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情報処理課分室 のぞき見 D.M.B.

ここは、DEEP METAL BATTLE を、一部の登場人物がのぞき見しているページです。
これもとりあえず作品の一つとして見てください。ネタバレありです。

そのほか、疑問感想などございましたら、ぜひぜひ書き込んでください。お待ちしてます!

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歌帖楓月 ホームページ 返信
こんばんは。
他作品「万の物語」にDMBキャラを出しまして。私、「ロイエルが可哀相なのでアフターケア話」を書きます、と言っておりました。
今、書いてる途中なのですが。アフターケアではなく、本編扱いになりそうです。
DMBサイドから見るとこうなる、という話です。現在中断しているDMB本編の続きにもなります。


ちょっと載せておきますね。

****************

 首都に来てすぐ、ロイエルの左腕の傷に細菌が感染して、化膿が始まっていた。それが判明した翌朝、すぐに研究院へ連れて行った。
 ロイエルは私の母の養子となる予定だが。今はまだ、彼女の身柄の管理は、軍の管轄だった。
 ロイエルはディープメタル事件の只中で生まれ育ってきた。ディープメタルとは、脊椎動物がそれを体内に蓄積することで神経系あるいは代謝系に障害を発症する金属化合物の総称。それに関わる全ての研究は軍の研究院のみが行っている。軍の機密事項だ。
 ロイエルは、病院へ歩いて行こうとした。交通機関を使うことを、拒否した。右膝の腱が切れかけているにもかかわらず。
 しかし、私がそれを許可しなかった。
 少女は、ゆえに、不機嫌な顔をしながら、病院の中に入っていく。
 いや、正しい理由は、私がそばにいるからだ。
「ロイエル」
 呼びかける。
 彼女は振り向かない。
「そこは右ではなくて左だ」
 彼女は通路を間違えているのだ。右に曲がったら、標本室に行ってしまう。
 立ち止まって振り向いた彼女は、ばつが悪そうにうなずいた。
「おいで」
 私が先を歩く。彼女は後ろからついてくる。けっして並ぼうとはしない。
 背後から聞こえる、床を引きずる足音。可哀想だが。しかし彼女は「自力で歩く」と決意したらしく、……この「決意」ほど厄介なものはないのだが、何を言ってもゆずらなかった。

 診察を受けた場所は「症例研究室」の一室だった。ディープメタルが引き起こす障害の症例を研究している。
 研究員達は、まず、ロイエルの化膿した腕から組織を一部採取し、細菌検査をした。
 検査結果を待つ間に、医師が他の事について彼女に問診した。
「腕の化膿以外に、何か、体調に変化を感じたことはない?」
「……特に、ありません」
 彼女の歯切れの悪い答え方に、医師は少し首を傾げた。

****************

という感じです。
なんとか続きを書きたいと思います。
(199)投稿日:2006年01月29日 (日) 00時33分

海月 返信
歌帖楓月さま
明けまして、おめでとうございます。
今年も、面白いお話を楽しみにしています。

☆*:・°★:*:・°☆*:・°★:*:・°

ガイガーさん。
放し飼い状態での、誠意が試されているんですわ。
どうぞ、頑張って奥様のお許しを勝ち取って下さいませ。
限定スイーツを、毎日お求めになるとか・・。
それには、お取り寄せなども入るのでしょうか?
いくら限定とはいえ、一ヶ月間だけではパターン化しませんか?
やはり、色々な季節の限定ものにして、一年間にしたみてはいかがですか?
奥様のお気持ちも和らぐと思いますよ。
(^o^)~~~

☆*:・°★:*:・°☆*:・°★:*:・°

ユリさん♪はじめまして。
常々一度お会いしたいと思っておりました。
いつも憧れておりましたのよ。
本当に、だんな様に愛されていると、自信をもっていらっしゃるんだなって(ハート)
ぜひ、今度 じ〜〜〜〜〜っくりと秘訣を伝授してくださいね。
(197)投稿日:2006年01月04日 (水) 23時42分

歌帖楓月 ホームページ
海月さま
レス遅れてすみません!
 ……明けてました(16日経過)
今年もッ、どうぞよろしくお願いいたしますッ!(勢いで乗り切る様子)
m(_深_)m

さて、管理官夫妻からの「明けましたレス」をいたしますね。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
ガイガー:
あけましたおめでとうございました。
今年も、貴方のガイガーが頑張りますので、どうぞよろしくお願いします。
スイーツの購入計画に、ありがたいご意見いただきまして、まことにありがとうございます!
それではさっそくご意見を拝見します。
なるほど……季節限定取り入れて……い、一年……?(目が泳ぐ)
ななな、なるほど、一年ですか。一年ですな? 長期誠心誠意計画ですな?(動悸)たしかにユリちゃんの気持ちが春日のように和らぎますよこれは。……うむ(とりあえず、渋くうなずいてみる)
(ガイガー、財布を確認)
奥さんの心は春になるけれど、僕の財布が厳冬になっちゃう長期予報が発表されました。

(遠くでユリちゃんの声「ガイガー? どなたと話しているの?」)

ガイガー:
(ギクッ!!)
あ、あはははは。(冬なのに大量の汗)
空から舞い降りる雪の妖精サンとお話してたのサ!?
僕ってホラ、詩人でロマンチストだろう? そういう訳なのサ?

(遠くでユリちゃんの返答「『知人がテロリスト』? ふうん、新しいお仕事?」)

ガイガー:
……ふぅ、どうにかあしらえた気がするサ。
という訳で、
ユリちゃんには「季節問わずスイートな愛」を毎日贈ることにします!
海月さん、ありがとうございました!

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
ユリ:
明けましたおめでとうございます。
今年もどうぞよろしくお願いします。
海月さん、嬉しい書き込みありがとうございます!
そうねぇ、秘訣は……、……、(考え中)

(ガイガーの独り言?が耳に入る)
「ガイガー? どなたと話してるの?」
(ガイガーがなんか答えてる)
「『知人がテロリスト』? ふうん、新しいお仕事?」
(ガイガーが大きくうなずく)

知人がテロリストねぇ?
不思議な話ねぇ、気になるわ。
お仕事の話って、ほんとは聞いちゃいけないんだけど、
(にっこり)
あとで聞いちゃおっと!
「お願いガイガー。お・し・え・て?」っておねだりすれば、話してくれるもの。フフッ(にっこり)

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

はい、という、夫婦のあいさつでした。
ユリが「秘訣」を言うのを忘れてましたが。
ガイガーがひとめぼれのベタボレで射止めた奥方なので、
愛され上手といえばいいのか、小悪魔といえばいいのでしょうか。
先に惚れたガイガーの負けかもしれません。
それでもなお、ガイガーが女の子にフラフラしちゃうのは、悲しい男のさがかもしれませんし。「ユリの怒った顔が見たい」とか、「叱られたい」とか、そんなことを思っているからかもしれません。マゾッ気があることは間違いないです。

おそらくこんなところかと、思います。
それでは、よろしければ、また遊びにきてくださいね!
(198)投稿日 : 2006年01月16日 (月) 01時07分

歌帖楓月 ホームページ 返信
海月様、回答遅れましてごめんなさい。
ではでは、前回いただいた疑問についてお答えいたしますね!

