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GoGo!小説

小説を完成させる自信の無い方、または小説を書く練習をしたい方、そしていつも作品が完成しない無責任なしんかー進化(笑)、等々気軽にこの板で小説をどうぞ!

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[54] れじぇんど おぶ 矢部
ミヤ - 2008年01月26日 (土) 23時33分

えー。 この話はパワプロで主人公とコンビであり、
おそらく全てのプレイヤーからウザがられている矢部君をあえて
前面に出してみようという試みの元に作られる話です。

今回は小波くん(主人公)の説明的セリフがやたら多いのでこういうのが嫌いな方は見ないことをオススメします。


登場人物

小波
……主人公。ものを内面で考えるクセがある。
一応あおいちゃんとはるかちゃんからは信頼されてるっぽい。


矢部明雄
……今回の主役ともいえるキャラ。 
しかしパワプロ小説の例に漏れず待遇されない。


早川あおい
……パワプロのヒロインの位置を今も占めるキャラ。
野球への熱意は主人公や矢部を凌ぐ。
が、今回は熱意関係ない(笑)  怪力。


七瀬はるか
……恋恋高校野球同好会マネージャー。
あおいの良き親友であり、小波に優しい。が、矢部には残酷。
           

※この話はパロディであり、コナミのゲームソフト
「実況パワフルプロ野球9」はこのような話ではありませんのでw

[55] その1 「合宿編」
ミヤ - 2008年01月26日 (土) 23時47分

今年になり女子高だった恋恋高校は共学となり、
男子生徒の入学も少々あったらしい。

 俺の名は小波。この恋恋高校で新たに野球部を作って甲子園を
目指そうと決めて、この学校に来た。 歴史は俺の手で作る。

 そして今、投手のあおいちゃん、外野手の矢部くん、
そしてマネージャーのはるかちゃんが同好会に身をおいている。

 共学一年目ということもあり、男子生徒は俺と矢部くんしか
いなかった。来年まで男子生徒は入ってこないので部として
成り立たない。で、今のメンバーは全員クラスが同じだった。


「はぁーあ、来年まで試合もできないんだね」
 ため息をつきながら、机にうなだれるあおいちゃん。
「今年は練習して、来年頑張るしかないですよっ」
 ガッツポーズしてあおいちゃんに語るはるかちゃん。
ところで何故ガッツポーズなのか。

