[18] ストライクフリーダム三本勝負!第1試合目 第08MS小隊 |
- じゅう - 2007年02月03日 (土) 23時53分
※あくまで作者の想像です。勝敗にケチをつけるのはやめてください。
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ストライクフリーダムガンダム 搭乗者 キラ・ヤマト
第08MS小隊
ガンダムEz−8 搭乗者 シロー・アマダ
陸戦型ガンダム×2 搭乗者 カレン・ジョシュア テリー・サンダースJr.
ホバー 搭乗者 ミケル・ニノリッチ エレドア・マシス
戦場 東南アジア 森林地帯
――戦闘を開始します
「こんな所で戦闘…?いや、というかここは…?」
キラは見知らぬ森林地帯にストライクフリーダムごと放り出されていた。 目の前で倒れるザク。そして、間をおかずに四散する。
「止めなきゃ……!」
キラの信条――戦闘を止める。 その理に従い、動き出したに過ぎなかった。
メインカメラに映るのは、明らかにフリーダムに劣る機体性能のMS。 ガンダムタイプのデュアルアイなのだが、ガンダム特有のVアンテナがない異色のMSもあった。 こちらに気づくと、すぐさま警戒態勢をとる。
だが、キラはおびえずに突っ込んでいく。 当たり前のように迎撃が加えられようとしていた。
「こんな機体で…・・・死にたいんですかッ!」
来る。 しかし、予想に反して、そのVアンテナのないガンダムが地面にキャノン砲を打ち込むと同時に、硝煙に紛れてその小隊は散開した。
「見たことのない機体だ…どうみても戦闘力はこちらより上だな」
第08MS小隊隊長、シロー・アマダは冷静に戦力差を判断する。 純粋な装甲の硬度ではこちらが有利、だが火力は圧倒的な差がある。 フリーダムにはPS装甲と呼ばれる実弾兵器無効化の手段があるのだが、それはまだ知る由もない。
「なら、小隊だからこそ出来るチームワークで!」
周波数を合わせ、秘密裏のうちに仲間に命令を下す。 了解、の返事を貰うと共に、実行に移した。
キラのフリーダムは、地上なのでドラグーンを使えないというハンデがあった。 ドラグーンを外せば機動力が上がるので、外すのが一般なのだが、相手MSはお世辞にも強いとはいえない。 キラには少なくともそう見えた。
「一撃で決めてみせる!」
一気に全砲門を開き、フルバースト。だが、Ez−8たちは、攻撃を捨てて逃げる事によってそれほど被害はない。 ただ、カレン機が右肩、右足、サンダース機が頭部のVアンテナ、左足を被弾した。だが、アンテナ以外もぎ取られてはいない。
「やはり火力が段違いだ!」
一旦砲撃が収まると同時に、携行用100mmマシンガンを放つが、弾かれる。
「実弾が効かないのかッ!」
ならば、とばかりにビームライフルを取り出す。刹那、一筋の光条がこちらへ向かってきた。 だが、シローには少し遅く見えた。
拮抗すべく、こちらもライフルを放つ。マシンガンを撃ち、ライフルを手に取った体制からだと、シールドを構えても間に合わない。
寸での判断。ビームをビームで撃ち落とす。
「な……」
キラが一瞬呆気に取られる。完全に虚を突いたつもりだった。 だが、逆にこっちが虚を突かれた。 そしてまた、何発もキャノンとライフルを地面に向けて発射。時間稼ぎだ。
「サンダース軍曹!今のうちだ!」
キラは数個の熱反応により、撹乱されていた。 熱センサーは役にたたない。
ようやく硝煙が引いた。目視できるのはEz−8のみ。 違和感を感じえざるを得ないというのが正直な感想だ。
「今度こそ!」
キラが叫び、Ez−8の四肢を狙ってライフルとレールガンを放つ。 だが、一発のレールガンをのぞき、全てシールドによって防がれる。 そのレールガンは胸部に当たった。若干出力が低下する。だがしかし、Ez−8の増加された装甲により、シローは無事だ。
「予想以上に早くやれたな…来い!」