>今回の疑問、その1。
婚姻届けで気になったのが、ロイエルちゃんの戸籍。
現在、どうなっているのでしょうか?
そして、本来は??
( 回答 )
現在、ロイエルの戸籍は新たに作ってあります。本籍地は現在住んでいる町、現在18才となる生年月日です。
本来の戸籍は、ありません。
正確には「無い」のではなく、「どこかにあるはずだが特定はできない」ようです。
彼女は「過去のある時点」で医師に拉致されまして。彼女のおぼろげな記憶では「白百合女学園の社会見学」の時らしいですが、それが具体的に何年前の何時であったかは定かではないのです。かなり昔のことのようです。外見上の年齢は18歳くらいですが、身体に何かされているようです。ゼルクが彼女にを思い出させないようにしているのですが。拉致された後、酷い目に遭って現在に至ることは間違いありません。


疑問その2。
奥様のユリさんからの「贈り物♪」
なくなるまでには、きっとご苦労があったことでしょう。
( ガイガーからの回答 )
ガイガー:
海月さん、心優しいお言葉、ありがとうございます。
愛しのユリちゃん(奥さんの名前)からもらった、情熱の赤いスカーフを解くまでには、こんなイベントがあったんですよ?
 その1 土下座1時間で「ごめんなさいもうしません」と謝る。
 その2 おわびの印に、今後一ヶ月毎日限定スイーツを買ってくる。
 その3 その1,2のイベントをこなしてもなお、「うん、ガイガーは好きにしたらいいわ? 私も楽しんじゃうから!」とニコニコ笑われる。
……その3が一番、僕のハートに「グサッ!」ときました。これからどうすればいいの僕……嬉し悲しい放し飼いだよ?


>それと、奥様に、よろしければ、今度ご一緒にお茶でも・・・と ご伝言願えますでしょうか?
奥様の苦労話もお聞きしてみたいですので・・・。
(奥様ユリからの回答)
海月さん初めまして! まあッ、嬉しいお誘いありがとうございます!
苦労? いえいえ、苦労はしていませんけど(ニコッ)。成果は上げておりますのよ?(ニコニコ!) だって毎日毎日あんなに「浮気しないでネ?」って甘い言葉でささやいてるのに、約束破っちゃうんですもの。その後にこわぁい「お仕置き」が待っているっていうのに、もう、困った人なんだから!(ニコニコ) こんなお話でよろしければ、是非お茶してくださいね!


はい、ということでした!
またよろしければ遊びにきてくださいね!
(196)投稿日:2005年12月29日 (木) 22時44分

海月 返信
歌帖楓月さま、こんばんは。
毎度おなじみ、海月でございます。
リクエストが、即行で叶えられて嬉しい限りです。
今回も、とても楽しませていただきました。

♪ー♪ー♪ー♪ー♪ー♪ー♪

ガイガーさん。
今回も、魔法のようにお二方の秘め事を調べ上げてくださり、ありがとうございます。
エミリさんが予想外に「よい方」で、ガイガーさんに情報を下さったと知り、
「いい仕事をしている」と思ってしまいました。

さてさて、今回の疑問、その1。
婚姻届けで気になったのが、ロイエルちゃんの戸籍。
現在、どうなっているのでしょうか?
そして、本来は??
なんとなく予想はつくのですが、気になります。

疑問その2。
奥様のユリさんからの「贈り物♪」
なくなるまでには、きっとご苦労があったことでしょう。
ぜひ、お聞きしたいですわ。

それと、奥様に、よろしければ、今度ご一緒にお茶でも・・・と ご伝言願えますでしょうか?
奥様の苦労話もお聞きしてみたいですので・・・。



(194)投稿日:2005年12月11日 (日) 23時16分

歌帖楓月 ホームページ
いらっしゃいませ海月さん!
レスが遅くなり、申し訳ありません!
実はここ一週間ほど眼精疲労でひっくり返っておりました……。

ご質問いただき、ありがとうございます。
ものすごく答えたい気持ちでいっぱいなのですが、
……目眩がしてモニタを眺めていられないのです……くちおしいです。
元気になりましたら、きっちりかっきりお答えいたしますね!
よろしければお待ちください。

ブログの方にもコメントありがとうございます!
そちらのレスも書きましたので、よろしければごらん下さいませ。
それでは、ありがとうございました!
(195)投稿日 : 2005年12月14日 (水) 20時07分

歌帖楓月 ホームページ 返信
土日は所用があり、留守にします……。
(189)投稿日:2005年11月26日 (土) 00時35分

歌帖楓月 ホームページ
続きを書き込みました。
今日中に終わる見込みです。
(191)投稿日 : 2005年12月04日 (日) 12時31分

歌帖楓月 ホームページ
終わりました。
ここまでお付き合いくださり、ありがとうございました!
(193)投稿日 : 2005年12月04日 (日) 15時45分

歌帖楓月 返信
こんばんは。
自分の名前を誤入力して変換しましたら「課長フグ悦」という、ナイスネームが出ました。改名しようかな?と思ってしまいました。

さて、「あかずきんチャソ *テクで落とした*」のシーンについて、そろそろ書けそうな気がしてきました。修行の成果でしょうか。
ではでは、書いてみます。



■ あかずきんチャソ *テクで落とした件* ■
 (※童話ではないので、文章が平文です)

 ロイエルが居候になって、半年目。
 剣士ゼルクの家にお世話になり、毎日毎日朝な夕なに「祝福のキッス」を受け続けても、たしかな記憶が戻らない。自分の出生地、誕生日、家族の記憶、どれも取り戻せない。
 けれど、ひとりでも日常生活は送れるようになった。街での生活にも慣れた。
 ロイエルは決めた。
 これ以上、彼の世話になってはならない、ここを出て行こう。と。
 理由は、しかし、それだけではなかった。
 彼の留守中に、何度も、エミリという名の若い女性が尋ねてきたのだ。非常に親密そうな口調だった。ロイエルを不審そうに見るその女性は、きっと彼の恋人なのだろう。
 もう、ここにいてはいけない。
 今日は気持ちのいい秋晴れだ。さよならするなら、こんな爽やかな日に限る。

 朝食の準備を済ませると、ロイエルは、ゼルクの部屋に向かった。
 ノックをして、入っていいとの返事をもらうと、扉を開いた。
「ゼルクさん、」
 彼は、剣の手入れをしていた。鞘から抜かれた、青黒い刃が、滑らかに濡れた光を放っていた。
「おはよう」
 目線を向け、口角を上げてそう言うと、彼は視線を再び剣の刃に戻した。
「おはようございます。朝食の用意できました」
「ありがとう」
「ゼルクさん、」
 ロイエルの改まった声に、ゼルクは手を止めた。
「どうかした?」
「はい。お話したいことがあります」

 ロイエルは、先ほど自分が決意したことを、話した。ただ、女性の話は、しなかった。彼の個人的な事情に、こちらから立ち入る訳にはいかないと思ったからだった。
「……ですから、そろそろ、こちらを出ようと思います。こうしていつまでも、お世話になっているわけにもいきませんし」
 辞去するための、丁寧な口調だった。
「ここを出て、あてはあるの?」
「ガイガーさんに相談しようかと思っています。あの人、この街のお役人でしょう? 何か紹介してくださるかも」
「ガイガーね、」
 つぶやいて、ゼルクは肩を竦めた。彼なら、思い切り私情をはさんだ上で、紹介するだろう。
「私は、ガイガー以外の職員にたずねることを勧めるけど。……ガイガーに、こだわりたい?」
 奇妙な問いかけに、ロイエルはきょとんとして首を振った。
「いいえ? 特にこだわりません。住む所が見つかれば、それでいいから」
「そう」
 ゼルクは静かにうなずいた。そして、手入れを終えた剣を鞘に収めた。
「じゃ、最後に、もう一度だけ、可能性にかけてようか」
 彼の手招きに応じて、ロイエルは部屋の中を歩き進んだ。