「うん、はるかちゃんの言うとおりだ。
 今から試合で負けないように、頑張っとかないとな!」

「そうでやんすね! やるからには確実に勝つでやんすよ!」 
 俺と矢部くんが続けて言う。

「…うん、そうだよね!」
 あおいちゃんも笑顔で返す。



そこに突然矢部くんが、
「合宿を開くでやんす!」
と言い出した。 

「合宿? いやでも、この人数だよ?」
 あおいちゃんが首をかしげて言う。

「いやいやいやだからこそでやんす。少人数でやるからこそ
実力がアップし、(さらにはいっそう深い仲に)」
 
「ううん。いいかもしれないな」
「そうですね。頑張りましょう!」
 俺とはるかちゃんの声が重なる。


 で、やってきたのがちょっと街外れの旅館である。
同好会なので顧問もなく4人だけで来たもんだから、どう見ても
合宿に来たようには見えないと思う。

 現に矢部くんも浮かれまくっていて、
合宿目的では決してない。

「はあ〜、やっと着いたでやんすぅ」

「コラ矢部くん、ボクたち遊びにきたんじゃないよ、
何をのんきな」
 あおいちゃんはやる気満々だ。 

「そうですよ矢部さんっ!
 それとこの合宿中あおいに手を出したらシメますから」

 矢部くんがひぃっ、と悲鳴を上げる。どうやらはるかちゃんは
矢部くんの目論見を見抜いていたらしい。

「お、オーライでヤンス…」

「お、矢部くんもようやくやる気だね!? 
 さあさあ、出てって出てって。着替えるからさ」

「そうですよっ、小波さん先に外に出ていてください。
 矢部さん、とっとと消え去りなさい」

 ここへきてはるかちゃんがなんかおかしくなっている
気がしたが、放っておいた。

「うう…オイラだけ扱いが奴隷階級でやスンよ…」
 
 矢部くん。語尾がおかしい。

「あら失礼な事をおっしゃるんですね矢部さん。
奴隷の方々にお謝りなさい。身の程知らずな」


 はるかちゃんの迫力に比例して矢部くんのテンションは
落ちている。さすがにこれ以上放っておくと矢部君をいちいち
立ち直らせるのに使う時間が惜しい。

「さあ矢部くん、さっさと行こう。君の俊足を見せてくれよ」
 
「わ、分かったでやんす」

 長所をたててやる気を出させる。ナイス判断だ俺。


 「分かったらさっさと逝きなさいメガネ。目障りです」

 ……だから追い討ちはやめてはるかちゃん。
だんだん口調が倉橋さん(理事長の娘)みたいに
なってきてるし。




で、練習本番。
「オラァ! ノックいくでやんす!」

 ……バカは立ち直りが早い。

「来いっ!」
「いつでもいいよっ!」
 二人が揃って声をあげる。

 矢部くんのバットは美しい線を描き、見事な腕の振りで、、、
空振りした。ボールが前に飛ばずに真下に落ちる時のあの無残な
気持ちを分かる方はどのくらいいるだろうか。
 
「矢部くん、落ち着け」

「わ、分かってるでやんす!! オルァァ!でやんす」
ようやく当たった打球があおいちゃんの方角に飛んだ。

「よっ!」
 あおいちゃんは軽々とそれを捕球し、矢部くんに返す。

「おっしゃー! コツは掴んだでやんす!
 今日は地獄ノックでやんすよ!」

 見事に仕切る矢部くん。キャプテン、俺なんだけどね……
 
 そうこうして20分程度ノックは続く。
 矢部くんは『一応』俊足巧打である。始めの方こそミスした
が、言うだけあってうまいところに打ってくる。

 ところで、後半から俺の方ばっかり打球が飛んでくる。
 理由は判っている。はるかちゃんが目を光らせているためだ。

 というのも、あおいちゃんは体力があまりあるほうではない。
  
 それなのに矢部くんがバカスカ打つもんだからあおいちゃんは
だんだん捕れなくなってきたのだ。

 あおいちゃんが息があがるたびにはるかちゃんの目が
つり上がるのが正直怖い。てゆーかなんでうっすら笑ってんだ。

 ノックはまさに『地獄』に相応しい雰囲気で進行した。


「ちょ、ちょっと練習を変えようか」

「そそそそそうでやんすね」
 俺の提案でやはり動揺していた矢部くんはすぐさま賛同した。

「ふぅー ダメだなあ、これで疲れちゃってたら」
 汗を拭いながらあおいちゃんは駆けてくる。
それにしても、女の子の汗はなぜにこうも爽やかなのか。

「そうだなあ。軽くストレッチした後で、自分のペースで
ジョギング。今日はこのくらいにしとこう」

「それがいいでやんす! それでやんす! 決定でやんす!
 各自すぐに開始するでやんす!」

 ストレッチと聞いてとりあえず元気になる矢部くん。
 ナイス判断だ俺(その2)。と思ったのもつかの間、

「小波くん、柔軟一緒にやろっ!」
 あおいちゃんが俺と組もうと言い出した。普通なら嬉しくて
仕方ないのだが、

「……うふふ。では矢部さん、私がうしろから
圧(お)しますから」
 バキボキと指を鳴らし、はるかちゃんが立っていた。
 ところでこの人いったい、
どこの辺りが虚弱体質なのでしょう? 


 この後長く響き渡る矢部くんの悲鳴に、
あまりにも哀れすぎてこのシチュエーションにどうにも
嬉しさがこみ上げなかった。


 就寝の時間。
 ここでなぜか布団部屋が2つある旅館だったので、どっちの
部屋に行くか決めることになった。
 もちろん俺と矢部くん、あおいちゃんとはるかちゃんで
分けるのが普通だが。

「グッパーで部屋分けするでやんす! グーはこっち、
パーはあっちでやんす! 小波くんはパーを出すでやんす!
 オイラはグー出すでやんす! これで男女混合でやんす! 
 じゃあいくでやんす最初は」

 このあとグーと叫んだのは矢部くんではなかった。
 あおいちゃんとはるかちゃんのグーの拳が
矢部君をヒットするのである。

 パーを出したのは俺一人だった。

 こうなると分かっていても自分の信念<欲望>を貫く
矢部くんの生き方には感心せざるを得ない。
 合宿を通して痛感した。もちろん、ますますバカだとしか
見れなくなったのであるが。




 これは、矢部明雄という一人の男の数々の逸話の
1ページに過ぎない。
 彼はこれからも、数々の伝説を生み出していく事になる。

[61] その2  「部費調達編」
ミヤ - 2008年03月13日 (木) 19時22分


 野球同好会設立から一月。春真っ只中我らが野球同好会はある
一つの危機に直面した。

 野球部のなかったこの高校、今年になって初めて野球同好会が
できたために、備品もなければ当然部費なんかも支給されない。

よって、練習をしようにも俺たちの持っている道具だけではできる
練習は限られている。


「バットとグラブだけじゃ大した練習も出来ないよなあ。今まで
気づかなかったのもどうかと思うけど、やっぱりちゃんとした道具が
ないとダメだと思うんだ」

 うんうん、と3人が頷く。その3人とは勿論、あおいちゃん、
矢部君、はるかちゃんである。

「となれば、当然出費もかさむよね」
 あおいちゃんがむー、と唸りながら言った。

「うん、何とか学校側にかけあってみるけど、実績もない野球部
だから期待できないなあ」
 うちの学校は余計な出費など断固認めぬ、という徹底したシステムで
構築されている。プリントも手書きならば備品も必要最低限のもの、
粗末に扱おうものなら1週間校舎中掃除というもはや体罰の域にまで達した
地獄の課題が待っている。

