[194] 第一回 世界平和祈願御巡錫に先立ち 谷口雅春先生の御決意 |
- 童子 - 2013年05月06日 (月) 07時07分
「私の人類光明化・世界一周講演旅行の目的」
私は世界各地にいる多数の生長の家信徒達の、生涯に一度だけでも直接私の講演を聴いたり、私に会ったりしたいという切なる希望に動かされて、アメリカ、カナダ、南米、ヨーロッパの各地に世界一周旅行をすることにしたのである。
この他にも、リリジャス・サイエンス本部教会のホルナディ博士が今年日本へ来たとき氏と直接お話したことによって、私はリリジャス・サイエンスの信仰・思想が、生長の家と全く同一であるということに深い感銘をうけたのである。
そして私は世界平和の促進のために、海外講演旅行が必要であると感じたのである。私は真理運動を行っている吾々が、単なる個人の治病に止っていてはならないという急迫した要請を霊感したのである。
吾々は、世界的組織を持つ真理運動の総動員を行い、世界平和に絶対必要な「人類の潜在意識の浄化」のためにもっと広汎な教化普及の努力をし、更に世界の政治家や、学者や宗教家に訴える努力をしなければならないのである。
ユネスコの宣言文にとりあげている様に、戦争は先ず「人間の心」に発生し、次いで現象世界に顕れるのである。戦争を防止するためには、人間の心の中に「一つの神から生れた一つの人類」 ―― 即ち「人類は兄弟だ」という思想を徹底的に銘記させることが絶対必要である。戦争は、人類意識の自己処罰から生れるのであるから、人間は罪の子であるという偽の信仰を除き、人間は神の子であるという、即ち原罪なき清浄受胎ということの自覚を通して、本来自己処罰の必要なしということを徹底的に人類の潜在意識に銘記させるということは至上の重要性を持つのである。
これを実現するために、「一つの真理」という同じ信仰に生きる吾々は、一つの強力な集団となって吾々の運動を推進すべきであると私は確信する。それは人類に世界平和をもたらすためには、全人類の思想と信念を一変させることが、現在至急に必要だということに基くのである。
私は亦、世界人類の前に、広島や長崎の原爆に曝されても傷一つ受けなかった人達の実例を証人として挙げたいと思う。この人達は「人間・神の子」の自覚の深化によって「人間・罪の子」という惑いの観念を払拭したことによってかかる奇蹟を顕したのである。
私はアメリカとソヴィエトとの関係が、やがてどの様に発展して行くか知らない。しかし、たといこれが、原水爆戦争を発生させるようなことになっても、「人間・神の子」という本当の信仰を持っている人はいつも神の愛に護られ、何の害も受けないであろうということに、私は一点の疑念も抱かないのである。
貴方がたに私の愛と好意と祝福を送り、この講演旅行が貴方がたの国と日本との有効関係を深めるに役立つよう祈念するものである。
英文『生長の家』誌 1962年(昭和37年)11月号 (『生長の家50年史』より)
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