 キッスを受ける前に、ロイエルは、やはり言っておかなければと思った。
 女性の存在を知っている、と。
 今まで、彼がそれを秘密にしていたのは、記憶がないお陰で身寄りがない私を気遣っていたからだろう。私が、彼の家に居候になってキッスを受けることに、余計な後ろめたさを感じないように。
 ならば私から話そう。そうすれば、彼は最後のキッスを、加減することができるから。
 こちらを向いて立つゼルクに、呼びかけた。ことさらに明るく。
「ゼルクさん、もし、彼女から私のこと聞かれて、返事に困った時は、私を呼んでくださいね。きちんと説明しますから」
「彼女?」
「はい」
 ゼルクは、ゆっくりとまたたいた。
 ロイエルの申し出に返答することなく、「おいで」と言った。
「はい」
 ロイエルはゼルクのすぐ前に来て、彼を見上げると、笑った。
「これで最後ですね。お世話になりました。本当に、ありがとうございました」
「最後、だね」
 ゼルクも微笑かえして、ロイエルの背中に手を回して抱き寄せた。
 右手で彼女のあごを持ち上げて、「祝福のキッス」を交わした。
 初めは触れるだけ。ロイエルが瞳を閉じていると確認してから、もう一度唇を触れ合わせて。三度目は深く。彼女の唇を開けさせて、舌を入れた。
 驚いて、ロイエルが身じろぎした。
 わずかに唇を離して、祝福のキッスを中断した。
 ロイエルは、驚きのあまり、言葉もなく、ただゼルクを見上げていた。
「恋人がいるなら、今みたいなことすると思う?」
「……」
 彼は暗に「いない」と言っている。それはわかる。それはよくわかるが……どういうつもりかが、わからない。だから、返事ができない。
 ロイエルはただ「え?」とつぶやいた。
 ゼルクは、再度言うことはせず、別のことを言った。
「恋人がいるなら、君を家に招き入れてたと思う?」
「え?」
 またも、ロイエルは答えることができず、ただただ彼を見上げた。
「あの……?」
 ふるわない返事に、ゼルクは少し肩をすくめて、次に、なぜか、不敵に笑った。
「まあ、いいか。まだ続きがあるし」
 再び「祝福のキッス」をした。
 とまどったままのロイエルを強引に引き寄せて、唇を柔らかくついばむ。好物の食べ物を口中で愛でるように。何度も、何度も。
「……ぁ、」
ロイエルの唇から、小さな声が漏れた。自分の力で立っていたの
が、声を出すとすぐに、膝をかくりと崩した。
ゼルクは、それまで背に回していた腕を腰へ直すと、立てなくなったロイエルを抱き支えた。
ロイエルは力が抜けているので、少し仰のかせたら、簡単に口を開かせることができた。そこに舌を滑り込ませ、舌先で口内を撫でた。歯列の裏をなぞり、口蓋の頂をこする。すると、一瞬、少女の体が驚いて硬直したが、抵抗する間もなく、すぐに力が抜けてしまった。
ロイエルの舌に舌をからませて、本人と同様に、抵抗する力も無い柔らかなそれをもてあそぶ。ロイエルの体が、そのたびに、反射的に震えた。
やがて、惜しむように、唇が離れた。
「……」
ロイエルは、ゼルクをただ見上げるばかりで、声も出ない。赤茶色の瞳が、たまった涙で潤んだ光を放っていた。しかし、嫌悪で泣いたのではないらしく、ゼルクが硬く抱きしめているのに、抵抗するそぶりも見せず、酔ったような表情をしていた。
「ロイエルが言う、『恋人』なんていないし、」
ゼルクがささやいた。
「その『彼女』を恋人にする気もないから、」
そして、間近で軽く笑ってみせた。
「思い出すまで、ここで暮らすというのは、どう?」
「……」
ロイエルは、目をみはった。
何か返事をしようとするが、まだ心が落ち着かないのか、言葉が出ない。
ゼルクが、改めてたずねた。
「思い出してから、出て行くかどうかを決めてみない?」
「……」
やはり、言葉が出ない。だから、ロイエルは、返事の代わりにうなずいた。
「よし。決まり」
ゼルクは、微笑んだ。

■つづく■


まだ続きがあります。「さらに一ヵ月後」が。
たった今書き始めましたので、数日お待ちください。
(184)投稿日:2005年11月20日 (日) 02時19分

歌帖楓月
■はい。一月後です。■


午前。
ゼルクが仕事に出たので、ロイエルは一人で家にいた。これから、そうじと洗濯をする予定だった。
玄関から廊下を歩いて、納屋へ掃除道具を取りに行く。
しかし、2、3歩すすむと、少女は立ち止まった。
彼が出かける前にしてくれた、「祝福のキッス」のことを思い出して、ロイエルは頬を赤らめる。深く深く口付け、舌をからませて、甘くしびれさせて平衡感覚を失うキッス。一月前のあれから、キッスといえば、こればかりだった。
ロイエルは胸を押さえた。心臓がドキドキしている。
駄目。
強いて、気持ちを切り替えようとした。
駄目駄目、そうじしなきゃ。今、そんなの考えちゃ駄目。
そうじしなきゃ。
嫌じゃない、嫌じゃないけど。
ロイエルは、天井を見上げ、やるせなく瞳を閉じて、吐息をついた。
……ドキドキして、駄目。
「しっかりしなきゃ。あれは、祝福。私の記憶を呼び戻すため!」
ロイエルは激しく頭を振って、感覚を外へ追い出そうとした。
でも、
日に日に、理性を失いそうになっていくのは、どうしてなんだろう?
気のせいか、だんだん、……長く深くなっているような、
「そ、そうじッ! そうじしなきゃっ!」
パン、と、両手で頬を叩いて。ロイエルはバタバタと納屋へ走った。

家具のほこりをはたき、床を掃いて、布巾で拭きあげて掃除をした。
洗濯まで終わったら、時間は正午近くになっていた。
すっきりした室内と、明るい陽光の射す裏庭にきちんと干された洗濯物をみて、ロイエルは清々した気持ちになった。
思わず、さわやかな笑みが浮かんだ。
食台に飾る花を庭で摘んで、それから昼食にしましょう。
台所にある勝手口から外へ出る。
裏庭に、秋の花が咲いていた。その中から、優しい桃色に咲いた小バラを選んだ。
……帰ってきたら、喜んでくれるかな?
ロイエルは、バラの優美な姿と香りに目を細め、夕刻帰る彼の反応を想像して微笑んだ。
「ふふっ」
そこに、彼女が来た。
「こんにちはー!」
丹念に巻かれた美麗な金髪、薄化粧のように見えて実は入念にそれを施され仕上げられた愛らしい顔立ち。自称「ゼルクの恋人」のエミリだった。
「今日は、ゼルクさん、いらっしゃるの?」
ニィッコリ、と、優美にしかしどこか怖い笑みを浮かべて、彼女はたずねた。
「いえ。今日も、仕事で」
「あらそう……」
ロイエルが答えると、エミリは残念そうに瞳を伏せた。
「お忙しいのねぇ。いつもご不在なんだから」
しばし口をつぐんだ後、彼女は、ひどく明るい顔になった。
「そうだわ! 彼が帰宅するまで、待たせてもらっていいかしら?」
「……」
ロイエルは、ぽかんとした。
帰るのは夕刻になるので、今から4時間以上あとになる。それは、けっして短い時間ではない。
そんなにまでして、会いたいのだろうか?
「夕方になりますけど。それでよければ」
「いいのよ。私はひとつも構わないわ?」
しゃあしゃあと言ってのけて、エミリは家に入った。