シローは、ここら一帯に罠を仕掛けていた。 先ほど倒したザクは、用意の割には軽く倒せた為、仕掛けたトラップがまだ残っていたのだ。
それに少し付け加えるだけで済んだ為、速攻で用意を終えることが出来た。
まず、Ez−8はフリーダムを引きつける為、逃げに徹する。 射撃が当たらないと分かると、近接戦に移行したフリーダムがそのスピードを生かして追ってくる。
「ここで!」
少し軽く、地面に設置された『それ』を飛び越える。 フリーダムがその上空を通り過ぎようとした瞬間、陸戦が田ガンダム、カレン機が、『それ』をキャノンで撃った。
砂塵と共に巻き上がったのは、網だ。 その網には、小型の爆弾が仕掛けられていた。接触と同時にEz−8がビームライフルを放つ。
ビームシールドで防ぐが、着弾の為に爆弾が一斉に誘爆。 フリーダムの周りがイルミネーションによって彩られるように光った。
ダメージはさほどなくても、衝撃を抑えられるわけがない。
第1作戦は、パイロットにダメージを与え、体力を削り取る事だった。
目論見どおり、キラの体はあちこちに打ち付けられ、未だに痛みが持続している。 さらに、網がかかったままフリーダムは地面に打ち付けられた。
すぐさま飛翔し、強引に引きちぎった。
しかし、空へ襲い掛かる強烈な一斉射撃。いつの間にか加わっていたホバートラックも機銃を掃射していた。
ハイパーデュートリオンと言う機能により、エネルギーが切れることはない。そのため、PS装甲で実弾兵器は半永久的に無効だ。
だが、Ez−8、陸戦型ガンダムはライフルを装備している。これはビームシールドで防ぐが、性能差は圧倒的なのに決定打を与えられない事を次第に感じさせられていた。
「…このぉッ!」
一気に近づき、フルバーストを放つが、逆に突っ込んできたEz−8のシールドで吹き飛ばされる。 無情にも、数多の光条は空へ消えて行った。 しかし、宙返りしてまたもEz−8に向かうフリーダム。
「隊長!一歩後へ!」
サンダースが忠告をいれる。手筈通りだ。シローのEz−8が一歩下がった。
キャノンが発射され、先ほどまでEz−8がいた場所を直撃する。激しく巻き上がる砂塵にフリーダムが突っ込んだ。 一瞬ながらも、視界をさえぎる。
その隙が重要だ。フリーダムは少々低空ながら飛行している為、下に潜り込める。 キャノン砲により砂塵が巻き上がる前に電源を切り、熱反応をなくす。 フリーダムの視界をさえぎると同時に、電源ON。 腰を低くし、サーベルを上に構えながらEz−8が下に潜り込んだ。
ホバーが先ほどからEz−8のそばを這い回っている為、熱反応もごまかせるのだ。
ホバーの光点の位置が、再度熱反応を起こすEz−8の光点とほぼ同化し、一瞬ながらもどちらがEz−8か区別がつかなくなった。
「うおおおぉぉぉーッ!!」
ザシュン、とフリーダムの右肩が空中に斬り飛ばされた。 それに驚きを隠せなかった。
それにより、僅かにバランスを崩したフリーダムは一旦着地する。
が、次に待っていたのは爆炎の洗礼だった。
「うぐッ!?」
爆竹を巻き散らかされたかのように、足元が巨大な爆発を上げる。地雷だ。
「なんでッ…クッ!」
――何故だ
全く攻撃が当たらないわけではない。少々Ez−8も胸部に被弾はしている。
牽制のバルカンも当たっているわけだし、敵が特段機動力が高いわけじゃない。
だが、当たらないのだ。 逃げに徹され、必要な時には攻撃を施される。引き際と攻め際がはっきりとしていた。
明らかに、自分が手玉に取られている。
そう実感した時には、自分の体のあちこちにあざが出来ていた。
「こうなったら…やるしかないんだ」
精神を集中する。自分の頭の中で『種』が割れた。
―第1ラウンド ストライクフリーダムVS第08MS小隊
続
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