歌帖楓月 |
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メリークリスマス イブです。
何も更新しないのもアレですので。 (今更はじまったことではないですが)
ここでつらつらと持論などを心にうかぶなんちゃらをカツ消えカツ結びていみじうこそものぐるおしけれ……………………色々まざってわけがわからないですが。 |
(354)投稿日:2012年12月24日 (月) 15時38分
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歌帖楓月 |
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クリスマスといえば、
そうです冬至のお祭りです。
…………まあ当たっているけれども、若干違いますね。
えーと、ひとりぼけつっこみはまあいつものこととしまして。
聖なる夜にけしからんことをしてはいけないとおもうんですよ。 |
(355)投稿日 : 2012年12月24日 (月) 15時40分
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歌帖楓月 |
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おいおい、ここはそういう持論展開する掲示板じゃないだろうって。ごもっともです。
はい本題。
クリスマスは心静かに、手は出さないぞと、そういう心構えをもったゼルク君ですが。(信者さんではないですが。)
一方のロイエルは原理主義な異教徒(?)ですので、 えーと、クリスマス情報といえば、ミッドガルにきてからの友人情報のみ。 友人といえばルイセちゃん。ルイセちゃんといえばい「いらんこと吹き込み係」ですね。
いや真面目に考えてますよ? |
(356)投稿日 : 2012年12月24日 (月) 15時44分
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歌帖楓月 |
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まあそんなこんなで。現実逃避です。 |
(357)投稿日 : 2012年12月24日 (月) 15時51分
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歌帖楓月 |
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ところで異世界ファンタジーとやらにキリストのお誕生日なんて存在するんですかという、まっとうな御指摘がございます。私が指摘しました。グダグダですね。
はいはい冬至のお祭り冬至のお祭り。クリスマスって名称消してしまって「冬至のお祭り」そんでもって冬至の神様は…………………………聖なる夜設定不要じゃないですか……………………うわ設定瓦解…………。
……よし、
前言撤回の撤回?で、クリスマスありにします(あんた駄目な人や、あんたは駄目な人や……)
えーと、二投稿前の続きをつづけます(日本語もおかしいし)
ルイセちやんがいらんこと吹き込む冬休み直前の終業式(同じことじゃないか) 「クリスマスの夜に結ばれない二人って本物じゃないってことよねー」
さてそんなルイセちゃんのお兄さんときたら、お友達のゼルク君にこれまたロイエル思い(=自分思い)の心優しい一言をいいます。 「クリスマスの夜ぐらいケダモノになるのやめたほうがいいよ。なんたって聖なる夜だもの、清しこの夜だもの、バチあたるよさすがに」
素晴らしい兄妹の連携プレー(ところが相互連絡なし)ですね
さてどうなるクリスマス |
(358)投稿日 : 2012年12月24日 (月) 15時59分
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歌帖楓月 |
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ちょっといいっすか。
ロイエルってイングリット教授の家に住んでるじゃないですか。 ゼルクって軍の公邸に住んでるじゃないっすか。
クリスマスってこの3人の関係でいくと「3人そろってイングリット教授宅でアットホーム(同じこと二回言ってることになるよ)なクリスマスパーチー 」じゃないですか。
……………………………………自分で指摘して自分でここまでのお膳立てを壊す、我ながら素敵な人となりだと思います(あんたは駄目や、駄目な人や)
無理じゃん。これはもう初めから終わりまで清らかな夜だわーこれは無理だわー |
(359)投稿日 : 2012年12月24日 (月) 16時03分
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歌帖楓月 |
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クリスマスはそりゃーアットホームでしずけきこの夜で清しこの夜確定やわー
イングリット教授もこんな時期に学会やら出張やらないやろうしなあ。勤務医さんじゃないから「急患が入ったわ! 行かなくては!」とか無いですしなあ。