「ふうううん」
家に入るなり、エミリは遠慮も会釈も無く、室内をすみずみまで見渡した。
「ふんふん……」
そして、目を細めると、居間に置かれた飾り棚に向かって、つかつかと歩み寄った。
つつぅっ、と、人差し指で、棚の上を撫でる。
ロイエルは、「まるでお姑さんね」と思いながら、彼女の行動を見ていた。
ほこり一つつかない。それどころか、逆に、艶やかに磨かれた棚に、手垢をつけてしまった。
「……」
エミリは、面白く無さそうに、眉をひそめた。
「きれいなお部屋ですわねーぇ。おそうじが行き届いていること!」
非情に不本意そうな声で、そう褒めた。最後に聞こえた「ッチ」っという声は、おそらく舌打ちだろう。
「どうぞ座ってください。お茶を入れますから」
「アラお構いなく」
と言いながら、エミリは招かれた客のように堂々とソファにかけた。

紅茶を十五杯。ビスケットを一箱。ジャムを小瓶に半分。クリームを大さじスプーンに8杯。サンドイッチを10切れ。
これだけ食べた所で、夕刻になった。
「そろそろ、彼のお帰りかしら? 私、ちょっとお化粧直しにいかなきゃ!」
エミリはいそいそとソファを立ち、家捜しした結果先刻承知のお手洗いへと案内も無く颯爽と向かった。
「あれほど我を押し通す精神力があるんだから、たしかに、これは必要な栄養分かもしれないわ……」
ロイエルは、つくづくと、台所の流しにつまれた「エミリの完食済食器」を見つめた。
「だって、その証拠に、まるで太ってないもの」
うらやましいけど、真似できない。と、ロイエルはしみじみ思った。

「ただいま」
ゼルクが帰ってきた。
「お帰りなさい!」
ロイエルは、玄関へ駆けて行く。
ゼルクは、笑顔で迎えにきた少女に、笑いかけた。
「外は冷え込んできたよ?」
「じゃあ、今日はシチューを作っていたから、ちょうどよかったわ」
見上げて笑うロイエルを、ゼルクの腕が引き寄せた。
「だ、駄目、なの」
彼女の珍しい拒絶に、ゼルクは瞬いた。
「どうしたの?」
ロイエルは、おずおずと言った。
「実はね、エミリさんが、あなたのこと、待ってたの」
「……」
ゼルクは、非情に不快そうに、眉をひそめた。
「ごめんなさい」
反射的に謝るロイエルに「違うよ。君への気持ちじゃないから」と言い置くと、足早に居間へ歩き出した。

「ゼルク様……お久しぶりですわ」
今の今までとはうって変わって、エミリはまるで小バラを背負ったかのように、うぶな言動をした。両手はお腹の辺りで指を組んで楚々とした風情をかもしだす。頬を赤らめ、純情そうに、もじもじと顔を伏せている。しかし薄紅色の唇から発せられた可愛らしい声は、柔らかいが決して小さくはなく、相手の耳にキッチリ届く明瞭な発音だった。丈の短いワンピースは薄い夕焼け色。漂う芳香は秋バラ製の香水。全身で、相手の五感に女性らしさを訴えている。
一体これは誰? と思ったのは、ゼルクではなくロイエルだった。
「父がいつもお世話になっておりまして、今日はご挨拶に伺いましたの……」
なよやかな一礼に、ゼルクは笑った。
「こんばんは。エミリ嬢」
「あら、」
エミリは、目を伏せた。
「よろしいのに。昔からずっと言ってきたように、『エミリ』と呼んでくださいませ」
昔からずっと?
ロイエルは、その言葉が引っかかった。
反射的にエミリを見ると、彼女はひどく余裕あるゆったりとした笑みを浮かべて見つめ返した。
「ね? ゼルク様? 私たち、家族も同然ですものね?」
家族も同然?
ロイエルは、かつてゼルクが言った言葉と、彼女の今の言葉の温度差に、とまどった。かたや、そっけなく、かたや、熱く親密な……。
どういうこと?
エミリは、すっかり困惑しているロイエルを嬉しそうに見ると、さらに言葉を続けた。
「いっそのこと、ゼルク様、私たち本当の家族になりませんこと?」
「あの、」
ロイエルが、言葉を挟んだ。
「まっ。なぁに? 私は、今、ゼルク様と大切なお話をしているところなのよ?」
迷惑そうなエミリに、ロイエルは、首を振った。
「邪魔はしません。私、用があるので、部屋に戻りますから」
「あら、そう?」
エミリは、勝ち誇った微笑の花を咲かせた。
足早に居間を出て行こうとするロイエルを、しかし、ゼルクが引き止めた。
「待ちなさいロイエル」
「こんな場に、私、居たくありません」
扉の際で首を振って固辞する少女のところへ、ゼルクは歩いていった。そして有無を言わさず腕を掴むと、再びソファの前に立つエミリの方へ帰ってきた。
「まぎらわしい言い方をしないでくれるか? エミリ」
「あら本当のことでしょう? ゼルク?」
言葉遣いがぞんざいになり、二人の信密さが表出した。
ロイエルは、居心地悪そうに身じろぎした。
ゼルクは眉根を寄せて、薄笑いを浮かべるエミリを見ると、ロイエルにそっと言った。
「気にしないでいいんだよロイエル。彼女は実家が隣で幼馴染、それだけなんだから」
その言葉が終わらないうちに、エミリはころころと笑い出した。
「フフフフ! それだけですって? これだけ揃えば、十二分よ? ロイエルさん、もうわかってるとは思うけど、私とゼルクは」
「お互いの裏を知り尽くした幼馴染だ。エミリ、私は同類は嫌いだ」

