佐藤さん、はじめまして。
いよいよ若葉萌える季節となりましたが、いかがおすごしでしょうか。私はゴールデンウィークの西日本帰省行脚の途中です。季節先取りでアイスクリームを舐めております。

この度、女子陸上の小説を書こうと思い立ち、陸上ストーリーの参考として「一瞬の風になれ」で佐藤さんの作品を始めて拝読しましたが、衝撃的な面白さと佐藤さんの文章力にぐいぐい引きこまれて一気読みしてしまいました。
登場人物では仙波くんが好きです。神谷くんたちと長い時間を通して打ち解けていくところに彼の高校生らしい一面を見て、「いいやつだなぁ」と思いました。また、あまり詳しく書くと未読の方にネタバレになるのですが、谷口さんの「やったぁ！」のシーンは彼女がかわいくてとても好きです。

陸上ものを書くにあたっては、スタジアムを見学にいったり本を読んだりしました。ですが、なかなか生きた取材は難しいですね。元陸上部の方に話を聞いても「忘れたなぁ」と笑われるばかりでした。でも、友人には「今年読んだ小説の中で一番おもしろかったよ」と喜んでもらえたので、賞に応募してみることにしました。結果は秋です。

佐藤さんの書くお話の世界に魅せられ、レモンねんど以外の全てのお話を読ませていただきました（レモンねんども、いつかは息子と一緒に読みたいので、手に入る機会があればいいなと思っています）。
私は「しゃべれどもしゃべれども」が好きです。村林くんと宮田くんのエピソードでは涙してしまいました（私はこの二人が好きです）。そういえば「一瞬の風になれ」を読んでも泣きましたね。佐藤さんの登場人物の気持ちが、自分のことのように伝わってくるのです。好きな作家は誰？　と問われると、今は必ず佐藤さんの名前を挙げています。

シロガラス、続きが楽しみです。
家族一同、佐藤さんの作品を応援しております。
これから季節が「ヨウイ、ドン」の流れでもうワンステップ変わっていくかと思いますが、どうぞご自愛下さい。

とりとめもない長文で失礼いたしました。

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by 佐藤多佳子

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