ところで私は二人にどっちに転んで欲しいかと言う根源的なというか基本的名方向性がないことにも気づいたわけですが、というかどっちでも…… |
(360)投稿日 : 2012年12月24日 (月) 16時07分
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歌帖楓月 |
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どっちでも面白いなあと思っておりますという意味での どっちでもです
流れとしては アットホームで健全ほのぼのクリスマスパーチーが終わって、 さっさと帰るゼルク。 一方のロイエルはパーチーの間頭の中に?マーク大発生。「ルイセが言ってたクリスマスの過ごし方って意味がぜんぜんわからないわ。だって家族でパーティーしててどこをどういう流れにすればそうなるの?どういう家なのルイセのお家って」 |
(361)投稿日 : 2012年12月24日 (月) 16時17分
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歌帖楓月 |
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うわあ唐突にどうでもよくなってき おっと誰か来たようだ
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(362)投稿日 : 2012年12月24日 (月) 16時20分
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歌帖楓月 |
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一方のルイセちやんときたら、 お家の外でおともだちとレッツエンジョイクリスマス(じゃないだろ)パーチーです。 |
(363)投稿日 : 2012年12月24日 (月) 16時22分
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歌帖楓月 |
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いいこと思いついたです。 「クリスマスはキリストじゃなくてクリスティーナさんの生まれた日」
……………………。 |
(364)投稿日 : 2012年12月24日 (月) 16時25分
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歌帖楓月 |
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無駄な改行はやめましょうね。
本題本題。
ロイエルときたら頭の中「?」だらけになり、かといってイングリット教授に聞くことでもなし、今この顔ぶれで、聞けるといえば残り一名ゼルクしかいませんが、
それこそ聞けない。でもこのままサラっと帰られた場合、ルイセの言ってることが本当だとするとええと私は「ほんとうの」じゃないってことは、違う違う違う私たちそんな関係じゃないっていうか私あの人のこと嫌いだし、
というような感じで、?マーク以上にぐるぐる考える17歳純情原理派異教徒ロイエル。これがルイセなら「あたしとは遊びだったのね!?」って、……ルイセは言わないかー。言わないなあー。冗談では言うかなー。
わき道にそれました。(いつものこと。)
さらっと帰るゼルクを見送って玄関のドア閉めたらいい具合にゼルク君たら忘れ物しくさってました。 ロイエル「私、追いかけて届けてくるから!」(言うなり飛び出す。あああ若いって元気でいいなあ) イングリット母さん「寒いから何か着ていきなさい!?(もう出かけていないのに気づき)あらまあそんなに慌てなくってもよかったのに(苦笑)」
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(365)投稿日 : 2012年12月24日 (月) 16時34分
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歌帖楓月 |
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なんだかよくわからない忘れ物の大きめ紙包みを抱えて走るロイエル。
それより脚が速いゼルク君は、ちゃくちゃくと歩を進め(?)て街中に。
で、逆難破。もとい逆ナンパ(この言葉は新しいのか古いのか) ルイセちゃん系統で彼女より大人でなおかつ酔いが回ってウェルカムなねえさん達に声をかけられる。 「よかったら私たちと一緒に飲みませんかー?!(何次会なんだか不明)」 「せっかくのクリスマスなんだから楽しみましょーよー」
嗚呼おねえさんたちゼルクより私を誘ってくださひ
おっとっと、いけねえや、つい本音が(誰だよあんた)
お姉さんたちの様子を見るに、そんなアレな人達じゃなくって身なりとかそれなりにちゃんとしてるから、きちっとした勤め人っぽいし、これでフラフラと遊びにのったのしてもそれはそれでよさそうな感じがするなとか、……しかたないのよ男だから…と、そう思っているところに