(186)投稿日 : 2005年11月23日 (水) 17時56分

歌帖楓月
つづきです。


「フフフフ! それだけですって? これだけ揃えば、十二分よ? ロイエルさん、もうわかってるとは思うけど、私とゼルクは……」
「お互いの裏を知り尽くした幼馴染だ。エミリ、私は同類は嫌いだ」
エミリの言葉は、ゼルクによって遮られた。
「これだって、私への嫌がらせだろう?」
「そんな……」
エミリは、傷ついた顔をした。
「私は、本当にゼルクのことが……」
「嘘をつけ」
「ひ、酷いわ……」
ううっ、と小さく声を上げ、エミリは涙混じりに顔を伏せた。
どうみても、エミリがいじめられているようにしかみえない。
「ゼルクさん、そんな言い方しなくても、」
ロイエルが口を出すが、ゼルクは取り合わない。
「いいから。さあ、エミリ、家に帰れ」
「……ッ、ゼルク、なんて冷たいの?」
「あ、あの、エミリさん、」
どこまでも冷たい男。弱々しく打ちひしがれる女。見かねたロイエルが、エミリの肩に手を置こうとした。つまり、ゼルクのそばから離れた。
瞬間、エミリの目が妖しく輝いた。
「酷いわゼルクッ、私たち、あんなに愛し合った仲じゃないのー!」
エミリは、悲嘆にくれた言葉とは裏腹に、野猿のように敏捷にとびかかった。そのまま脚をスラリと伸ばし、とび蹴りの体勢にうつる。ロイエルは驚いて目を丸くした。
標的のゼルクは、飛んでくるエミリの足首を容赦なく片手で払ってふせいだ。冷たい言葉とともに。
「嘘を付くな。口汚く罵りあった仲だろう?」
エミリは、その優美な姿に似合わぬ見事な受け身で床に着地すると、倣岸に言い放つ。
「ええそうよ!? 愛情なんて、ハッ、これっぽっちもあるもんですか! あるのはウラミと憎しみだけよ! だから、あんたの恋路を邪魔してやりにきたのよッ! あんただけ先に幸せになってるのが、許せないィィ!」
「お互い様だ。ようやく本性を現したな」
お互いに、凶悪な笑みでにらみ合った。
「ここで不毛な嫌がらせをしている暇があるなら、お前に騙される男を探した方がよくないのか?」
「そのつもりよ! だけどね、私、自分のためになる、いーい情報を、仕入れたのよ? それを伝授してもらおうと思って。これで、男たちを、今よりもさらに自由にできるんだわ!」
「……」
ゼルクの顔が、一瞬ではあったが、さっと曇った。
「?」
ロイエルは、どうして彼がそんな後ろめたそうな顔を、一瞬にしろ浮かべたのか、わからなかった。
エミリは、ゼルクの表情を見るや、輝くような笑みを浮かべた。
「弱み、見ーつけた!」
その満面の笑みは、今度はロイエルに向けられた。
「うふふふー。ロイエルさん、あなたが毎日毎日受けているキッスは実はね『忘却……フグッ!?」
言葉の途中で、ゼルクが、エミリのみぞおちに拳を叩き込んだ。
エミリは、気を失った。
「ゼ、ゼルクさん……?」
いきなりの乱暴に、ロイエルは仰天した。
「家に返してくる」
ゼルクは、こともなげにそう言うと、床に転がっているエミリを荷物のように小脇に抱えて出て行った。

……忘却?
騒乱の後に、独りの静寂に包まれた家の中で、ロイエルは、エミリの言いかけた言葉を、反芻していた。


つづきます。
(187)投稿日 : 2005年11月23日 (水) 18時48分

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つづきです。



「ただいま」
「……おかえりなさい」
再び帰宅したゼルクは、すっきりした様子だった。
迎えたロイエルは、こころなしか沈んでいた。
「ゼルクさん、わたし、聞きたいことがあります」
少女は切り出した。
「さっき、エミリさんが言いかけたのは、一体、なんですか?」
それまで笑みを浮かべていたゼルクだったが、ロイエルの言葉に、表情を改めた。
「……知りたい?」
彼の声は、静かだったが。まるで、波の無い深い湖水のように、けして明るくはない何かを含んでいた。

居間に行き、二人ならんで、ソファに腰掛けた。
「『忘却』という言葉が、耳に入りました」
ロイエルは、慎重に言った。
「私の記憶喪失と、関係がありますか?」
ゼルクは、しばらくの間、だまってロイエルを見つめていた。
静寂が流れた。食堂から、バラと夕食の香りがそっと訪れた。
「うん」
そして、ゼルクは、肯定した。
「関係あるよ」
ロイエルは、一瞬、目をみはったが、すぐにそっと伏せた。
「……それは、記憶をさらに忘れさせる、ということですか?」
再度の問いが、ゼルクの耳に届いた。
「そうだよ」
穏やかな静けさで、肯定された。
ロイエルは息を詰めた。そして、今度は、抑えてはいるが悲痛な声をもらした。
「どうして?」
再び、静寂が流れた。ゼルクは、沈黙していた。答えたくないからではなく、その揺るがない静かな表情の奥で、思案しながら言葉を捜しているようだった。
ロイエルは、彼の答えを待った。
やがて、ゼルクが言った。
返答ではなく、質問だった。
「……ドクターの診察室を、まだ、おぼえている?」
ロイエルは、伏せていた顔を上げた。
そして、彼を見た。
笑みはないが、穏やかな顔をしていた。まるで、独り歩かねばならない闇夜の道で、灯りと外套を持ってそっと待ってくれているような、そんな優しさがにじみ出ていた。
ロイエルは、記憶をたどった。

ドクターの声。
「あなたは立派なヒトですよ」
保存液を満たした大きなガラス瓶に詰められた、骨抜きの人間。
机の上の頭蓋骨。
机の下にある、ふたつきの金属容器からはみだしている。腕や脚。
それらを初めて見たとき、なんにんぶんだろう? と、思ったこと。
そんな断片的な記憶しかない。前はもっと、平気で色々と覚えていたような気がする。今は、冷静な物の見方と、記憶のかけらしかない。

ロイエルは言葉無く、ただ、首を傾げて、ゼルクを見た。
声の代わりに涙が落ちた。
記憶は、滅茶苦茶に破られた手紙のように細切れにされているのに。ひどい孤独と恐怖とが鮮やかに甦った。
ゼルクが、強引に、少女の腕を引いた。
背に腕を回して抱き寄せ、唇を重ねた。
忘れさせる口付けだった。
ロイエルは両手で彼の胸板を押して抵抗をし、声を上げた。
「教えて!」
ゼルクは彼女の両の手首をつかまえて動きを封じ、さらに引き寄せて口付ける。
ロイエルは首を振ってこばんだ。
「やめて! しってるんでしょ? 私よりも、私のこと、」
「……知ってるよ」
ロイエルの心のどこかが、思い出したくないと叫んでいた。しかし、少女はは青ざめながらも言った。
「おしえて?」
「聞きたい?」
問いかけられて、うなずくロイエルの顔色は、だが、一層青くなった。
返事の代わりに、ゼルクは口付けた。
「やだっ、」
必死に抵抗するが、少女の細い体でかなう相手ではなかった。彼は鋼のような身体を持つ剣士だ。
手首を捕まえられたままソファに押し倒され、彼の体重を掛けられ、ロイエルは身動きできなくなった。

