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[31] 他のと続いているようで別物 ボリニパ?
ビター - 2007年03月07日 (水) 20時35分

目の前の、無駄に髪の長い男と威嚇し合う。
5年見ない間に何故かチンピラ臭さが板に付き、かつての様子を知っていても怯みそうになる。
ふとそこに糸口を見出した。
「てめー忘れてねぇだろうな。オレはてめーの過去知ってんだぜ?」
奴の目つきがさらに剣呑なものになる。
構わず続けた。
「隊長にバラされたくなかったら言動にゃ気を付け」
「うるせぇって。言いたきゃ言えば。オレが売りやってる事くれぇ隊長は知ってんだよ」
「何?!」
聞き捨てならない事をさらりと言われて二の句が継げなくなる。
身を乗り出され、後退るしかない。
「お前ともまたする?良いぜ、しても。このナリじゃ無理だろうけどな」
両二の腕を掴まれる。
「ちょ、待っ」
不穏な笑みが近付いてきて思わず目を閉じた。
唇が柔らかく触れ合う。
濡れた感触が唇をなぞって離れていった。
「て、てめー、」
動揺もあらわに言い募りかけて、言葉に詰まる。
俯いていた。
表情が見えない。
戸惑っていると、急に顔を上げ一言。
「何か食うか」
「腹減っただけか!」
突っ込んではみたものの、今しがた言葉を失わせた違和感は拭えなかった。


「隊長ー、煮込みラーメン出来たんで伸びないうちに食っちゃってください」
「おう、今行く」
器によそわれ湯気を立てているものが、座ろうとしている隊長の前へ。
「ほらよ」
残りを鍋ごと寄越してきた。
「てめコノヤロウ何だこの扱いの差はァ!」
「お前の分は?」
「さっき食ったんで。じゃオレちょっと出てきます」
食うかと言ってから今まで、奴は何も口にしていない。
さらに文句を並べ立てるはずが、その事に引っかかりを感じ結局言いそびれる。
舌打ちし部屋の中へ視線を戻す。
旨そうな匂いを漂わせている鍋が目に入った。
結局食欲に負け手を伸ばした時、フォークを器用に弄んでいる隊長と目が合った。
「慣れないうちは多分その方が食いやすい。あいつなりの気遣いなんだ、分かってやってくれ」
「しかし隊長!」
隊長の方へ乗り出した時、外を歩く奴に気付いた。
気安げに男に話し掛けられている。
部下達が職質をした時とは大違いだ。
間もなく二人は連れ立って歩き出した。
男が奴の背中に手を添えた、その手を奴がさりげなく退けた。
その行動が逆に、二人の関係性を浮き彫りにする。
「どうした?」
隊長の声で我に返る。
「あ、いや、」
自分の視線につられ後ろを見ようとする隊長を、何故か止めようとした。
当然、引き止める言葉など持っていない。
隊長が振り返った時には男の半身と奴の長い髪が見えただけだったが、それと気付くには充分だったらしい。
隊長の表情が僅かに変わった。
十数歳そこそこの少年であるはずのその横顔は、酷く大人びて見えた。





 覆い被さってくる男に伸ばしかけた腕を、シーツに落とす。
 そうして心は過去へと向かう。
 あんなのだけどそれでも、隊長の次の次の次くらいには、──。



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