「なにやってるの中将!? 誰よそのひとたち!」 じゃなくて、
「困ります、離してください!」 というよおく知った声がするので、ゼルクが振り返ると どういうわけかロイエルがすぐそのへんで、酔ってデレデレになってるアホなおっさんたちにたかられてた。 「かわいいねえーええ? おじちゃんの娘とそっくりだあ。お友達? うちの娘とお友達なのー?」 「俺娘と同じ年でも女として見れるんですよー(実際こういうことを威張り言う男性がいるのでいたいけな娘さんは気をつけてね)。やっぱオンナノコのほうがいいよねー、お兄さんがおごったげるから飲みいこうよー」
「課長何やってんですか!? みずしらずの女の子に手出さないでください!」
「ちょ、シャレにならないから、捕まるから辞めてくださいよ!」 と、どうやら同僚だったゼルクにたかってた女性たちが走りよる。 その醜態をうわーと醒めた目で見るゼルクだったけど、
おっさんが「なにいってんだよー、見ず知らずじゃなくって娘のトモダチともだち。ねーそうだよねー」 とかいって、むやみにロイエルにベタベタ触るので、これはいかんなと奪還に向かうことにする。 |
(366)投稿日 : 2012年12月24日 (月) 17時14分
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歌帖楓月 |
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実際こういう酔ったおじちゃんがいるので、いたいけな娘さんは気をつけてくださいよ |
(367)投稿日 : 2012年12月24日 (月) 17時14分
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歌帖楓月 |
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穏便に
ゼルク「うちの妹なので、」 といって奪還。 女性軍は 酔った上司と同僚のセクハラ無礼に平身低頭。もう逆ナンパどころじゃない。ゼルクは女性たちにどうやら顔バレしてたらしく、女性の一人から耳打ちされたヘベレケ上司は顔色変えて「すみませんすみません」の平身低頭モード。に引き続きその部下も「失礼しましたー!」 どうやら彼らは大きく見るとゼルクと同業種(公僕?)みたいだなあ。
いろんな文章がいりみだれてますが。
で、お互い逆ナンパ(???)から開放されまして。
ゼルク「どうしたの? こんな時間にこんなところに」 ロイエル「中将の忘れ物渡しに、追いかけてきたの」
ロイエルは大きめの紙袋をさしだす。 ところで、オヤジクライシスによる緊張がとけて、今が寒さが身にしみる季節ということが体感できるようになりました。 「はっくしゅ、寒い……」 そりゃー雪が舞ってますからね。
「何か着てくればよかったのに、まあ丁度いいかな、」 紙袋とロイエルを引き寄せて、ロイエルから紙袋受け取り、ロイエルを自分のコートの中に入れ込みます。 「言い忘れててごめんね。これはロイエルへのプレゼント」 「プレゼントなら、さっきもらったわ?(夕食中にみんなでプレゼント交換。なんてアットホームなんじゃろうか混ぜて欲しいわ)」 「うん。これもプレゼントだよ」 さすがに公衆の面前で女の子を自分のコートの中に入れましたってのは、目立ってますのでこのまま歩いて傍のカフェへ。
向かい合わせに座る。 「あけてごらん。気に入るといいけど」 ロイエルが紙包みあける。 白いコート登場。かわいい。(みたてはガイガー妻) 「寒いから着て帰りなさい。送っていくから」
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(368)投稿日 : 2012年12月24日 (月) 17時34分
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歌帖楓月 |
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「ありがとう、嬉しい。お返しに……私でよかったら」 なんてどうしようもないオヤジ展開はないので、えーと遠くに投げ捨てておきまして。
ここから本題です。
「ありがとう、でも、なんだか悪いわ、」 「手袋を買うつもりで見たら、こちらもよくてね。ロイエルに良く似合いそうだと、ガイガー、だけなら却下だったんだが、彼の奥さんもそう言ってくれたし」 「仲いいのね、三人」 「というか男二人で買い物に行ったところでどうしようもないからね。ガイガーの奥さんがいてくれて大助かりだよ」
ロイエルはなるほどなあと思いながら、さてこのほのぼの系雰囲気なら例の疑問を口にしても大丈夫かなと思い、きりだします。
「中将、教えて欲しいことがあるんだけど、」 「……なにかな?」 「あのね、ルイセが、」 直感的にまずい何かを感じ取るゼルク君(ガイガー兄妹との交流歴≒年齢) 「ロイエル、悪いけどちょっと小さな声で話してくれるかな?」 「? わかったわ」