つづきます。
(188)投稿日 : 2005年11月25日 (金) 01時30分

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「やだっ、教えて! 忘れたくない! 思い出したいの!」
答えは、体に返された。
浅く深く繰り返される口付けが、ロイエルにもたらされた。
声を出したいが、青年の舌に口中を責められて、耐えるのに必死でとてもそれどころではない。歯列をなぞられ口内のやわい皮膚を愛撫される。離れようと首を振るが、甘い快楽に力が抜け目まいがして、うまく動けない。呼吸のためにわずかに唇が離される瞬間に声を上げようとするが、出るのは吐息まじりの悲鳴だけで、言葉にならない。
「ん、ぅっ、」
鼓動をはやらせ身じろぎするが、押さえつけられた体は逃げることまではかなわない。
「お願い、」
真実を知りたい。だが、青年から返されるのは、行為ばかりで。
「あたし、ヒトじゃ、ないんでしょ?」
保存液に漬かった骨抜きの遺体。あの診察室と医師の異常さを、如実に物語っていた。
ゼルクはここでようやく返事をした。
「いいや」
 そして目を細めて、静かに笑った。
「人でないなら、」
言いかけて、両手を、ロイエルの手首から離した。彼の手は、少女の頬を包んだ。
「こんなふうに柔かかったり、暖かかったりしないよ」
唇が触れた。それは名前のついた口付けではなく、愛情ゆえの行為だった。
「だから、」
唇を、わずかに離して、ささやいた。
「忘れたままでいいことも、あると思う」
背中に手を添えて引き寄せられ、触れるだけの口付けをされた。ロイエルは、ただ彼の言葉を聞いていた。
「思い出さないほうがいいと思う。私の言うこと、信じてみないか?」
ただ、深く口付けられる。祝福も忘却も関係ない。ただ愛情が注がれる。
「でも、わたしは、……っ、」
言いかけた言葉は、青年の舌に絡められ奪われた。音や言葉を発する間も与えてもらえない。抗ってみようとした少女の純情な舌は、罠にかかるように、相手のそれに愛撫されて力を無くす。引きずり込まれるような心地よさに、思わず首を振るが、唇は執拗なほど離れない。体の奥が熱くなって、頬が紅潮した。
「ぁっ、」
くぐもった悲鳴も、彼の口中で行き止まりにあった。
柔い唇を甘く噛みつかれ、喉のそばまで舌先を滑らされて、ロイエルは上身を震わせて反らせた。硬く閉じた瞳から、涙がひとしずくこぼれた。それは、決して苦痛ゆえではなかった。
証拠に、気付いたゼルクが唇を離して、瞳に口付けて涙をすくったが、抵抗するそぶりもなく、されるにまかせていた。
「ロイエル、」
ゼルクは瞳を伏せ、ロイエルの耳にささやきかけた。
「私を、好きか?」
ロイエルは、酩酊した様子で、ゼルクを見つめた。
青年は少女を抱き寄せて、返答を待たずに口付けた。
頬を両手で包み、唇を重ねて数度ついばみ、頼りなげに震える少女の髪を手ですいて、深く口付けて。
いつか、少女は、ゼルクの背に手を回して、自分から身を添わせていた。
「すき……ゼルク、」
うっとりとつぶやく美少女に、青年は、笑みを落とした。
「いい子だ」

続きます。次で終わりです。
(190)投稿日 : 2005年12月04日 (日) 12時30分

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翌日。
早朝からガイガーがやってきた。
「幸せなお宅訪問ー! おはようございます幸せですか?」
「どうしてそんなに情報が早いんだ?」
玄関で、呆れた顔をしているゼルクの言葉に、ガイガーは「エミリちゃんが教えてくれたのー!」と答えた。
「あいつ……」
ゼルクの眉間に深いしわが刻まれた。さすが幼馴染、こちらの嫌がることを熟知している。
「エミリちゃんってイイ子ね! で、ゼルクくんは、ロイエルちゃんを自分の戸籍にイれちゃうんだ。最初からイれちゃうつもりだったんだ。ふううううん」
「まだそこまで話は進んでいない」
「うん、戸籍はともかくね。昨夜はイれたのですか? ……グフッ!」
ゼルクは遠慮無く右足を友人の腹に叩き込んだ。ガイガーは「これは良い蹴りだ!」と叫びつつ腹を押さえて後ずさった。
「今の答え、どんな言葉よりも明解だったよ。そうかぁ、そうかッ、とうとうかッ! 君的には、やっと、か!?」
「何もしてない」
「うっそだぁ? お邪魔すればわかることだよね? 失礼しまーす!」
ガイガーは、友人の不機嫌な顔に屈しもせず、威風堂々と玄関を通った。

「おっはようございまーす! いやー良い朝ですね!?」
さわやかなあいさつと共に、ガイガーは居間に入ったが、そこには誰もいなかった。
「……おやおや? いつも早起きのロイエルちゃんはどうしました?」
嬉しそうに振り返って、後ろから着いて来たこの家の主人に尋ねた。
「まだ寝てる」
「どうして知ってるのさぁ?」
ガイガーはニイヤリと嗤った。
ゼルクは冷静な顔をして答える。
「同じ家に住んでいるんだからわかるだろうそれくらいは」
「うそだぁ。さっきまで一緒だったからだぁ?」
「どこまで勘ぐりたがるんだ」
ゼルクは呆れた様子で肩をすくめた。
すると、
「……おはようございます、」
起きて間もないと思われる、少し気だるげなあいさつが、台所の方から聞こえてきた。台所には、二階へ続く階段がある。
居間に、ロイエルがやってきた。
「おっはよう!」
ガイガーがうそ明るいあいさつを返した。
そしてこう言った。
「お! 今日は髪の毛おろしてるんだね! 可愛いねぇ!」
「そんな。お茶、いれますね?」
少し照れて微笑み返すロイエルに、ガイガーは満面の笑みで返した。
「いやいやお構いなくー!」
ロイエルは再び台所へ消えた。
いなくなったのを見計らい、ガイガーは独り言のように言った。
「首筋にキ・ス・マーク。隠したいよねぇ? いつ消えるかなぁ?」
ごつい背中に「ドス」と拳が入った。
その本気な痛みが、ますますガイガーを喜ばせた。
「いつも姿勢良く立ってるロイエルちゃんなのに、どうして今朝は、扉をぎゅってつかまえてるのかなぁ? 腰をどうかしたのかなぁ? 立てないほど腰がどうかなったのかぁ?」
調子付くガイガーの首に、ゼルクの腕が気配無く回された。
「赤いスカーフはどうした? 奥さんからの」
「やだなぁ。そんなのとっくに外れてるよ? ボク、清く正しく美しいから」
「そうか仕方ない。自力でやる」
ガイガーの頸部が際限なく絞まった。
「ググググ!」
「死ね、」
冷気を伴った単語が、ガイガーの耳に刺し込まれた。
「いやだこの人ッ、本気!? 初夜明け邪魔されたのが気に食わないの!? お、恐ろしい子!」
「なに、すぐに楽になるさ」
「グ、グはぁ! ちょ、し、しぬッ……ああ、そうだほら、ロイエルちゃん、ロイエルちゃん一人で台所大丈夫かなー? グググ。見に行ってあげないと、腰抜かしてるかもよー?」
「すぐ終わるさ」
「何が? ボクの始末のこと?」
ガシャン、という音が響いた。
ゼルクの腕が離れ、彼は台所に向かった。
「ほぅら、言わんこっちゃない」
命拾いしたガイガーが、ほっとして声を出す。

流しのそばで、ロイエルが床にへたりこんでいた。
「大丈夫?」
ゼルクが近寄ってきた。
ロイエルは、頬を赤らめながらうなずいた。
「ごめんなさい。うまく、立てなくて」
ゼルクは、彼女を抱き上げた。
「まだ寝てなさい」
「でも、」
いいよどむ唇に軽い口付けを落として、ゼルクはささやいた。
「私がするから、」
「んっ、」
ゼルクはロイエルの耳たぶを甘噛みした。びく、と、ロイエルの腰が震えた。少女はうっとりと青年を見上げた。
「なに?」
首を傾げて笑ってささやき、ゼルクはロイエルの耳元に、彼女にだけ聞こえる質問を吹き込んだ。
少女の頬が朱に染まり、かすかなうなずきが返った。
「じゃあ、部屋で待ってなさい? ガイガーを帰してから来るから」
「……うん、」
「ひとりで行ける?」
「……ううん、あるけない」
「わかった」
そこまでやり取りした後、視線を感じてゼルクは振り返った。居間の方を。
ガイガーが、ニヤニヤ笑ってこちらを見ていた。声は出さず、口だけで「やっぱりね」と言った。
ゼルクは目を細めてそれを受け、やがて、笑った。

