(7) マジシャン――MAGICIAN 4 |
投稿者:Tomoko
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「ジャ〜ン〜。なんだよ、これは」 「そうだ。こんな頭で部下の前に出られるか」 「待ってくれよ。二人とも。今師匠と連絡とるからさぁ」 シンタローとハーレムにいびられながら、ジャンはウィローが電話に出るのを待っている。 ジャンの魔法は成功し過ぎて、みんなの頭に花を咲かせてしまったのである。 ジャンは、魔法をとく方法を、ウィローに教えてもらおうと思ったのだ。だが、受話器から出たのは、非情にも、 『ただ今留守にしとるで、またかけてちょ』 というメッセージだった。 「そんな〜」 「ジャン〜。てめえ覚悟しろよ〜」 「わぁ、ごめん〜」 ジャンは駆け出した。 「かわいらしいですよ。グンマ様、キンタロー様」 「ありがとう。高松もかわいいよ」 「本当か? 高松。そう言う人は滅多にいないんだが……」 「シンちゃーん。せっかくだからみんなで写真撮ろうじゃないか」 グンマと高松、マジックはそれぞれこの状況を楽しんでいるようだ。キンタローも、照れくさそうだが、嬉しそうだ。 「頭にまで花を咲かせるとは、手品というのはすごいものだな」 キンタローは、ややずれた発言をした。 そして―― 「あれ? サービスはどうして頭に花がないんだ?」 アフタヌーンティーをしたためにダイニングに、向かっていたサービスは、質問してきたジャンに振り向いて答えた。 「そりゃ、私は年中頭が花畑のやつらと違うからな」 ジャンは、そういうもんかな、と疑問に思ったが、シンタローとハーレムが追いかけてきたので、急いで逃げ出した。
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2003年09月15日 (月) 18時16分 |
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