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(56) 田葛とハーレム 投稿者:Tomoko MAIL URL
 1年A組の担任、田葛和希が言った。
「さぁ、楽しい楽しい数学の授業の始まりだ」
 彼は、数学と物理の担当なのであった。
「ええ〜っ」
 B組の生徒は一斉に不服そうな声を上げた。
「私は田葛和希と言う。私の授業は是非聞いておき給え」
「聞いておきたくなんかねぇよ」
 誰かの発言に、どっと笑いが起こった。
「――まぁいい。とにかく、話をちゃんと聴き給え……おや?」
 すう、すうと眠りこけている生徒が一人。しかも、一番前の席で。
「いい度胸だな。人が勉強を始めようとしているときに」
 田葛がずい、とかがんでみる。
「あ、先生。そいつ、刺激しない方がいいですよ」
「そうそう。なんたって、あの、総帥の弟だから」
「ここに入ってくる前から、かなり強いって話だぜ」
 生徒達がさえずるが、それで臆する田葛ではない。
 威厳を見せてやろうと、咳払いをひとつすると、眠っている少年の肩を揺さぶった。
「おい、起き給え! おい!」
 田葛も、総帥の弟が何者なのか、知らないわけではない。これは、士官学校に入学してくる前から、いろいろな伝説に包まれた、ハーレム、と言う少年だ。
 しかし、たかだか十五のガキではないか。こうやって恐れず、ちゃんと接していけば――
 そのとき、ハーレムが、顔の位置を変えた。まだ瞼は閉じたままである。
 半開きの唇。長い睫。細い鼻梁。
 それを見たとき、田葛の背筋を、電撃が走った。彼は途端に動けなくなってしまった。
「先生、どうしたんですか?」
 カワハラ(この生徒のことも、田葛は知っていた)の声で、ようやく我に返った。
「……今日の授業は、自習!」
 ようやく息がつけるようになると、田葛は、数学の教科書と出席簿と共に、逃げるようにクラスから去って行った。

後書き
ついに、この話を、書いてしまいました。
周りの反応が怖かったので、自粛していました。
けれど――うちのサイト、良くも悪くも、反響少ないんですよねぇ……。
思い切って発表するか、と思った次第であります。
久々に田葛が書けて、楽しかったです。(その割には、おざなりなタイトルですが)
というか、田葛というキャラができたのが、この話のおかげなんです。その頃は、まだ脳内にしかない話でしたが。

2008年04月28日 (月) 19時44分




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