小さい声にてズバリ「ルイセがね、クリスマスイブの夜というのは恋人同士が本当に愛しているならそれなりのことをする日で、そうでなければ本当の恋人同士なんかじゃーないわ!やってこそイブよ!と言うのよ。でもおかしいわよね。たとえば家族がいる場合で家族との時間を大切にしたい場あ 「わかった続きは私の家で聞こうか。ここでする話でも家でする話でもなさそうだし」 見事に遮ったゼルクは腹の中で「あの兄妹はクリスマスイブまで人に面倒かけてなんのつもりだいい加減にロイエルに変なこと吹き込むの止めろ」と思いながら、ロイエルにコートを着せ付けて店を後にしました。
保護者は大変だわー同情するわー(棒 |
(369)投稿日 : 2012年12月24日 (月) 18時11分
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歌帖楓月 |
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道中でその質問は口にしないように、と、言い聞かせてから、保護者ゼルクはロイエルにコートを着せ付けて店を出ます。大変だねえ保父さんは。 ところでコートが良く似合います。ガーリィなワンピースにピッタリ。 かわいいなあ、と思うゼルク保父さんですが、今日は清しこの夜で保父さんです。ああ現代の呼び名では保育士さんじゃった。
と、ここで一旦置きますね。ごはんを食べてきます。
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(370)投稿日 : 2012年12月24日 (月) 18時21分
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歌帖楓月 |
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ただいまです。
ところで考えたんですが。 誕生日というからには、生まれたというからには それ相応のことをしないと生まれないわけですから。 生まれたってことはですよ、
ああ**懐胎**懐胎 はいはい、そうそう そうでしたーっと
清しこの夜でしたはいはい。(誰に対してふてくされているのか |
(371)投稿日 : 2012年12月24日 (月) 20時11分
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歌帖楓月 |
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コートを着せ付けて、悪い虫に引っ張っていかれないように、しっかりと手をつないで、それでもって公邸にたどり着きました。
この間無言。ゼルクは、だんまりを決め込んだロイエルの表情を見て「考え込んでるなあ」とまた新しい心配が。この子が考え込んで良い結果が出たためしがない。
到着しましたら、玄関の扉を閉じるなり開口一番 「もうしゃべっていい?」 「ちょっと待ちなさい」
息子からイングリット教授に電話連絡。お宅の娘さんはこちらで預かっています。と。
で。
「どうぞ。しゃべっていいよ」 「私、ルイセの言っていることがちょっとわからないの。恋人同士で結ばれるってなに?それなりのことってなに?やってこそって何?」
「…………………………………………」
自分で書いていてアレですが。 ゼルクも同じこと思ったわけですが。
わからないのってそこからですか…………。
保護者さん絶句。 ロイエル勝手に納得。 「わからないわよね……。なんなんだろう。やっぱり明日ルイセに聞いてみる」
こんなとき、何て答えればいいのでしょうか。
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(372)投稿日 : 2012年12月24日 (月) 21時46分
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歌帖楓月 |
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でも今の時代って、ルイセのような活発(??)なお嬢さんというのはかえって少数派のようですよね。「おうちでまったり」とか「みんなで健全にわいわい」が主流なような? |
(373)投稿日 : 2012年12月24日 (月) 21時49分
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歌帖楓月 |
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立ち話もなんなので、ソファに座らせてお茶をいれたげて二人で並んで座ります。
「あ、わかった」 腑に落ちた様子のロイエル。一人で合点がいったらしくうんうんとうなずいている。 絶対間違った結果にたどりついてるなと確信する保護者のゼルク。お茶の入ったカップを被保護者に持たせる。 「はいどうぞ。なにか納得行った?」 「つまり結婚するってことよね。きっとクリスマスイブに婚約?みたいなことするんじゃないかしら」
茶を噴きそうになるゼルク。
自分で書いておいてなんですが、ロイエルってすごいなあ……、どこをどうやったら色々やってるのにそうド健全な堅実な結論が出せるのかなあ。やっぱり三つ子の魂がアレだからかなあ。
ゼルクは、ああもうそれでいいや、正解は言わないでいいや、今夜は紳士的に本気で保護者でいいや、と、思うことにしました。(なぜ日記調?)