二人が階段を登っていくのを見届けてから、事務屋の友人は、居間に書置きをして、実は持ってきていた書類を置いて、スキップで家を出た。
「婚姻届で戸籍もイれてね? 24時間いつでも受け付けてます。町役場職員より」


おしまい。
(192)投稿日 : 2005年12月04日 (日) 15時44分

海月 返信
こんばんは。お久しぶりです。海月です。
「あかずきんチャソ」楽しく拝見させていただきました。

ガイガーさん。続きが知りたいです。
お礼に、こちらを・・。(そっと、白百合の制服を差し出す。)
奥様に見つからないようにしてくださいね。
卒業された先輩から、着替え用にと譲り受けた品です。
(写真を手渡す)

ぜひ、「テクで落とした」のあたりを、じっくりと調べ上げて下さいませ。
ひしっと、見つめるが、

ふっと、視線をはずし、
「白百合嬢・・・夢を壊してごめんなさい。」
かけ去っていく。

(182)投稿日:2005年11月04日 (金) 21時37分

歌帖楓月 ホームページ
海月さんこんばんは。ようこそおいでくださいました!
まずは、ガイガーの方からお礼を申し上げますね。

::::::::::::::::::::::::
ガイガー管理官(イケメン25歳):
海月さん、ようこそ!
貴方とまたお会いできて、僕、僕ッ、嬉し涙で前が見えませんよ?
お越しいただいた上に、何ですかこれは!? しし白百合女学園! 白百合女学園のっ、白百合嬢の既使用制服!!! しかも写真付きですか!?
(腰砕け)
うおお、僕は今、猛烈に感動していますよ!? 夢を壊すだなんて、……ふ、ノンノンノン、海月嬢ったら謙遜がうまくてらっしゃる。壊すではなく、まるっきり逆の意味で、「夢・大ブレイクー!! やったー!」ですよ!
先輩後輩白百合嬢つながりで着替え用制服っ! これは家宝ですよ! 秘宝ですよ!? 男の浪漫の結晶体が降臨しましたよ神様ありがとう!
海月さん、愛しています! 先輩にもよろしく愛してますとお伝えください!!

ガン(折りたたみ椅子落下)

ぐは!?
いいじゃないのさ白百合嬢に愛の告白くらい! 男の浪漫だよ!?
誰? ユ、ユリちゃん? いやいやいやそんな訳無いよね、まさかねぇ……。

おっと。ごめんなさい、取り乱しましたね。制服をいただけたので、つい情熱がほとばしってしまいましたよ?
海月嬢のご要望は、
>ぜひ、「テクで落とした」のあたりを、じっくりと調べ上げて下さいませ。
ですね?

ふっふっふ、「テクで落とした」の一部はですね、この下の記事、ええと、僕が「あかずきんチャソ」のあとがき書いてる記事にですね、続けて書いてあるのですよ、レスとして。
でもですね。「テクでロイエル君をめろめろにした具体的なシーン」は、まだ書いてないのです。

作者が「16禁小説の書き方忘れちゃったどうしよう」などと迷走し始めましてね。
ということで、作者は今、「16禁小説」の書き方を思い出すべく修行をしてますので、
「テクでロイエル君をめろめろにした具体的なシーン」
につきましては、修行が終わり次第、この掲示板に登場しますよ。

ちなみに、作者が16禁ラヴラヴ小説の修行をしているサイトは、
ブログ「ラヴラヴ小説修行中フォー!!」ですよ。
URLは
http://blog.livedoor.jp/minatukisizuma/
です。
「ご褒美は、わ・た・し!」っていう、笑っちゃう題名の小説を書いて、修行しているみたい。かなりベタな展開ですよ?
……でもね、16禁じゃなくって、18禁らぶえっち小説状態になりつつあるみたいですよ。

愛しい海月嬢、そういう訳ですので、近日中に作者の修行が終わり次第、
「テクでロイエル君をめろめろにした具体的なシーン」をこちらの掲示板に掲載します!

ああっお名残惜しいけれど、それではまた!

::::::::::::::::::::::::

以上、ガイガーの喜び踊るコメントでした。
もう少し待ってくださいませね。ガイガーが絶対に調査しまくってきますので。
それでは、ありがとうございました!
(183)投稿日 : 2005年11月05日 (土) 21時47分

コハリト ホームページ 返信
いろいろと、とっても面白かったです、VANでの「あかずきんチャソ」。
脳みそが大変疲弊していて気の利いたことが書けないんですけど、とにかく面白かったですよ、とにかくそれをぽつりと申し上げに参上しました。ではでは(早退)。
(179)投稿日:2005年11月02日 (水) 15時18分

歌帖楓月
ようこそです、コハリト様。
あかずきんチャソ、面白がっていただけて、嬉しいです。
ブログをそっと拝見しにまいりましたら、とてもご多忙の様子、お疲れ様でございます……。そんな中でこちらに書きこんでもらって(涙)ありがたいです感謝でございます(T_T)
それでは、どうぞ無理をなさらないように、……頑張ってというのも何かおかしいので、ご自愛ください。
(180)投稿日 : 2005年11月03日 (木) 00時23分

歌帖楓月 返信
「あかずきんチャソ」を、ガイガーが語る形式です。かなり偏った話しかしていませんが、よろしければどうぞ。

ガイガー管理官(25歳 祝・呪いの赤スカーフ装備解除):
いらっしゃいませ皆さん。
完結しましたよ。御絵描き刑事VANの「あかずきんチャソ@DMB」
最後はハッピーエンドでめでたし(一応)、ということでした。
向こうは全年齢向けで健全にいきましたが。

こっちは16禁扱いなんで、僕、正直に書いちゃお。ん? 何をかって? 女の子ネタですよ?

赤頭巾取った時、「あかずきんチャソ」が「お子ちゃま」じゃなくなっててね。それまで10歳くらいの子供ちゃんだったのに、……じゅ、じゅうななさい位の、(ドキドキドキ)ジューシーでっ、ぷりっぷりな、白・百・合・嬢!(一部マニアによる白百合女学園生徒の通称)
くぅーっ、ナマ白百合嬢ッ!!! ボタン外れてお腹見えてるしっ! 多分アレだね、16くらいで拉致されて一年経過くらいだね! ちょっと成長しちゃって(腹にあらず)ボタンがぶちっといっちゃったんだけど、そこはそれ全年齢向けなので、その部分がぶちっといった絵じゃなくって、仕方ない涙を飲んでここはお腹でいこうじゃないか、的な。(作者の意図を読むエスパー管理官)
ああー、かえすがえすも残念。16禁扱いなら「ロイエルで『某生活指導部長的大サービス』」を拝見できたのにっ。
しかし、趣味悪いピンクのベットにそんなロイエル君をポイと転がしておくのもなかなかにおつな演出でクラックラしてしまいましたね。
おっと、制服のボタンでここまで熱くなってしまいましたよ。僕としたことが、いや、ここで熱くなってこその僕ですけどね?

