(15) キンタロー |
投稿者:Tomoko
MAIL
URL
|
その光景を見たとき、リキッドは思わず皿を落としてしまった。 「な、なにやってるんすか! アンタら!」 四つん這いになったGの上に、キンタローが乗っかっていた。大の男二人のそんな姿を見れば、誰だって驚くだろう。 「なにって、乗馬の稽古だが」 キンタローはしれっと答えた。 「そんなもん、ユキノブでやりゃいいじゃねぇかよ」 「ああいう暴れ馬は初心者には向かん」 「だいたい、どうして乗馬の稽古なんかしてるんですか」 「いつか騎手になって、ハーレムが賭ける馬を勝たせてやりたい」 なんてふざけた理由なんだ……。だが、本人はいたって大真面目らしい。リキッドは頭がくらくらした。 「G、アンタはどうしてつきあってるんだ」 「上司のためだ」 Gは、低い、太い声できっぱりと言った。 その横で、ハーレムはこのやり取りを聞きつつ、一服している。 「G、次、オレね」 ロッドが口を出す。 リキッドは、それをよそに、頭の中で、あるメロディーを追っていた。
あ〜しが〜らや〜まのきんたろ〜 く〜まにま〜たがり おうまのけいこ はいしどうどうはいどうどう はいしどうどうはいどうどう……
|
|
2004年06月04日 (金) 17時26分 |
|