります。
ちょっと載せておきますね。
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首都に来てすぐ、ロイエルの左腕の傷に細菌が感染して、化膿が始まっていた。それが判明した翌朝、すぐに研究院へ連れて行った。 ロイエルは私の母の養子となる予定だが。今はまだ、彼女の身柄の管理は、軍の管轄だった。 ロイエルはディープメタル事件の只中で生まれ育ってきた。ディープメタルとは、脊椎動物がそれを体内に蓄積することで神経系あるいは代謝系に障害を発症する金属化合物の総称。それに関わる全ての研究は軍の研究院のみが行っている。軍の機密事項だ。 ロイエルは、病院へ歩いて行こうとした。交通機関を使うことを、拒否した。右膝の腱が切れかけているにもかかわらず。 しかし、私がそれを許可しなかった。 少女は、ゆえに、不機嫌な顔をしながら、病院の中に入っていく。 いや、正しい理由は、私がそばにいるからだ。 「ロイエル」 呼びかける。 彼女は振り向かない。 「そこは右ではなくて左だ」 彼女は通路を間違えているのだ。右に曲がったら、標本室に行ってしまう。 立ち止まって振り向いた彼女は、ばつが悪そうにうなずいた。 「おいで」 私が先を歩く。彼女は後ろからついてくる。けっして並ぼうとはしない。 背後から聞こえる、床を引きずる足音。可哀想だが。しかし彼女は「自力で歩く」と決意したらしく、……この「決意」ほど厄介なものはないのだが、何を言ってもゆずらなかった。
診察を受けた場所は「症例研究室」の一室だった。ディープメタルが引き起こす障害の症例を研究している。 研究員達は、まず、ロイエルの化膿した腕から組織を一部採取し、細菌検査をした。 検査結果を待つ間に、医師が他の事について彼女に問診した。 「腕の化膿以外に、何か、体調に変化を感じたことはない?」 「……特に、ありません」 彼女の歯切れの悪い答え方に、医師は少し首を傾げた。
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という感じです。 なんとか続きを書きたいと思います。
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(199)投稿日:2006年01月29日 (日) 00時33分
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