ああそうそう、ボタンといえば。もう一つあったですよ。
毒消しお目覚めに必要な「祝福のキッス(笑)」は3回くらいでオッケイなはずなんですがね。
なんかね。僕、気になったから数えてたんだけどね、6回やっててね。たしかね、3回目で、ロイエル君は目ぇ覚めてたのね。まあ、ぼうっとしてたけどもね。でも、それ気付いてるくせにね、彼女がしっかり目覚めてないのをいいことにね、あと3回、3回だよ3回ね、する訳ですよ。二倍ですよ?
どういうこと?
でね、最後の1回はね、こう、「がっ」とね、「がっ」ていうか、そろそろ正気づいて来てるから抵抗されるの防ぐために、こう、硬くぎゅっと抱き寄せてだね、思いっきりちゅうううううっと。
おいおいお前どういう奴だよって、話ですよ? お前「祝福のキッス」の意味とかもう忘れてるんじゃないか忘れてるに違いないとね。
片手でボタンはずしちゃうしね? ああそこ見たかったのよねやっぱり育っちゃってキツイよねそこね、とか思わなかったといえば嘘だけどね僕もね。だけどさ。
僕たち見てるんだからさ、何もそこで外さなくってもさ。いや感謝もしてるんだよしてるんだけどね。ジューシーでぷりっぷりですものね?

それやったすぐ後に、予想通り、彼、ロイエル君から殴られちゃってさ。
そりゃ殴りたくもなるよね。わかるよ、うん。
どっちの気持ちもわかるね。

そんでね。
ロイエル君は記憶が戻らない(?)まま、ゼルク君のお家で治しがてら暮らすことになるんだけども。
物語の最後に指摘したら、絞 め ら れ た んだけれども。
「治療」を名目にしてね、ちょっと卑怯系な手練手管でね、白百合嬢を落としたってことは想像に難くないよね。だって最初の「お目覚めのキッス(笑)」からして、二倍だし外すわけだしね。
いや想像じゃなくって見てたんだけどね? いやいや、事務屋ですよ私は事務屋であっちでは情報管理課管理官じゃないですね。じゃあ見てないってことで。
でも「テクで落とした」って言ってみたら絞められたということは、本当だってことですよね。

その辺りをはっきりさせるためにこの掲示板はあるんだなあそういえば、という話もできますね。そういえば。
(176)投稿日:2005年10月30日 (日) 21時24分

歌帖楓月
ガイガー管理官:
いやー。僕の僕による僕のための「あかずきんチャソ@あとがき」、まだまだ続きますよ。
僕は物語では何の裏もない純粋な事務屋さんですよ。

でね。
素敵ディスクがここにこれ、色々、ありました。
いや、僕は普通の事務職さんですよ?
それではどうぞ。


:::::::::::::::::


■十七歳白百合嬢のお話 あかずきんチャソ治療中@DMB■
「居候初日」

「思い出すなら、早い方がいいよね?」
森から出て家に帰るなり、剣士ゼルクベルガーは自然な顔をして言いました。
「はい、」
これから彼の家に厄介になるロイエルは、彼の言葉にうなずきました。彼は私のことを仕事上助けてくれたのだから、あまり長く居候しては迷惑に違いない、と思ったからです。
「できるだけ早く思い出すから、」
「わかった」
玄関の扉を閉めるなり、剣士はロイエルを引き寄せて「祝福のキッス」をしました。触れるだけの軽いものです。
「思い出せた?」
「……ううん。ごめんなさい」
「謝らなくていいから」
「でも、」
「おいで、こっちに」
ゼルクベルガーはロイエルを居間へ案内しました。
ソファに座らせ、お茶を入れて一息つかせました。
「おいしい」
紅茶のカップを宝物のように持って、ロイエルは懐かしそうに微笑みました。
「紅茶、大好きなの」
ゼルクベルガーは嬉しそうに笑いました。
「一つ、思い出せたね」
「あ、」
目を見開くロイエルに、剣士は「じゃあ、これはわかる?」とささやいて、「祝福のキッス」をしました。
甘味と芳香が口移しにされます。
「……桃のジャム?」
「そう。好きだった?」
「うん、」
「もっといる?」
「……うん、」

:::::::::::::::::

ガイガー:
ロイエル君は甘いもの大好きなんだよね。
居候初日は「好物で釣る」と。

ではでは、次のディスクどうぞ。


:::::::::::::::::


■十七歳白百合嬢のお話 あかずきんチャソ治療中@DMB■
「居候一ヶ月目」

ロイエルは、自分の嗜好(しこう)や友達のことは思い出せたけれど、あいかわらず、家族や家のことは思い出せないでいます。
学校に行って友達や先生に尋ねればわかるに違いないと、学校へ行ったロイエルは、すぐに泣きながら戻ってきました。
「どうしたの?」
ゼルクベルガーが尋ねると、ロイエルは言いました。
「学校に行ったら……知ってる人がぜんぜんいないの。……街の様子も変わってて、私、」
私はいつの時代の人間なんだろう、と、泣いて、ロイエルはゼルクベルガーに訴えました。
「私の身体は、さらわれてからそんなに変わってないけど……。もしかして、私がこの街に居たのは昔のことなの?」
泣き崩れるロイエルを、ゼルクベルガーは抱えあげました。
「教えて、あなたは何か知ってるんじゃないの?」
返されたのは言葉ではなく、くちづけでした。
「……自分で、思い出してごらん」
「教えてくれないの?」
「思い出せないのなら、それだけの理由があるかもしれないよ?」
「そんなことない、ただ思い出せないだけよ、」
首を振って、ロイエルは泣きながら、自分から彼の唇に触れました。
「そんなこと、ない、」
ゼルクベルガーは、遠慮がちに仕掛けられた口付けを深く仕返しました。おびえて震える少女に青年はささやきました。
「思い出すのが怖い?」
「そんなことない、」
「じゃあ、いいね?」
 揺れる瞳に、再度「怖い?」と聞き返すと、「怖くない」と、今度は強く否定されました。
「ふうん」
ゼルクベルガーは苦笑すると、ロイエルをソファに下ろして、紅茶を入れてやりました。

:::::::::::::::::

ガイガー:
はい一ヶ月目でした。
なにやら順調に恋心はぐくんでいるような。
(177)投稿日 : 2005年10月30日 (日) 23時16分

歌帖楓月
まだ続きますが、ちょっと中断します。
(178)投稿日 : 2005年10月30日 (日) 23時21分

歌帖楓月
歌帖楓月です。

……十六禁な小説が書けなくなってしまいました。書き方忘れてしまひましたよ? どうしましょう。
ええと、どんなんが十六禁でしたっけ……(混迷)
ちょっと、十六禁小説探しの旅に出てきますです。
(181)投稿日 : 2005年11月03日 (木) 00時25分

歌帖楓月 返信
ガイガー管理官(25歳 恋のハンター)
こんばんは。いらっしゃいませお嬢さん。
アフターケア話はどうなってんのか?
という話は、ちょっと置いておいて。

ただいま「御絵描き刑事VAN」で、「よいこの童話 あかずきんチャソ@DMB」をやってるよ。D.M.B.の我々を登場人物に当てはめて「童話赤頭巾ちゃん」をやってみようって話。
よかったら見に行ってね。
URLは、
http://www18.oekakibbs.com/bbs/tomoyeah/oekakibbs.cgi

それでは。僕も行かなきゃ。
(174)投稿日:2005年10月22日 (土) 22時46分

歌帖楓月
続き描こうと思っていたのですが。
今夜はちょっと力尽きました。(理由:農作業で疲労)
(175)投稿日 : 2005年10月23日 (日) 00時03分



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