「……なるほどね、」 無難な相槌を打つ保護者。 うんうん、と、ロイエルは一人納得してうなずいて、ふとゼルクの顔を見る。 「……。何か、隠してない?」
どこをどうしたらそうなるという結論に達する女の子ですが、女の子ってのは相手の表情から直感的に何かを読み取るええと女の勘とかそういうのが鋭い。わけでして(冗長)
「嘘、ついてない?」 |
(374)投稿日 : 2012年12月24日 (月) 22時02分
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歌帖楓月 |
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「隠してないよ」 「嘘」
嫌な流れです。(お互いに)
牽制の意味で無言で見つめあう、そんな、恋人たちの聖夜なんてものとはかけ離れたアレな空気ですが。
保護者としては、まあ別にそれほど隠す内容でもないから、どうしてもと言うなら答えてもいいかなと思っていますので、それほどでもないです。 ロイエルはそんな保護者のそれほど硬くない表情から、次の言葉を選びます。
「ほんとは隠してるでしょ? ……後で笑い話とかに、しないよね?」
ゼルクだって笑い話にして誰かに言える内容ならするわけですが、いかんせんこればっかりは。
「まあ知ってるけどね。笑い話になんかしないから安心していいよ」 「教えて?」
肝心なところで空気を読めなくなる子だなあと。それだからミスリルマインのあれでしくじったわけなんですが、やはり三つ子の魂100までつづきますか。
聞いて後悔するのはロイエルなんだけどなあと思いながらも、おっさ、もとい、成年男子としてはたいしたことではないのでさらっと教えます。
「性交渉。」
「……………………」 今度はロイエルが絶句。顔真っ赤。
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(375)投稿日 : 2012年12月24日 (月) 22時21分
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歌帖楓月 |
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もっとオブラート的な、糖衣的な、持って回った的な、それとなく的な、そんな言い方はないのかと。なんでド直球なんだと。 |
(376)投稿日 : 2012年12月24日 (月) 22時27分
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歌帖楓月 |
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保護者から、ものすごく率直で端的な回答を得たロイエルは、ルイセから聞いた話にそれを当てはめて再構築しまして、なんてこと吹き込んでくれたんだ悪友め、と、ようやっと怒ることができました。よかったね。 「ルイセ、信じられない!」
どっちかというとロイエルがわかってない方が信じられないって感じですが。そんなロイエルのそういうところを踏まえた上で、こういうことを吹き込むルイセはやっぱりロイエルから信じられない呼ばわりされてもまあ仕方ないのかなと思うわけですよ。(誰に言ってるんだ)
ゼルクは、真っ赤になってまったロイエルを、若干気の毒そうに見て、 「さっきからの私の気遣いがわかった?」 と、なんていうか神経を逆なでするっぽい物言いをします(故意) 純なロイエルはそれにかちんときます。 「意地悪」 「心外だな。まあルイセのような気持ちで過ごすクリスマスもあるだろうけど、家族で楽しく過ごしたり、独りで静かに過ごしたり、色々な形があっていいと思うけどね」 「……」 ロイエルはむくれて目を合わせてくれませんが、それでも素直に聞いてます。
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(377)投稿日 : 2012年12月24日 (月) 22時40分
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歌帖楓月 |
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「それだけの日ということじゃないし、順位を決めるものでもないよ。まあ、できれば本来の意味をわかって欲しいのだろうけど」 「……」 ゼルクの言葉は続きます。聞いているうちに、ロイエルの表情はちょっと緩み、顔を上げてつぶやきます。 「本来の意味って?」 「ある神様のお誕生日」 ゼルクは、あの神様の生涯についてロイエルに話してしまったら、その神様の性質的に非常にややこしくなるので、説明を省こうと思いました。 一方、お誕生日と聞いたロイエルは、わからなくなってしまいました。 「……………………なんで神様のお誕生日に、ルイセが言ったことみたいになるの?」 「……………………どうしてだろうね」 「縁結びの神様なの?」 「…………いや」 「へんなの」
うわー色恋沙汰とは無縁の空気になってきた。
