| [153] 讃辞 |
- 相良武雄 - 2013年02月16日 (土) 19時16分
昭和３９年１１月２２日
谷口雅春先生７１回の御誕生日と立教３５周年記念全国信徒大会が両国の日大講堂で開催され、
立教大学総長の松下正寿氏が祝辞を述べられました。
『私は色々な意味で谷口先生の指導されて来られました生長の家には関心を持ち、また心から敬意を表して来た者の一人でございますが、特に三つの点において全く私は同感でございます。
その第一は、この生長の家の運動は何と申しましても、一つの大きな、また非常に純粋な愛国運動であるという点でございます。
吾々は人類愛ということを軽々しく申しますが、実際父母のないところの人間がないのと同じように、国を全く度外視した人間というものは考えられないのであります。然るにこの頃の所謂知識人の中には、親もない父もない母もない国もない、そして抽象的な人間というものがあるかの如く考えて、そういう人間の集りを人類であるというふうに考える考え方が、一番偉い考え方の如き誤まった考え方がございます。
そういうことは、まことにおかしいことに違いないと思うのでございます。
生長の家では過去三十五ヵ年に亘りまして日の丸運動、その他色々な運動を通して、谷口先生が愛国運動をされ当然のことながら日本の国をお互いに愛しましょうという、この気持を育てて頂きましたことに心から感謝するとともに敬意を表するものであります。
第二には、これも当然のことでございますけれども、生長の家の運動が終始一貫生命尊重の運動であることでございます。
私は私自身の生命をまた私は皆様方のその生命というものを、心から尊重し、愛し合い、慈しむところに、世の中の本当の楽しみ、或いは意義というものがあると思います。
これも当然でございますけれども、谷口先生が過去三十五ヵ年余にわたって、この尊い教えをされて日本の国民の行くばき道をお示しになされたことに対して、深い敬意と感謝の念を表したいと思うのであります。
最後に、私はこの生長の家の運動は一つの宗教運動でございますけれども、排他的な運動ではなくして、総合的な調和的な運動であると考えます。
世の中には色々の宗教がございます。この生長の家は、キリスト教も仏教も神道も讃美しておられる。私は色々と意見の相違はあるかも知れませんけれども、あらゆる宗教、また単に宗教に限らず、あらゆるものの考え方に対して、謙虚な気持をもって、その美点を讃美し合うという気持が、これが平和の基礎ではないかと存する次第であります。
私はこの生長の家の仏教もキリスト教も神道も、みんないいところを讃め合うという精神が、まさにこれは良い意味において日本人の典型であるとともに、かくすることが人類の理想ではないかと存じます。
私は以上の三つの点において、皆さま方が終始一貫、谷口先生のよき御指導の下に、これを一層続けていただくことをお願いし、次に生命尊重の運動も今後一層発展させていただくこと、最後にまたあらゆる宗教と協力して、その宗教との間の調和をはかっていただくこと、この三点に対して一層の御発展をされることをお願いし且つ希望するものであります。・・・
『光の泉』誌 ４０年２月号
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