 また、食堂でも使い捨ての食器などもってのほかである。
 箸も木製のもので、使い終わったら生徒自身で洗浄、返却せよというものだ。


 加えて何か一つ校則に反したことがあれば即刻停学、いじめの現場などを
目撃された暁には言い訳無用で退学、およそ平成の学校とは
思えないスパルタっぷりである。


 まあ、何が言いたいかというと、学校にかけあったところで逆に
惨めな思いをするだけで終わってしまうだけだという事である。


「それなら、オイラ達で何とかするしかないでやんすね」
 矢部君がぼそりと言う。メガネの奥は怪しく光っている。
 …いや、メガネの奥は見えんが、たぶん矢部君だし、ロクな輝きは
していないだろう。

「何とかするって……もしかして」
 あおいちゃんが首をかしげる。

「アルバイトでやんす!」
 予想通りの答えである。確かに金を用意するにはそれしかないのだが、

「矢部さん。恋恋高校は基本的にアルバイトは禁止されていますよ」
 恋恋高校の恐るべき校則はここにまで伸びていたのであった。


「……くぅっ、たまにいいアイデアを出したと思ったら、これで
やんすか……」
 
 いつもはロクでもないというのは自覚があったらしい。が、
残念ながら今回も別段大したアイデアでもないと思う。俺もまず初めに
考えたことだし。


「じゃあ奉仕活動でやんす」

「同じじゃないの……アルバイトはダメだよー」


「それならいっそ宝クジでやんす! こすれば3億が当たるかも」

「あなたももう少しその腐った目をこすって世間を見つめなさい」

「はるか……コワいよ」

 いろいろ意見を言い合っているが、やはりこれといった案は出てこない。


「これじゃラチがあかないな。仕方ない、学校側に頼んでみよう」



「ええっ!? 無茶だよ小波くん」

「部として成り立たない私たちには望みはないですよ!?」
 あおいちゃんとはるかちゃんが揃って言う。しかし予算の話ではなく、

「アルバイトの許可を貰うんだよ。学校側には不都合もないと思うし」
 そう言い残して俺は校舎に向かった。





「 い け ま せ ん !!!!!!」
 午後3時頃。構内の一室に怒声が響き渡った。理事長にまで頼み込みに
行ったのだがこの通りやんわりと断られたのであった。

「学生とは勉学に励み、清く正しい学校生活を送るべきもの。
それをアルバイトなどというふざけたものに費やすなどと、断じて認めません!」

 仕方なしに理事長室をあとにする。と、後ろから声をかけられた。

「よろしければ、わたくしが何とかして差し上げてもよろしくてよ?」
 といった、お嬢様のマニュアルでも通し読みしたかのような台詞である。


 振り向くとそこにいたのは理事長の娘がででん、と構えていた。

「……なんだ、倉橋さんか」

「なんだとはなんですの! せっかく人が助けて差し上げようと思いましたのに!」

 金パツの少女はヒステリックを起こしながらこちらを睨んでいる。ハンカチの
噛み方、涙目での睨め付けと完璧である。

「……助けるって、もしかして倉橋さんが力を貸してくれるの?」
 なんといっても理事長の娘、ちょっと期待できる。

「モチのロンです! わたくしにかかれば今の野球同好会の絶望的な状況も改正、改善、
いわゆる一つのウルトラCですわ!(※)」
                        ※「とっておきの大逆転」の意味 

  
 ……この人は年齢と裏腹に古い言葉が大好きなようで。
 言わんとすることは分かるがいまいちピンとこない例えだと思う。

「で、何をしてくれるの?」

「お父様に頼み込んで部費を回して頂くようお願いしてあげますわ。その代わり…」
 
「その代わり? 何だ、条件付きか」
 はあ、とため息を零すと、お嬢様は途端に眉をつりあがらせて裏声交じりのヒス声で
怒鳴りつけてくる。

「あっっっったり前です! 誰が好きこのんで何のメリットもない野球同好会風情に
手を貸しますか!」
 キーキーキーキーとお嬢様は髪を掻き乱して叫んでいる。この上もなく滑稽である。


「……分かったよ。で? その条件を聞かせてくれ。出来ることなら何でもする」

「ズヴァリ! わたくしの下僕に」


「お邪魔しました」
 言い終わる前に退散する。

「ちょ、お待ちなさい! これだけで野球部として成り立つのですよ!?」
 去っていくこちらの足首にかじりつくお嬢様。野球部にスカウトしたいくらいの
見事なヘッドスライディングである。


「いいよ、プライドまで売りはらう気はないし」

「にゃにおぉおー! どういう意味ですのそれ! 人がせっかく同好会を存続させ、
ジベタリアンの道から救い出してあげようとしているのに!!」
 どこの不良中学生だそれは。コンビニにたむろするのはたぶん俺が知る限り一人
ぐらいだと思う。あの髪が青い、性格の悪い、髪の結んだアレ。


「はいはい。遊んでる暇ないんだ、じゃあな」
 引きずっていた倉橋さんを払って、外に出る。


「……ふ、ふふふふふふふ……トサカにきました……小波!! いずれこの手で
ケチョンケチョンにぶったたいて差し上げますわ!」
 廊下の曲がり角で妙に小汚い制服でケラケラ高笑いするお嬢様は話題になったそうな。



 続く





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