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(378)投稿日 : 2012年12月24日 (月) 23時29分
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歌帖楓月 |
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ある意味、「日本のクリスマスがああなっちゃったことについて本気出して考えてみる」と言う側面が、ないか。
本題本題。
「そうだな。クリスマスというのば部外者にとってはお祭りみたいに見えるんだろうね。そしてそのお祭りの内容が、女性が好きそうな、幻想的で美しくて謎めいているから、」 という、ゼルク君の推理の途中で ロイエルが、 「だから?」 と促すと、 「…………女性が好きそうなものだから、男がそれを誘い出す口実にする、というわけじゃないかな。デートだね」 「……………………お祭りかどうかもわからないのに、何もわかってないのに、それを魅力的に感じて、そして女の人がそういうのを喜んでるからって、…………えっと、色恋沙汰の道具にするの?」 「みもふたもないけど、そうなるね。それで、いわゆるその『お祭りらしき何か』が商売になると踏んで、色々盛り上がっているようだね」
ロイエルの眉間にしわが寄ります。 「最悪。」
うわー現代日本のクリスマス市場に冷や水をぶっかける展開になってきましたわ。
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(379)投稿日 : 2012年12月24日 (月) 23時41分
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歌帖楓月 |
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「ただね、」 「ただ?」 「そのクリスマスが、なぜこの日になったかという話もあって」 「……お誕生日じゃないの?」 被保護者の問いかけに、保護者は肩をすくめます。 「本当はいつが誕生日かはっきりしないんだ。この日になったのは、異教徒をその神様の宗教に改宗させる際に、異教徒のお祭りであった『冬至のお祭り』を取り込んだという話も……あるらしいよ。詳しくは知らないけど」 ロイエルはそれを聞いてさらに首をかしげます。 「つまりどういうこと?」 「クリスマスとしてはルイセの言う盛り上がり方はどうかな、という話だけど。冬至のお祭りとして考えれば、どう盛り上がっても特に問題はないのかなという話にもなるということかな。ただ、ルイセが言う盛り上がり方をする恋人同士というのは『クリスマスイブ』という言葉の響きに酔っているらしいけどね」 「なんでわからないのに盛り上がったり好きだったりできるの?」 「……お祭りの由来はわからなくても、相手のことは好きで何とか一緒に居たいからかもね」 「…………」 ロイエルが難しい顔になってしまいました。 保護者は、彼女が持っている冷めたカップを取り上げて、新しいお茶を注いであげます。 「中将、今の話って、どれも頼りないのね?」 「まあね。時期として冬至は本当だけど、人の話は全部あいまいなものだね。ただ、嫌悪や無関心で盛り上がらないよりは、誤解されているけれど好意的に受け取って勝手に盛り上がっている方が、感じはいいと思うよ」 「……うーん、」 「ややこしいことになったね?」 「ううん。面白いの。こういうのを一生懸命考えるのが。大切なことだと思うわ?」 子供の気配が少し残る、かわいい顔をしたこの子が、難しい表情で面白いと口にするのが、ゼルクにとっては微笑ましい。 色恋沙汰の盛り上がりに使うのは、知らないからこそ無邪気に楽しめる、そういう「ちょっとおめでたい幸せ」なんだろうけどな、と思うものの、そこをロイエルに話しては、あの神様の生涯まで話さないといけなくなるので、そうなると非常に厄介なことになるので、そこは黙っています。
「さて、遅くなったね。日付も変わったようだし。泊っていく?」 「ううん帰る」 「何もしないよ」 失礼な、とつぶやいたところで、保護者は名案を思いつきます。 「私が向こうに泊ろうかな」 「……ほんとに?」 「たまには親孝行しないとね?」 「してるでしょ? でも嬉しい、」 にこにこ笑うロイエルを見て、彼女が内心で望んでいたことも同じだったのだとわかり、ゼルクは可愛らしい「妹」の頭を撫でました。
「じゃ、家に帰ろうか?」 |
(380)投稿日 : 2012年12月25日 (火) 00時10分
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歌帖楓月 |
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明けてクリスマスの朝は、ゼルクが、起き出してきた家族に朝食をふるまうということで。
メリークリスマス。皆さんに何か素敵なことがありますように。 おしまい。 |
(381)投稿日 : 2012年12月25日 (火) 00時20分
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